501 :劣等感 ◆vha3FDwXe6 :2010/05/27(木) 00:09:19 ID:EEDmV8oT
俺はお前のことが嫌いだ。
何でもできるお前が嫌いだ。
お前が一位で俺が二位。
毎日毎日みんな口では言わないが心中ではそう思っているだろう。
「……」
だから、こうやって狭い部屋の中一人でパソコンとにらめっこしている方が気楽でいい。
それでも、お前は
「おい。いつまで引き篭もってんだよ!!しまいにゃキノコが頭に生えてくんぞ!!さっさと出てこいよ!!」
俺を引っ張り出そうとしてくる。
「いやだ」
「いやだじゃねえ!!一緒に学校行こうぜ!」
ドンドン、と乱暴に部屋のドアを叩いてくる。
「ドアが壊れる。やめろよ」
「やめない。なあ、光(ひかる)出てこいよ……」
「うるさい」
「……そうか。わかった……」
そういって去っていく足音が微かに聞こえた。
ざまあみろ。さて、ネットサーフィンの続きでもs……

ドガァァァァアァァアアン!!!!

「!?」
何事かと思った。
「不条 光(ふじょう ひかる)。お前、いつからそうなった?いつからこの真玄院 桜土(しんげんいん おうど)に楯突けるようになった?」
答えは簡単。幼馴染であり、桜土が部屋のドアを蹴破っていた。
「この狭い空間で何が視える?何をしたいんだ?」
「………」
呆然とする俺を無視するように話を続ける。
「もっと大きな視野をお前には持ってもらいたい。こんなところじゃなくてな。そうすれば……」

-この私がどれだけお前に相応しいか判ってくれるだろう-

差し出す手、歪む妖艶な唇。
その様はまさに小悪魔……だな。

天井を見上げながら引き篭もり生活は一日目でめでたく幕を閉じた。 つづく、と思う
最終更新:2010年05月27日 08:04