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477 :溶けない雪 [sage] :2007/11/26(月) 19:25:36 ID:MLwnsq7n
8
カーテンを開ける。
カーテンを開けた瞬間に差し込む健康的な光。
天気は、今日の幸先の良さを思わず感じさせる程の晴天だった。
ベッドから本格的に起き上がり、
始めに感じたのはとてつもない空腹感。
凄くオーバーなリアクションを取るとしたら、
ベタだが死にそうな位と言いたくなる程に、お腹が空いていた。
考えてみれば、昨日の夜から今日の昼まで何も食べていない。
お腹が空いているとなればやる事は一つしかない。
携帯をポケットにしまい、一階の冷蔵庫に向かう。

短い廊下を通って、階段を降りる。
階段を降り終わると、直ぐに目的地、リビングに着いた。

リビングと聞くと賑やかなイメージが自分の中ではあるのだが、
今自分の視界に入っている居間の雰囲気は、賑やかとは到底言えない静けさだ。
「またいないのか………」
誰に言うでもなく一人呟く。
ただ、口から溢れただけの声は、リビングの静けさの中で反響した様に聞こえた。



柄にもなく久しぶりに感傷に浸ってしまったお陰で、本来の目的を忘れる所だった。
今はさほど気にしていない静かな居間の中央を通りすぎて、キッチンにある冷蔵庫へ向かう。
何かないかな?と思い、冷蔵庫を開ける。
幸いにも、鮭が入っていた。



昼ご飯を食べ終え、暫くボーッとしている。
ボーッとしている内に、眠くなってきてしまったので、
そのまま、カーペットで保護されている床に体を倒す。
と同時に、ポケットの辺りに圧迫感を感じる。
何だ?と思いながらポケットから何かを出す。
あぁ……
そういえば携帯をポケットに入れていたんだっけ……。
ポケットから取り出した携帯をじっと眺める。
水無月さんのメールの事を忘れていたわけではない。
ただ、考えるのを後回しにした。
それだけの話だ。

携帯の受信ボックスは再度見る。
そこに書かれている差出人は全て水無月さんだ。
「何でだろうなぁ…………」
そう呟きながら、さっき見ていなかった残りのメールを見ていく。




478 :溶けない雪 [sage] :2007/11/26(月) 19:26:42 ID:MLwnsq7n
見ていく事で、ある事に気が付いた。
全てのメールが、30分の間隔で送られている。
妙に律義というかなんというか……
そしてもう一つ気が付いた。
メールが約12時頃に終わっている。
これが意味する事は何か。
確か僕はメールで寝る時間帯は12時だと答えた。
そして、水無月さんの少し異常とも取れるメールの数。
30分間隔、12時にピタリとメールを送るのをやめている。
つまり、水無月さんは少なくとも普通にメールを送っていたという考えが浮かぶ。
その普通が、少し異常なのが問題なのだろうけど………


考えても、これからどうすればいいのかが分からない。
無視しようかとも考えたが、結局そんな事は出来ず、
水無月さんに昨日のメールの返信をする事にした。
(ごめんね、昨日は早く寝ちゃってた(汗))
嘘は付いていない。
色々理由はあったのだけど、早く寝たのが一番の理由なのだから。
昨日のメールの返信なので、届くまで時間が掛かると予測したねで、
それまでの間にテレビの電源を入れようと立ち上がった。
立ち上がったのだが、床に置いた携帯から着歌が流れたので直ぐに腰を降ろす。
さて………、差出人は水無月さんだった。
もしかしたら水無月さんは携帯を常に自身の回りに置いているのかな?
などとおぼろげに考えながら、返ってきたメールを見る。
(そうだったんだ……いきなりメールが戻ってこないから心配しちゃったよ)
心配………か

僕が少し考え過ぎていただけだな…………
何でもかんでも僕は深く考えすぎるんだよ。
深く考えるという事は、日常的にはあまり意味がない事だ。
お陰で昨日なんかはトラックに轢かれそうになったし。



(本当にごめん(汗))
分かっていて返信をしなかった事もあって、もう一度謝罪のメールを送る。
今度も大して待たずに返信がきた
(うーん………じゃあ、お詫びという形で買い物に付き合ってくれないかな?)
(それ位なら全然構わないよ)
誘いのメールを即座に受ける。
ちょっとした罪悪感と、どうせ今日は暇だからだ。
(じゃあ、2時30分に繁華街の北入り口で)
(了解)
メールを送り、携帯で現在の時刻を確認する。
携帯に表示されている数字は1と50、



479 :溶けない雪 [sage] :2007/11/26(月) 19:27:17 ID:MLwnsq7n
つまり1時50分だ。
ここから繁華街に着くまで6分程度、充分に時間はある。
準備は先に済ませてしまおう。
使用した食器を片付け、2階にある自室に向かう。
廊下を一歩、一歩と進む毎に足元から木が軋む音が聞こえる。
足元から軋む音が聞こえる度に、床が抜けやしないかと冷や汗をかく。
簡単に床が抜けるわけがないと分かっていても、そう思ってしまう。
何より、さっき通った時は鳴ってなかった気がするんだけどな………

ひやひやしながら廊下を通り、階段を登る。


自室に入り、着替えを済ませる。
着替えが終わった頃には、時間が2時を回っていた。
「うーん……」
待ち合わせの時間は2時30分、
今の時間は2時近くだ。
「今から行くか……少しのんびりしてから行くか………」
今は寒い季節ではなく、これから歩いて10分頃には着く。
約束は30分からなので20分位待つという事になる。
しかし、のんびりしてギリギリ位に行けば相手を待たせる事になる可能性もある。

「………行くか」
結局、今から出る事にする。
少し待つ位、別にいいじゃないか。
そう考えて、薄着で外に出る。

徒歩で歩くこと約6分、水無月さんとの待ち合わせ場所に着いた。
待ち合わせ場所には、
誰が作ったのかが全く分からない、犬と人間の像が中央に建てられていて、
像の近くには、ところどころにベンチが設置されている。
やはり少し早すぎた様で、まだ水無月さんは来ていないみたいだ。
辺りを見回すと、待ち合わせ場所としてはそこそこ人気なのか、それなりに人が集まっている。

再度時計を見る。
現在2時8分。
多分あと10分位で水無月さんは来ると思う。
とりあえずはベンチに座って待つ事にしt
「約束20分前行動とは、感心しますね」
ベンチに腰掛けようとした時、背後から声をかけられた。