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6 :囚われし者:2010/06/03(木) 20:00:32 ID:NP9HIF1y
「じゃあ、行きましょうか兄さん。」
翌日、優はニコニコとしながら僕の手を引き玄関をでた。
「あのさ、やっぱり・・・」
「兄さん、くどいですよ。」
「うっ・・・」
そうはっきり拒絶されると逆らえない僕である。
「そうですね、今日はちょっと街のほうまで出てみましょうか。」
「えっ、でもさほら、誰かに見られたりしたら・・・」
「嫌なんですか?」
「えっ」
「だから嫌なんですか。私と一緒にいるところが見られたら。」
「・・・嫌じゃ・・・ないです。」
とても恥ずかしいとは言えなかった。
「今日はめいいっぱい遊びましょうね、兄さん。あの女の事なんてどうでもよくなるくらいに。」
思いっきりの笑顔で僕と腕を組みながら駅へと向かった。


7 :囚われし者:2010/06/03(木) 20:00:58 ID:NP9HIF1y
「お誕生日おめでとう綾華君」
ここ穂積台(ほずみだい)一番の豪邸である周防家では盛大なパーティーが開かれていた。
「いやぁ、この前生まれたばかりだと思っていたらもう立派なお嬢さんだ。」
「そんなことありませんわ、先生。」
適当に祝いの言葉受けながら、その目はただ一人を探していた。
(おかしい・・・全然見つからない・・・もしかして着てないんじゃ・・・)
今までは会場に入ると、知り合いもいないためずっと私のそばを離れなかった奨悟。
それが今年は全く見当たらないのだ。
「お誕生日おめでとう綾華ちゃん。」
「おめでとうございます。」
「あ、おじ様、おば様ありがとうございます。」
そこへ声をかけてきたのは先程から探している少年の両親だった。
柏城勉(かしわぎ つとむ)と柏城 陽子(かしわぎ ようこ)だ。
二人は根っからの研究者で非常に優秀なのだが、その代わりというか、良く言うならばおおらか、悪く言えばものすごく天然な人達だ。
「あの、奨悟君は今日着てないんですか?」
「あれ、着てなかったのかい気付かなかったなぁ。ハハハハハ」
(ハハハハハハ・・・じゃないわよ!)
自分の雇い主の娘の誕生日会に、招待されているハズの息子が居なくても気づかないこの二人とは、もう話をしても無駄だとわかった。
「じゃあ、私はちょっと電話してみます。」
「あぁ、よろしく頼むよ。うちの息子もバカだねぇ、タダでこんなにおいしい料理が食べられるっていうのに・・・」
「お父さん!はしたないですよ!」
(だめだ・・・この二人は・・・)
改めて無駄足であったことを実感させられたが、そんなことはどうでもいい。
とりあえず電話をかけてみることにした。
「PRRRRR・・・・・ガチャ」
「あ!奨悟!今どこで何してるの!?」
「何のようですか。」
声の主は予想に反して携帯の持ち主ではなく、その妹であった。
「あんたこそ何よ。なんであんたが奨悟の携帯とってんのよ!」
「あぁ、今兄さんは私とデート中ですからね。」
「デート・・・中?」
「そうですよ。兄さんはあなたの誕生日より私を選んだ。それだけです。」
「何言ってるのよ!!ちょっと奨悟に変わりなさいよ!」
「嫌ですよ。兄さんは私とデート中なんですから、水をささないでくださいね。ガチャ」
そう言うと電話は切れた。
周防綾華は困惑していた。
確かに今まで奨悟にはシスコン気味ではあった。でもまさかデートだなんて・・・
例えデートがあの娘の戯言だったとしても、今私のところではなく、あの娘と一緒にいるのは動かない事実なのだ。
「許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。」
まるで呪文を唱えるかのように呟く。その顔には一切の感情は浮かばない。
まるで能面をかぶっているかのような少女は、ただひたすらに電話をかけ続けた。



8 :囚われし者:2010/06/03(木) 20:01:25 ID:NP9HIF1y
「ただいま。っとどうしたの優?」
駅前のカフェでトイレからかえったところなのだが、優はとてもご機嫌そうだった。
「いえ、なんでもありませんよ。」
そうニコニコとした笑顔をこちらに向ける。
「そういえば兄さん。女の子とデート中に携帯は禁止ですからね。兄さんの携帯は私が帰るまで預かっておきます。」
「デートって・・・これは・・・」
「女の子である私と二人きりなんですから、これは立派なデートですよ。」
デートと言われて僕も急に恥ずかしくなった。
「ちっ・・・違うよ!これはデートなんかじゃ!」
「デートではなくてはなんですか?」
優の顔からはさっきの笑顔はなかった。
「あ・・・嫌、やっぱりデートだね。」
「そうですよね!兄さん。」
優は笑顔に戻っていた。
「じゃあ、行きましょうか。そうですね次はペアリングでも買いに行きますか。」



9 :囚われし者:2010/06/03(木) 20:02:22 ID:NP9HIF1y
翌日、僕は周防家にいた。
昨日はあの後、街なかをめぐって帰宅した後携帯を返してもらった。
着信102件 メール65件
そこには普段では・・・というか通常ではありえない表示がされていた。
すぐその後に電話をかけ直して電話に出た綾華に言い訳をしようとしたのだが・・・
「もういいから。とりあえず明日私の家に来て。」
ただその一言だけ発して電話は切られた。
そして朝、着替を終えて周防家に向かおうとで家をでると、すでにスタンバイしていた周防家のお迎えによって半ば拉致されるような形でここに連れてこられたのだ。
「ねぇ。」
「ハイ!」
「何か言い訳でもある?」
きっと昨日のことだろう。僕は必死に頭を巡らせる。
「きっ・・・昨日はそう!熱がでてさ!それで行けなかったんだゴメン!電話とかしようと思ったんだけど頭が朦朧としちゃってさ!」
「そう。それでもう熱はいいの?」
うまく・・・誤魔化せたのか?・・・
「あぁ、もういいよ!一日寝たからすっかり元気だよ。」
「そうそれは良かったわ。」
良かったなどと言いながら、表情はまったくなかった。
それにしてもこの部屋は異常に熱かった。
今は6月に入ったばかりとはいえ、もう暑くなってきているにもかかわらずガンガンに暖炉がついていたからだ。
「あの、綾華さんこの部屋暑くないでしょうか?」
「あなたの体を思ってよ。病み上がりの体じゃ寒いよりも暑いほうがいいでしょう?」
「あっ・・・はい・・・」
「そんなことよりね。」
今日初めて、綾華から話をふってきた。
「あなた、自分の立場って考えた事ある?」
「僕の立場?」
「そう、普段はね、意識していないと思うけど。私とあなたは対等じゃないの。」
意味がわからない。
「どういう意味?」
「もし、私があなたにレイプされた、なんてお父様に言ったらどうなると思う?」
綾華のお父さんである現周防家の長であり、周防製薬の社長でもある人は綾華には激甘だと有名だ。
「きっと、あなたのことを許さないわ。それだけじゃない、あなたのご両親もきっとここにはいられなくなるでしょうね。」
ハッとした。
「あの人の良いご両親だもの。ここを失えば一体どうなるのやら・・・」
そんなの目に見えてる。
人を疑い、人を出しぬくことができないあの人達がここまでやってこれたのも、そういう性格を知ってそれを受け止めてくれた周防製薬があってこそだ。
ここを追い出されれば腐っていくのは一目瞭然だ。
「ごめんなさい、綾華、もう次はすっぽかしたりしないし、何でも言うこときくから・・・」
僕は必死だった。研究熱心であまり家には帰ってこなかったが、僕たちのことをずっと考えてくれている両親だ。
ここで下手なことを言うと、その両親を悲しませることになる。
それだけは避けないと。
「でもね、私と奨悟の仲だからね。ある条件を飲んでくれれば許してあげないこともないわ。」
「条件?」
「そう、あなたはこれから私の所有物。まぁ、下僕になればいいのよ。」
「げ・・・下僕?」
「そうよ。」



10 :囚われし者:2010/06/03(木) 20:02:48 ID:NP9HIF1y
突然の提案に驚く。
「下僕っていうのは、具体的に何をすればいいの?」
「簡単よ。ずっと私のことだけを考えていればいいの。」
「綾華のことを・・・」
「そう。私のことを思って、私のために行動して、私のを喜ばせることがあなたの悦びになるの。」
いかにも余裕でしょ?っと言いたげな表情だ。
「わ・・・わかったよ。」
「良い子ね。やっぱり奨悟は物分りはいいわ。じゃあお願いしてみて。」
「お願い?」
「そう、私にお願い・・・懇願するの。下僕にしてくださいって。」
「べっ・・・別にそこまでしなくても。」
「奨悟!」
「わかったよ。えと、僕を綾華の下僕にしてください。」
ここまで言うと、綾華のさっきとうってかわって満面の笑をうかべた。
「良いよ!奨悟。じゃあ早速私の所有物になったんだから、名前を書かなくちゃね!」
「なっ・・・名前?」
「そうよ!」
彼女がパチンと指を鳴らすと、左右から屈強な男二人が現れ、僕を押さえ込んだ。
「ちょっ・・・何するんですか!綾華助けて!」
綾華はそんな僕を無視して暖炉へと歩いていく。
「今日はね、あなたのためにこの暖炉つけてもらったの。」
そう言いながら、綾華は暖炉から火かき棒のようなもの引き抜いた。
しかし、それは火かき棒ではなく、焼印だった。
「ねぇ、嘘でしょ?冗談だよね?いくらなんでもそれは・・・」
「だって、自分のものに名前を書くのは当たり前でしょ?」
さも当然かのように、熱された鉄を持ち近づいてくる綾華。
「やめて!お願い!そんなことしてくても僕は綾華のモノだから!」
「嬉しいことを言ってくれるわね。でも私はきちんとやらないと気がすまないタイプだから。」
綾華は薄ら笑いを浮かべながら僕の後ろへまわり、僕の服を引き裂いた。
僕の背中があらわになる。
「やめて!お願いだから!」
「そうねぇ、あの小娘にも見えるようなところがいいから・・・うなじでいいわね。」
「いやだ!!!やめろ!!!!」
全身に雷が落ちた。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
この日僕は、綾華の所有物になった。