412 :非日常の日常:2010/07/06(火) 18:37:21 ID:Yuyxd1kI
二人が眠りについた頃、たくさんの薬品や研究機材が置いてある部屋で一人もくもくと研究をしている人物がいた
「ふむ・・・・・これはすごいな・・・・・」
修羅はあの時雄介から採取した血液を入念に調べていた
ぱっと見ではただの血液なのだが修羅には違うように見えるようだった
「最初のときに採取したときと比べて・・・・・すべてにおいてが変異している・・・・か」
数々の血を見て浴びてそして『飲んできた』修羅にはかなりわかるのだろう
「そして・・・・あの腕から感じるあれは・・・・・・・遺伝は本当か」
修羅も聖城とは違うタイプではあるが体などを変形させることができた
今来ているパワースーツらしきものも体をそう変形させたものである
そして修羅の場合、硬くはできても聖城のように鞭みたく柔らかくする事はできなかった
修羅はそこが改善できればと訓練を重ねて数多くの薬を開発し自分に使ってきた
声はその代償のひとつである
だがその努力ほどの成果は出ずに精々腕を逆に曲げるぐらいまでしかできなかった
それ故に今は諦めて硬く変形させることに集中して訓練をしている
そしてなぜ修羅が聖城を慕っているかは過去の惨劇に関係していた



413 :非日常の日常:2010/07/06(火) 18:38:16 ID:Yuyxd1kI
時は13年前に遡る
そこは小さな王国で修羅はそこの王の娘として大切に育てられた
修羅は優しく育ちどこかの王族の王子と結婚し幸せに暮らすかに思われた
だが・・・・現実はひどく厳しく血に染まった
「姫!早くこちらに!」
そう親衛隊の一人が誘導し隠し通路を使って逃げていた
「くそっ!やつらはすぐそこまで来ている!」
「なら俺が足止めをしておくからその間に行け!」
「頼んだ!」
そう言って親衛隊の一人が後ろにいる敵に向かって剣をかざし言った
「われの名はガルス・ジャルス!貴様らはここで血に沈むのだ!」
「はっ!言ってくれるぜ!細切れにしてやるよ!」
そう・・・・・・修羅の夫となるだろう者の王国の兵士が言った
「死ねぇぇぇぇ!!」
そして兵士は輸入したと思われるAK-74をガルスに向かって発砲した
「そのような鉛球なんぞ効かぬ!」
ガルスが地面に剣を刺した瞬間、目の前を石の壁ができすべて防いだ
「くそっ!封鎖されたぞ!ダイナマイトだ!」
向こうで慌しく動いている気配がする一方で
「これでしばらくは時間稼ぎできるが・・・・・・・どうしたものか」
ガルスは一度だけしか石の壁を作れなかった
それはつまり壁が爆破された瞬間死を語っていた
「姫・・・・・どうか気をつけて・・・・・」
その瞬間壁が爆破され銃弾がガルスの体へと当たり肉という肉が削がれ血と言う血が辺りを染めた
「ガルス!」
修羅は戻ろうとしたが親衛隊の一人に止められた
「だめです!ガルスは命を懸けて姫を守ったのです!今戻ってはその命が無駄になります!」
「いや!ガルスを助けるの!」
「姫!」




414 :非日常の日常:2010/07/06(火) 18:38:51 ID:Yuyxd1kI
ズダダダダ!
「ぐはっ!」
「あっ!」
親衛隊の一人が倒れ、兵士がぞろぞろとやってきた
「まったく手間をかけやがって」
「あっ・・・・・」
そう言って兵士は値定めするように見ると
「中々いい女じゃねぇか、殺す前に一発俺の種を植え付けてやるか・・・へっへっへ」
そう言って服を破きその場にいる兵士の全員に犯され、ボロボロになった
どれだけ泣き叫ぼうと口に男のモノを入れられ、どれだけ抵抗しても無理やり抑えられた
「くっくっく・・・・・いい感じに締まってよかったぜ?じゃあこれで終わりだ」
そして拳銃を取り出し頭に狙いをつけ引き金を引く瞬間
「うっ・・・・・・うわあああああああああああああああ!!!!!!」
兵士はそのまま後ろへと尻餅をついて動けなくなってしまった
何故なら修羅が・・・・・・・異形の者へと変わっていたからである
その後はその場にいる兵士はすべて原形を留めないほどにぐちゃぐちゃにされ外にいる兵士もすべて皆殺しにされた
そして修羅の姿が戻ると体全体が真っ赤に染まっていた
修羅は力が抜けて、その場で泣いた
泣き叫んでも誰もいなかった
それはこの王国の人もすべて修羅が殺してしまったから
殺している間は慈悲も何も・・・それどころか快感まで覚えていた
そうして泣いているとひとつの人影が見えた
修羅が顔を上げるとそこには漆黒の闇を身にまとった聖城がいた
「あなたもその力に目覚めたのね」
言葉はわからなかったが自分と同じ・・・・・・・それ以上の禍々しいものを感じた
だがそれはなぜか安らげる雰囲気でもあった
「あっ・・・・・あっ・・・・」
「言おうとしなくてもわかるわ・・・・・私の名前は聖城美姫よ」
と自己紹介しながら近づき頭を撫でながら言った
「もしもすべてを清算したいなら・・・・・私と一緒に来てくれないかしら?」
その笑顔に魅入られた修羅はすべてを懸けて守ろうと修羅は思った
そして頷くと聖城は修羅を抱きかかえて歩きながら言った
「あなたを過去を清算するために・・・そして忘れないためにも新しい名前を与えましょう」
そう言いながら聖城は周りを見渡し考えて・・・・・・
「あなたの名前は・・・・修羅よ」



415 :非日常の日常:2010/07/06(火) 18:39:26 ID:Yuyxd1kI
そうしてそれからは聖城にその力の使い方などや言葉なども教わり徐々に力をつけていった
あの時はまさに一目惚れだったのかもしれない
この研究などもすべて聖城のために独学で覚えたものだ
資金などはすべて聖城が払ってくれた
聖城には本当に返しきれないほどの恩を受けた
だからこそ聖城の信頼を一気に勝ち取った雄介が憎かった
なぜあそこまで信頼されているのかまったくもってわからない
この甘ったるい国で育った根性の腐った男のどこが・・・・・
まったくもって理解できなく恨みに恨んだ
怒りにおそらく集中力が欠けていたのだろう
近くにあった紙の下にあるペーパーカッターで指を切ってしまった
「いっ・・・・」
普段は普通の人間と変わらないため簡単に切れてしまう
それに今は研究中なのである意味普通とも言える
自分の血を舐めながら雄介から採取した血を見た
そうすると何故か無性に舐めたくなったが、理性でどうにか押さえ込もうとした
「これはだめだ・・・・・美姫様に渡す大切な・・・・・・」
しかし結局好奇心とも言える感情に負けてほんの一滴ぐらいなら・・・・・と舐めた
「・・・・・・特に何もない・・・・・・・ってあれ?」
声が心なしか元に戻った気がする
「まさか・・・・・もう一滴だけ・・・・・・」
そして舐めるとやはりほんの少しだけ声が戻っている
そのことに修羅は喜びを感じ・・・・・・そして怒りがこみ上げてきた
「あんな男の血で治るなんて・・・・・とても許せん・・・・・」
しかしこれでこの血の効果がわかった
これを美姫様に・・・・・・と思ったが悪戯心がなぜか出てきて
「せっかくだから私の血も・・・・・数滴だけ混ぜようかしら」
そう言ってペーパーカッターで手首を切り数滴だけ落とした
その間の修羅の顔はどこか幸せそうだった


そのまま戻ってみると二人とも見事に熟睡していた
雄介にいたってはもはや爆睡とも取れるほどのいびきをかいていた
「むー・・・・・・」
どこか羨ましそうに見ていて・・・・・また悪戯心が出てきた
「こんな男の顔なんて・・・・・」
そう言いながらたまたま研究のときから付けっぱなしにしていたポーチの中から油性ペンを出して雄介の顔に落書きを始めた
途中で聖城が起きかけ固まったが起きないのを見てまた再開した
次に起きたときにどんな反応かな・・・・・と思いながら加絵のことについて情報を調べるためまた研究室にもどった
最終更新:2010年07月10日 18:39