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497 : ◆fyY8MjwzoU :2010/07/08(木) 20:03:27 ID:jvrutDJI
「さて我が校は毎年夏休み前に文化祭があるのだが……出し物決まっていないクラスはどこだ」
「ウチです」
 期末テストが終わりもう一ヶ月で夏休み。我が校では文化祭と一緒に終業式をする。
 俺的には準備期間に夏休みも加えて増やしてほしいという本音があるが学校側の予定だし仕方が無い。
 まあ祭りの準備期間になったため6時間目の授業は全部LHRに変わったのだが。いいのかこれ。
 そんななか俺たちのクラスはまだ決まっていなかった。
 一年前は即決したのだが今回は人形劇がいいとかお化け屋敷がいいとかという感じにまとまらない。
 そのため会長という権限を使い、生徒会室でクーラーを浴びながら考えているのだが。
「そうだな。我がクラスは今回は非常にまとまりが悪いというかやりたいものが多いというか」
「でもいいことだよ~。知り合いの~ところなんて~誰も意見出さなくて~やるものが俳句になったときがあったそうだよ~」
「それは嫌だな」
 せっかくの文化祭に俳句って……まあいいかもしれないけど盛り上がれないよな。
「まあそうしないためにも今第三候補まで書いたアンケート用紙の処理をしているんじゃないか」
 そういって会長は手元の紙に数を書き込みつづける。喋りながら出来るのはすごいよね。
 俺も調べるのを再開した。えっと5番はたこ焼き屋、お好み焼き屋、焼きソバ屋。
 いかにも祭りの出店みたいなものだなー。
 それでー6番はタコ無したこ焼き屋、ロシアンルーレットたこ焼き、たこ焼き屋
 どんだけたこ焼き!? しかもタコ無しタコ焼きってお好み焼きを丸くしたようなものだよね! しかも第三候補が普通のたこ焼き屋!?
 突っ込みながら統計していく。とりあえず俺のほうはこのタコ三連続でたこ焼き屋が多くなった。
 もくもくと作業を続けとりあえず統計終了後俺のほうではたこ焼き屋が一番多かった。
「会長。俺のほうでたこ焼き屋が多かったです」
「そうか、さてどうするか」
 会長は紙を見ずアイスを食べていた。……横を見ると正敏も食べていた。あっれ……
「俺のぶんのアイスって無いのですか?」
「「ない」」
「俺のアイス生徒会専用冷蔵庫に二つ入ってたと思うけど」
「幻覚だ」
「そうだよね~」
「そうかー」
 気のせいか二人の持っているアイスが俺のアイスな気がするんだが。
「俺のアイス……」
「男がめそめそするな。ほら私の分の仕事あげるから元気出せ」
「わーいありが……ってなるか!」
 誰がアイスじゃなく仕事もらって喜ぶ奴がいるんだ。
「まったくバカだな。私の指紋つきだから私のファンクラブに売れば高値だぞ」
「まあたぶん~卓也の指紋ついたやつなら~価値は半減するとおもうけどね~」
「お前等グラウンドにでろや!」
 ここまでバカにされちゃ引き下がるわけにはいかない。
「いい度胸だな。私は手加減というものをいまいちわからないから本気でいくぞ。いいな」
「心のそこからごめんなさい」
 プライド何それ食べられる?


498 : ◆fyY8MjwzoU :2010/07/08(木) 20:05:13 ID:jvrutDJI
「さて~ミニコントもしたし~のど疲れたでしょ~。は~いコーラ」
「炭酸でノド痛くするよ!?」
「大丈夫だよ~。いらないなら僕飲むし~」
「もらう」
 ペットボトルの蓋をあけると炭酸の抜ける音が気持ちよく出た。コーラを一気に飲み込む。炭酸がノドに一気に来て少しむせかけたが気持ちよい。
「ぷは、少し炭酸抜けてるけどおいしいね。コーラは」
 いきなり正敏が頬を赤く染める。何が起きた。
「間接キスだね。卓也くん……」
 上目遣いの潤んだ瞳で俺を見つめてくる。さすがに悪いことしたな……
「って! 別に男同士だからいいだろ! キショイ!」
 というか開封済みだったのか!? あ、さっき蓋開けるとき硬くなかったから……はめられた!
「キャ!」
 肩を掴むが勢いあまって床に押し倒してしまった。
「あ、悪い」
「先輩……無理やり押し倒すなんて、僕……」
「『お前が火をつけたんだろ?』俺はそういうとYシャツの第一ボタンをあける。男とは思えない柔肌が……」
「会長自重! BL小説みたいな文をいれない!」
「そのままのながれでいってしまえばよかったのに」
 会長ってBL趣味があるのか? ちょっと悲しくなってきたよ。
「僕は……いっても、いいよ……」
「お前は黙れ! あ、いやいいや。めんどい」
「そうだ~。BL喫茶って~どうかな~?」
「真面目に考えやがれ!! というかやっぱ黙ってろ!」
「ならコスプレ喫茶で。はい決定」
「俺の意見は徹底的に無視ですか!? それにお前らの思考は本当にアブノーマルだなおい!!」
「いやそこまでアブノーマルじゃないと思うぞ」
「そ~だよね~」
 何いってるんだろう。確実に普通の人の感覚ではないと思うんだが。
「とりあえず~コスプレ喫茶は~服を自前にすれば~みんな~乗り気になるよ~。ノリとかいいし~負けず嫌いな奴が多いから~」
「だろうな。お祭り好きでもあるからな我がクラスは」
「そうだな。俺もそう思うよ」
「その筆頭は~卓也~だけどね」
 俺が筆頭……なぜに!?
「その筆頭は会長だろ! いや正敏か」
「私は文化祭であんな格好をしない」
「あれは俺は何もしていない! 女子と正敏が勝手に!」
「何言ってるの~たはは~。自分は~ただ卓也をスタンガンで気絶させたあと裸にひん剥いて女子の制服に着替えさせかつらもかぶせて化粧しただけだよ~」
「それが原因なんだよこのクソ野郎!」
 こいつって本当に俺の友達なのか疑うときがある。
「でもさ~起きたら~普通気づくと思うんだけどね~そのまま学校を~歩いて~『可愛い女子を探せin文化祭』に~引っ張られて~体育祭のステージで全力でアニソンを歌った卓也が悪いよ~」
「そうか……そうかもな。っていや絶対前半が悪いだろうが! しかもアニソンは歌ったら商品が出るって言ったから全力で歌っただけだ!」
「正敏ここのスペース開くんだが」
「そうだね~スペシャル席にすればいいと思うよ~。追加料金で指名者といろいろできる場所的な~」
 俺の訴えは無視ですか……
「しかし性的なものをしたらどうするのだ」
「もし性的なことをしたら知らせるアラームをつけましょ~。ボタンでポチッって感じの~。もししたら屋上に全裸でつるすことにすればいいと思いますよ~」
「その案がいいな。よしそれで行こう」
 なんか不穏な会話が聞こえる。会話をきらないとさらに変な方向にいく気がする。


499 : ◆fyY8MjwzoU :2010/07/08(木) 20:05:43 ID:jvrutDJI
「その前にそっちのアンケートはなんて書いてあったんだ?」
 たこ焼き屋の追悼代わりに聞いてもいいだろう。
「男子、新撰組喫茶をやりたい、軍人喫茶をやりたい」
 確かにコスプレ喫茶にするのが妥当かもしれない
「全裸喫茶をやりたい--以上」
 なんか斬新な……って
「最後おかしいだろ!?」
「次、女子」
「スルーかよ!?」
「書いた奴にきけ」
「ごもっともですよ、この野郎!」
「さて気を取り直して女子。メイド喫茶、執事喫茶、奴隷喫茶などなど」
「どれだけコスプレしたいんだよお前等! しかも奴隷って! というか一つのくくりでまとめていいだろ!?」
「喫茶店しか共通点ないじゃないか」
「十分だよ! 男子は戦争喫茶に女子は従者喫茶にひとくくりできるじゃねぇか!」
 会長はどんな方向に行きたいのか分からなくなった気がする。
「兄貴……いる?」
「おーういるよー」
 突然妹が尋ねてきた。いつものはっちゃけ度がないのでなんか違和感がすごい感じる。
「おやおやこれは妹様。麗しのお兄様は現在仕事中だからお引取りしてくれないか?」
 仕事中じゃないんだけどな
「いいじゃない、いたって……」
 珍しく妹が会長に普通に抵抗した。どうしたのだ。いつもならもっとねちっこい攻めするのに。
「ああ、いてもいいぞ。紅茶飲むか?」
「結構……」
 なんか妹がいつにもまして不機嫌だ。いつもなら嫌になるほど砂糖を紅茶に入れさせその紅茶を会長にぶつけるのに。
「ふむ、今日は茜は不機嫌だな。……さて私はこのコスプレ喫茶の案を先生に提出してくる。今日は茜もあわせて四人で帰ろうか。いいかな茜」
 茜はプイと横を向く。苦笑いをしながら書類を纏めて会長は出て行った。
「って勝手にコスプレ喫茶にするんじゃねぇ!」
 しかし声は返ってこなかった。クソ……間に合わなかったか。
「兄貴……兄貴ってさ、会長のことどう思ってるの」
 椅子に腰掛けた妹がいきなり変な質問をしてきた。どうしたんだ急に。会長か……会長は……
「そうだな。頼りになる人だと思うよ。性格はサドだけどね」
「そういうこと聞きたいんじゃないの……」
 なら何を聞きたいんだろ?
「まあまあ。そんなのどうでもいいじゃん~」
 妹の話をきって正敏は話しに入る。
「まっさんは平和そう」
 正敏も苦笑いをした。たぶんいつもの妹と違うからだろうな。なんか絶望しかけてるという感じかな
「うん平和だよ~。少しスリリングなことに首を突っ込みたいぐらいだしね~」
 少し妹は笑いすぐに暗くなる。
「それにしても卓也って鈍感さんだよね~」
 正敏はかばんから枕を取ってソファに横になる。
「それじゃお休み~会長来たら起こしてね~」
 正敏は睡眠に入ってしまった。え、なにこの罰ゲーム。この鬱妹と話すのって少し怖いんだが。
「兄貴……兄貴って私がどんなに汚れても妹に思える?」
 前と同じ問い。俺はどうなんだろう。妹がどんなに犯罪行為をしても妹だと思えるだろうか。
 うん。俺は思えるな。どんなに犯罪を犯していても妹だと。
「当たり前だろ。当たり前のこと何度も聞くな」
 頭を撫でると少し笑顔になった。俺は会長が戻ってくるまで妹の頭を撫でていた。妹は嫌がりもせずただ撫でられていた。