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611 :合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] :2007/12/02(日) 00:30:19 ID:JzYQw/N7
鏡の向こうの自分は、自分と同じ顔をして、自分と同じ行動をする。
私が笑えば笑うし、私が泣けば泣いて、私が怒れば怒る。
私と同じ顔をした私は、それでも別人。


「みなきはこうたくんを甘やかしすぎじゃない?」
友達が笑いながら言う。
「まあ、浩太くんくらいカッコいいと自慢でしょう?」
友達が笑いながら言う。

だから、笑いながら私も答える。
「うん、すごいでしょう。私よりしっかりしすぎてるから、心配なんてしないけど」
と。

白石 浩太は、私の従弟。でも、本当は、弟。
お母さんは、姑であるお祖母さんと争って負けて、お父さんと離婚した。私が3つの時。
その時、お腹にいたのがこーた。
お腹の中のこーたが男の子とわかった時に、お母さんは、絶対、お父さんのお家に知られない
ようにしようと決心した。
お父さんのお家は旧家で、お父さんは長男だったから、知られたら、絶対に姑にとられてしまう。
だから、自分のお兄さん夫婦に相談して、お兄さん夫婦の子供として籍に入れてもらった。
だから、こーたは私の従弟。子供のできないお兄さん夫婦は、こーたを自分の子供として、
可愛がって、可愛がって育てた。
家が近かったから、私達は、ずっと一緒にいた。
お母さんが死んでからは、1年だけだけど、一緒に暮らした。
でも、私が高校生、こーたが中学生になるまで、私達はお互いを姉弟だと知らなかった。

知っていればよかった。従弟だって思ってたから、ずっと…。
最初から姉弟だって知ってたら、きっと、こんな思いは抱かなかった。


612 :合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] :2007/12/02(日) 00:31:25 ID:JzYQw/N7
こーたが東京の大学に入学した時に、叔母さんから、こーたと一緒に住まないか、と言われた。
イヤだった。
こーたと一緒に暮らすなんて。こーたが毎日私の側にいるなんて。
弟なのに側にいるなんて、ずっと見るだけなんてつらすぎる。
でも、私は、東京の大学に進学していて、もう大学院への進学も決まっていた。
お祖母ちゃんとお母さんの残してくれたお金はあるけど、それでは足りない。
優しい叔父さんと叔母さんには、いっぱい迷惑をかけている。
仕送りの問題もあるし、私にそれを拒む理由なんてなかった。

私とこーたは一緒に住むことになった。3年ぶりに会ったこーたは、背も伸びて、信じられない
くらいにカッコよくなっていた。
こーたは優しかった。たまに友達と飲みに行く時以外は、私の料理を食べるために、毎日早く
帰ってきてくれた。友達と遊びに行く時も、必ず連絡をくれて、どんなに遅くなっても家に
帰ってきた。
「水樹一人だと、危なくて心配だから」
なんて言われた時には、嬉しくて死にそうになった。

でもわかってる。それは姉だから。
叔母さんが言っていた。こーたは私のことが小さい頃から大好きで、姉だと知ったときには、
本当に喜んだって。
こーたの「大好き」は「きょうだい」としての大好きなんだ。
私と一緒に住むのが嬉しそうなのも「姉」との絆を深めたいからなんだ。
だから、私は、大好きなこーたのために、ずっと「優しい水樹お姉ちゃん」でいる。
世話焼きで、ちょっとドジで、こーたが大好きで優しい、普通のお姉さん。
こーたに恋人ができたって、こーたが結婚したって、ちょっと泣いて喜んであげる、普通のお姉さん。
でも、今だけ夢を見させてね。毎日、料理を作って、お洒落をして、こーたに甘えて、世話を焼いて
あげる。お弁当だって作る。朝は優しく起こしてあげる。
まるで、恋人みたいな生活を、楽しませてね。



613 :合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] :2007/12/02(日) 00:32:51 ID:JzYQw/N7
こーたが酔って帰ってきて、ソファで寝ている時も、そっと毛布をかけてあげる。
こんな時は、本当は苦しい。
触りたいな、キスしたいな。こーたは眠っているから気づかないかな、といつも迷う。
でも、こーたが気づいたら、姉でもいられなくなってしまう。
だから、頭だけ、優しく撫でる。我慢する。ずっと、ずっと、撫で続ける。

あ、でも、頬ならいいかな。頬を撫でるくらい、姉でもするよね。
ゆっくりと、こーたの頬をなでる。すべすべしてる。男の子だから、ちょっとあぶらっぽいかな?
ゆっくり、顔を撫でる。小さなニキビが額にある。耳たぶも柔らかい。
唇に、ちょんと人差し指を当てて、我慢した。あんまり唇をゆっくり撫でるのは、姉じゃないよね。
顔だけじゃなくて、手とか、肩とかも、いいかな…。大丈夫だよね。変じゃないよね。
頬からゆっくりと肩へと手を滑らせる。細くてスタイルがいいけど、がっしりしてるんだ…。
肩をゆっくりとさすって、迷いながら、胸へと手を滑らせる。愛撫するようにではなく、ただ
確かめるだけのように、ぺた、ぺた、と触る。これなら、変じゃないよね。大丈夫だよね。
お腹をパンチするように小突いて、わき腹へと抜ける。くすぐったら、起きちゃうかな。ふふ。
ちょっとだけ、声が出ないように微笑んで、そのまま、手を握る。
ぎゅっと握ってから、指と指の間をゆっくりと撫でる。手の甲に指を滑らせて、もう一度、ぎゅっと
握る。
顔を、ゆっくりと手に近づけて、ほお擦りする。少し、変かな…。でも、お母さんも、小さい頃
こうしてくれた気がする。じゃあ、大丈夫だよね。
両手でこーたの手を握って、顔をあげ、こーたの肩に近づける。このままだと、ぴったり寄り添う
形になる。
そうしたい。でも、駄目。
こーたにキスしたい。でも、駄目。自分の息が乱れているのが、わかる。もうやめないと…。
ゆっくり、こーたを起こさないように手を離すと、立ち上がる。足早に自分の部屋の扉を開け、
飛び込む。
息が荒い、全力疾走したときみたいにハアハアしている。
こーたに触れた手。これがこーたならいいのに。
こーたの手が、私の体を触ってくれたら、私の手を肩を胸を全てを触ってくれたら…。
「ん…ちゅ…」
自分の手をゆっくりと舐めてみる。こーた、こーた…こーた…。
その手で自分の胸を触る。乳首をころころと弄ぶと、それだけで声が出そうになった。
クリトリスがじんじんする。私はまだ処女だから、中までは怖くて入れられないけど、ここの
快楽はすでに自分の指で知っていた。
こーたの指だったら…こーたが、私のここを、ゆっくりと触って、こんな風に…愛液を絡めて
ゆっくりと触ってくれたら、ああっ、ゆっくり…ゆっくり…ああ駄目、声を出しちゃ駄目、でも
ああ、溶けそう…こーたの指が、こーたに触れた指で、こんなことしちゃいけないのに、いけない
のに…。


ごめんね、こんなお姉さんで。でも、姉でいるから許してね。
そう思っていた、あの日までは。


「水樹、久しぶりだね」
こーたが、家に連れてきたのは、こーたのバイト先で一緒になったという、私と同じ顔をした
私じゃない女性。
21年間会っていなかったけど、すぐにわかった。
みずき。
高崎 瑞希。
だって、私達は、一卵性双生児だから。