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559 : ◆fyY8MjwzoU [sage] :2010/07/26(月) 13:49:52 ID:Gyf/E3lX
「というわけで我がクラスはコスプレ喫茶にすることに決まったのだがどうだろうか?」
「「「異議なしー」」」
 俺のクラスがおかしいのか。俺がおかしいのか……どうなんだろう。
「問題は料理だが。そうだな。コスプレするのが嫌な奴にやらせよう。それなら全員持ち場が出来るだろう」
 それなら全員持ち場あるだろうが人として間違っている気がしてならない。
「さてホール班が嫌な奴は手を上げてくれ」
「「「……」」」
「はい!」
「さてだれもいないようだな。全員ホールということになるな。まあ食べ物は仕入れていいだろう。一割高く売れば元はとれるだろうしな」
 若干想像していたけれど無視か……
「俺着たくないですよ!」
「副会長に拒否権なんて存在しない」
「横暴だ!」
 人権というものは存在しないのか? ここには。いや会長が絶対権力者か。
「まあ卓也弄りもほどほどにしておこう」
「始めからしないでくださいよ!」
 ツッコミをしてると会長はおもむろに肩に手を置き俺に言う。
「卓也……お前……私と正敏といるときは言葉遣い汚いのに周りに人がいると言葉遣いが汚くなくなるんだな」
「関係ねぇだろ今!」
 急に教室の中がざわめく。あ……つい素が出てしまった。
『聞いたか?』
『ああ、はっきりと』
『『『顔が女の子みたいだから似合わないよな!』』』
 お前等ミンチにしてやろうか……
「ほらあいつらも言ってることだし似合わないから私と正敏だけの時も少年っぽくツッコミいれてくれ」
「少年っぽいツッコミなんかわからねぇよ!」
 会長がヤレヤレと言いたそうにこっちをみる。なにその目。普通に解れよといいたいのか。
「まあ話が続かなくなる可能性があるからここで終わっておこう。次は衣装についての説明をする」
 手元にある紙を全員に渡し、全員に配られたのを見てから説明を始めた。
「あーここに書いてるのは服の規定だ。まず話すのは服の指定についてだが。服は自由。各自自分の魅力を最大限に生かせる服を準備する。基本的に服についての制限はない」
 そういうとなにやら紙をとりだした。なんだろうあの紙。
「この紙は投票用紙だ。ただコスプレするのはつまらないだろう。だから順位をつけることにする。男子と女子の一位~三位を決める。その人たちには賞品を用意しよう」
 その言葉で火がついたのかみんなの目が真剣になる。いやここ本気になる場面じゃないから。
「けれどもこの言葉で『優勝を狙うには!』と明らかに規制されそうな感じの服とか着るやつが出ると思う。そのため服の面積を書いた紙も提出してもらう。布の面積が規定より以下なら着替えと言うことで学生服とエプロンでホールになる」
 みんなゴクッとつばを飲み込む。いやいやおかしいだろう。なんでみんなこんなにやる気オーラ出しているのか解らない。
「さてもう一つ企画しているのだが」
 そういってプロジェクターでスクリーンに学校の地図を映し出す。っていつの間に用意したんだ。
「我がクラスはこの教室と音楽室が使えるのだが……食べ物は教室に置こうと思うのだが……その場合この第一音楽準備室と第二音楽準備室が空くことになるのだ。そこでだ」
 正敏がせっせとプロジェクターを止めスクリーンを閉じる。頑張ってるな正敏。
「特別サービス室を作ろうと思う」
 黒板に正敏がせっせと概要を書き始める。忙しいな正敏。
「例えば可愛い執事さんや可愛いメイドさんとおしゃべりしたい! という人がいると思う。その人たちために性的なことならダメだがおしゃべりや一緒に食べたりすることのできる部屋。それがこれだ」
 黒板にある概要に棒をとんとんとあてて喋り続ける。
「特別料金でこのサービスを利用することが出来るのだがこの指名率のナンバー1にも賞品をやろう。面白くなってきただろう。一人一回、同じ客は入れないというわけだ。時間も10分と固定にする。さぁどうなるのか楽しみだな」
 みんなが燃え始める。本当に勝負好きだな。このクラス。
「あ、ちなみに学内展示No,1になった場合、月島先生が焼肉食べ放題の店で打ち上げするそうだ。学内展示No,1賞の場合じゃ特製学食メニュー一ヶ月が食べれる。賞品一杯だ。勝つしかないな」
『うおぉぉぉー!』
 会長の一言にさらに燃え上がるこのクラス。今年の学園祭やばそうだな。腹的な意味で。
「さて男子は外装の準備、女子は内装の準備を頼む。くれぐれもケガをしない程度にな」
 会長の話が終わり男子は男子、女子は女子で別れ話し合う。よく納得したよな。こんな短い説明で。これも会長のカリスマなのか? いや全員バカなだけか。


560 : ◆fyY8MjwzoU [sage] :2010/07/26(月) 13:50:39 ID:Gyf/E3lX
「あ~たくやん~たくやん~茜ちゃんいるじゃん~」
「どうしたんだ妹が」
「詳しくは~解らないけど~ギャル男みたいな~肌が茶色で~髪が無くて~ピアスして~『俺様、超カッコイイ』っていうのが口癖の野球部の~いかにも悪いことするぜ~って感じの目のやつと~歩いてたんだけど~」
 うちの妹が野球部のチャラいハゲでナルシストな男と恋仲とは……
「そういう趣味だったのか妹よ……」
「う~んただの恋仲なら僕は何も言わないよ~でも~おかしいんだよね~」
「どうかしたのか?」
 いつもなら正敏はそういうの聞いたら放っておくからこういう風に言うのは珍しい。
「あはは~どうも~首輪みたいなのが首にね~」
 俺は手元にある正敏のカメラの映像を見る。確かに首輪のようなものが見える。あー可愛いな。日付は今日か。って!?
「これ盗撮じゃねぇか! しかもカメラの携帯は校則違反だぞ!」
「これは~敵情視察用のカメラ君~別に~やましい心じゃないよ~」
 確かにやましい心でとるなら更衣室だよな。というか正敏が性的な方面に走る気がしないな。
「でもこれ~もしかしたら~ラッキーなのかもよ~もしかしたら脅迫されてこんなのやってるかもしれないしね~」
「うーんでもこれだけじゃなんとも言えないな。もしかしたら妹のクラスは劇でそのためこんな格好という可能性もあるし」
「そうだね~茜ちゃんは~八方美人で明るく自分以外の仕事も~やる子だからそうかもしれないね~」
 やはりなんともいえないよな。
「帰ったら何気なく聞いてみるよ。ありがとな」
「どういたしまして~どういたしまして~」
 あれ? 何やるんだっけ
「そこのニバカ……仕事サボって何してるんだ?」
「「ヒッ!!」」
 俺たちは即立ち上がりすぐに走り出す。しかし正敏は腕を掴まれてしまった。ご愁傷様。
「正敏! 俺の代わりになってくれたんだね! ありがと!」
「あ! 裏切り者! 会長~この前~会長のプリン食べたの~たくやんで~す」
 こっちに般若が顔を向ける。
「卓也、覚悟は出来てるか?」
 いやあれ般若じゃなく修羅だね。今日は死亡するかもな~。あはは。


561 : ◆fyY8MjwzoU [sage] :2010/07/26(月) 13:52:01 ID:Gyf/E3lX
「うふ、今日も可愛いな。茜ちゃん」
「うるさい野球ハゲ! 兄さん以外にそんなこと言われても嬉しくない!!」
 なんでこんなことに……
「それにしても似合うな、首輪」
 なんでこんな男に……
「もう帰っていいでしょ! 首輪つけて学校歩いたんだし!」
「そんなので終わるわけが無い」
「な、なんでよ! 今日一緒に歩いたじゃない! それでいいでしょ!」
 私はこの男を殺したくなった。でも、でも……
「そんなんじゃ調教にならないよ。茜ちゃん」
 気持ちの悪い声が耳元でささやかれる。気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!!
「調子にのるんじゃないわよ!」
 私はこの野球ハゲを蹴ろうと思った。しかしカメラが突き出される。
「いいのかなーこの写真をばら撒かれても」
 そこには画像が荒いが兄のような人物が写っている。そう。兄ではない。それはわかっている。けれども……
「ブラコンの茜ちゃんには兄じゃないってわかったけど。これ他の人が見たら確実に……お兄さんだと思われるよね。そう--」
 この写真がばら撒かれると。どうなるか。そう兄さんの人生が閉じてしまう。
「--よくて停学、悪くて退学だな。『周りには優しく紳士的な彼は実は万引きしていました』って社会的にも終わっちゃうよな」
 兄さんは学校では人気がある。優しく行動的でどんなに苦しいときがあっても前向きに行動する。それが兄さんだ。
 女は私が兄さんには彼女が入るといったりホモだとか言ってみたりして諦めさせているけれどもこれは。
 それが崩れてしまったら。優しく紳士的な男という像があるからそれが崩れたときの批判は相当のものだと思う。
 兄は耐えれるかもしれないがボロボロになるだろう。そんなことにはなってほしくない……
「さてそれじゃ早速……そうだな。そろそろ性的なことしようか」
「え、い、いや!」
 近寄ってくる。ズボンのベルトに手を掛けながら。兄さん以外のものが私に……
「いや! よらないで!!」
 ニヤニヤしている。どうして。なんで。なんで。私に近寄るの!!


562 : ◆fyY8MjwzoU [sage] :2010/07/26(月) 13:52:41 ID:Gyf/E3lX
『やらせてたまるか!!!』
 え、この声……兄さん……?
「な、なんであの男の声が!」
 ガラガラと扉が開く。そこには真剣な表情の兄さんがいた。肩で息をしている。走ってここまで……
 私は嬉しくて泣きたくなった。兄さんが私を助けに来てくれた。それが嬉しくて
「兄さん……」
 兄さんは男に近づていく。男はビクンと震えた。それはそうだろう。こんな真剣な表情だ。スイッチが入ってる兄さんは強い。
 少年っぽい外見と控えめな態度のためあんまり強くないと思われているが少なくともこいつが三人いても撃退できるだろう。
「お前邪魔だボケェェ!!!」
 兄さんがいきなりとび蹴りをする。あれ? 今セリフ変じゃなかった?
「くそ、こいつが窓の前にいたせいでとんだタイムロスに!! あ、茜よっす。ここで何してるんだ?」
「え……兄貴何って……助けてくれたんじゃ……」
「何言ってるんだ? 俺が助けてもらいたいよ」
 そう言って窓枠に近づいていく。
「やらせてたまるかって……」
「あ、それ? 今会長に追いかけられてんだよ。大声出して三階にまだいると思わせる。んで俺はこの部屋からグランドに逃走するという作戦だ。やば! そろそろくる!」
 兄さんはそういって窓から飛び降りた。ここ三階だよ!?
 窓から覗くと兄さんは近くの木につかまり降りていく。デタラメな運動神経だと思う。
「ここかぁぁああああ!? ん? 茜じゃないか。昨日ぶりだな」
「葵さん……」
 現生徒会、生徒会長新條葵先輩がドアを壊さんばかりに思いっきり開ける。幼馴染だけどこの人は好きじゃない。なぜかって言うとなんとなく。でも最初は嫌いじゃなかったと思う。嫌いになったのは……中学生のころだった。
 あの事件のあとからたぶん私はこの人のことが嫌いになったんだろう。
「卓也はいないか?」
 兄さんを探しているらしい。また追いかけっこ……
「いないらしいな。ん、このハゲ邪魔だな」
 会長は地面に倒れこんでいた男に蹴りをする。
「ぐへ!」
 変な短い悲鳴をあげる。ガチャンと何かの音が鳴る。どうやら男のカメラが落ちたらしい。
「カメラか……校則違反だというのに」
 それを拾い葵さんも窓に手をかけ。って、え……
「あ、あの葵さんその手は」
「卓也はここから降りたのだろう。窓が開いているしその下の木も不自然に揺れているだろう。だからまだ間に合うと思うから私もここから降りていくのだ」
 そういうと兄さんのように降りていく。……相変わらず人間離れしていると思う。兄さんも葵さんも。
 あ、カメラ……まあいっか。帰ろう。今日はとりあえず兄さんに甘えよう。それぐらいいいよね。


563 : ◆fyY8MjwzoU [sage] :2010/07/26(月) 13:55:02 ID:Gyf/E3lX
「姉御!! 助けて! 姉御ならきっと!」
「誰が姉御だ! それでどうした卓也」
 俺は校庭で地面を均していた楓さんに助けをもとめることにした。
「楓さん! 実はですね。この前のプリン泥棒が俺だって正敏が言ってそれで追いかけられているんだ!」
「なるほどな~わかった。アタシに任せてくれ」
 少ししたあと会長がやってきた。
「見つけたぞ!」
「あ、会長少しいいか」
「楓、私は今その後ろにいる奴の尻を百叩きするつもりなのだが」
 どんな昔の怒りかた!? 古いよ! しかも痛くなさそうだよ!
「いやいや、聞いてくれ。あのプリンな。アタシが食べたんだ。すまん」
 愕然した表情でこちらを見た。楓さんと会長は友人だからうん。仕方ないかも。
「ほ、本当か……」
「ああ」
 うなだれる。その姿からは哀愁が漂っていた。そんなにプリンに執着してたのか……
「あ、そういえばそのカメラなんだ?」
「……ああ、さっき校則違反してたやつから没収したものだ。結構新型だろう。こんなカメラよりプリン食べたい」
「プリンは今度買ってやるからさ。落ち着いてくれよ。それよりこれ見ようぜー。アタシこういうの見るの好きなんだ~」
 覇気のない会長からカメラを奪い弄り始める。
「んー味気ないなー。部活用の記録用のカメラか? あれ、これ……卓也か? いやこれは違うな……」
「え、俺?」
「なんかな。このカメラに合成されたようなお前の画像があるんだよ」
 俺にその画像を見せる。服は俺の持っている服、顔に見えるけど……
「俺万引きなんてしてませんよ。しかも俺なら買い物カゴは右手に持ちますしエコバックも持ちますよ」
「ああ、それはわかる。だが……私達以外がこれを見た場合どうなるか」
「俺を貶めるための道具になるね」
 俺は能力は低いからこういうのを公開されたらひとたまりも無く解役させられるだろう。
 というか万引きは犯罪だから一発退学だと思う。
「アタシが思うに自分のクラスならギリギリなんとか無実になるかもしれないと思うけど、他のクラスじゃうまくいかないだろうね」
「そうだな。私もそう思うな。しかしこんな写真を作って何をするつもりなんだ」
 会長が復活して一緒にカメラの画面を覗き込んでいる。会長は美人だから幼馴染といえど顔が近いとやはり緊張してしまう。
「たぶん俺の解役……かな?」
「アタシは違うと思うけど……」
「そうだな。私もなにか違うと思う」
 二人はウンウン唸りながら考えている。頼もしいけどやっぱり悪い気がするな。
「うーむ強姦とか?」
 ということは俺の妹を? いや? いやいや?
 あいつ本性悪いからこんな写真とっても『兄さん? 知らないわよ。勝手に退学しちゃえば? あ、そうそう家族の縁は切っておいてね』
 とか普通に言うと思うから脅しても無意味だと思うけどな。
「なるほど……卓也は女の子っぽいから存外いけるやも……」
「ちょっと! そこぉ! 俺かよ! ありえねえよ!」
 こいつら真面目に考えているのか分からなくなった。
「まあとりあえず今日はあの喫茶店でなにかつまんでいかないか。甘いものが食べたい」
「アタシも今日は部活無いからついていくよ。卓也もくるよな?」
「行くよ。俺も暇だし」
 こうして俺たち3人であの喫茶店にいくことにした。あとから正敏も合流し愛さんと話しながら楽しくまったりしていた。
 帰ってきたらなぜか妹に凄く叱られてしまったけれど。


564 : ◆fyY8MjwzoU