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810 名前:埋めネタ[sage] 投稿日:2010/08/03(火) 00:03:27 ID:d5yTC50z

 あれ、お兄ちゃんどこに行くの?
 34スレのところ?
 そんな、まだ三週間しか一緒にいないのに。
 行っちゃだめだよ。
 あの女、きっとお兄ちゃんを捨てて、すぐどこか行っちゃうよ。
 嘘じゃないよ。……私にはわかるもん。

 あの女に良い物を送りつけてやったの。
 きっと今頃、あの封筒を開いているわ。
 今から追いかけたって無駄よ。
 だって、二日前に速達で送ったんだから。
 今から駆けつけても、もう遅いよ、お兄ちゃん。

 そんなことより、私と一緒に埋まろうよ。
 お兄ちゃんに甘え足りないんだ、私。
 お兄ちゃんが私にしたいこと、なんだってやってあげる。
 あんな女なんかより、私の方が、お兄ちゃんにふさわしいんだから。

 絶対に。


*****

 時は遡り、二日前。

 34スレの家のポストに、封筒が投げ込まれた。
 ポストを覗き込んだ34スレは、何の注意も払わず、封筒を取り出して、開く。
 それが、33スレの最後の力を振り絞った妨害工作だとも知らずに。

 四つに折り曲げられた便箋を開く。
 そこには、まるで血のような紅色の文字が浮かんでいた。
 34スレの背筋が凍り付く。鳥肌が腕にびっしりと浮かぶ。
 脳髄を引きずり出されるような錯覚の中、34スレは血文字で綴られた文章を、口にした。 

『あんたがすぐに埋まるように、祝ってやる』


 埋め!

811 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/08/03(火) 00:38:32 ID:GlPD2hOW

「そんな……たしかに埋めたはず! 十分な文の量だったはず! なぜ!?」
「死んだおばあちゃんが言っていた。人を呪わば穴二つ。
 人を呪うなら、それなりの覚悟が必要だ、ってね。
 呪っていいのは、討たれる覚悟のあるやつだけだ!」
「34スレェッ! よくもお兄ちゃんを、お兄ちゃんを穢したなあぁぁぁっ!」

 33スレの拳が振るわれる。
 しかし、34スレには届かない。
 殺意の籠もった拳は払い落とされ、カウンターの左フックが33スレの鳩尾へたたき込まれる。
 短いうめき声が戦場に響く。
「わ、私は! ヤンデレスレで!」
 34スレの返しの右掌底。
 顎を打ち抜かれた33スレの唇の端から血が流れる。

 34スレが小さく呟く。
「――ワン」
「うぉおおおおぉっ! お兄ちゃんを誰よりもぉっ!」
「――ツー」
 33スレの冷静さを欠いたでたらめな一撃は、もはや何の結果も生み出さない。
 ひょいと躱され、バランスを崩したところで、尻を蹴られ、倒される。
「――スリー」
「他の女より、楽しませてきたんだからあっ! あんたなんかにぃぃぃぃっ!」
 33スレが身を起こしたときには、もう遅かった。
「ヤンデレ……キック!」

 ――http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1280579073/

 死の宣告のような機械音声。
 それは、一つのスレを、いや一人の女を過去にするものだった。

「ハアァァァっ!」
「祝ってやるんだからぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 34スレの電流を迸らせる蹴りと、33スレの拳が衝突した。

 爆発。
 立ち上る火柱、砂煙。
 そして現れる、無傷の34スレ。
 空間に飛び散る――輝く無数の文字。
 それは、雪のように34スレの身体に、大地に、降り注ぐ。

「次はきっと、私の番よ。33スレ」
 手のひらに舞い落ちた、読み取ることのできない焦げた文字に向けて、34スレは呟く。
 ――祝ってやる。
 それは果たして、単なる誤字だったのか、33スレのデレだったのか。
 知るものは、誰一人居ない。


 今度こそ埋めぇぇぇ!