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73 : 少し大きな本屋さん    2010/08/17(火) 21:17:32   ID:wiKAW/bw0

Q 見知らぬ人にメアド交換などを迫られたらどうしますか?
A まぁ、普通は断るよな。
でも、ねぇ。
相手は美人さんだったからなぁ。別に関係は無いんだけど。
なーて考えながら本の整理などに勤しむ。
結局、俺は早く仕事に取り掛かりたかったためにメアドを交換した後に「二度と万引きしたらいけませんよー」と覇気のない捨て台詞を吐いて、何か言っていた(多分感謝に言葉)彼女を無視して勢い良く扉を閉めたのだ。
閉める直前に見た彼女の顔は赤みがかかっていたが冬の寒さによるものだろう。今11月だし。
まぁ、結論から言えばなぜメアド交換しようと言ってきたのかとか、悪用されるかもしれないとか、色々深く考えずに交換してしまったためにかなり不安で仕方ない。
はぁぁと深く溜息を吐きながら小説コーナーへ移動する。
にしても一階しかないのに地味に広いよなぁ、うちの本屋。その所為か俺含めて8人も雇っているし。
たしかそのうちの2人ぐらいは返品作業をしてるんだっけかな?
まぁどうでもいいけど。

小説コーナーに到着ー。
万引き犯さんが盗み損ねた品二点をあるべき棚に無断で直す。
これで万引きは無かったことになる。はず。
ここら辺の整理もしとくかな。今日はここら辺のコーナーの客少ないみたいだ。

ここからは色々仕事だらけなので割愛。
というかこんなとこ書いても需要がないのである。なんの需要かは知らないけど。
そんなわけで、チョキチョキーと。


74 : 少し大きな本屋さん    2010/08/17(火) 21:18:21   ID:wiKAW/bw0

つーかーれーたー。
仕事の後の脱力感が体にひしひしと纏わりついてきて微妙に気持ち悪い。
目を閉じたら立ったまま寝れそうなので我慢せねば。あー、だるい。
「お疲れだねぇ」
隣にいつの間にか若宮さんが立っていた。コエー。
「そうでーすね」
若宮さん(♀)とは俺のバイトの先輩である。といっても年は同じみたいだけど。
情報としてはそれだけだ。未だに名前がわからない。
それでもそれなりに仲が良い。世の中不思議だねぇ。
「相変わらずやる気がないな、それだと早死にしてしまうと昔誰か言ってたぞ」
「別にそれでもいいんだけどねー」
今考えた感まるだしのお言葉ですね、それ。
「私は君が死ぬと困るんだけどね」
「なんか言いましたか?俺耳遠いので聞こえませんぜぇ」
実際は若宮さんの声が小さくて聞こえなかっただけですけどー。
「それだとただ誤魔化しているみたいに聞こえるんだけどね、まぁどうでもいいさ」
ちなみにこれ、君の真似ね。と呟きながら笑う彼女は、やっぱりお姉さんみたいな人だなぁと思う。
「そういえば、君、万引き犯の女子高生を捕まえたって聞いたんだけど本当かな?」
「あぁ、それですか」
普段と変わりない雰囲気で今日のことを聞いてきた・・・・・・・
はずなんだけど微妙に違和感がぴりぴり。俺、なんかしましたかね?
「どーでもよかったんで適当に本を戻してもらって裏口から返しましたよ」
「本当かい?」
少し若宮さんにしてはねちっこい。別に嘘ハ吐イテナイデスヨー。
「本当ですよ。どこかのAVみたいな事はしてませんて」
「君は狼っていうより猫だからね。そんなことは言わないでもわかるさ」
なんか男として馬鹿にされた気分。だからって傷つくわけじゃないけどさ。
「だから、」
「本当に何もないんだよね?」
不安そうな顔が普段の表情と交じり合ってなんとも曖昧な顔になる。って俺には見えた。
あー。なんか少し自己中気味だなぁ、自分。それじゃぁ若宮さんが俺に気があるみたいじゃないか。そんなことあるわけ無いのに。
「はい、何もなかったですよー」
女子高生との密談についてはノーカウント。
「そうか、それは良かった。店長が少し休憩室がうるさいって言ってたからね。私も気になっていたんだよ」
そうか、そうか、って何回も満足して頷く。
「それじゃ、帰ろうか」


75 : 少し大きな本屋さん    2010/08/17(火) 21:19:18   ID:wiKAW/bw0

用事の済んだ子供みたいに早足で定員用の出口から出る。
それに続いて俺も出てみたが、夜が深けてる所為で体が一瞬で凍りつく感覚が体中に走る。
簡略すると寒い、寒い!
「あー寒い寒いさむっ!」
「そう大声出さなくてもいいだろうに」
いや、めっちゃ寒いですよこれ。
一応はコート着てますけど寒さが隙間を見つけて入ってくる感じがもうだめ。
「今更なんですが、別に一緒に帰らなくてもいいんじゃないですかー、結構恥ずかしいんですよ」
話題が思いつかないから少し大きな声で前に何回か尋ねたことを言う。寒さは一向に体から離れない。
「道が途中まで一緒なのだからいいじゃないか。それに一人で帰るのはつまらないからね」
「いや、それの所為で前、若宮さんとの関係を疑われたんですから」
これもくどいように聞いてきた。答えはいっつも同じだったけど。
「別に私は気にしないからどうでもいいのだよ」
まるで決め台詞のようにハキハキと呟く。まぁ定番化してるししょうがないかなぁ。
「さいですかー」
こっちも定番化した台詞を口から零す。
別にオリジナリティは求めていないので。
それからは無言が続く、続く。
若宮さんと帰りが一緒になったときはいつもこんな感じで帰るのです。
どちらも会話にするネタとかそんなものは持っていないから。
思いついた事を口にして、2,3回喋ってまただんまり。
それの繰り返し。
だからって別に空気が重いわけじゃない。
若宮さんと俺との関係はそんなものだから、限りなく他人に近いものだから、だから気楽に隣同士で歩けるんだろう。
まぁ、自分勝手に解釈してるだけだけどー。
しばらく歩いて住宅地に入る。そろそろお別れだなぁ。
住宅地に入ってからすぐに、俺たちは別れるのだ。
「それじゃ、また明日に会おう」
「なんでそんなにハキハキとしてらっしゃるんですかねぇ。はぁ、さようなら」
そういって俺は自分の家を目指す。振り向きはせずにただまっすぐ。
風呂、どうしよっかなぁ










「こっちが溜息つきたくなるよ」
「それに、嘘を吐くのはいけないことだって習わなかったのかな?」
「罰として、うむ、そうだな」
「歯ブラシを没収しよう。うん。そうしよう」
「あと」
「あの女子高生についても調べなければいけないな」
「害虫は早めに駆除、と誰か言ってたような気がするからね」