601 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2010/08/22(日) 12:01:04 ID:F4oj/qfV [2/14]
*****
白いブラ。それに包まれたおっぱい。
今の俺が藍川のことを思い出したら、それが真っ先に思い浮かんだ。
藍川はインドア派だから、あまり肌が黒くない。かなり白い、いや、恐ろしく白い。
そんな奴が白い下着を着けたら一体どう見えるのか。
言うまでもない。素っ裸だ。マッパだ。生まれたままの姿そのもの。
藍川の双丘に、桜色に染まった一帯がないことに違和感を覚えるほどだった。
藍川の容姿を一言で言い表すなら、清楚。
ドレスを着せてピアノでも弾かせてれば、相当な数の男が騙されることだろう。
そんな清楚な女が素っ裸。
間違いなく、母親から「はしたないわよ、京子! せめて黒にしなさい!」なんて言われるに違いない。
そう。たしかにはしたない。
あの藍川の姿を見て興奮しない男はいない。
衝動に任せ、飛びかかってその肢体を蹂躙しようとするに違いない。
むしろ、そうしなければ男ではない。
その理屈で言うなら、俺は男ではない。
踏み荒らされていない雪原に足を踏み入れさえもしなかった。
一目見て、それきりスルーした。
はっきり言おう。それどころではなかった。
はしたない藍川に構っているほど、あの時の俺に余裕はなかった。
それほど集中していたのだ。何にか、というと――――
602 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2010/08/22(日) 12:02:48 ID:F4oj/qfV [3/14]
「んがっ」
突然鼻っ柱に痛覚が襲いかかった。電柱に顔面をぶつけたのだ。
ものの見事に。体の正中線と電柱の芯が、狂い無く正面からぶつかった。
鼻に触ってみる。鼻血は出ていない。再び歩き出す。
しかし、真っ直ぐ歩けない。塀に手をついていないと、真横に倒れてしまう。
「これは、ひどい……」
こんな経験をしたことはない。
やってみようと思い付き、実際に行動しても、こんなになるまで意識を保てなかった。
二徹。
二晩通して起き続けて、プラモデルを作っていた。藍川と二人きりで。
なんでこんな馬鹿なことをしたかというと、藍川が言い出したからだ。
毎週恒例のプラモ作りのはずだった。
いつもと違ったのは、ちょうど気分が乗って来た頃に藍川がTシャツを脱ぎ捨てて、マッパじみた下着姿になったことだろう。
Tシャツの正面には「YES!」、背面には「NO!」と書いてあったのを覚えている。
だが、そんなアホなTシャツのことはどうでもよかった。プラモを作る方が大事だった。
だから俺は藍川を放置し、プラモ作りに没頭した。
黙々と作業を続け、夜を明かしたところで、俺はいつものように帰ろうとした。
そこで藍川が、眠気混じりの狂った瞳を向けてこう言った。
『ちょ、ちょっと待ってよ。まだやることが残っているでしょ?』
そのまま帰っても良かったのだが、藍川がやる気になっているなら、俺は帰れない。
逃げたみたいに思われるのは癪だった。
藍川は友人であり、同好の士でもあるけど、ライバルでもある。
あいつが眠気を我慢して作り続けるなら、俺だって逃げない。
結果、俺と藍川はそれから二十四時間に渡ってプラモデルを作っていた。
作り始めた時間から計算すると、三十六時間。
やればできるものだ。これまでの最長記録、二十四時間を大幅に上回った。
我慢大会も俺の勝ち。藍川は本日午前三時になった時点で寝落ちした。
勝敗に何も賭けていなかったことが悔やまれる。
「景品はやっぱ、コレジャナイって言いたくなる、あいつがいいな……」
あのキットにはプレミアがついていて、どこを探しても見つからない。
ネットで探しても、オークションにすら出品されていない。
藍川の奴は、その貴重なキットを組み立てせず、大事にしまっているのだ。
俺はいつかあのキットを組み立てて、魔改造を施してやろうと思っている。
とりあえず関節を増やして、全身フル稼働。見えないところにコックピットを増設して、パイロットを乗せる。
他のキットの部品を拝借して、中身にそれっぽいギミックを仕込む。変形機能までつける。最低でもこれぐらいやる。
いずれは、藍川と決着をつけねばならない。あのキットの所有権を賭けて。
だが、今はとりあえず。
「この眠気と、決着を……」
あのキットがかかっていても、睡魔になら負けてもいい。
今の俺は、一刻も早く布団に入って眠りたい。
604 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2010/08/22(日) 12:05:36 ID:F4oj/qfV [5/14]
*****
「ただいま」
「あ! お帰り、お兄ちゃん!」
朝の五時になって、ようやくお兄ちゃんが帰ってきた。
藍川っていう女の家に行ってから、丸一日帰ってこなかったんだ。
もう、不安で不安で。
藍川の家に飛び込んでやろうと思った。家が分からなかったから、行けなかったんだけど。
でも、帰ってきてくれたってことは、家に居るって事だよね?
一緒に居られなかった分、くっついちゃうから。
お兄ちゃんが靴を脱いで、床に上がったところで左腕にしがみつく。
ぎゅっ、ってする。力一杯、私の体を押しつける。
こうすると、心が温かくなる。でも、同時に悔しくなる。
花火ちゃんみたいにホルスタインだったら、きっとお兄ちゃんも興奮するんだろうな、って。
お母さんはあんなにスタイルが良いのに、どうして私はこんななんだろう。
もちろん無いわけじゃない。でも花火ちゃんに比べたら、無いに等しい。
何度花火ちゃんに鼻で笑われたことか。そのせいで何回言い争ったことか。
兄さんは、いつか絶対に大きくなるって、と励ましてくれる。
いつかって、いったいいつよ。もう待ち続けて三年は経つんだけど。
花火ちゃんが私と同い年の頃には、上の制服の中で、でっかいおっぱいが不必要な自己主張をしてた。
あそこまで、でかくなくていいの。せめてお兄ちゃんが愉しめるぐらいは欲しいの。
そうね、お兄ちゃんのモノが挟めるぐらいかしら。
今の私じゃ、挟んであげようと思っても、お兄ちゃんを空しくさせるだけだろうから。
「お兄ちゃん、ご飯は?」
「それより、早く寝たい」
お兄ちゃん、すっごく眠そうな顔。
先週藍川の家から帰ってきた時でも、ここまでじゃなかった。
もしかして、お兄ちゃん眠ってないの?
ってことは、あの女の家では眠る暇すらなかった?
「まさか、お兄ちゃん。あの女と、一緒に寝たんじゃ……」
返事はない。お兄ちゃんは俯いたままだ。
首筋に鼻を近づけて、匂いを嗅いでみる。
……? お兄ちゃんの芳しい体臭だけ?
女の家に行ったのに、一切女の匂いがしないって、どういうこと?
お兄ちゃん、本当に藍川の家に行ったのかしら?
「悪い。部屋に運んでくれ」
「う、うん。わかった」
よくわかんないけど、眠そうにしているお兄ちゃんはこのままにしておけない。
この機会を逃すのは惜しい。いっぱい悪戯したい。
でも、自分でもよく分からないけど――今日のお兄ちゃんはとってもすごいことをしてきたように感じる。
だから、いっぱい休ませてあげたい。
605 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2010/08/22(日) 12:08:51 ID:F4oj/qfV [6/14]
お兄ちゃんの部屋には布団が敷きっぱなしになっている。
私が事前に用意していた。お兄ちゃんがいつ帰ってきても良いように。
「着いたよ、お兄ちゃん」
「……おう」
お兄ちゃんを床に座らせる。すると勝手に後ろに倒れてくれた。
数秒のうちに穏やかな寝息が聞こえてきた。胸がゆっくりと上下し始めた。
「おやすみ、お兄ちゃん」
夏とはいえ、風邪を引かないとは限らない。タオルケットをお兄ちゃんの体に被せてあげる。
なんだか、子供みたい。寝顔、いくつになっても、いつ見ても、変わらないね。
子供の頃のまま。私が昔から知っているお兄ちゃんのまま。
もう、何年も昔。
伯母さんにいじめられている私を、お兄ちゃんは身を挺してかばってくれた。
強く抱きしめて、私を励ましてくれた。伯母さんに、私をいじめないでって何度も言っていた。
伯母さんを包丁で刺した時は驚いた。お兄ちゃんが怖くなった。
でも、それは全て私を守るためにしたことなんだって、すぐに気付いた。
お兄ちゃんは、他の人を誰一人傷つけなかったもの。
花火ちゃんが止めに入っても、手は出さなかった。
これからもお兄ちゃんは私を守ってくれる。ずっと、ずっと。
その確信が揺らぎ始めたのは、十歳になった頃。
クラスの女子が泣いてたから理由を聞いてみたら、年上の兄に叩かれた、って言った。
信じられなかった。どんなお兄ちゃんも、私のお兄ちゃんみたいに妹を守るものだと思ってたから。
不安になって皆に聞いたら、兄妹にもいろんな在り方があるんだって気付かされた。
いじめる、叩く、馬鹿にする、悪口を言う、嫌う。他にも、たくさん。
私のお兄ちゃんにはそんな部分はなかったけど、それでも、不安になった。
私が頑張り始めたのは、それから。
お兄ちゃんに嫌われないよう、お兄ちゃんが好きだって言い続けるようになった。
だって、好きだって言い続ければ、好きになってくれるはずだもの。
少なくとも、私のお兄ちゃんは絶対にそう。
その甲斐あって、私はお兄ちゃんと良い関係を保ち続けている。
お兄ちゃんは私に優しくしてくれる。馬鹿なことを言っても、ちゃんと相手してくれる。
さすがに、今みたいな気分になるとは予想外だったけど。
「キスしちゃってもいいよね、お兄ちゃん。ここまで運んだお礼、頂戴」
ちなみに駄目だって言っても、しちゃうから。
油断大敵よ、お兄ちゃん。
薄く開いた唇。ずっと欲しかったお兄ちゃんの唇。
私にとっての聖域。そこにたどりついた私はきっと、これ以上なく清らかな気持ちになれる。
清らかだもん。兄妹のキスなんておかしくないもん。小さい頃からいっぱいしてきたんだから。
「……うーん」
でも、なんかカタルシスが無いっていうか、ムードが足りないっていうか。
やっぱり、今日はほっぺたにしとこう。
お兄ちゃんの右の頬に口づける。
そのまま舌で舐めたり、吸い続けているうちに、お兄ちゃんが身動ぎした。
口惜しさを感じながら、唇を離す。
「じゃあ、おやすみなさい。お兄ちゃん」
606 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2010/08/22(日) 12:10:33 ID:F4oj/qfV [7/14]
そう言って、顔を離した時だった。
寝返りを打ったお兄ちゃんが、私の体を抱きしめたのは。
「え……ええ、え?」
混乱する。きっと寝ぼけているだけなんだって、冷静に判断できる。
でも、このシチュエーションって。
たまにお兄ちゃんが寝ているところに忍び込んで、寝顔覗いてる時の妄想、そのままじゃない!
エッチな夢を見てるお兄ちゃんが、たまたま隣に居た私を相手にエッチする、っていうやつ。
ってことは、何。
今から私、お兄ちゃんに抱かれちゃうの?
――やば。部屋に行ってシたくなってきた。
この経験があれば、これから一ヶ月、いえ三ヶ月、いいえ半年は困らないわ。
ここまで最高のネタがあったかしら? いいえ、あるわけがない。
心臓の鼓動がうるさいし、吐息が熱いし、むずむずするし。
すぐにここから逃げたい。早く溜まった欲望を解き放ってやりたい。
お願いお兄ちゃん、この手を早く離して。私を自由にしてちょうだい。
……あれ? でも。
これ、よく考えたら逃げる必要ないんじゃないの?
だって、想像通りなら、私ここでお兄ちゃんに初めてを捧げるのよ。
何を拒む必要があるの? 奪い取られなさい。今は性欲に任せる時なのよ!
「で、では。遠慮無く」
小声で呟いてから、お兄ちゃんとの距離を縮める。一緒のタオルケットの中に入る。
わああ――――お兄ちゃんの顔だ……。吸ってる息が全部お兄ちゃんの吐息だ。
将来の仕事を選べるなら、間違いなくお兄ちゃんに添い寝する仕事を選ぶわ。
これって、私向きの仕事よね。絶対に私以外には果たせない仕事だわ。
他の人間には任せられない。もし前任者がいたって、すぐに地位を奪い取ってやるわ。
では、未来へ向けての努力、その一。
お兄ちゃんに私のおっぱいを揉ませる。
大事な事よ。大事な事だわ。大事な事でないわけがない。
お兄ちゃんの手に私の感触をすり込ませる。
そうすれば、私のおっぱい以外じゃ満足できない、でかいものがいいわけじゃないって体が覚える。
悪いわね、花火ちゃん。唯一のあなたのチャームポイントを奪ってしまって。
その余分なものは、お兄ちゃん以外の男に味わわせてあげて。
そうね、兄さんなんかいいんじゃないかしら。
幼なじみだし、お似合いだと思うわよ。
607 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2010/08/22(日) 12:11:28 ID:F4oj/qfV [8/14]
お兄ちゃんの左手は私の背中に回っているので、右手を握る。
起こさないようゆっくりと肘を曲げて、手を広げる。
すでに、何かの拍子でお兄ちゃんが動けば、絶対に揉まれてしまう。そんな位置だ。
どきどきしっぱなし。おっぱい揉ませたら、心臓の鼓動を感じて起きちゃうんじゃないか。
ほっぺたにキスするのとは全然違う。
だって、男に揉ませたこと一回もないんだもの。今から初めてを奪われてしまうのね。
ごめんなさい、お祖母ちゃん、お父さん、お母さん。
私は今この時から、淫らな女の子になります。
意を決して、お兄ちゃんの手を胸に押し当てる。
もう、それだけで体の芯までしびれた。シチュエーションが理想通りすぎる。
「ん……は、ぁん……こ、れ。こんなのって……」
体をくねらせ、お兄ちゃんの指を激しく動かし、愛撫させる。
手が届かないと諦めていたものが、手に入ってる。文字通りの意味。
顔も、呼吸も。どこまでも熱くなっていく。
「も、う……これだけで、イっちゃい、そ…………あぁっ……」
お兄ちゃんの顔。唇。朝だから、よーく見える。
ここまでやったなら、後戻りはできない。
「おにい、ちゃん……」
目を閉じて、顔を近づけていく。お兄ちゃんの唇を、これから奪う。
608 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2010/08/22(日) 12:14:32 ID:F4oj/qfV [9/14]
「――――あぁっ!?」
唐突に、強烈な快感が背筋に走った。
背中に暖かな手の感触。Tシャツの上からじゃない。素肌に当たってる。
お兄ちゃんの手が、シャツを避けて、背中をなで始めた。
「あっ、や……やめ、いひぅっ! だめ、だめぇ……そこ、弱くて、触っちゃ、やぁぁ……」
神経を愛撫されているみたいに、脳も、指先も痺れる。
上から下に。腰から首に。お兄ちゃんの指先の感触が絶えず動く。
いつのまにか私はお兄ちゃんの手を離していたみたいだった。
だって、さっきまで服の上にあったはずの右手が、服の中に入り込んでいるんだもの。
「やだ、寝ぼけてるの、お兄ちゃん……」
そうじゃなきゃ、こんな大胆なこと、絶対にしない。してくれない。
お腹を撫でて、脇を撫でて……両手で背筋を刺激するなんて。
「……はっ、ぁ……ぁぁ、んん、んぅ……」
喘がないようにしても、結んだ唇の端から漏れてくる。
お兄ちゃんを起こさないようにしてるのに、お兄ちゃんがそれを許してくれない。
「ひどいよぅ……おにい、ちゃ……んぁ、ぁふ……」
いじめられてる。お兄ちゃんに、性的な悪戯をされてる。
私の体を弄んで、たっぷり感じさせて、いつまでもじらし続ける。
こんなんじゃ、生殺しだよぉ…………
背中を撫でていた手が、ブラのホックを外した。
ここにくるまで、私にとっては永遠に続きそうなほど長かった。
下着の拘束が緩んで、隙間ができる。お兄ちゃんの手は容赦なくそこに入り込んでいく。
両手で、左右から脱がしていく。
呼吸が普段通りにできない。何キロも続けて全力で走った後みたい。途切れ途切れ。
お兄ちゃんの手が、とうとう前の方にやってきた。
ブラはもう完全にずれてる。肩に引っ掛かってるだけ。
お兄ちゃんの手が、私のおっぱい揉んでる。
直接、何にも遮られず、指先が乳房をいじり出す。
喘ぎ声を我慢する余裕は無くなってた。快感に全ての制御を任せ、悶える。
悶えて、欲望を檻から解き放ち、より強い快感を得ようと、全身を熱で満たす。
たまに指先が乳首に当たる。そんな些細なもので、一つ喘いでしまう。
「お兄ちゃん、おにいちゃん、おにい、ちゃん…………お兄ちゃんっ」
好き。好き。大好き。
いくら叫んだって、この気持ちは伝えられない。
どれだけお兄ちゃんを欲しいかは、どんなに強くその体を抱きしめても伝わらない。
お兄ちゃんと一つになれないことがもどかしくて涙が出そう。
もう隠せない。
隠す壁は確かにあったはずなのに、もう爆発して木っ端微塵になって、跡形もない。
セックスして。
純潔はお兄ちゃんのために大事にとってたの。いつか来ると思っていた、その時のために。
今がその時。今以外の機会は、後にも先にも無い。
お兄ちゃんになら奪われても良い。むしろお兄ちゃんじゃなきゃ嫌。
私のわがままを聞いて。
お兄ちゃんのためならなんでもする。
恥ずかしいことでも、ちょっと怖いことでも、なんでも。なんでも、なんでも……なんだってするから!
だから、私を選んで。私だけを抱いて!
609 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2010/08/22(日) 12:17:37 ID:F4oj/qfV [10/14]
お兄ちゃんの穿いているジーンズを脱がしていく。
ベルト、トップボタン、ジッパー。ジーンズと一緒にパンツも力任せにずらす。
飛び出したのは、勃起しているお兄ちゃんのモノ。弾かれたせいで揺れる、男の人特有の、男性器。
顔を近づけて良く見る。傘の部分が少し濡れている。初めて見たけど、誰もが皆こうなんだろうか。
そこは、お兄ちゃんの匂いが一番強い。
「こんな大きいのが、体に入るっていうの……」
本当に? ひょっとして私の知ってる知識って、嘘だったりしない?
だって、見てるだけで……体を串刺しにされるような感覚を覚える。
もちろん例えだけど、目の前にすると、あながち例えだと言い切れないような。
で、でも!
お兄ちゃんのなら平気よ! 平気だもん! 怖くなんかないわ!
うう。確か、前に読んだ本によると男の人の性器を撫でたり、キスすると気持ちいいんだ、って。
寝てる……よね。お兄ちゃん。
何の夢見てるんだろう。私の夢だったらいいんだけど……他の女との夢だったら?
途端に憎らしくなってきたわ。
私をこれだけ夢中にさせて、感じさせたくせに。自分は気分に合わせて誰にでも興奮する、なんて。
そんなの許さないからね。
お兄ちゃんは私の。私だけの恋人なんだ。浮気なんか許さない。
お兄ちゃんを気持ちよくさせられるのは、私だけなの!
そびえ立つ一物を両手で包み込む。びくびく震えてる。体のどの部分よりも熱い。
おもむろに顔を近づけ、濡れている傘に唇を付ける。
濡らしている液体は、ぬるぬるしてて、言い表せない奇妙な味をしてた。
だけど、お兄ちゃんのものだと思えば、抵抗感は無くなってしまう。
陰茎を上下に愛撫しながら、傘を舐めていく。
裏のちょっとくぼんだ部分を、舌先で集中して攻める。
そうすると、お兄ちゃんの体が小さくピクッとする。
反応を楽しみ続けていると、次第に陰茎が膨らみだした。
きっと強く感じてるに違いない。キスを幾度も繰り返して、小さな穴を舌で拡げる。
お兄ちゃんの腰が動いたのはその時。弾みで半ばまで口にくわえ込んでしまった。
「ン、んぐぅっ?!」
間髪入れず、口内にいっぱい熱いものが注がれた。口の中を全部満たすんじゃないか、って思った。
臭いが口から鼻へ流れていく。とっても臭い。
ねばねばしているものが、歯にも舌にも口内にも、絡みついていく。
吐き出してお兄ちゃんの布団を汚したくなくて、私はねばねばしたのを全部飲み下した。
「あれ、精液って、もしかして今の……なの?」
妊娠するためには膣の中に出さないといけない、って知ってるけど、飲んでもいいものなの?
今のところなんともないから、大丈夫よね……きっと。
610 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2010/08/22(日) 12:24:42 ID:F4oj/qfV [11/14]
「……トイレ」
お兄ちゃんの声が聞こえて、びっくりした。
なんとなく自分のしていることが悪いことに思えて、ずらしていた下着とジーンズを元に戻してしまった。
一度もやったことない動きだったのに、恐ろしいほど手際よく手が動いた。
「お、お兄ちゃん? 起きちゃった? ごめんね」
「妹か? なんで、ここに……まあいいか」
あれ、いいんだ、添い寝してても。添い寝っていうか、ほとんど性行為だったけど。
「と、トイレに行ってくるの?」
「悪い、ちょっとだけ……」
タオルケットをどけると、壁を伝いながらふらふらと部屋を出て行った。
扉が閉まる。……行った、わね。よし。
戻ってくるまでに部屋に行って、あれをとってこないと。
ゴム。避妊具だ。
ここまでやったのだから、お兄ちゃんには絶対に本番までやってもらう。そうなったら、ゴムが必要。
お兄ちゃんとの間に子供が欲しくないのか、というと、否。欲しいに決まってる。
だけど、何事も計画的じゃなきゃいけない。
私は冷静に物事を判断できるの。さっきは、妊娠でも子供でも何でも来い、って気分だったけど。
お兄ちゃんの部屋から出ようと、扉を開ける。すると、そこに見知った顔があった。
「……花火ちゃん?」
「よう、ちっさい妹。アニキの部屋で何をやってたんだ?」
「それはこっちが聞きたいわ。なんで人様の家に勝手に上がり込んでるの」
「玄関の鍵、開けっ放しだったぞ。入られたくないんなら鍵をかけておけよ」
花火ちゃんは、いつもみたいに男っぽい喋り方で話しかけてくる。
しかし、全てがいつも通りというわけじゃない。
眉間に青筋が浮かび上がっているし、右手が拳骨の形になっている。
「何怒ってるの、花火ちゃん」
「怒らないとでも怒ってるのかよ。
アニキの布団の中に潜り込むなんて、ずるい手を使いやがって。まさか、手を出したんじゃないだろうな」
あれ、さっきしてたことは見てないの?
それなら良かった。バレてたら、何か言うよりも先に、花火ちゃんは手を出しただろう。
「いいえ。まだ何も。添い寝していただけよ。
私は、勝つための手段をとり続けているだけのことよ。それをずるいだなんて、考え方が甘いんじゃないかしら」
「勝つために、か……そういうことなら、私は最後のカードを切らせてもらおうかな」
花火ちゃんが一歩踏み込んできた。後退する。また近づかれた。下がる。
じわじわと距離を詰めながら、花火ちゃんが言う。
「ちっさい妹。許せ。全てはアニキを手に入れるため。アニキの幸せのため。お前は犠牲になれ」
「……なんですって」
「安心しろ、命までは奪わない。二度とアニキの前に姿を現わしたくない、と思わせるだけだ」
そんなことを聞かされて安心するわけがないじゃない!
退路は? 正面突破は無理。
それなら、窓から飛び出すしかない。鍵が掛かっていたら、窓を割って外に出る。
この部屋でお兄ちゃんと続きをできないのが残念だけど、命には替えられない。
612 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2010/08/22(日) 12:28:18 ID:F4oj/qfV [12/14]
「ねみい……」
どのタイミングで飛び出そうか図っている途中、お兄ちゃんが戻ってきた。
寝ながら歩いて居るみたいな有様だった。全然前を見ていない。
花火ちゃんはお兄ちゃんの存在に気付くと、お兄ちゃんに道を譲っていた。
「あ……アニキ。おはよう」
「おはよう。悪いけどまた寝るからな」
お兄ちゃんは誰に話しているかわかっているんだろうか。
あの様子だと分かって居なさそうな気がするわ。
お兄ちゃんは布団の方じゃなくて、私の方に近づいてくる。
何を頼りにして歩いているんだろう。匂い?
さっきまでぴったりくっついてエッチなことしてたから、ありえる。
「おう、こんなところに居やがったか」
「お兄ちゃん、布団はあっちで――」
「枕が逃げるな。眠れん」
はい?
疑問の声をあげるより早く、私は押し倒されて、のし掛かられた。
その様子を見ていた花火ちゃんが、叫んでから、私の方に近づいてくる。
私とお兄ちゃんを力尽くで引き離すつもりなのだろう。
だけど、そんなことをしても無駄。
私は笑顔を浮かべて、花火ちゃんを見返した。
見てたでしょ。お兄ちゃんが私を押し倒すところ。
花火ちゃんの出番はないのよ。女の魅力で負けたんだから。
早く帰って、お兄ちゃんに優しくされる妄想をしながら自慰してれば?
花火ちゃんはさらに顔を赤くして、詰め寄ってくる。
でも残念。私の上にはお兄ちゃんがいるから、手を出すことはできやしない。
それでも構わず花火ちゃんは拳を振りかぶり、私の顔だけを狙って拳を放った。
馬鹿ね。どこを狙ってくるかバレバレな攻撃を、避けない敵がいるとでも思ってるの?
これはゲームじゃないのよ。たった一人の人間の奪い合いなんだから、負けられないの。
避けるに決まってるじゃない。
首を捻って攻撃を躱す。
風圧を頬で感じた。部屋中の床の畳をひっくり返すんじゃないか、って思うぐらい強力な一撃。
でも。
「当たらなきゃ意味ないのよ、花火ちゃん」
「黙れ! まだまだこれからだ!」
そう言って、花火ちゃんが拳を戻す――ところで、お兄ちゃんが呟いた。
「……あれ、コレジャナイ。これ枕違う」
私の体の上でうつぶせになっていたお兄ちゃんが、体を離した。
花火ちゃんは不意を突かれて止まっていた。その隙をついて、お兄ちゃんは花火ちゃんの腕をとった。
お兄ちゃんが私の視界から居なくなる。次の瞬間には、別の場所に移動していた。
一瞬の間に押し倒した、花火ちゃんの体の上に。
「――あ、アニキ? ……あの、えと」
「ああ、こっちか」
「へ?」
「枕はこっちだ。そこのじゃない」
613 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2010/08/22(日) 12:29:40 ID:F4oj/qfV [13/14]
お兄ちゃんが、花火ちゃんの体を、敷き布団代わりにした。
大きなおっぱいを枕にして、うつぶせになって眠っていた。
「な、なにやってんのよ、お兄ちゃん!」
「な、ちょ、何だ。なにやってんだアニキ! ちっさい妹、これはどういうことだ!」
「コレジャナイって、そこのじゃないって、どういうことよ! 私だって枕代わりになるわよ!
いつか絶対に花火ちゃん以上大きくなるんだから! そうに違いないわ!」
「あっ……アニキ、私の胸は枕じゃなくって、でも……ちょ、揉むなよアニキ!
バカ、胸は……弱いんだってば。やめろ、ってば……こんなのまだ、駄目だって……ふぁっ……」
「さっきはあんなことまでしたくせに! お兄ちゃんの……バカぁぁぁ!」
――結局、お兄ちゃんは花火ちゃんの胸を枕代わりにしたまま、お昼過ぎまで眠っていた。
よほど疲れていたんだと思う。
でも、理由があるからって、お兄ちゃんが私にやったことは許されるわけじゃない。
私は決意した。今度お兄ちゃんがあんな状態になったら、絶対にモノにすることを。
そして、邪魔者が家に入りこまないよう、戸締まりをしっかりする。
今回、私にとっての収穫は、毎夜のネタに困らなくなったという点に尽きる。
キスはしてないけど、おっぱいは揉まれたし、精液飲んじゃったし。
これはもう、次があったら絶対にお兄ちゃんに処女を奪われてしまう。
その時が来るのが、今から楽しみでしょうがない。
せめてそれまでに、コレジャナイとか言われないぐらい、胸が大きくなってますように。
絶対に、どんな手段を使ってでも、花火ちゃんには負けない。
譲れないのよ、お兄ちゃんの隣の位置だけは。
これから一生をかけて、恩返ししていくんだから!
最終更新:2010年08月24日 01:02