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               Ⅰ

 俺は今、今日見た夢で見た過去の思い出を思い出していた。

        ――10年前、小1の夏休み――
 俺は父さんの仕事で海の近くのとあるキャンプ場に来ていた。それにはジュンとユカそして俺の家のすぐ向かい側に住んでいた、幼馴染の山草百合(ヤマクサユリ)も一緒に来ていた。
 俺たちは、父さんの仕事の手伝いをする傍ら、暇があればそこら辺を探検するために歩き回った。
「ようし、今度はあの森を探検だあ!!」幼いころの俺はそう言って走り出す。
「あぁ!うっちゃん待ってよー!」同じくまだ幼いユリが付いてくる。その後ろをジュンとユカが追いかけてくる。
 森の中には色々な物を見つけた。
 カブトムシやクワガタがたくさん集まるとても大きい古木があったり
 突然視界が開けたかと思えば、そこには小さな池があり蛙たちの泣き声が聞こえていたり
 森には小高い丘になっている場所もあり、そこからキャンプ場が一望でき幼い時分でさえ「すげえ!!」と感動した。
しかし、
突然雨が降り出したことにより、急いで俺たちはキャンプ場に引き返した。そして、森を抜けるころ、あることに気付いた。
「ユリがいない!」
きっとどこかではぐれたのだろう。俺はジュンにユカを任せて、急いで引き返しユリを探した。
雨が幼い俺の体力を奪っていき、しかも体は切り傷だらけになっていた。それでも、俺は歩みを止めずユリを探し続ける。
 カッゴロゴロ!雷が鳴り出し、それと同時に俺は走り出した。一瞬ユリの悲鳴が聞こえたのだ。
「ユリーー!!」
ゴロゴロッとまた雷が鳴る。
「うっちゃーーん!!」ユリが俺を呼んでる。
俺は声のもとへ急ぐ。そして、ユリをようやく見つけた。
「うっちゃん!!怖かったよ!!」と泣きながらユリが跳び着いてきた。
「ゴメンな!置いて行ったりして!もう置いて行ったりしない!」と俺が言うと、ユリは顔をあげて虚ろな目で、
「ほんとに?じゃあこれからはずっと傍でずっと一緒にいてね!」と訊いてきた。
「わかった、約束する。ずっと一緒にいる。
ほら早く戻ろう。ユリ」
「うん…」

                Ⅱ

 そのあと、新学期直前にユリは家の都合で引っ越していった。
そのユリが今、夢じゃなく俺の目の前にいる。
幼い頃の面影はあるものの外見は当然ながら大きく変わっていた。それもとても美しく!白い肌に肩甲骨あたりで切り揃えられた黒髪、微笑みを作るその唇は赤く白い肌によく映える。身長はユカより少し高く、出るところは出て締まるところは締まっていてとてもバランスの良いプロポーション。まさに美女だ。
「ちゃん・・・たの?・・・うっちゃん!!」
「んぁ!どっどうした?」俺は我に返る。
「どうしたはこっちのセリフだよ。ボーとしちゃってさ。…それよりさ、わたしが目の前に現われてびっくりした?」
ちょっと上目使いで覗き込んでくる。ちょっとドキッとしながら、
「最初は気付かなかったけど、気付いた後はホントにビックリした。」と答えると、ユリは満足そうに笑った。
「それにしても、戻ってるならしかも同じ学校なら教えてくれたら良かったのによぉ。」
と俺が言うと、ユリはニコニコしながら「だって驚かせたかったんだもん。」なんて、中身はあまり昔と変わってないようだ。
そして俺はふと腕時計を見る。
「あー!いっけねぇ!もうこんな時間かよ!ゴメンなユリまだ話したいこと山ほどあるんだけど、俺これから部活なんだ。また明日にでも、話そうぜゆっくりとさ、それじゃあ!!」
そう言って俺は早足で部活へと向かった。だからユリの
「これからは、置いて行かないって言ったのに…」という言葉にまったく気付かなかった。