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381 :のどごし ◆Nwuh.X9sWk :2010/09/23(木) 19:22:21 ID:aQqOV8y4

何かを得るためには、それを叶えようとすると行動すること。
それが何かを得るためのコツであり、必須条件でもある。
しかし、逆に何かを捨てるための……、捨てようとする人は滅多にいないが、その秘訣は忘れる事だと思う。または忘れられる事。

僕はあの日から小町の家に通っている。約束していない日でも形態に携帯でお呼びが掛かる。

『今日も家に誰もいないの……、今から家に来ない?』

メールを返信しなければ留守電に繋がるまで携帯に電話を十回入れ、それにも出なければ家に掛けてくる。
電話に出れば嬉しそうな声の調子で僕がなぜ出なかったのか聴いてくる。

僕はテキトーな嘘を用意するのだけれど、簡単に見破られ、彼女はこう言う。

『この前撮ったビデオ、編集したの。今から私の家で一緒に見ない?』

彼女の言うビデオ……。あれから、あの日以来、僕らは何度も身体を重ねあった。

彼女は行為に及ぶ度、その一部始終をビデオに収めていた。
最初は部屋のどこか、タンスに収めている本と本の間や、鞄の中に隠しながら撮影していたのだが、最近では隠さずに見えるところにカメラを置いて、撮影しているのが普通になってきている。

僕はそれに何か文句を言ったり、撮影を止める事は出来ない。
止める気が起きない。

撮影の最中に以前撮ったモノが上映されているからだ。
彼女は以前撮ったものを上映しながら性行為をするのが好きらしく、行為中はそれがずっと流されている。

僕はその映像と聞こえてくる自分の声に打ちのめされる。やめてとか、撮らないでと言う言葉は出てこない。
恐れているのだ。小町がビデオをネタに僕を脅してくるのを。

一度味を占めると、彼女はきっと何かある度にそれを武器に使ってくるようになる。

例えば僕が別れを切り出した時、それを使われれば僕だけではなく、彼女も傷つく事になる。

しかし、彼女はいざとなればその冷たい斧を振り下すだろう。

現に彼女は僕が別れを決意し、彼女の家に向かった日にこう言ったのだ。

『確かなものが欲しい』

彼女は、藤松小町は歪んでいる。

いや彼女の『愛』という感情は歪んでいる。
それは愛するという事においても、愛されるという事においてもだ。

彼女の愛は完全を目指し、僕の愛は破綻を目指している。

相反するはずの二つが共存する僕らの関係、きっとその先にあるのは悲しい結末だけ。
キリキリとネジが勢いを無くしていく音がする。

平沢には相談できない。
アイツは今謹慎中だ。

それに出来たとしても上手く説明できる自信も、話を切り出す事すら難しい。
なんて言えばいい?

「彼女に僕が必死に射精を懇願しているビデオを撮られた」というのか?そんな事できるわけがない。

彼女に飼い殺され、言いなりになる?それも出来ない。
ならばどうするか、飽きてもらうしかない。彼女が飽きればそこで終わる。

ビデオも使われずに済むだろう。そうだ、それしかない。

彼女に見放されるために僕は彼女を満たそう。
抵抗すれば、彼女の僕に対する『教育』という喜びを与えてしまう。

それから僕にも変化が必要だ。例えばそう、ダイエット。

彼女は僕が太っている……今現在八月二十一日において前より一キロプラスの肥満体だが、彼女は太っている僕に恋をした。
つまり彼女にはフェチズムとして太っている男性に好意を抱く傾向があるのではないか?簡単に言うとこうだ、

「彼女はデブ専ではないか?」

何の根拠も無いが、これは残された数少ない抵抗の一つだ。見逃すなんて出来ない。
出来る事があるならそれにしがみ付く。

彼女がそうするなら、僕だってそうしてやる。



382 :ウェハース第九話 ◆Nwuh.X9sWk :2010/09/23(木) 19:24:18 ID:aQqOV8y4

夏休みも残るところ十日となった今日も彼女からメールが届いた。

『今日、会えない?』

僕は深呼吸をして了解の内容のメールを返信すると、すぐにジーパンにTシャツとファッションに興味が無いなりに気を利かした服装に着替えて家を出た。
電車に乗り、いつもの通りを越え、彼女の家のインターホンを鳴らす。

ぱたぱたと小走りの音が聞こえて、すぐに彼女の家のドアが開いた。彼女の服装に僕は今日も目を引かれた。

深い藍色で胸元に可愛らしい白のキルト調の装飾をあしらったスカートの丈が短いワンピースに、七部丈ぐらいのスリムジーンズを合わせている。

「いらっしゃい」

顔を見ると学校でトレードマークだった、縁が赤い眼鏡を掛けている。
勉強でもしていたのだろうか?

「どうしたの?」

「あっ、いや、眼鏡似合ってるなって……」

本音がすんなり出てしまい少し気恥ずかしい。僕が思わず下を向いてしまった。

「フフッ。なら、ずっと掛けてようかな?」

顔を上げると、少しだけ小町も頬を赤くしていた。目を少し薄くし、唇の端を少しだけ上げて微笑んでいる。

「入って。暑かったでしょ?」

僕は何も言わず、小町の後に続いて玄関に入った。
靴を脱いで、二階に上がり、小町の部屋に入る。
もう何回目か自信が無くなってきたこの一連の動き。

彼女は僕が入って少ししてからコーヒーを淹れて茶菓子と一緒に持ってくる。
机にそれらを置くと、僕の足の上に腰を下す。
人間椅子と言うわけだ。
そう来ると分かっていて既に胡坐をかいていた自分が少し憂鬱だ。

僕の胸に背中を、僕の膝の上に手を、僕の中にすっぽりと収まってしまう小町。
彼女はひどく機嫌のいい声で、僕に囁く。

「真治、今日もいい匂いがするね」

小町は僕の匂いが好きらしい。自分では分からないので、どんな匂いか一度尋ねてみると小町は「あったかい匂い」とのこと。

彼女は艶かしい笑みを浮かべると、上半身だけを捻って瞳を閉じて僕に口付けをせがんだ。

僕は一体どんな顔をしているんだろう。

そんな事を思いながら、優しく彼女の唇に自分の唇を合わせた。
少しだけ唇の肉がプレスされるぐらいの力で。

しばらくして離すと、小町はゆっくり目を開けて「ありがとう」と微笑みながら囁いた。

「いつもごめんね。重い?」

「全然平気。それに小町もいい匂いがするから、僕も嬉しい」

小町は嬉しそうな笑みを浮かべて「どんな匂い?」と訊いてくる。

「花の匂い……。香水みたいにしつこくなくて、もっとさっぱりしたいい匂い」

桃の様な、優しくて温かい。そんな匂いだ。

「そう?シャンプーの匂いかな?」

クルクルと前髪を回しながらスンと彼女は前髪を嗅ぐ。

僕は周りを見渡す。
カメラは見当たらない。
小町にも僕が心配している事が伝わったらしく、手を繋いできた。

「今日はしないよ?」

「えっ?」

蹲るように、僕の胸の中で小町が小さくなる。

「いつもごめんね……、カメラに撮られるの嫌だよね」

言葉が続かなかった。気付いていたのだろうか?

「でもね、でもああでもしないと不安だったの……」

「不安……?」

もたれ掛かる小町は懺悔でもするみたいに言葉を続ける。

「私、あなたに捨てられるのが怖かった」

捨てられるのが怖い。ふいに、平沢の言葉が蘇った。

『どうせ高校生活が終わるか、それぐらいには別れてるだろ?』



383 :ウェハース第九話 ◆Nwuh.X9sWk :2010/09/23(木) 19:24:57 ID:aQqOV8y4

「いつか、来て欲しくないけど神谷君が私の事を煩わしく思って私と別れようって話をしてきたら……、私きっとあれを使って神谷君を縛り付けると思う」

いつのまにか小町の手が僕の手を握り締めていた。少し震えている。

「どんな事をしてでも……きっと、そうする」

言葉はどこかに吸い込まれるみたいに、すぐに消えてしまった。
僕は少しの間考えて、小町に質問する事にした。

「小町が、僕のこと煩わしく思ったらどうするの?」

ビデオを使って別れる?と訊いてみる。

小町は振り返って、僕と目を合わせる。
それから少し笑って僕の顎先に触れるような軽いキスをした。

「今考えてみたけど、私……、真治の事嫌いになれるのかな?」

「きっと、そっちの方が可能性高いよ」

彼女の顔に哀しみの色が浮かぶ。

「そんなの……、イヤだな。それだけは絶対にイヤ」

「今はそう思うかもしれないけど、そうなった時はせいせいしたとか、なんであんな奴と付き合ってたんだろう?って思ってるよ」

彼女の不安を消そうと、少しだけ微笑を浮かべる。しかし、小町の悲しみは深まるだけで、むしろ逆効果だった。

「なんで……、そんな事言うの?」

小町の眉間に見慣れない縦皺が刻まれる。

「本当の事だよ」

「違うよ、そんな事考えも出来ない。真治、もしかして私と別れようと思ってる?」

五臓六腑全部が鷲掴みにされたような、そんな錯覚を覚えた。

「私、私真治とずっと一緒にいたい。幼稚だけど、結婚して真治の子供を産みたい」

瞳は全く揺れず、僕だけを捕らえている。

「今だけだよ、小町。そう思えるのって」

僕は視線を逸らし、小町から逃げるように握られていた手を解こうとする。
しかし、手は離れる事は無かった。
指を絡ませ、掌を合わせる小町の手はさっきよりもずっと強い力で僕と繋がっていた。

「なら、今の気持ちを実行するのが正解なんだね……」

小町は僕の襟を掴むと力任せに引き寄せ、強引にキスをした。小町の舌が乱暴に口の中に入ってきて暴れ回る。

「ん…くちゃ……んふ…」

彼女の眼を見たまま、接吻は続けられた。
一分ほどしてから、やっと解放された頃にはすでに押し倒されていた。
長い髪が僕の服の上に降りてきていた。

「今日はしないんじゃなかったの?」

「気が変わったの。真治が今だけだって言う気持ち……、それを永遠にしたいから」

薄い笑みを顔に貼り付け、小町は続ける。

「今から避妊せずにセックスするけどいいよね?」

言葉が続かない。小町の眼は据わっている。多分本気で言ってるんだろう。
でも、ここでいつもみたく引いてはずっと小町の言いなりだ。
そう自分に言い聞かせて小町を見上げる。

「駄目だよ……。そんな事しちゃ」

「なんなら……」

小町は僕を嬉しそうな笑みで見て、屈んで僕の耳元に唇を付けた。。

「ビデオ、撮ろうか?」

一言の囁きに怯んでしまう。

それは、僕の弱みだから。

気付くと小町の手が僕の腰に伸びていた。

「私、知ってるんだ。真治君が撮られて興奮してるって」

小町の手がジーパンのベルトを揺るめていく。
「カメラのレンズに向かって気持ちいい顔してる真治君はいっつも嬉しそうだよ?それで私の名前を震えた声で呼んでるの。私それで何回もオナニーしちゃった」

ベルト緩めると、今度はチャックを下げ始めた。

「いつもは明るくて、笑顔でいっぱいの真治君が、私にだけ”あれ”を見せてくれてると思うとゾクゾクするの。ああ、私だけの真治なんだって思えて……」

もう、学校での清楚なイメージは払拭されていた。目の前にいる彼女はもうそんな可愛らしいモノではなくなっていた。



384 :ウェハース第九話 ◆Nwuh.X9sWk :2010/09/23(木) 19:25:32 ID:aQqOV8y4

それから小町はこう続けた。

「穂波ちゃんにも見せてあげようか?」

「えっ?」

「お兄ちゃんが家で見せない表情、穂波ちゃんどう思うかな?」

絶句する。
ここまで、ここまでやるのか。

僕は彼女にビデオを使わせないために今まで慎重にやってきたが、それは無駄だった。
小町はいつでも使うつもりだった。
僕が少しでも抵抗したら静かに鎌を首に添えて、横に引く。

「大丈夫。言うとおりに大人しくしてたら私が全部やってあげる。全部私の責任。もしもこれで子供が出来ても、真治は悪くない」

子どもに諭すように、やさしい物言いで小町は少し状態を起こして瞳の中に僕を収める。

「でも、もしも私を拒絶するのなら……」

鎌が、静かに僕の首に添えられる。

「あなたに、私しか残らないように全部壊す……、徹底的に」

抵抗の余地は無かった。
決意は固く、行く手は封じられ、全力の彼女はもはや僕では抑えきれないほどに強大な存在になっていた。

小町は微笑を浮かべて僕に一言尋ねた。

「いいよね?」

頷きもせず、首を横にも振らない僕を見て彼女は了解とでも取ったのだろうか、僕の服を瞬く間に脱がせ、全裸にすると愛撫を始めた。
首筋を薄く舐め、乳輪をなぞる様にして蹂躙すると、僕の腋を上げてそこも嘗め回した。

変な浮遊感に包まれて僕はぼぅ、と彼女の愛撫を見ているだけ。

彼女は一通り舐めて満足したのか、立ち上がり、机の引き出しの中から半透明のボトルを出す。中に入っている液体は粘性がある。

蓋を開けて、掌に液を出すと彼女は両手でそれを広げる。

「お尻、してあげるね」

何を言ってるのか全く意味が分からなかった。
彼女は僕の上に馬乗りになって、湿らせた指先で僕の尻の穴をなぞった。

「ちょっ!っと!!!」

気付いた時には遅かった。彼女の人差し指が肛門に一気に挿し込まれた。
痺れが頭に一気に逆流して、括約筋が絞められる。
痛みで声が出ない。
今はただ食いしばり、目を力いっぱい閉じるだけ。

「絞めすぎだよ、もっと力抜いて」

指先が動くたびに激痛が走った。
ウニウニと侵攻を続ける指先が奥の奥まで行ったとき僕はもう気絶するんじゃないかってぐらい痛みを耐えていた。

「奥まで入ったね、すごいよ」

「うっ、うごっ、かさなっい……で」

息も絶え絶えといった感じでようやく言葉が出た。
しかし小町には全く届いていないみたいで、彼女はさらなる進軍を口にした。

「中指、入るかな」

「やめで!!」

もう僕が制止に入る前に中指の頭が入っていた。激痛に耐えるために思い切り握り拳を作る。

「あはは、真治スゴイ顔だよ?」

そういうと中指が一気に奥まで入ってきた。
肛門が切れた気がする。

「うーん、狭いな。えい!!」

いきなり肛門が大きく開かれた。鋏を開くように人差し指と中指が開かれたのだ。激痛に思わず悶絶する。

「あがっ!いぎぃ!!」

「これで、真治の処女も貰っちゃったね」

一瞬頭がおかしいんじゃないかと思った。小町は僕が痛がってるのに嬉しそうに喜んでる。それがよく分からなかった。



385 :ウェハース第九話 ◆Nwuh.X9sWk :2010/09/23(木) 19:26:01 ID:aQqOV8y4

見て、彼女の言葉を聞き、首を起こすと彼女の性器が濡れているのが分かった。

「真治の顔見てたら濡れてきちゃった。もう入れてもいいよね?」

涙で視界が濡れる。
小町はゆっくり腰を浮かすと、そのまま僕の性器を自分の性器に挿入した。
いつもより奥に届いている気がする。
やっと痛みの波が安定してきた時、また小町の指先が僕の肛門を触り始めた。

「もう……やめてよ」

「大丈夫。痛いのは今だけ、すぐに慣れるから」

息を荒げながら、彼女は言う。

「すっごく、気持ちいいから。ね?」

僕の返事も聞かず、小町はまた指が入れる。今度は何かを探るように動く指先に妙な不快感を覚える。

「うぐっ!!」

いきなり指先が壁を圧迫した。それと同時に痛みと快感の弱い波が流れる。

「気持ちいいの?」

妖しい笑みを浮かべながら小町は腰を振る。

「イキそうになったら、言って?もっと気持ちよくしてあげるから……」

激しくなるピストン運動。指先の動きは止まったが、ずっと肛門の中にに留まっている。

「あっ、お尻ヒクヒクしてきた。イキそうなの?」

僕は目を力いっぱい閉じる事で射精が近いことを彼女に告げる。

「ほら、じゃあいつも言ってる事、言ってくれる?」

「え……」

「どうしたの?言えないのなら、やってあげないよ?」

普段は見せないような厭らしい笑みを浮かべる小町。
その笑顔はまるで抗い難い『威』を放っていた。

「ぼ、僕は小町さんのことが大好きです……」

肛門の壁を圧していた力が一気に強くなる。それから射精の感覚が一気に亀頭の先まで駆け巡った。

「ああああああっ!!!」

「うっ、ぐ!!」

いつもよりもスゴイ射精の快感が廻ってきた。
括約筋がコレでもかと締まる。
小町さんは僕の射精を全て受け止めたせいか、ぐっと何かを耐えるように腹を守るように身を丸くして震えている。
僕はまたここで自分のした過ちに気が付いた。
しかしもう遅い。
一体どこまで遡れば、僕は足を踏み外さなかったのだろう。
脅されても、止めるべきだったんだ。
自分の保身ではなく、彼女と彼女のこの先を考えて行動すべきだったんだ。

「あった……かい」

小町がそう言って顔を上げる。

彼女は涙を流しながら微笑み、愛しそうにお腹を撫でている。
僕らを繋げている所からは粘性のある白濁の液がドロリと垂れてきていた。
それに目を背けてしまう自分が情けなかった。

それから小町とシャワーを浴びた。
僕は一人で浴びたいと小町を先に浴びに行かせてからシャワーを浴びに行ったのだけれど、僕が入ってすぐに小町が再び入ってきたので仕方なく二人で入ったのだ。
浴室で小町は舐め回すように僕の身体を見ていた。
どこか美味しそうに、獲物がそこにいる猛禽類のような目で。
体の隅々まで汚されているような、そんな錯覚を覚える。

シャワーを終えて、部屋に戻ると小町と一緒に横になった。
酷く眠かったのだ。
僕は家に帰ろうと提案したが、小町が家で少し休めばいいと聞かなかった。
横になるとすぐに眠気が襲ってきた。
横で僕に寄り添う彼女がやけに嬉しそうだ。

ぼんやりした頭で、天井を見る。

そういえば……。
そういえばもう夏休みが終わるな。