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335 :ヤンデレの生徒会長さん [sage] :2010/09/21(火) 20:34:19 ID:wqwK8cNq
 ねぇ、君は可愛いものが好きかな?

 もっと言うと女の子が好きかな?

 あーんど、その女の子は少ないより多い方が良いよね?

 …オーケー。

 そこまで分かってくれる君なら、私が可愛い女の子をたくさん集めてウッハウハになりたいって気持ちも分かるよね?

 わたしは一原百合子!

 この夜照学園高等部2010年度生徒会会長!!

 夢はでっかく、世界一のハーレムを作ること!



 …なんだけどね


336 :ヤンデレの生徒会長さん [sage] :2010/09/21(火) 20:37:10 ID:wqwK8cNq







 「ふぅ…」
 昼休みの生徒会室でわたしはため息をついた。
 ポニーテールにした茶色がかった髪にハッキリとした目鼻立ち。
 自分で言うのもナンだけど、控え目に言って少女漫画のヒロイン位はやれる容姿だと思う。
 明朗快活な正統派って感じで。
 「上手くいかないものね、わたしのハーレム拡大計画は」
 パサリ、と手に持った書類を長机の上に投げ出す。
 その書類は生徒会活動に関するもの―――ではなく、学園内の美少女リストである。
 ほとんどの少女の名前にバッテンがついている。
 いずれも、わたしのハーレム加入要請をやんわりと断ったか、他に思い人が居るかのどちらかである。
 「某生徒会の○存シリーズに例を取るまでも無く」
 両手を後ろ手に組んで無感動な口調で語るのは、夜照学園高等部3年で生徒会副会長の氷室雨氷ちゃんである。
 若干17歳にして、大人びた容貌の眼鏡ッコだ。
 「自分からハーレムハーレム言っている人間は、周囲からドン引きされてしまうものです」
 眉ひとつ動かさずに、聞きたくない所をズバーっと言ってくれる雨氷ちゃん(以下うーちゃん)
 ちなみに、かく言う うーちゃんも私のハーレムメンバーの1人だったりする。(いやホント)
 「私は好きだけどね、あの主人公。生徒会に入って第一声がメンバーへの告白なんて、男ながらアッパレよ。女の子にもマメだし」
 はしたなく椅子の上に胡坐をかきながら、わたしは言った。
 ちなみにこの姿勢、下手をしたらパンツが見えるのだが、今この生徒会室に居るのは私とうーちゃんだけなので何ら気兼ねする必要は無い。
 むしろ、見せているのである。
 誘い受けである。
 「そもそも、私には会長のハーレム拡大計画にどんな意味があるのか分かりかねます」
 「ハーレムは女の浪漫よ、うーちゃん!?」
 うーちゃんの言葉に思わず立ち上がって反論するわたし。
 「そもそも…」
 感情を感じさせない声で言葉を紡ぎながら、後ろ手に組んでいた手をほどくうーちゃん。
 その手をピタリとわたしの喉元にあてる。
 あ、ゴメン、言い間違えた。
 正確には「その手に『持った大ぶりのナイフ』をピタリとわたしの喉元にあてる。」だった。
 いやー、思わず意識的に言い間違えちゃった。
 ……現実逃避したくて。
 「私があなたのことを100人分は愛しているのに、どうしてそれ以上を求める必要があるのですか?私の愛情に何の不満があるというのですか!?
 うーはとてもとてもとてもとてもとてもゆーちゃんのことを愛しているのですよ!?ゆーちゃんがいなければ生きていけないカラダなのですよ!?なのにどうしてどうしてどうしてどうして…」
 ああ、私への呼び名が「会長」から「ゆーちゃん」に!
 いつもはベッドの上でしか言ってくれないのに!!
 これがデレか…
 うわ、デレたのにナイフ突き付けられてるから全然嬉しくない!!!
 「まぁまぁ落ち着いてうーちゃん」
 「うーは落ち着いています!!」
 一人称うーでも敬語は変わらないのね。
 「確かに、うーちゃんがわたしのことを愛してくれてるのは知ってるわ!おはようからおやすみまでわたしのことを見守ってくれてるし、わたしの分のお弁当は拙いながらも作ってくれてるし、メールは1日100件以上だし。
 正直ウザいとか思わないでもないけど、そのウザさが興味深い位ゾクゾクするくらい愛しいわね!でもね、人間とは欲深なものなのよ!!たった1人の重い位の愛だけじゃ満足できないの!!たった1人より大勢の娘の愛が欲しいのよ!!」
 「何と言う最低理論!?けれど、それも含めてあなたなのですね!!」
 「ああ、最低な恋人(わたし)に苦悩するうーちゃん萌え!!」
 「だから、わたしを殺してあなたも死にます!!」
 「逆!?」
 わたしが死亡フラグを立てまくっていたその時、生徒会室の扉が勢いよく開け放たれた。
 「ちょっと待ったぁ!!」


337 :ヤンデレの生徒会長さん [sage] :2010/09/21(火) 20:37:32 ID:wqwK8cNq
 そう言って生徒会室に入ってきたのは高等部一年の一原愛華。
 生徒会での役職は庶務。
 その名の通りわたしの実の妹である。
 身長も胸もわたしやうーちゃんには及ばないが、無いは無いなりに良いものだということに気づけたのは、愛華=あっちゃんのお陰である。
 「お姉はアタシと添い遂げるんだからね!副会長さんは離れて!」
 ああ、ツンデレになろうとしてもなりきれない妹萌え!(ただ今ナイフを向けられ中)
 「黙りなさい、庶務!実の姉に欲情する変態が何を言っているのですか!!」
 「うるさい!!そんなこと言ったら女に欲情するアタシら全員変態じゃない!!」
 ああ、あっちゃん。
 わたしのために頑張ってくれるのは良いんだけど、辛い現実を突き付けないで。
 「だとしても、ゆーちゃんは私のことを愛しいと言ってくださいました!イコール添い遂げるべきは私!」
 うーちゃん、うーちゃん、興奮のあまり論理展開が破綻してるわ。
 開始数分でクールキャラを脱ぎ捨てないで。
 ギャップ萌えの甲斐が無いわ。
 「アタシなんてあの伝説の大桜の下でお姉に『大好き』って言ってもらったんだから!」
 「そんな設定があったのですか!?」
 うーちゃんが驚き、わたしの方を見る。
 「しょーがないじゃない!桜の花の下で『お姉、だいすき!』なんて言われて抱きつかれたら『わたしも大好きだよー』って言うしかないじゃない!可愛すぎてエッチシーンに突入するしかないじゃない!」
 「アタシはお姉のそう言うサイアクな所もだいすきだよ!」
 わたしの開き直りに、あっちゃんがこれまたズバッとツッコンでくれる。
 あっちゃん、たくましい子……!
 「…どうやら、あなたは排除する他無いようですね」
 「奇遇だね!アタシも副会長さんは地獄に行ってもらわないとって思った所だったんだ」
 ナイフを向けるうーちゃんに、どっからともなくバットを取り出して、あっちゃんが応じる。
 …そう言えば、あっちゃんは女子野球部だっけ。
 こりゃまたトンデモバトルが見れそうだわ。
 見るつもりもないけど。
 二人の意識がわたしから逸れた隙に、ソロソロと逃げ出すことにしよう。
 ぶっちゃけこの場に居たら身がもちそうにない。
 「ハッ!ゆーちゃんが居ません!」
 「アハ!お姉はアタシのなんだからねー!」
 私が生徒会室から離れると、2人の殺気だった声が聞こえる。
 「「待てええええええええええ!!」」
 「アハハハ、追いついてごらんって言うか追いつかないでー!」


338 :ヤンデレの生徒会長さん [sage] :2010/09/21(火) 20:38:51 ID:wqwK8cNq
 うーちゃんとあっちゃんから全力疾走で疾走で逃げていると、出会いがしらにとある巨乳と正面からぶつかりそうになる。
 「OH!マイハニーユリコ。どうシたのデスか?」
 「あ、エリちゃん先生!」
 この金髪美人は英語教師のエリス・リーランド先生。イギリス人で通称エリちゃん先生。
 「エリちゃん先生、ウチのハーレムが暴走してるんです!何とかなりませんか!?」
 エリちゃん先生の後ろに隠れながら、わたしは言った。
 「ソういうコトなら、ワタシの家に避難しましょウ。ジャパニーズスタイルのアパートでスが、ユリコ好みのカワイイコーディネイトなノで、一生出たク無くなりマス」
 「エリちゃん先生ルートは監禁ルート!?」
 リアクションを取るわたしの肩を掴み、どこかへと引きずろうとするエリちゃん先生。
 「…先生、力強いですね」
 「ムカシ、キックボクシングで体力を付けまシたから」
 「その体力をこんなトコで使ってほしく無いかもです」
 「ダイジョウブです。痛いのハ最初だけでスから」
 「いや、最初も何もわたしと先生は何度となくキャッキャウフフしていたような…」
 「さァ、let'goです。二人だけのElysionへ!」
 「明らかに人生の奈落へと堕ちるルート!?」
 と、その時、エリちゃん先生が眠るように倒れこむ。
 先生の首筋には眠り薬が塗られた手裏剣が。


339 :ヤンデレの生徒会長さん [sage] :2010/09/21(火) 20:39:30 ID:wqwK8cNq
 「無事でござったか、百合子殿」
 「しぃちゃん!!」
 川のせせらぎのように清楚可憐な声を古風すぎて最早ギャグな口調で台無しにしているのは、高等部二年で生徒会書記の李忍(り・しのぶ)。
 通称しぃちゃんだ。
 中国人と日本人のハーフで、中国人のお父さんがなぜか(微妙に間違った)日本マニアの忍者マニアなので、可憐な雰囲気の彼女もその影響を大いに受けているカオス萌えな娘なのよ。
 書道をしているお陰で字が上手いのは大助かりだけれど。
 「時に百合子殿、我が家は対犯罪者用に八百万の罠を備えた忍者屋敷。よろしければ今すぐこちらに避難を。もちろん、そのまま一生出なければ最大限の安心安全が保障されるでござるが……」
 「要は監禁されろと!?」
 くぅ、この娘、妙な萌えを見出してハーレムに引き込まなきゃ良かったかも…!(でもかわいい)
 「さぁ、百合子殿、今すぐ我が忍者屋敷に我が家の婿として…!」
 「本音が駄々漏れよー!」
 そんなことを言ってると、いきなりわたしの体が廊下に押し倒される。
 「アハハハ、李も他のヤツらも馬鹿だなぁ。そんなに百合子が欲しいなら、問答無用で押し倒しちゃえば良いのにさァ!」
 「りょうちゃんったら、何てワビもサビも無い事を!?」
 わたしに馬乗りになってそう叫ぶのは、高等部二年で生徒会会計の霧崎涼子。
 なぜか自分が男の子であるかのようにふるまい、ショートカットの髪型に男子制服に身を包んでいるが、女性らしい体つきを全く隠せていない。(特に胸とか)
 「アハ、ゾクゾクするなぁ!ねぇ、分かる!?今からぼくの(自主規制)が百合子の(自主規制)を(自主規制)するんだよ!」
 りょうちゃん、放送禁止用語連発中。
 コレでも、普段はわたしに対して子犬のようになついてくれてるって裏設定があるのよ?
 「りょうちゃん、りょうちゃん。りょうちゃんから乱暴に(自主規制)されるのもスリリングではあるんだけど、しぃちゃんもいるし、他のコ達もそろそろ追いついてくるから、また今度にしよ、ね…?」
 「アハ、百合子は何を言ってるのさ。ぼくは男だよ!?あんなヒョロいばかりの女の子たちに負けるはずが無いじゃないか」
 大きな胸を揺らしながらヒドいことを言うりょうちゃん。
 ……この子、本気でアレな子じゃないかしら。最近心配になってきた。
 と、狂ったように笑っていたりょうちゃんが乱暴に蹴っ飛ばされてブッ飛ばされる。
 「リョウコ、アナタのような生徒にはお仕置きにspankingが必要なようデスね。さぁ、アナタのassを数えなさイ!!」
 見ると復活したエリちゃん先生が見事な蹴りを決めていた。
 「言ってくれるね!たかだか女教師がさぁ!!」
 屈辱に顔をゆがませ、懐から伸縮式警棒を取りだすりょうちゃん。
 様子を見ていた しぃちゃんも背中から日本刀を引き抜く…ってソレ明らかに銃刀法違反よ!?
 「それではわたしはこの辺で~」
 ソロソロとその場を抜け出そうとするわたし。
 「待って下サい、ユリコ!」
 「お待ちなされ、百合子殿!」
 「アハ、逃がさないよ百合子!」
 もちろん、3人が見逃す筈も無く、すぐに追いかけてくる。
 「待ってよよ、お姉ー!」
 「私はゆーちゃんのもの!イコールゆーちゃんは私のもの!」
 後ろを振り返ると、あっちゃんにうーちゃんも追いかけていた。
 「たーすけてーい!」
 叫びながら校舎内を全力疾走するわたし。
 ふと、その光景を見ている一般生徒の会話が耳に入る。


340 :ヤンデレの生徒会長さん [sage] :2010/09/21(火) 20:40:37 ID:wqwK8cNq
 「あー、またやってるなー、あの人たち」
 「…確か、生徒会の人たちですよね?」
 「そだよー、お前は生徒会長には近付いちゃいけないよー」
 「…生徒会長さん、ですか?追いかけているいかにもアブない感じの皆さんでなく?」
 「そうそう。理由はまー色々あるけれど……」
 「…あるけれど?」
 「あんなアブない人たちに『笑顔で』追いかけられている人が控え目に言ってマトモなわけなくない?」
 「…なるほど」

















341 :ヤンデレの生徒会長さん [sage] :2010/09/21(火) 20:41:17 ID:wqwK8cNq
 わたしは一原百合子!

 この夜照学園高等部2010度生徒会会長!!

 夢はでっかく、世界一のハーレムを作ること!

 ……なんだけど、それは当分上手くいきそうにない。

 嫉妬深くも愛おしい、このハーレムメンバーが居る限り。

 って言うかわたし、明日の命も知れぬ身なんじゃない!?

 お願いだから誰か助けてー!