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138 :触雷! ◆0jC/tVr8LQ :2010/10/04(月) 00:31:38 ID:BR/Y4UC5
僕は晃に抱きかかえられたまま、彼女の家の奥深くまで引き摺られていった。
そして、プロレス用の練習場までたどり着いたところで、床に押し倒される。
「あの……」
「まずは、あのメイド豚のことから話してもらおうかなあ」
「そ、総日のみんなのところに行かなくていいの?」
「相変わらず、詩宝は鈍いね」
晃は完全に僕にのしかかり、馬乗りになって顔を近寄せてくる。
息がかかりそうな距離で見つめられ、僕は蛇に睨まれた蛙のようになった。
「ひ……」
「あんなの口実に決まってるじゃん。詩宝を成金豚から助け出すためのさ」
そのために長木さんを巻き込んだのか。僕は身震いした。
「さあ、早く白状して!」
「わ、分かったよ……」
僕は怖さのあまり、紅麗亜と出会ったときのことから話し始めた。
紅麗亜が道で行き倒れていたこと。
その後、紅麗亜が僕のメイドになったこと。
紅麗亜が中一条先輩を警戒して、僕を家から出さなかったこと。
「……という訳なんだ」
「ふーん。それって、明らかに詩宝、はめられてるよね? 屋敷もカードも持ってる女が行き倒れるわけないじゃん」
「そ、それはそうだけど……」
その疑問は、僕も抱かなかったわけではない。しかし、紅麗亜が怖すぎて言いだせなかったのだ。
「まあいいや。じゃあ次に、なんであの成金豚と婚約なんかしたの? あたしいつも言ったよね? あいつは詩宝をからかってるんだって」
「そ、それは……」
僕は、偽の婚約披露宴で先輩の家に行ったこと、そこで先輩をレイプし、婚約することになったことを話した。
例の“カリキュラム”については、さすがに言いだせなかったけど。
「薬だね」
僕の話を最後まで聞いた晃は、即座にそう言った。
「薬?」
「そう。媚薬みたいなのを盛られたんだよ。そうでもなきゃ、詩宝があのデブスに欲情なんかするわけないじゃん」
先輩は太っていないし、絶世の、と言ってもいい位の美人だけど、そう言われてみれば、思い当たる節がないでもなかった。
先輩にお茶を勧められて飲んでから、何かおかしくなったような気がする。
「でも、どうして先輩はそんなことを……?」
「あの性悪豚のことだからね。詩宝を困らせて喜んでたんだよ」
そんなことのために、先輩はわざわざ自分の貞操を犠牲にするだろうか。
僕は腑に落ちなかったが、晃があまりにも断定的に言うので、口に出せなかった。
「成金豚を襲う前に、何か食べさせられたり飲まされたりしなかった?」
「お、お茶を何杯か……」
そう晃に言うと、彼女は我が意を得たりとばかりに頷いた。
「やっぱりそうだ。よし、病院に行って検査してもらおう」
「検査?」
「そう。薬を盛られたって証明するの。そうすれば、あの成金豚と手を切れるでしょう?」
晃は僕の上からどくと、僕を引き起こし、無理やり外に連れ出した。



139 :触雷! ◆0jC/tVr8LQ :2010/10/04(月) 00:32:37 ID:BR/Y4UC5
タクシーに乗り、移動することしばし。
僕達は、かなり大きな病院に到着していた。
「ここって……」
「ドーピング検査では、かなり定評のある病院だよ。ここで検査すれば、一発で分かるって」
「ははあ……」
僕は晃に引き摺られるように、病院に入っていく。
正直、先輩が僕に薬を盛ったとは、信じたくなかった。
いつも僕に親切で、優しくしてくれた先輩。
その先輩が、僕を陥れるようなことをするなんて……
晃は受付で、何やら話をしていた。やがて看護師さんがやって来る。
「こちらです」
案内されて医務室に入ると、初老の医師が僕達を待っていた。
「では、検尿をお願いします」
晃が、あらかたの話を付けていたらしく、検査はごくスムーズに進んだ。
検尿のサンプルを医師に渡し、晃と待合室で待つ。
『紬屋詩宝様、お入りください』
名前をアナウンスされて医務室に入ると、早速結果が伝えられた。
「いや、これはひどいですな」
「と言いますと……?」
「興奮剤に精力剤、勃起促進剤に性欲増進剤が大量に検出されました。これでは、どんな紳士でも一発で無差別強姦魔になってしまうでしょう」
「そんな……」
やっぱり先輩は僕を陥れていたのか。暗澹とした気分になった。
「それじゃ先生、診断書ください」
僕と対称的に、満面の笑みを浮かべた晃は両手を差し出し、診断書を受け取った。
タクシーに乗って、再び晃の家に向かう。
その途中で、晃の携帯電話が鳴った。
「はい。もしもし……何? あいつが……ふーん。分かった」
晃は携帯電話を切った。
「どうかしたの?」
僕の問いには答えず、晃は運転手さんに言う。
「行き先、変えてください」
着いた先は、ビジネスホテルだった。
「家に帰らないの?」
「んー。しばらくはね。めんどいことになりそうだから」
「そ、そう……」
何か事情がありそうだったが、教えてくれそうな雰囲気ではなかったので、あえて聞かなかった。
チェックインして2人で部屋に入ると、間髪をいれずに晃が言った。
「それじゃ早速、電話しよっか」
「で、電話ってどこに……?」
「成金豚んところだよ。婚約解消しなきゃ」
「え……」



140 :触雷! ◆0jC/tVr8LQ :2010/10/04(月) 00:34:13 ID:BR/Y4UC5
「え、じゃないだろ」
晃は僕をベッドの上に投げ飛ばすと、僕に覆いかぶさって耳元で言った。
「詩宝が成金豚を襲ったのは薬のせいなんだから、婚約は無効じゃん。あたし、間違ってるかなあ?」
「そ、それは……」
「どうなの?」
カプッと耳たぶを噛まれた。僕は返答に詰まる。
確かに、晃の言うことは筋が通っている。
しかし、あの先輩が、電話一本で婚約解消を告げられて、はいそうですかと納得するだろうか。
そんなわけがない。
むしろ、天地開闢以来の修羅場が巻き起こる可能性大だ。
それに、ただでさえ酷い目に遭っていた道善さんがどうなることか。
命があるかどうかすら怪しい気がする。
「だ、大事な問題だから一晩考えさせてもらって……」
「だーめ」
晃の、僕を抱く腕の力が強くなった。息が苦しい。
「ううっ」
「せっかく成金豚の陰謀を暴いてあげた、あたしの厚意を無にする気? 今すぐ電話するの!」
「で、でも、そういうことは電話じゃなくて直接会って言った方が……」
「それも駄目。あの成金豚が、逆ギレして詩宝に暴力振るうかも知れないでしょ。電話でさよならするのが一番なの」
「わ、分かったよ……」
息も絶え絶えに言うと、ようやく晃は僕を放した。
「ほら、早く早く」
晃は顎をしゃくり、部屋に備え付けの電話機を示した。
こうなったら、なるべく先輩を刺激しないように、婚約の解消を持ちかけるしかない。
僕は電話機のところに行き、受話機を取ると、震える手で先輩の携帯電話の番号をプッシュした。
何回か、呼び出し音が鳴る。
いっそ出ないでくれれば、ありがたい。
しかしその期待も虚しく、先輩の声が聞こえた。
『誰よ!?』
物凄く不機嫌そうだ。僕は思わず悲鳴を漏らしてしまった。
「ひっ! あ、あの……」
『え……詩宝さん? ご、ごめんなさい。非通知だから詩宝さんだって分からなくて……』
先輩の声が、急に柔らかくなった。もっとも数十秒後には、どうなるか分からないが。
『ずっと探しているんです! 今どこにいるんですか!?』
「あ、あの。それがですね……ちょっと病院に行ってまして……」
『病院!? どこか悪いんですか? だったらすぐうちの系列の病院に……』
「いえ、そうじゃないんです」
呼吸が苦しい。スーハーと、僕は深呼吸した。
『詩宝さん?』
「そこで、検査してもらったら、いろいろお薬を飲まされてたみたいで……」
受話器の向こうで、先輩が息を呑むのが分かった。
『あの、詩宝さん。それは……』
「それで、婚約のことなんですけど、一度白紙に戻してもらっていいですか? いや、別に、縁を切るとかじゃなくて、ゼロベースでもう一度考え直すと言うか……」
ガチャ
突然、通話が切れた。
見ると晃が、受話機を置くところを指で押していた。
「もう十分だよ。これ以上、話す必要ないって」



141 :触雷! ◆0jC/tVr8LQ :2010/10/04(月) 00:36:51 ID:BR/Y4UC5
「さあて。こっちこっち」
晃はベッドに座り、僕にも隣に座るように促した。
並んで座ると、晃は僕の肩に腕をかけてくる。
「で、どうなの?」
唐突に晃が質問してきた。でも、何を聞かれているのか分からない。
「どうなのって、何が……?」
「とぼけるんじゃないよ」
晃は両腕で僕の頭を抱えるようにした。軽いヘッドロックだ。
「いたた……」
「詩宝はね、あの成金豚のせいで、一生を台無しにするところだったんだよ?」
「た、確かにそうだけど……」
「で、それをあたしが救ってあげたわけだ」
「……そうだね」
「だったら、そのあたしに、それなりの誠意を見せるのが人として正しいあり方じゃないの?」
「せ、誠意?」
「そう。早く誠意見せなよ」
まるでヤクザの脅迫だった。
ただ違うのは、ヤクザが『誠意を見せろ』と言えば金銭の要求を意味しているわけだが、晃が僕にお金を要求しているとは思えないところだった。
中一条グループには遠く及ばないが、晃の家は僕の家よりずっと金持ちだ。
わざわざ金をせびる必要はない。
「せ、誠意と言われても、具体的に言ってくれないと……」
「何? 女に言わせるの?」
ヘッドロックが強くなった。意識を失いそうだ。
そのとき、僕の脳裏に幼い日の記憶が蘇った。
確か、僕は晃にプロレス技を極められ、プロポーズをさせられた。
こうなったら仕方がない。僕は駄目元で言ってみた。
「あ、晃……僕と付き合って……」
「ふうん」
ヘッドロックの締めが、大分緩んだ。どうやら正解だったようだ。
「それって遊び? それとも結婚前提?」
「……結婚前提で」
「よろしい」
ウヘヘヘと笑いながら、晃は僕の頭を解放した。
「……自分で言っておいて何だけど、男の振りしてるのに、僕と付き合って大丈夫なの?」
「隠れて付き合えば大丈夫。女ってばれたらばれたで、別にいいし」
あまりにもあっけらかんとした回答で、僕は拍子抜けした。
でも、これから、どうなるんだろうか。先輩の家には当然帰れないし、僕の元の家も、先輩の所有だから入れない。そんな僕の心配を見透かしたように、晃は言った。
「しばらくは、あたしの家にいればいいよ。もっとも、今すぐには帰れないけどね……」
「そ、そう……」
「そんなことよりさ」
「?」
「エッチしよ。恋人なんだから」
「え?」
次の瞬間、僕の体は晃に軽々と抱え上げられ、ベッドに倒された。そのまま、力ずくでシャツやズボン、下着を脱がされてしまう。
腕力で圧倒的に劣る僕は、これに全く抵抗できなかった。
「ちょ、ちょっと待って……」
「嫌」
僕を全裸に剥いた晃は、自分の服も脱ぎ捨てた。そして僕に馬乗りになる。
「ううっ……」
「ふふっ。どう? あたしの裸」
僕は晃の体を見上げた。少し筋肉が浮き出ているが、基本的にはウエストのくびれた、モデル体形だ。
胸は、異常なほど大きい。
小さくするためと言われて、毎日のように僕がマッサージさせられていたのだが、全く効果がなかったようだ。
「どうって……」
「言葉も出ないんだ。それじゃ、いただきまーす」
晃が体を、僕の方に倒してくる。唇と唇が重なり、晃の舌が僕の口の中に侵入してきた。