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665 名前:現物支給 ◆0jC/tVr8LQ [sage] 投稿日:2010/10/25(月) 05:46:06 ID:+5guJgzA
陣氏が、恐る恐るリビングを出て玄関に向かうと、廊下でフェルデリアに出くわした。
「あ、ご主人様。お目覚めになりましたか」
「今のインターホンでね……フェルデリアの召使いの、アレウナさんって人が来ちゃってるよ」
「やっと来ましたか。早速入れてやりましょう」
「え? その格好で会うの!?」
陣氏は驚愕した。
フェルデリアは全裸のまま、陣氏の買ってきた首輪を着けている。それ以外、身に着けているものと言えば、頭のティアラとイヤリングぐらいだ。
とてもではないが、人に会う格好ではない。
「俺がリビングに案内しとくから、服を着てこいよ」
「必要ありません。わたくしがご主人様の性欲処理奴隷であることは、既に伝えてあります。服など着ていたら、わたくしが奴隷の役目を果たしていないのではと、誤解を抱くかも知れません」
「是非誤解してほしいところなんだけど……」
そうしている間にも、ピンポンピンポンとインターホンは鳴らされていた。
「今出ます。少し待ってください!」
陣氏は玄関のドアに向かって叫んだが、フェルデリアが勝手にドアを開けてしまった。
「遅かったわねアレウナ。入りなさい」
「ひいっ!」
陣氏は慌てたが、もう遅い。外には金髪の、20代前半と思われる修道女が立っていた。
背は、フェルデリアよりも若干低いぐらいだろうか。それでも陣氏よりは大分長身だろう。
修道女アレウナはフェルデリアの姿を見て、案の定目を丸くしていた。
「姫様……」
陣氏は急いでフェルデリアの前に立ちふさがり、彼女の姿を隠した。
「あの、初めまして。朝霧陣氏です。これはですね……」
「これはご丁寧に」
修道女は、陣氏の言葉を最後まで聞かず、一礼して歩み寄って来た。
「中に入れていただいてよろしいでしょうか?」
言葉遣いこそ丁寧だったが、陣氏を見下ろす視線は力強く、拒否は認めないという物腰だった。
――こりゃあ、フェルデリアが奴隷になったことで相当怒ってるな……
考えるまでもなく、それが当然だった。自分の仕えている王女が異国の男の奴隷にされて、何も思わない方がどうかしている。
――きっと、フェルデリアを解放しろって言いに来たんだろうな。
それ以外考えられなかった。もっとも、それは陣氏にとって好都合だ。
アレウナの要求に従うという形にすれば、フェルデリアを解放する大義名分ができる。
――後は、アレウナさんがフェルデリアを説得してくれることを祈るばかりだな。
わずかの間にそれだけ考えた陣氏は、アレウナを家の中に招き入れることにした。
「どうぞ。お入りください」


666 名前:現物支給 ◆0jC/tVr8LQ [sage] 投稿日:2010/10/25(月) 05:47:15 ID:+5guJgzA
「改めまして、お初にお目にかかります。わたくし、フェルデリア王女にお仕えしております、修道女のアレウナと申します」
シスター服を着たアレウナは、ソファーに座ったまま、対面に座る陣氏に頭を下げた。
ちなみに、フェルデリアは陣氏の傍らに侍立している。王女が立っていて、召使のシスターが座っているという、何とも珍妙な光景だった。
「どうぞ……」
陣氏は、キッチンから持ってきた急須で、アレウナの前のカップに紅茶を注いだ。
そして、自分の前のカップにも注いだ。
フェルデリアは、黙って立っている。
『そのような給仕仕事はわたくしがいたします』とでも言うかと思いきや、自分の召使いにお茶を淹れる気にはならなかったようだ。
さらに言うと、陣氏としても、アレウナに飲んでもらうために紅茶を用意したわけではなかった。
おそらくアレウナは、陣氏に対して相当な嫌悪感を持っているだろう。その陣氏が淹れたお茶を素直に飲むはずがない。毒でも入っているのではと疑っているはずだ。
それでも用意したのは、最低限の礼儀だと思ったから。念のため、同じ急須に入れてきたのを飲み、毒身までして見せる心算だった。
が、そのような陣氏の気遣いは、全く無駄に終わった。
陣氏が自分のカップに紅茶を注いでいる間に、アレウナが何の躊躇いもなく彼女の分を飲んでしまったからである。
「あ……」
「何か?」
「いえ、何でも……日本にはいつ着かれたんですか?」
気を取り直して陣氏が尋ねると、アレウナは答えた。
「ずっと日本の教会におりました。国で反乱が起きたとき、わたくしはいち早く脱出するよう姫様から命じられ、縁のある教会に身を寄せていたのでございます」
「そうですか……」
陣氏が傍らのフェルデリアを見ると、彼女は頷いていた。アレウナの言うことは間違いないようだ。
「……で、フェルデリア王女のメールを見て、こちらにいらっしゃったんですね?」
分かり切ったことだったが、あえて陣氏は聞いた。
できればそんなものはすっ飛ばして、ここに来た要件を早くアレウナ自身の口で言ってほしかったが、物には段取りというものがある。
「そうです。姫様が朝霧様の奴隷になられたと聞いて、取るものも取りあえず、やって参りました。ああ姫様、何というお姿に……」
アレウナは、フェルデリアの方を見て目頭を押さえた。
「あっ……アレウナさん。お気持ちはよく分かります。ショックですよね。しかし、フェルデリア王女がいつまでもこの境遇かと言うと、必ずしもそうとばかりは言い切れない部分がなきにしも非ずでして……」
陣氏は、アレウナを慰めながら、彼女が要件を切り出しやすいように話の方向を持って行った。
これでアレウナは、『フェルデリアを解放しろ』と陣氏に要求できるだろう。
「アレウナ」
そのとき、フェルデリアが口を開いた。
「早く要件を言いなさい。余計な無駄話は、ご主人様に失礼よ」


667 名前:現物支給 ◆0jC/tVr8LQ [sage] 投稿日:2010/10/25(月) 05:47:58 ID:+5guJgzA
いや、別に無駄じゃないんだけど。陣氏はそう言おうとしたが、先にアレウナが話し始めた。
「そうでした……申し訳ございません。今日ここに参りましたのは、朝霧様にお願いがあってのことでございます」
「承りましょう」
やっと本題だ。陣氏はほっとして、ソファーに座り直した。
「はっきりと申し上げます。いかに王家の恩人がお相手であろうとも、王女ともあろうお方がこのような姿になっているのは、見るに耐えません」
「ですよねえ」
陣氏は同意して頷き、紅茶を口に含んだ。
「どうかお願いです。姫様お1人を奴隷にするのではなく……」
「?」
「わたくしも奴隷にしてくださいませ」
ブーッ!!
陣氏は空中に向け、勢いよく紅茶を噴き出した。
ベージュの霧と相まって、見事なカラーリングの虹がリビングにかかる。
「何でそうなるの!?」
驚愕のあまり、丁寧語にするのを忘れて陣氏は抗議したが、アレウナは涼しい顔で答えた。
「姫様お1人を奴隷の境遇に置いておくなど、お仕えするものとして到底耐えられるものではございません。何とぞわたくしも、同じ奴隷となって、苦しみを分かち合いとうございます」
「…………」
陣氏は何も言えず、口をパクパクさせた。
これでは、事態が何も改善しない。むしろハイスピードで悪化している。
「ご主人様がわたくしへの調教を減らさない範囲でなら、いいでしょう」
「フェルデリア! 勝手に許可しないで!」
「駄目なのですか? ご主人様」
「駄目に決まってるじゃん! 大体普通なら姫様を解放しろとか何とか……」
「わたくしでは、朝霧様のご調教に耐えられないと、そう仰るのですね」
「え?」
陣氏はアレウナを振り返った。
見ると、アレウナが立ち上がっている。
「あの、そういうことじゃなくてですね……」
「お気遣いは無用です。ご覧ください」
そう言うと、アレウナはシスター服を無造作に脱ぎ捨てた。
「うげえっ!」
思わず陣氏は、悲鳴を上げる。
シスター服の下に、アレウナは何も着ておらず、ただ股間に金属製の貞操帯だけを着けていた。そしてその体中に、傷痕や痣、蚯蚓腫れがあった。
フェルデリアに勝るとも劣らない巨大さの乳房の先端には、金色のピアスが2つ、光っていた。
「何それ……?」
「背中にもございます」
アレウナが背中を向けると、確かにそちらにも傷が多数あった。
そして、背中一杯に、十字架に磔になった人が刺青されている。
よく見ると、磔になっているのはアレウナ自身だった。
ちなみに、背中の上半分、すなわち自分の手が届かないところには、何の傷もなかった。
「…………」
「自らを戒めるため、日夜己の体に責めを行っております。朝霧様のどのような拷問にも、耐えてご覧にいれます」
絶句している陣氏に、得意げに説明するアレウナ。


668 名前:現物支給 ◆0jC/tVr8LQ [sage] 投稿日:2010/10/25(月) 05:50:35 ID:+5guJgzA
「諦めてください、ご主人様。アレウナは一度こうと決めると、梃子でも動きませんから」
他人事のように言うフェルデリア。
しかし、陣氏としてはそう簡単に諦めるわけには行かなかった。
「か、か、神に仕えるシスターを奴隷にするのは、宗教的に差し障りが……」
「いいえ。これは神がわたくしに与え給うた試練。朝霧様の奴隷としての生涯を全うしてこそ、信仰の道に適うのです」
物は言いようにも程がある。陣氏は次の手に打って出た。
「うちには金がないんだ。2人も食べさせられない」
「ああ、申し上げるのが遅れました。それでしたら全く問題ございません」
アレウナは、自分が持ってきたハンドバッグに手を突っ込むと、無造作に何かを取り出し、テーブルの上にボトボトボトと落とした。
「うそーん」
陣氏は固まった。
テーブルにあるのは、正真正銘の紛れなき、1万円札の束また束ではないか。
「こいは一体、何でごわすか……」
もはや標準語をしゃべることもままならず、西郷どん口調で陣氏は尋ねた。
「スイスの銀行に隠してある、王室の隠し財産です。今は天井知らずの円高ですので、とりあえず必要と思われる分だけ、日本円に換算してきました。足りなければ、後でいくらでもご用意します」
陣氏の全身から、どっと冷や汗が吹き出した。
もう、アレウナの申し出を断る大義名分がない。
そればかりか、昼間、フェルデリアの買い物要求を断ったときの言い訳、『金がない』も今日以降は完全に潰されることになる。
「あうあうあ……」
「さあ。わたくしを奴隷とお認めください」
「ご主人様、往生際が悪いですよ」
「致し方ありません。こういたしましょう」
アレウナは陣氏に、1つの鍵を手渡した。
「これは……」
「わたくしの貞操帯の鍵でございます。今から1時間、朝霧様はお好きなようにわたくしを凌辱、拷問なさってください。命令でも結構です。一切抵抗、拒否はいたしません。
わたくしがギブアップすれば、奴隷になるのは諦めます。1時間わたくしをギブアップさせられなければ、奴隷と認めていただきます」
「え? それはちょっと……」
「いいわね。そうしましょう」
「では姫様。時間のカウントをお願いいたします」
「待て。カウントはいかん。話せば分かる」
「はい。スタート」
どこから取り出したのか、フェルデリアはストップウォッチを持っていた。無情にもスイッチが押される。
「ええと、ええと……」
どうしてよいか分からず、右往左往する陣氏に、フェルデリアがそっと語りかけた。
「まずは、貞操帯を剥ぎ取って床に這いつくばらせ、鞭で叩くのが定石かと」
「鞭なんかないよ」
「昼間ご主人様が買わなかったからです。自業自得ですね」
もう、身も蓋もなかった。

…………

「……ギブアップ」
1時間後、陣氏はそう呟いて、床にどうと倒れ込んだ。
何もしなかった訳ではない。鞭の代わりに平手で、アレウナの豊満なヒップを叩いてみたりした。
しかしアレウナは、「ああんっ!」とか「いいっ!」とか悲鳴を漏らして体をくねらせるばかりで、ギブアップのギの字も言わなかった。
拷問の知識など全くない陣氏はどうすることもできず、時間切れとなったのである。
横たわる陣氏を見下ろし、フェルデリアとアレウナは語り合った。
「姫様、これでわたくしも、晴れて朝霧様の奴隷ですね」
「ええ。まずは首輪を買っていただかないとね。ああ、いけないわ。奴隷契約書も……」
しかし、精魂尽き果て失神した陣氏の耳に、それらの声が届くことはなかった。