278 :現物支給 ◆0jC/tVr8LQ :2010/11/02(火) 00:32:15 ID:fPm6Mk+n
陣氏が目を覚ますと、すでに陽が高く登っていた。
――酷い夢だったな……
居間のソファーに横たわったまま、陣氏は天井を見上げた。
ピチャピチャ……ジュル……
――フェルデリアの召使のシスターまで来て俺の奴隷になるなんて、悪夢もいいところだ。
ジュル……ジュルルッ
――さて、目覚めすっきりとは言い難いが、頭も昨日よりは冴えた。フェルデリアを説得する作戦でも、じっくり練るか……
そのとき、陣氏の逸物を一心不乱にしゃぶっていた全裸のアレウナが、顔を上げて問いかけた。
「あの、天使様、わたくしのフェラは気持ちよくないのでしょうか?」
「人がせっかく逃避してるのに、現実に引き戻すな! それに誰が天使だよ!?」
陣氏は顔を上げ、アレウナを怒鳴り付けた。理不尽なのは分かっている。いくら逃避しても、現実は現実だ。
――無様なもんだ、俺は……
陣氏は再び、頭をどっとソファーに倒して腕で顔を覆った。あたかも、フェルデリアが居間に入って来る。
「ご主人様、お目覚めになりましたか」
「フェルデリアか……」
陣氏がフェルデリアの方を見ると、相変わらず彼女も全裸に首輪だけだった。もっとも、今は陣氏も何も着ていないのだが。
「なあ1つ聞いてくれ。普段は服を……」
「では早速始めましょう」
「……何を?」
「決まっているではありませんか。わたくしとアレウナの、正式な奴隷契約です」
「契約……!?」
「そうです。2人がご主人様の奴隷になることを書面にして残すのです」
陣氏は戦慄した。
そんな書面を作って、万一外に漏れようものなら、フェルデリア達と陣氏の人生は待ったなしでジ・エンドだ。
――それだけは避けなければ……
目まぐるしく頭を回転させた陣氏は、ついに1つの妙案を思い付き、ソファーの上に正座して言った。
「2人とも、これから俺の言うことをよく聞け」
「ですから、わたくし達はご主人様のご命令には全て服従いたします。そのための契約を……」
「そうじゃないってば!!」
陣氏はフェルデリアの発言を遮り、話し始めた。
「……というわけで、独ソ不可侵条約はアドルフ・ヒットラーの一存で破られ、何の抑止力にもならなかったのだ。もちろんヨシフ・スターリンも人のことは言えん。
日ソ中立条約を一方的に破り、日本から千島樺太を奪ったからな。これで分かるだろう。紙に書かれた約条など、いざというときには何の役にも立たん。それよりも大切なのはお互いの信頼関係で……そこ、何をやってるんだ?」
気が付くと、フェルデリアもアレウナも陣氏の話を全く聞いておらず、居間のテーブルの上に紙を置いて、ペンで何やら推敲していた。
「フェルデリア様、こんなところでしょうか?」
「まあ、最初はこんなところでいいわ。後から思い付いた項目は、奴隷権限で追加しましょう」
「あの、俺の話は……?」
「ご主人様、しばらくお待ちください。今、清書しておりますので」
「だから、歴史の教訓というものはだな……」
「できました。早くサインしてください」
フェルデリアは陣氏の言葉を完全に無視し、“奴隷契約書”と日本語で書かれた紙を突き出した。



279 :現物支給 ◆0jC/tVr8LQ :2010/11/02(火) 00:32:39 ID:fPm6Mk+n
奴隷契約書
一、フェルデリア・ヴァイクス・ル・フォンテラーニ、およびアレウナ・モンセンシーの両名(以下、奴隷)は、肉体と精神の自由を完全に、かつ永遠に放棄し、朝霧陣氏様(以下、ご主人様)の忠実なる奴隷として生涯を送るものとする。
一、奴隷は、ご主人様の性的その他全ての欲望を叶えるためだけに存在し、他のことを一切考えない。
一、奴隷は、ご主人様の命令全てに心から喜んで服従し、また、ご主人様からどう扱われても無条件に受け入れる。
一、奴隷は、ご主人様の日常生活の一切のお世話をする。
一、奴隷は、全ての所有物をご主人様に捧げ、何も所有してはならない。
一、奴隷の食事・排泄・入浴は、全てご主人様の許可の元に行う。
一、奴隷は、ご主人様以外の男性の目に触れる危険がある場合を除き、衣服を着用してはならない。特に乳房、尻、性器の隠蔽は厳禁。
一、奴隷は、ご主人様以外の男とは一切接触してはならない。男に裸を見られた場合は直ちに相手を殺害し、証拠を残さない。
一、ご主人様は、奴隷に粗相があった場合、直ちに十分なお仕置きをしなければならない。
一、ご主人様は、奴隷を生きたまま廃棄してはならない。
一、ご主人様は、常に奴隷を凌辱し、人間としての尊厳を破壊し、動物以下の性欲処理便器に貶めることに邁進しなければならない。
一、ご主人様は、奴隷の奉仕を断ってはならない。
一、ご主人様は、奴隷の義務を削除してはならない。
一、ご主人様は、奴隷の人権を尊重することを考えてはならない。
一、新規にご主人様の奴隷となることを希望する者が現れた場合、現在の奴隷がその者の資質を吟味し、奴隷に加えるかどうかを決定する。奴隷の決定に対し、ご主人様は異議を唱えない。
一、契約後、奴隷がご主人様に服従するための新たな義務を思い付いた場合、直ちに本契約書に追加される。その際、ご主人様は可及的速やかにそれを承認すること。
一、ご主人様は、奴隷以外の女性との接触は最低限に留めなければならない。性交は厳禁。交際などもっての他!!

「俺の渾身の演説タイムが、こんなものの起草のために……?」
読み終えた陣氏は、茫然として書類から顔を上げた。
「こんなものとは何ですか、ご主人様。神聖な奴隷契約書ですよ。早くサインを」
「いや、無理だろ……」
契約書の条文は、日本の法律に抵触することのオンパレードだ。まあ、そもそも奴隷契約自体が憲法に違反しているのだが……
「では、わたくし達からサインをいたします」
「はい。姫様」
フェルデリアとアレウナはペンを取り、自分達の人権全てを放棄する契約書に、いとも簡単に署名してしまった。
「さあ。ご主人様の番です」
「……よく見たらこれ、奴隷よりご主人様の義務の方がロングバケーションじゃないか……?」
「細かいことを気にしてはなりません」
「まあ、契約の話は後にして、飯にしようや」
強引な話題の転換を狙った陣氏がソファーから立とうとしたとき、フェルデリアの冷ややかな声が響いた。



280 :現物支給 ◆0jC/tVr8LQ :2010/11/02(火) 00:33:10 ID:fPm6Mk+n
「署名していただけないなら、このままアレウナと2人で外に飛び出し、『わたくし達は朝霧陣氏様の奴隷です!』と連呼しますよ?」
「…………」
陣氏は驚きのあまり、口をパクパクとさせた。そんなことをしたら全員破滅だ。
アレウナに至っては、早くも居間を出て玄関に向かおうとしている。
「よろしいのですか?」
「待て。理性的に話し合おう」
「待ちません。後10秒で外に出ます」
「いや、せめて30分……」
「9、8、7……」
「分かった! サインする! 外に出るのは止めてくれ!」
ついに万策尽き、陣氏は降伏した。フェルデリアとアレウナは、すぐに陣氏の両脇に寄り添い、ペンを握らせる。
「…………」
――願わくば、御国の末の栄え行き、我が名蔑む、人の多きを!
第二次大戦で、日本の降伏文書に調印した大臣の句を心に唱え、陣氏は契約書にサインした。内容は比べるべくもなくショボくて情けないが。
「これで、わたくし達は正式にご主人様の奴隷ですね」
陣氏が署名を終えると、フェルデリアは満面の笑みで、早速その紙を取り上げた。
「お父様、お母様、陣氏は親不孝者でございます……」
涙に暮れる陣氏。しかし、フェルデリアもアレウナも、一向に意に介さなかった。
「では行くわよ」
「はい。姫様」
2人は陣氏を強引に立たせ、陣氏の部屋へと引き摺って行った。
「何するんだよ!?」
「何はなくとも、まずは奴隷の凌辱です。アレウナの処女を散らし、誰がご主人様であるのか、その肉と心に刻み付けるのです」
「今そんな気分じゃ……」
「天使様、わたくしなら覚悟はすでにできております。そのたくましい男根でわたくしのマンコをブチ抜き、名実ともに奴隷としてくださいませ」
いつしかアレウナは陣氏の足元に跪き、一抱えもある乳房で逸物を挟み込んでいた。そのまま手で乳房を動かし、刺激してくる。不本意だが気持ちがいい。
「ううっ……さっきも聞いたけど、その天使って何だよ……?」
「わたくしは神に仕える身です。そのわたくしを奴隷にしてしまわれたのですから、陣氏様は神に近い天使様でなければなりません。あんっ、乳首こすれるう……」
まさにトンデモ理論ここに極まれりであった。しかも、反論を受け付ける気配は全くない。
あまりのことに気が遠くなった隙に、陣氏の分身は大きく膨張してしまった。
「うふふ。準備万端ですね。ご主人様。アレウナ、ベッドに寝て、ご主人様に淫らな己を思い切り開きなさい」
「はい、姫様……」
アレウナはベッドに仰向けに横たわると、限界まで両足を大きく開いた。そして、あろうことか、両手で自らの秘部を左右に引っ張って誇示する。
「天使様。ご覧ください。はしたないわたくしを……そして犯してください……」



281 :現物支給 ◆0jC/tVr8LQ :2010/11/02(火) 00:33:38 ID:fPm6Mk+n
シスター服の被り物だけを着けた女性が、ベッドに横たわって大きく股を開いている。
これ以上はないほど背徳的な光景に、陣氏は立ちくらみすら覚えていた。
「はうあ……」
「ご主人様。早くしないと……10、9、8……」
またフェルデリアのカウントが始まった。慌てて陣氏はアレウナにのしかかる。
「待て待て! 今やるから、数えるのは待って!」
「早くしなさい」
もうどうしようもない。陣氏はアレウナの入り口に先端を当て、少しずつ差し込んでいった。
「ああっ! 痛いっ! 主よ! 何故このような試練をわたくしにお与えになるのですか!?」
破瓜の血を流しながら、アレウナは悲鳴を上げる。もっとも、その割には、彼女は両手両足で陣氏にしがみついていた。
アレウナの両足に腰を引き寄せられ、陣氏は最奥まで到達してしまう。
――アレウナは痛いだろうな……しばらく待たないと。
陣氏はそう思ったが、アレウナの志は違うようであった。
「ああうっ! 突いて! 突いてください天使様! 清い聖職者のふりをして、実は虐められることばかり考えている変態ドMホルスタイン乳のザーメン処理便器蹂躙してえ!」
――誰だ、こいつらに日本語教えた大馬鹿野郎は!?
フェルデリアもアレウナも、明らかに日本語の語彙が偏っていた。発音にしても、18禁の言葉を話しているときの方が明快なのである。
陣氏は、彼女達の日本語教師に会ってみたい、そして殴って小一時間説教してやりたいと、痛切に思った。
「腰が動いてませんよ。ご主人様!」
しかし、彼の奴隷は、彼にそのような夢想をする猶予を与えなかった。フェルデリアにせっつかれ、陣氏は仕方なく腰を前後させる。
「んっ……ぐっ……」
「ああっ! いいっ! わたくし、天使様のデカパイ家畜便器として犯されてるう……」
天使がそんなもの持つもんですか。陣氏はそう言いたかったが、言ったところで結果は見えているので見合わせた。
そして、陣氏の限界が訪れた。
「あうう……」
「ああん。天使様のザーメンがわたくしの子宮に直接……」
それからほどなく、アレウナは体をビクンビクンと痙攣させた。絶頂に達したらしい。
「ふはっ……」
陣氏はアレウナから離れ、床に倒れ込んだ。
「見事な凌辱振りでしたわ。ご主人様」
「何が見事だ。こちとら寝起きだってのに、もう気絶しそうだよ」
フェルデリアの言葉に、陣氏は毒づいた。アレウナは白目を剥いて失神している。
そのとき、どこからかめるめると携帯の着信音が鳴った。
「わたくしの携帯のようですね」
フェルデリアが、部屋の外に出て行った。
――あの契約書だと、私物は持たないはずなんだけどなあ……
陣氏はそう思った。もちろん取り上げようとは思わないが、あの携帯は、陣氏の住所を世界中に暴露した代物である。どうしても不安が拭えない。
「大変です! ご主人様!」
突然、フェルデリアが部屋の中に舞い戻ってきて叫んだ。
「わたくしの護衛係だった女が、わたくしがご主人様の奴隷になったのは許せない。これから取り戻しに行くと言っています!」
「何!?」
――これで万事解決だ! 主は来ませり! 神を讃えよ!
全ての暗雲が晴れるような気持ちになった陣氏は、天を崇めるように両手を広げた。
最終更新:2010年11月03日 23:04