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257 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2007/12/19(水) 02:17:50 ID:lUt+bHho
炸裂超人アルティメットマン 第三話 始まった!吊下壊滅作戦

 登場巨獣 爆泳巨獣マッカタン 空速巨獣ジオンゴ 電波怪獣ミルワー

ごろごろごろごろ…そんな感じの轟音が吊下市全体に響いていた、音の主は勿論巨獣だ
カジキマグロを太らせたようなその体躯を生かしてか、はたまた誰かに操られているのか…ごろごろと転がる
巨獣は、まるで粉砕ローラーのように建物を踏み潰して行く。
だって許せないじゃないか?コイツがあのやさしい彼を苦しめられるのが…そして、眼前に広がる街の住人が
彼を苦しめいているのが。
そう、彼を守るのは私ひとりでいい、そして…彼を愛するのも私ひとりでいいに決まってるんだから。

「どうもおかしいんだよな…そう思いますよね?隊員さん」
 「ええ、でも一体コレとそれに何の関係が…」 
 JCM基地本部作戦司令室、約一年ぶりという久々のブリーフィング会議で、光一とガスマスクの隊員たちは首を
ひねっていた。ここのところ急に強力になった怪獣軍団に対する迎撃のために集まったと言う名目だが…実際の
ところ、敵の行動に関する問題はかなり複雑なものだった。
 第二話での巨獣の謎の爆死にしてもそうだが、それ以上に今回の事件は奇妙だった…さきほどの戦闘では海から
現れた魚型の巨獣がいきなり地面を丸太のように転がって移動し、シヨッピングモールや商店街、さらに住宅街を
転がりながら破壊したあげく、何故か空から現れたミサイル型の巨獣に激突されて死亡してしまったのだ。
 異常だ…一体何が起こっているのかわからない、さらに先日のタンク型巨獣による議事堂襲撃も、時間稼ぎに出動
したJCMのフライングパンケーキのミサイルと隊員の乗ったフライングプラットホームから放たれたロケット砲で簡単に
弱って行動不能になり、あっけなくやられてしまったのだ…普段ならどんな弱い巨獣でもはじき返して時間稼ぎにしかならないような
ロケット弾で重量のありそうな巨獣を行動不能に追い込めると言うこの事態は…一体何が起こっているのか、戦々恐々…彼らの気持ち
を言葉で表すならまさしくそんな感じだった。
 「…やはり、この前殺し損ねた子供達をもう一度殺すために…やったんだと僕は思います」
 がっくりとうなだれる光一、彼の手に握られた死亡確認者のリストには…前回彼と巴が助けた子供達と、その母親達・・・さらに商店街
の面々の名前が書かれていた。
 光一の目に涙は無かった、いや…もう出し尽くしていた、そう言った方が正しいのだろうか、彼の目は真っ赤にはれていた。
 「だとして…敵側の新しい総帥は…いったい何を考えているのか…」
 「それが解れば…っと、失礼」
 そういうなり光一はトイレに向かって駆け出す、原因は彼が最近与えられた携帯電話だ…先の議事堂破壊で、幸か不幸かアルティメット
星人の排除、及びJCMとアルティメット星人に対する予算削減案を出していた政治家が大勢死んだので、その分予算が増えて、光一の生活は
テレビと携帯をもてるまでに豊かなものになっていた。
 けっして最近巴がよく作ってくれる、おいしいけどなんか鉄っぽかったり、ナマっぽい味の弁当で腹を壊したわけではない。
 「お疲れ様でした、今日はお仕事が終わったら大事なお話があるので早めに帰ってきてくださいね」 
 そんな文章を見て、光一は少し緊張すると共に…巨獣が自滅してくれてかなりグッドタイミングだったなあ、とそう感じた。
 「いましばらくお待ちを、もう少しで帰りますよ」
 そんな返事を送ると…光一はそのメールに対して奇妙な違和感に襲われた、言葉では言い表せないが、それはどこか奇妙で…とても見たく
ないものを見せられているような気分だった。



258 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2007/12/19(水) 02:19:26 ID:lUt+bHho
炸裂超人アルティメットマン 第三話 始まった!吊下壊滅作戦

それから一時間後、今後の対策をある程度話し合ってまとめた後にアパートに帰ってみると…
そこには三つ指を突いて、指輪を差し出して頭を下げる巴の姿があった。
 「私の家の、お婿さんになってください…」
 光一はそういわれて、泣くほど嬉しかったが…まだ彼女とは性交どころかキスもしていない
事を思い出して、少し気恥ずかしい気分になった。

 「…あ、あの、それじゃあ…不束者ですが…」
 「よろしくお願いしますね、光一さん」

 そんな雰囲気を読み取ったのかどうか、キスしてくれなきゃ嫌だと駄々をこねた巴と、自然に
キスをする雰囲気になった光一は…二人ともその肩に手をかけて、唇を近づけた瞬間。
 ばりいん!!と凄まじい音を立てて窓ガラスが砕け散った。
 投石だ、その石にくくりつけられた布には血文字でこう書かれてあった、私の息子と妻を帰せ、と。
 「ふざけるな!!まるで光一さんが誰かを殺したようなこと言って!この人が誰かを苦しめたのか?この
人がお前の家族を殺したのか!言ってみろ!言ってみろ!!!この!化け物め!!」
 凄いスピードで投石をした犯人を捕まえた巴は、犯人である…巨獣の被害者に猛烈な講義をした、光一は
必死にそれをなだめたが…自分がもっと早くにあの場所についていれば…という考えが頭をよぎってもいたので
心の中はやるせない気持ちでいっぱいだった。
 犯人を、怖がってアパートの中に入ろうとしない警察に突き出して、もう一度二人きりになっても…気まずい
空気が部屋に残っているだけだった。
 「あ、ゴメン…隊員さんから呼び出しだ…今日は遅くなるかもしれない」 
 静寂は隊員さんのコールによって打ち砕かれた、なんでもテレビ局の近くに巨獣が現れたのだと言う…先ほどの
ことがあるため、心の重い状態だったが、それでも急いでマイティワン号目指して光一は走った。
 「うん…あのね、私は―何があっても、貴方の味方だから!覚えておいてね!!貴方が、アルティメットマンでも
東条光一でも、私は貴方が、すっごく大好きだから!!」
 そういって叫ぶ巴の姿が光一には唯一の救いだった。

 光一を見送ると、巴は自分の部屋に戻り…机に置かれたノートに眼をやった。そこには赤い字と黒い字で…吊下
市のあらゆる方向に矢印と、支持が書き込まれていた。
 …生活はよくなってきてけど、それでも、やっぱり彼を苦しめる要因は…豚は多いんだよね…頑張って、恐怖心を
打ち消した振りして偽善で彼に必要以上にべたべたする商店街の連中も、ショッピングモールのクソみたいな母子共も
…消したけど、まだたりないよね…やっぱり、元からそういうのは消さなきゃね…。
 「あと残ってるのは二匹…ふふふ…」
空ろな目でそう呟きながら、巴は次々にノートに書き込みを繰り返した。
自分の行為を知ったら…彼はそれでも自分を好きでいてくれるかなあ?巴はそう思った。
でも…彼を苛める悪い存在は全部いなくなったほうがいいよね?あと偽善で彼に優しくする人間も要らないよね?
彼女はそうも思った。
 理由?…それは決まっている、彼は私を愛していて、私も彼を愛していて…そして、私は彼一人を、世界で彼一人
をただ一人で独占的に愛したいからだ。
 「光一…愛してるよ…だーいすき…」
 巴の声が不気味にアパートに響き渡った。




259 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2007/12/19(水) 02:21:02 ID:lUt+bHho
炸裂超人アルティメットマン 第三話 始まった!吊下壊滅作戦

「くそ!!いったいどうすれば…」
 「どうもこうも…敵に人質を取られた以上、君も僕達もどうすることも出来ませんよ…」
 今回現れたハエトリ草型の巨獣は、よりにもよってテレビ局の建物自体に己を絡ませるという暴挙に
出ていた。しかもその状況を面白がってか、建物の内部ではそのまま臨時特番を組み、徹底したJCMと
アルティメットマンの批判を繰り広げていた。
 「見えますかあの姿が、あれこそまさしくわれわれ人間を殺そうとする野蛮な宇宙人の姿です」
 あきらかに私的な感情の発露だった、しかしこのニュースキャスターは、そんなことを公共の電波で嬉しそうにいっていた。

 「…仕方ない、こうなったら僕がマイティワン号で後ろから怪獣の頭部に特攻をかけます…多分重量自体はそれほどないで
しょうから、きっとひるむはずです…その隙に」
 「…わかりました、ご武運を祈っていますよ」
そういって光一を乗せたマイティワン号が飛び立った瞬間、怪獣は発光すると、叫び声を揚げる。なんともいいがたいその声は…
一瞬にしてテレビの電波に乗り…そして。
 ぼん!!という音を立てて、キャスターとスタッフ、それにテレビを見ていた視聴者の頭までもが…まるで針をさした風船のように破裂した。
「う…うああああああああああ!!!!」
 マイティワン号に搭載されたモニターに写った、JCMの作戦会議室の…その光景を見た、光一は叫ぶしかなかった。
 隊員たちの首が吹き飛んだのだ…敵は電波に乗せて破壊音波を送り込む生物なのだろう、そんな冷静な思考が頭をよぎる…しかし、それを
受け入れられるほど光一は冷静でもなかった。
 「…あ、アアアアアアアアー!!!」
 絶叫を上げて光一はマイティワン号から飛び出し、そのままアルティメットマンに変身する。巨獣も負けじと口から消化液のようなものを吐き
つけるが、怒りのあまりに全身から炎を噴出すアルティメットマンの前にそのようなものが通じるわけが無かった。
 アルティメットマンは怪獣の触手を掴みとり、手から噴出す炎でそれを焼ききる、絶叫を上げて逃げようとする怪獣だったがその行為はむなしく
終わった、その体をアルティメットマンが抱きしめたからだ。
 凄まじい温度の抱擁で怪獣が燃やされていく、もがく事も出来ず、怪獣は生き地獄の苦しみを味わって、消し炭へと姿を変えた。
  「ウアアアアアアアー!!!」
 アルティメットマン…光一は、その姿で泣いた。自分が守れなかった命を悔やんで泣いた…自分の力不足が許せなかった、そして怖かった、大切な
人を失うのが怖かった…自分に協力してくれる隊員たちが死んだのも悲しかった…。

 (神様…なんで僕は、僕はこんなにも辛い目にあうんですか?僕は一体なんで…存在するだけで目の前でこんなにも悲しい現実を見なくてはいけない
のですか…)
 衝心の光一はそんなふうに己の運命を、人生で初めて呪って…公園のベンチでうなだれていた。アパートに帰れば彼女…巴に泣きつくのは決定していた
だからこそアパートには帰りたくなかった。
 もう、誰かの負担にはなりたくなかった。
 ブブブブブ…と、そんな静寂を打ち砕くようにポケットに入れた携帯電話が鳴った。
 「はい…どうかしましたか…」
 「お疲れ様でした、光一さん…その、気分は、大丈夫ですか…?」
 そこから聞こえるのは可愛らしい、そしてよく聞きなれた巴の声だった…その声色は本気で光一の事を心配しているようだった。
 「うん、大丈夫…でも、今日は…こうして一人で…」
 そう言い掛けて、光一は直感的に…自分の感じていた、巴との違和感の正体に気づいた。


260 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2007/12/19(水) 02:23:04 ID:lUt+bHho
炸裂超人アルティメットマン 第三話 始まった!吊下壊滅作戦

 「ねえ、巴ちゃん…どうして君は、僕が巨獣と戦い終わったっていうことを…しってるの?」
 喋っていて声がかすむ、それにやたらのどが渇く…それでも聞かなければいけなかった。そもそも
僕が巨獣と戦ったことが報道されるのは、原則的に事後一時間と決まっていた。
 さらに言うなれば、僕が戦いを終えて会議室で休んでいる時間は定まっていないし、今日戦い終わった
事が報道される事は…事件の性質上、皆無に等しかったのだ。
 「え…それは、その…テレビで・・・」
 「…そう、それじゃあ…ちょっとそこの公園まで来てくれるかな?」
 怪しい、この子は何かを隠しているんじゃないのか…そう考えた光一は機転を利かせて巴を公園に呼び出すと
そのままアパートの、巴の部屋に向かった。
 「…なんだ、コレは…」
 ついている意味のない鍵をはずして巴の部屋の中に入ると、そこには大量のアルティメットマンと…光一の
写真が貼られていた、そしてその写真のどこかには必ず赤い字で愛、勝利、という書き込みがされていた…インク
のようなどす黒い赤色のそれは、明らかに彼女の血そのものだった。
 しかし一般人から見れば気持ちの悪い行為であるそれも、光一にとっては喜びの対象でしかなかった…自分の事を
ここまで思っていてくれる人がいる、変質的なまでに愛してくれる人がいる…そのことがとても嬉しかった、だから
早く自分の中での彼女の疑いを晴らすためにも、そう考えてちゃぶ台の上のノートに手をかけて開き…そこに書き
込まれた言葉を見て、光一は絶句した。
 (あのキャスターと、あんなクズ番組を見ている奴らの首を吹き飛ばせ!!)
 (彼を馬鹿にする奴らを潰してしまえ)
そこに書かれた言葉と、稚拙な、そして明らかにしっかりしたデティールを持った怪獣のイラスト、さらにあの
時聞いた…動くな、その言葉が…彼の傷つきやすい心にダメージを与えるのは簡単に予想できた。
 「…見ちゃったんだ」
 「へ?」
彼の後ろには巴が立っていた、光一の背後、で巴は笑顔でこう呟いた。
 「私は貴方がだいすきだよ?光一…でも、あなたは私のことが…それを見ても
大好きなのかな?教えて欲しいなあ?」
 彼女の目はガラス玉のように空ろだった、光一はその目から視線がはずせなくなっていた。
 窓からの風で、光一が読んでいたノートがめくれあがる、そのめくれたページにはある文字
がびっしりと書かれていた。
 こういちだいすき、と。
 第三話 END




261 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2007/12/19(水) 02:26:29 ID:lUt+bHho
炸裂超人アルティメットマン 第四話 与えられた選択権、選ぶのは君だ!!君がアルティメットマンだ

登場巨獣 ??? ???

「う…うわああああああああ!!!」
いきなり叫ぶなり、光一は背後の巴を突き飛ばして、自分の部屋に入って鍵をかけた、あっても無くても
意味のない安物の鍵だけど、それでもわずかながらの心の安心感は与えられた。
光一はそのまま毛布に包まって部屋の隅で震えた、怖かった、とても怖かった。
「巴ちゃんが敵?…嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ!!コレは夢だ…きっと酷く悪い夢なんだ!!!そうに決まってる!!」
光一は必死になって、自分の心を壊さないように今見た事実を否定して…それでも、がちゃがちゃと音を
立てる自分の部屋の扉の向こうにいる、巴の…いや、自分を騙して、篭絡しようとした巨獣の存在に恐怖していた。
がちゃり!音を立ててドアが開いた。
「もう、痛かったですよ!光一さん?」
「ひい!ひいい!来るな!!来るな!!化け物め!!」
光一は顔を伏せて丸くなった、そしてがたがた震える、その姿はまるで子供のそれだった。
「安心してください、酷い事もしませんし…光一さんを殺したりはしませんから」
「嘘だ!!寄るな…もう僕を、お願いだから騙さないでくれ!!頼むから!!!」
「いやですよ、だって私…光一さんの事を愛してますもの」
「うそだ!きっとそうやって、きみもぼくをだますんだ…くるなあああああ!!!うああああああ!!!」
光一は泣いた、その場で子供のように泣き崩れた…そのすぐ側には、彼らが倒すべき敵の、大ボス
が立っているというのに。
「・・・黙っててごめんなさい、でも、あなたが…真実を知って悲しむところを見たくなかったんです」
巴はそう言って光一を抱きしめた。
「…だって、あなたのことがだいすきだから…」
そういう彼女の顔は、寂しげに笑っていた。
その言葉を聞いた光一は、まるで母の胸で抱かれて安堵する子供のごとく、彼女にしがみついて泣いた。

「私の正体は、貴方が察しての通り…巨獣の親玉、異次元からやってきた、裏次元総帥というものです」
落ち着いた光一に、巴はコーヒーを入れて語り始めた。
「本来、私の任務は巨獣に対する操作と、異次元支配のあかつきの統制役でした…でも、あの日あなたの
お父さんによって殆どの巨獣を倒された私は出撃して…結果、敗れた私はわずかな記憶をもって近くに
いた人間の子供の精神に寄生して…こうして一人の人間、阿佐巳 巴として生きてきたんです」
「…僕を殺すために、人になって近づくためにかい?」
目を真っ赤にして光一はそう答える。
「そう思われても仕方ありませんよね…でも、本当のところを言うと、私の体からこの、総帥としての
記憶が起きあがったのはほんの少し前、貴方に出会ってからで…あの日、貴方とであった事は本当に偶然
だったんです…総帥の力が使えて、ノートで支持が出せても…人間としての記憶はそのまま残っている分
あなたが大好きなことには変わりなくて…だからあの、光一さんの事をけなす豚どもにも制裁を加えたんです
馬鹿なザヤッガ―も、他の巨獣も、できるだけ貴方に負担が掛からないように、ノートの力で弱らせていたん
です…だって…私は」
あなたが、こういちさんが、このせかいよりもだいすきだから…それくらいにあなたのことをあいしてたから。
巴はそう言い切った、その言葉に嘘とよどみは一切無かった。
チャンスだった、たぶんここで巨大化してこの子を踏み潰せば、全ては終わって世界は救われるはずだった。
でも、そんなことが…光一には出来るはずは無かった。




262 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2007/12/19(水) 02:27:49 ID:lUt+bHho
炸裂超人アルティメットマン 第三話 与えられた選択権、選ぶのは君だ!!君がアルティメットマンだ

自分自身が生きている意味なんて、自分が起こす行動では一生見いだせないものだと思ってた、そう
君に出会うまでは。
でもそれ以上に自分が生きていることに絶望する羽目になったんだ、そう、君を愛したから。
「…ノートには、あと2匹って書いてあったよね…残り分の巨獣を倒すと君はどうなるのかな?」
「…残り一匹は私の事です…勿論倒せれば世界は救えます」
重苦しい雰囲気の中で巴はそう告げた、コーヒーを飲む光一に対して巴は言葉を続ける。
「取りあえず一匹は私が倒します、そしてそいつの行動を、全力で私に重傷を負わせることにすれば
…きっと光一さんも、私のことを倒しやすい状況になるでしょうから…」
その言葉を聞いて光一はうなだれた、そして数分の後に、巴に話しかけた。
「…どうして、あのときに…もう死ぬことがわかっていて、僕に婚約を申し込んだのかな?」
「…私のこと、忘れて欲しくなかったからですよ、思い出も欲しかったし…本当はもっと、キレイ
な形で貴方の前から消える予定でしたから…」
「怖くはないのかい?よりにもよって自分の愛される人に殺されることになるんだよ?…」 
「それを貴方が望むのなら…受け入れられるのが愛ですよ」
「ごめんね、僕の事を騙して、殺そうとしたなんて疑って…」
「いいんですよ、私が悪かったんですから…ん…」
僕は彼女の肩に手をかけて、そのまま彼女にキスをした…そしてようやく、彼女と結ばれた。
嬉しいはずのその行為は楽しめるわけもなく、とても陰鬱な気分でしかなかった。
「あ…すきい、だいすきぃ…こういちさん…ああ!!ああああっ!!!」
それでもそう言って、自分にキスを繰り返す彼女を見ていると…わずかだが、喜ぶ彼女の顔が最後に
見れて嬉しかったと思えた。

事後…疲れていたのか、眠りこける彼女を横にして僕は悩んでいた、この逃れられない運命を断ち切る
方法は無いものか、せめて彼女の望むように出来ないものかと…。

 そして僕は―

1. 彼女を、何があっても一人にしないと決めた。

2. せめて彼女の望む方法で決着を付けてやろう、そう思った。

 第四話 END