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538 :現物支給 ◆0jC/tVr8LQ :2011/01/02(日) 12:29:42 ID:O1fNCtyt
「大丈夫ですか? ご主人様」
エアギターをかき鳴らしながら高らかに讃美歌を唸る陣氏を見て、フェルデリアは心配そうに問いかけた。
はっと我に返った陣氏は、讃美歌を止めてフェルデリアに問いかける。
「何でもない。それで、その救世主様、いや、護衛係はいつ来るんだ?」
「明日だそうです。ですが、ご心配には及びません。わたくしがきちんと説得いたしますので」
「いや、その必要はない」
説得でもされた日には一大事なので、陣氏は慌てて手を振った。
「俺が差しで会う。腹を割って話し合って、理解してもらう」
「……ご主人様。少し腰をかがめていただけますか?」
「? こうか?」
陣氏が体勢を低くすると、不意にフェルデリアは体を旋回させ、胸のバスケットボールで陣氏の頬をしたたかに張った。
「ぶべらっ!」
床にもんどり打って倒れた陣氏を、フェルデリアが見下ろす。
「ご主人様、お気は確かですか?」
それはこっちの台詞だと思いながら、陣氏は聞き返した。
「何が!?」
「奴隷を持つ身でありながら、他の女と2人きりで会うなど、言語道断です。少しは身分をわきまえなさい」
「全くです、天使様。少しは自覚を持ってください」
目を覚ましていたアレウナが、フェルデリア同様に陣氏を非難する。
「…………」
陣氏としては一言言い返したいところだった。だが、ここは我慢のしどころだ。譲歩して2人に謝る。
「分かった。俺が悪かった」
「分かっていただけましたか? ご主人様」
「ああ。で、明日のことだが、4人で会うというのはどうだ? それならいいだろう?」
「まあ、そういうことでしたら」
よし。これで何とかなる。
フェルデリアの同意を得た陣氏は、ほっと胸を撫で下ろした。後は、会見の場でアドリブを効かせて、フェルデリアとアレウナに帰ってもらうことだ。

翌日。
「おらあっ! 牝豚ども! 四つん這いになってケツを突き出せ!」
「ああっ! ご主人様っ! はしたない牝奴隷にお仕置きしてくださいっ!」
「天使様……淫乱修道女の淫らな体をうんと虐めてください……」
陣氏は朝から、フェルデリアとアレウナの調教に励んでいた。もちろん、縁切りまで後一歩というところで2人の機嫌を損ねて、問題を起こされては困るからである。
気合いを入れて調教さえしていれば、2人とも大人しくしていてくれる。
フェルデリアとアレウナを四つん這いにさせ、交互に犯しながら、陣氏は護衛係の来訪を今か今かと待ち続けた。
――早く来てくれ……
7秒に一回時計を見る。何度陣氏が果てても、フェルデリア、アレウナ共に、一向に疲弊した様子を見せなかった。このままでは、『もう止めて、陣氏のライフはもうゼロよ』になってしまう。
「ご主人様。まだ手温いですよ。もっと気合いを入れて凌辱してください」
「あ、ああ……」



539 :現物支給 ◆0jC/tVr8LQ :2011/01/02(日) 12:31:08 ID:O1fNCtyt
そして、太陽の高さがピークに達する頃、陣氏の体力は底を尽きかけていた。
――これまで、か……?
覚悟を決めようとしたとき、待望のインターホンが鳴り響いた。
ピンポーン
――やっとお出ましか!
「……俺が出る。お前達は服を着ていろ」
「ああ……はい……天使様……」
「かしこまりました。ご主人様……」
ベッドの上で大の字に股を開くアレウナから、男性器を引き抜いた陣氏は、素早くTシャツとズボンを穿いて玄関に出た。
「お待たせしました」
ドアを開けると、フェルデリアの同国人と思われる女性が1人立っている。
かなりの長身で、短めの金髪。性格のきつそうな顔つきだった。今はスーツ姿だが、軍服を着せたらさぞ似合うだろう。
見るからに、フェルデリアが昨日話していた護衛係だったが、一応陣氏は尋ねてみた。
「あの、どちら様で?」
すると女性は、流暢な英語で答えた。
『フォンテラーニ王国武官、ナワルシカ・サイトリョーシャだ。お前が朝霧陣氏だな?』
明らかに陣氏を見下したような、無礼な態度だった。まあ、向こうから見て陣氏は王女を奴隷にしている極悪人だから、そうなるのも仕方ないとは思うが、陣氏は少しむっとする。
少しからかってやろうと、あえてブロークンな英語で答えた。
『いかにもタコにもクラゲにも。わがはい、朝霧陣氏あるよ』
そのとき、陣氏の後ろから声がした。
「〒ΠΣνЫ‡χ……」
フェルデリアの母語、フォンテラーニ語だ。陣氏は、フォンテラーニ語にはいささか覚えがあるが、急だったので何と言ったのかは聞き取れなかった。
振り返ると、ドレス姿のフェルデリアが立っている。ナワルシカと名乗った女性は、フェルデリアに一礼して、フォンテラーニ語で話しかけた。今度は陣氏にも聞き取れる。
『お久しぶりです、王女殿下。ご機嫌うるわしゅう』
『大儀でしたね。ナワルシカ』
そしてフェルデリアは、陣氏の方に向き直って日本語で言った。
「ご主人様。中に入れてやってください」
「あ、ああ……」

『では、早速本題に入ろうか』
リビングのソファーに座り、陣氏と向かい合ったナワルシカが口火を切った。
フェルデリアとアレウナは、陣氏の左右に座り、彼の両腕をがっちりと抱えている。
『用件は大体、聞いてるあるよ』
『聞いているのか。それなら話は早いな』
『王女様の解放あるが、おおむね依存はないあるよろし。後はこれからどこに住むかとか、細かいとこ詰めるのことよ。それから……』
フェルデリアに口を挟む隙を与えないよう、陣氏は一気にまくし立てようとした。だが、ナワルシカは彼の発言を遮って言った。
『黙れ。王家を辱める極悪人』
『いや、あの……』
『貴様に決闘を申し込む。尋常に受けてもらうぞ』
『え!?』



540 :現物支給 ◆0jC/tVr8LQ :2011/01/02(日) 12:32:38 ID:O1fNCtyt
予想しなかった展開に、陣氏は驚いた。穏便にフェルデリアとアレウナを返すはずだったのに、何故そうなってしまうのか。
フェルデリアとアレウナは、不思議なことに何も言わない。2人の雰囲気からして、会話の内容が理解できていないとは思えないのだが。
とりあえず、陣氏は抗弁した。
『決闘、必要ないあるよ。普通に……』
『黙れ! 黙れ! 貴様のような不届き者を野放しにしては、王家の面目に関わるのだ!』
その王家って、クーデターで追放されちゃったんですよね? 陣氏はそう言いたかったが、無駄に面倒臭いことになりそうなので、あえて言わなかった。
『貴様が勝ったら、今まで通り王女殿下を奴隷にすることを認めよう。もし負けたら……』
『王女様返すある。分かってるあるよ』
しょうがない。鬱陶しいが、決闘とやらにわざと負けてやるかと陣氏は思った。
だが、次のナワルシカの発言で、目算が完全に狂うことになる。
『いや、貴様と貴様の家族の命をもらう』
「何!?」
驚愕した陣氏は、思わず日本語で叫んでいた。
「そんな無茶な……」
『一国の王女を奴隷にまで堕としめた罪、そのくらいしなければ償いにはなるまい。言っておくが、貴様が決闘を断った場合は、自動的に負けと見なす。王家の特殊部隊がお前達の命を貰い受けるから、そのつもりでいろ。それから、警察に話しても無駄だ』
「糞ったれが……」
拳を握り締めて、陣氏は毒づいた。何ということだ。自分だけでなく、家族まで巻き込んでしまった。こんなことなら、海外旅行になど行かなければよかったと思う。
『……交渉の余地はないのか? 王女とアレウナさんの解放だけで、手を打てないのか?』
『駄目だ。貴様が潔く戦うか、死を選ぶかだ』
「ご主人様。かくなる上は、決闘でナワルシカを破るしかありません」
フェルデリアが言う。陣氏は内心で激高した。
――他人事みたいに言いやがって! 全ての元凶が!
だが最早、フェルデリアを怒鳴り付けたところで何も解決しないのは明白だった。フェルデリアの言う通り、決闘でナワルシカに勝つしかない。
しかし、陣氏が勝つ見込みはどれほどあるだろう。
ナワルシカは武官の中でも、王女付きの護衛係だ。その実力は相当なものと見積もらなければなるまい。
――でも、弱気になったら駄目だ……
やるからには、何がどうでも勝たないといけない。陣氏は立ち上がって言った。
『ようし。やろう。素手か? 剣か? まさか拳銃じゃないよな?』
『素手だ』
『オッケオッケ。じゃあ早速場所を変えるか。人目に付くと、そっちも困るだろう?』
『ああ』
こうして陣氏は、3人を人気のない河川敷に案内していった。
だが、歩きながら、どんどん怒りが膨れ上がっていく。
一体自分が、何をしたと言うのか。人に恥じるようなことは、(大して)していないはずだ。
それなのに異国で戦車に砲撃され、王女とシスターを押し付けられ、挙句の果てには自分と家族の命が脅かされようとしている。
元々、県下きってのKitty Guyと呼ばれている陣氏である。怒りの沸点の低さは、他の追随を許さない。ヘリウム級だ。
「ぶち殺してやる」
両の瞳に、狂気の炎が灯った。もとより少年院行きは覚悟の上だ。
――この世知辛い世の中、数年ばかり娑婆を離れてみるのも悪くない!
そう思っていると、フェルデリアが日本語で話しかけてきた。
「ご心配なく。仮にご主人様が負けても、私の権力で全部チャラにしますから」
「そうか……」
しかし、フェルデリアがアテになるとは限らない。
顔を上げると、河川敷が目前に迫っていた。



542 :現物支給 ◆0jC/tVr8LQ :2011/01/02(日) 12:34:19 ID:O1fNCtyt
『では、参る』
河川敷で陣氏と向かい合ったナワルシカは、スーツを脱ぎ捨てた。下には動きやすそうなシャツとスパッツを着けている。
「…………」
陣氏は無言でTシャツを脱ぎ捨てた。事ここに至っては、死力を尽くすまでだ。
『始め!』
フォンテラーニ語で、フェルデリアが叫んだ。
さて、どう戦うか。陣氏は考えた。
気持ち的には完全にブチキレているのだが、怒りに任せて突撃すれば、簡単に返り討ちにされてしまうだろう。慎重にやらないといけない。
――少しずつ仕掛けて、様子を見るしかないな。
両手を拳にして構えた陣氏は、ナワルシカから距離を取り、フットワークを使って彼女の回りを回り始めた。
少しずつ距離を詰め、打撃の攻防に持って行く算段だ。
ところが、ナワルシカは一気に突っ込んできた。陣氏の顔面に拳が飛んでくる。
「くお!」
驚いた陣氏は、頭を左に振って辛うじてかわした。同時に右手でボディブローを放つ。
――駄目だ。浅い!
陣氏の拳は命中したが、手応えはあまりなかった。ナワルシカより陣氏の方が、リーチが短いからだ。
そして、そのままナワルシカは陣氏に組み付いてきた。
――寝技に持ち込む気か!
陣氏は両手でナワルシカの肩を押し、突き離そうとした。だが、相手の引き付ける力の方が強く、体が密着してしまう。馬鹿でかい乳房の感触が、陣氏の胸板に直に伝わった。
――まずい!
慌てた陣氏は、腰を後ろに引こうとした。相手との間にスペースができれば、膝蹴りを打てる。
しかし、その前にバランスが崩れるのを感じた。
――しまった!
ナワルシカが、自分から後ろに倒れ込んだのである。陣氏も一緒に地面に倒れる。
仰向けのナワルシカが下になり、その上にうつぶせの陣氏が覆いかぶさる形になった。
ナワルシカの両足は、陣氏の胴体を挟んでいる。そして、陣氏の頭は、ナワルシカの胸にがっちりと押さえ付けられた。
大き過ぎるバストに顔が埋まり、呼吸しにくい状態で、陣氏は思った。
――多分、下から関節技をかけてくる気だな……
だったらそれに乗ってみるか。陣氏は右手を伸ばし、密着するのを嫌がるかのように、相手の右肩を押してみた。
『かかったな。馬鹿め!』
その瞬間、ナワルシカの体が動いた。両手で陣氏の右手を掴み、左足を回して太股を陣氏の顔の前に持ってくる。
そこから体を伸ばせば、陣氏の右肘が伸びて関節が外れるというわけだ。
陣氏は左手で自分の右手を掴み、肘を伸ばされないようにした。
――かかったのは、お前だよ。
膝を上げて両足の裏を地面に付けた陣氏は、一気に立ち上がった。あたかもデッドリフトのように、ナワルシカの体が持ち上がる。
『何!?』
「でやっ!」
そのまま陣氏は、ナワルシカの背中を地面に叩きつけた。頭から落とせば致命傷になるが、そこまではしなかった。



543 :現物支給 ◆0jC/tVr8LQ :2011/01/02(日) 12:35:15 ID:O1fNCtyt
ナワルシカはぐったりとして、動かなくなった。
『それまで』というフェルデリアの声が響く。
やっと終わったか。安心した陣氏は、緊張の糸が切れ、地面に座り込む。
――やれやれ。事なきを得たな。しかし、これからどうしよう。
家族を守れたのはいいが、フェルデリアとアレウナを解放する話は、振り出しに戻ってしまった。
「お見事でした。ご主人様」
「さすがです。天使様」
フェルデリアとアレウナが、陣氏を讃えるが、憂鬱さが増すばかりだ。
「……帰るか」
とりあえず家で休もう。そう思って陣氏が言うと、フェルデリアがとんでもないことを言い出した。
「そうですね。ナワルシカへの懲罰を行わなければいけませんし」
「え?」
「何が『え?』ですか。ご主人様のご家族を害しようとした罪、存分に償わせなければなりません。当然のことです」
「でも、それは……」
「天使様、拷問の準備はすでに整っております」
いつの間にそんなことを。
「大体、拷問するって言って、ナワルシカさんが素直について来る訳ないだろう」
「では、本人に聞いてみましょうか」
「え?」
陣氏が振り向くと、ナワルシカは早々と復活していた。
『ご主人様が、お前に制裁を下される。異存はないな?』
『はい。ございません』
「なんで!?」
すると、アレウナが近づいて来て、陣氏に耳打ちした。
「ナワルシカは、元々マゾヒストの気があるのです。決闘の条件も、天使様を怒らせようとして、わざと付けたのだと思います」
「酷過ぎる……」
陣氏はがっくりとうなだれた。
「ご主人様。何を呆けているのですか? 早くナワルシカの服を剥ぎ取ってください」
「……拷問って、家に帰ってからやるんじゃないの?」
「いいえ。すでに始まっています。早くしないと大声を上げますよ?」
「わ、分かったよ……」
陣氏は慌ててフェルデリアを押し止め、ナワルシカの服を脱がせた。彼女は一切抵抗しない。
誰にも見られずに家に帰り付いたとき、陣氏は安堵のあまり、立ったまま失神した。