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550 :シスターズ!!3話:過去、現在、未来。:2011/01/02(日) 17:49:54 ID:JeBnsLeV
九条三つ葉は母子家庭で育てられた。
母から学んだ愛は歪だった。
父の存在を聞いてみても、濁った眼で
「隆はもうすぐ私の下へ帰ってくるわ」
としか返してこなかった。
しかし、三つ葉は知っていた。
父は決して此処に来ない事も、
母が夜、自分の部屋で泣いていることも。



好きな人ができた。
宮城孝康。それが彼の名前。
初めて会ったあの日、彼にとっては些細な事だったかもしれないが、
私にとってはかけがえのない出来事だった。
彼の事を調べていく。

父と母に妹が一人。
名が隆、文子、彼方。
父の名を調べたところで疑問になった。
確か、私の父の名も隆だったはず。
私は普段は入らない母の部屋へ向かった。
いつも泣いているのは父が関係しているのだろう。

母の部屋に入るとそこには無数のモニターがあった。
モニターには誰かの家が映されていた。
今、映っているこの男が隆だろう。
母の部屋に置いてある写真と同じ顔をしている。
他のモニターに目を向けると、信じられないものを見た。

孝康様が、映っている?

私は混乱したが、頭の中は冷静に考えていた。
恐らく、孝康様と私は兄妹なのだろう。
私の中に孝康様と同じ血が流れている。
そう考えるだけで、興奮している自分がいた。

その日から、孝康様を見守ることが日課となった。
母が仕事を終えて帰ってくる夜まで、モニターを見続けた。
孝康様の仕草や表情。
それを見守るだけで満足だった。



551 :シスターズ!!3話:過去、現在、未来。:2011/01/02(日) 17:54:00 ID:JeBnsLeV
母の部屋で孝康様を見守る事を始めてからしばらくすると、不安になった。
孝康様を見ているといつでも隣に妹の存在があったからだ。
いままでは、孝康様しか見ていなかったが、妹の存在を気にかける。
すると、妹の存在は想像以上に厄介だった。
孝康様の食事に自分の穢れた体液を混入し、
孝康様の洗濯前の下着で自慰をしていた。
更に次々と行われる孝康様を穢す行為を見て、怒りを覚えた。

自分は見ている事しか、出来ないのか。

今の自分の姿が母と被る。
見ているだけでは、駄目だ。
直接、私が守ろう。モニターの孝康様を見て、そう決めた。





「おはようございます。お兄様」
優しい声に導かれて目を覚ます。
そこには、優しげに微笑んでいる三つ葉がいた。
「おはよう。三つ葉」
「朝食の準備は彼方ちゃんがしてくれているので、私はお兄様を起こしにきました」
嬉しそうな顔をしながら、話す三つ葉。
「起きたようなので私も朝食の手伝いをしてきますね」
・・・可愛いなぁ
「って義妹相手になに興奮してんだよ俺は」
三つ葉が去った自分の部屋で頭を抱えた。

「いただきます」
妹二人が作ってくれた朝食を食べる。
「それにしても、彼方ちゃんの料理の上手さに驚きましたよ」
「毎日たか兄のご飯作ってるから当然だよ~」
二人とも仲良くなったみたいだし、こんな日常も悪くないか。




552 :シスターズ!!3話:過去、現在、未来。:2011/01/02(日) 17:56:50 ID:JeBnsLeV
時間も余裕がなくなってきたので学校へ急ぐ。
俺の右側に彼方がいて、左側に三つ葉がいる。
両手に花状態なので、野郎共の嫉妬の視線が痛い。
嫌な汗を掻きながら歩いていると、良人が走ってきた。
「おっす孝康!今日の宿題やって・・・」
俺の左右を見て固まる。あ、眼が潤いだした。
「う、裏切・・・」
「お兄様、宿題というのは?」
「あぁ、まだ三つ葉は転校してきたばかりだから提出しなくてもいいと思うよ」
言われてもいない宿題を提出するのは無理だろう。
「あれ?孝康、今・・・九条さんのことを・・・」
「たか兄は宿題やったの?」
「当たり前だろ」
宿題忘れると怖いからな、あの先生。
気だるそうにしながら、忘れた三倍の量を持ってくるから性質が悪い。
「・・・」
ふと、良人を見ると物凄い寂しそうな顔をしている。
「そのまま幸せになってくたばっちまえ!」
微妙な悪口吐いて走って行ってしまった。
まぁいいか、良人だし。
「お兄様、誰ですかあの騒がしい人は?」
「俺らのクラスの問題児だよ」
三つ葉は告白されたことも覚えていなかった。




「HRを始める前に、転校してきた九条以外で宿題を忘れたやつはいるか?」
いつも眼の下にクマができている担任の気だるげな問い。
忘れるやつなんていないだろう。
「ここにいるぜ!」
・・・良人みたいなアホだけだ。
「渡辺だけか。因みになんで忘れた?」
「僕は貴方と二人きりになりたくて・・・」
「ほぅ、嬉しい事言ってくれるね」
28歳の担任(♀独身)まで口説こうとする良人に漢を見た。
「じゃあ放課後に化学準備室へ来い。丁度試してみたい薬品が有ったからな」
まぁ、相手にされてないが。
「今度の薬は最高の出来だ!雌に盛ってばかりだった飼い猫のミケが・・・」
「ミケが?」
「雄にしか反応しなくなった」
「嫌だぁぁぁぁぁ!!」
合掌。




553 :シスターズ!!3話:過去、現在、未来。:2011/01/02(日) 17:59:36 ID:JeBnsLeV
帰りも3人で下校する。
これが当たり前になっていくのだろう。
慌ただしい1日だったが直に慣れてくるだろう。
少し疲れるが、楽しんでいるのも事実だった。
「このまま平和に時が過ぎればいいが・・・」
俺を挟んでどちらが夕食を作るか言い争っている二人を見て無理だと悟った。












義妹が一人増え、少し騒がしくなった宮城家。
向かいのアパートのベランダから双眼鏡を覗く一人の少女がいた。
黒髪のショートカットで、活発そうな印象を受ける。
「お兄ちゃんの寝顔可愛いなあ・・・」
今にも涎を垂らしそうな、緩んだ表情をしている。
「お嬢様ぁ~おはようございます~」
「何で付き人の癖に主より起床が遅いのよ」
付き人と呼ばれた女性は、金髪の綺麗な髪をしているが、寝ぐせが酷かった。
「だってお嬢様、外が明るくなる前から起きて孝康さんを見てるからじゃないですか~」
「付き人なら主の起床前に起きてコーヒーや朝食の準備をしなさい」
「そもそも何で孝康さんの家に行かないのですか?」
「・・・っ!ま、まだ心の準備が・・・」
(お嬢様も可愛いなぁ)
何時になったら孝康さんの家にいけるか、付き人には分からなかった。