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403 名前:幽霊とヤンデレ[sage] 投稿日:2011/03/20(日) 02:01:37.09 ID:Oqp4O3s+ [2/4]
度重なるあの女のストーカー行為に耐え切れず、とうとう俺は自殺した。
しかし、自殺したにも関わらず、しばらくするとどういうわけか意識を取り戻してしまった。
最初は自殺に失敗したのかと思ったが、すぐ隣に自分の死体があったことと、
今の自分の身体が半透明であることから、自分が幽霊になったのだと気がついた。

ラッキー!
これでもうあの女に付き纏われずに済むし、仕事もしなくていい。
ずっとのんびりダラダラと過ごして行けるんだ。
こんなことならもっと早く死んでおくんだったぜ。
よし、まずはその辺りをグルリと回って、俺と同じ幽霊仲間がいないか探してみるか。
あわよくば可愛い女の子の霊とお近づきになってあんなことやこんなことを……
って、そういえば幽霊はセックスできるんだろうか?
まあそのうち分かるか。

とにかく、俺はあの女から解放されたことと、
これから始まる素晴らしき幽霊生活(もう死んでるけど)に胸を弾ませながら、町に繰り出した。





そうしてしばらく町をうろついていると、見覚えのある後姿が目に付いた。

「あいつ……」

あの女―――――美鈴のことは、多分未来永劫忘れられないだろう。
俺に散々ストーカー行為を働き、自殺させるまでに追い詰めた女。
だが、もう俺はあの女を恐れる必要などないのだ。

俺は度胸試しのつもりで、あいつの前に出てみることにした。
正直めちゃくちゃ怖いが、今の俺は幽霊である。
あいつに気づかれることは絶対に無い。前に出るなんて楽勝楽勝。

そう自分に言い聞かせながらヤツに近づくと

「……あ、隆志くん見ーつけた!」

美鈴が、こちらを振り返って、はっきりと俺を見て、俺の名前を呼んだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――え?

404 名前:幽霊とヤンデレ[sage] 投稿日:2011/03/20(日) 02:02:52.82 ID:Oqp4O3s+ [3/4]
「もう、ダメじゃない。ちゃんと私が迎えに行くまでじっと待ってなきゃ。
 お陰で町中探し回ったんだからね?ま、いいわ。こうやってちゃんと逢えたんだし」
「な……んで?」
「ん?どうしたの?隆志くん?」
「なんでお前俺の姿が見えてるんだよ!?」

俺の問いに、美鈴は何でもないような顔でこう答えた。

「なんでって、私も幽霊だからに決まってるじゃない」
「……え?」

言われて見れば、よく見ると確かに美鈴の身体も半透明だった。
そして更によく見ると、微妙に宙に浮いている。
つまり、こいつもまた幽霊だということだ。

「あなたの家に行くと、あなたが首を吊って死んでるのを見つけたの。
 冷たくなった隆志くんを見て、私もすぐ死ぬことを決意したわ。
 だって、あなたのいない世界なんて何の意味もないもの。
 だから私は、自分の家で、あなたと同じように首を吊って死んだ。
 来世でもその次の来世でもそのまた次の来世でも、ずっとずっとあなたと巡り逢い続けられることを願いながら、ね。でも」

すっ、と。
美鈴が俺に抱きついてきた。
幽霊であるにも関わらず、ぞわりと背中に寒気が走った。

「や……やめろっ!」

引き剥がそうとするが、凄い力で抱きしめられていて、まったく動けない。

「くそ!離せ!離せよ……!」
「でも、こうしてまた隆志くんと逢えた。幽霊として、隆志くんとまた巡り逢えた。
 うふふ。嬉しいね、隆志くん。これでもうずっとずっと一緒だよ?
 どちらも死ぬことがない。文字通り、未来永劫ずーっと一緒。
 どこに逃げても、どれだけ逃げても、追いかけて追いかけて捕まえてあげる。絶対、離さないんだから」

そして美鈴は、動けない俺に強引に口付けた。
その瞬間、俺はもうこの女から永遠に逃れられないことを悟り、全てを諦めた。