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75 :墜落の夢 プロローグ1 [sage] :2008/01/13(日) 11:30:37 ID:jazuqUMY
彼女が、生きるために何があれば生きられるのだろう?
そんなことを彼女は、考えた事があったのだろうか。
彼女は座って泣いていた。
長い髪を振り乱し目からは、止めどない涙を流しながら
「どうして?どうして?どうして?」
「私たちがまともになんてムリだったのかな?」
しかしあまりに弱弱しいこえだった。
普段の彼女からは考えられない。
「あまりこれ以上かんがえるな。」
我ながらひどいとおもう。
彼女に対していった言葉は何の慰めにもならないのに。
「私たちがまともになんてムリだったのかな?」

食料と水と空気なんてお決まりの答え?
そんなの全然彼女は望んじゃいない。
現に俺達には、お決まりの答えくらい問題じゃなかった。
でもそれがこの結果だ。それだけじゃ、たった1人も守れない。
それだけじゃ、悲しみで心が潰れてしまう。
彼女は、現にそれだけでは生きては、いけなかった。
そんなのは、心のない本能だけの動物だろう。
動物園なんてわざわざ区分けしてるしな。
ただ生きるだけならお決まりの答えで理屈上十分だろう。
心なんていらない。
彼女が望むのは、その先だ。
まとも、当たり前、普通、そんな他人との心の触れ合いを夢見た。
だが、求めた瞬間それは、粉々に現実に壊された。
そして彼女の心も壊された。



76 :墜落の夢 プロローグ1 [sage] :2008/01/13(日) 11:59:59 ID:jazuqUMY
彼女は、凶器をもっていたのに傷つける側なのに壊れた。
いじめられていたから、仕返しした。
それだけで……。
いや、それだけのことをしたのだろう。あやうくずれるところだった。
罪や悪意は、残り続ける。どうやっても抹消できない。
人が3人死んだのだ。十分罪深い。
しかし、救いが無さ過ぎる。
もう彼女は、立ち直れないかもしれない。

強く在れといつも俺にいっていた彼女。
いままでの日々を思い返す。幸せから絶望。そんな時 俺たちは、出会った。
そうだ。かつて交わしたあの約束の時から俺は、彼女によく助けられたんだ。
彼女を助けたい。俺は悩んだ。
人に踏み込まないよう生きてきた俺は、戸惑っていた。
リスクが頭にちらつく。孤独、そんな単語が頭を埋め尽くした。
さみしい、つらい、こわい。感情の波が俺を襲う。

妹達が逃げ出した。悲鳴をあげていた。家族だった。
目の前の俺を同じ人間と認識していなかった。
人とまったくの別物。俺を見てまるで化け物のように。
幼い俺は、しばらく理解できなかった。俺は、化け物。
俺は逃げ出した。姉が追ってくる。
目の前の人間は、俺を家族と認識していない。敵。攻撃される。
傷つけられる。理解は、出来た。俺は、家族の敵。

幼いとき感じたあの感覚に恐怖した。
一度失敗した俺は、臆病だった。
現状維持、それは甘美な響きだった。
俺は、逃避しようとしているのか。
ふいに彼女との約束が浮かんだ。
「いつか楽しいと思える日々まで、ふたりで生きよう」
大切な言葉だ。
俺にとって一番大事な約束。
そうだ約束したんだ。
いま果たさずにいつ果たすんだ。
覚悟の決意をした。最後に理由を聞いた。思い残すことが無いように。
「なんで俺を選んだんだ?。」
その俺の質問に彼女は、すぐ答えてはくれなかった。
しばらく黙っていて、俺は不安になった。
無視されているのか、それとも聞いていないだけなんだろうか?
見下し見下される関係が、続いていたので怖かった。
もう遅いのだろうか?
5分くらいだろうか、突然俯いていた顔が俺に向いた。
「好きだったから。」
それまでずれていた焦点が俺の目と重なる。
ひたむきな姿で告白してきた。俺にはいまだ到底無理な感情。誠 実、真心愛情。
不思議と嫉妬は、しなかった。その言葉は、純粋にうれしかったと思う。

だから、うけとめられるだけの器が自分にないのは、悲しかった。