573 :Beside a Brook ◆gSU21FeV4Y:2011/05/27(金) 23:05:05 ID:/ej2yWxw

家庭的で、可愛らしくて、素直で、恥ずかしがり屋で……。
彼女に対する俺の印象というのはそんな感じだった。

俺は今、正座をして彼女の説教を聞いている。
何度目だろう、こうして彼女にお叱りを受けるのは。

俺の中で嫉妬深いという印象は、彼女に対して持っていなかった。
クラスの女子生徒と話をすると、放課後彼女の家に無理やり連れて行かれ、説教。
女子とのメールを制限され、制限を破ると説教。

最近は嫉妬深さがさらに酷くなった。
ある時、彼女も興奮していたせいもあっただろうが、
視界に私以外の女の子を入れないでと言われたことがあった。
そらぁ、無理ってものですよ、沙世ちゃん。

彼女、沙世の説教は長い。
今日は授業中に隣の席の女子が落とした消しゴムを拾ったことで説教を受けている。

「あのねぇ、進一くん。落ちた消しゴムなんて、自分ですぐに拾えるでしょう?
なんでわざわざ君が拾うのさ。
まさか浮ついた気持ちを持っているわけないよね……?」

「まさか。沙世、俺は君だけを……」

「うるさいっ!」

右の頬をぶたれる。
以前に右の頬を打たれたら左の頬も差し出せ、というのを聞いたが……。
今の自分にそんな余裕ない。


574 :Beside a Brook ◆gSU21FeV4Y:2011/05/27(金) 23:08:25 ID:/ej2yWxw
目の前の彼女は怒りに我を忘れている。
怒りの対象は俺か、はたまた相手の女子か。

俺はほとぼりが冷めるまで、ただ謝るしかない。
謝って、沙世への愛を口に出す。
我ながら滑稽というか……自嘲的な笑いが漏れる。

彼女はふぅーっと息を吐く。
この溜息を合図に説教が終わる。いつものことだった。

「じゃあ、もういいから……」

彼女は椅子を出し、俺の前に置いた。
俺は正座の体勢から立ち上がり、置かれた椅子に座る。
彼女の態度は急に変わる。
先ほどまで、鬼神のごとく怒っていたのに、急にだ。
急に、俺に甘える。

「ね……いつもの……」

彼女は俺の首に手を回し、唇を重ねた。
舌を彼女の口内へ侵入させ、舌を絡め合う。
口の中を愛撫すると彼女の顔は紅潮し、艶やかな喘ぎ声を漏らし始める。

「んぅ……ふぅん……う……」

彼女は顔を離し、床に寝転んだ。

「……おねだりは?」

「進一……意地汚い私を踏んで……慰めてください」

いつも、しているやりとり。
スムーズなやりとり。様式美のようにも思える。

「ん、上出来」

彼女の言葉を聞いて、満足したふりをする。
寝転んだ彼女のお腹を優しく踏む。
あぅ、と小さく喘ぎ、沙世は呼吸を荒くした。

「もっと……強くぅ……」

「はいはい……」


575 :Beside a Brook ◆gSU21FeV4Y:2011/05/27(金) 23:10:26 ID:/ej2yWxw
踏む力を少し強める。
沙世はいじめられて喜ぶ。簡単に言えば、言ってしまえば変態だ。

「変態、踏まれて喜んでんの?ドマゾ」

「あああっ!もっと!進一くん!」

彼女はお腹への痛みに、体をくねらせる。

付き合ってから何度目かの説教の後に、さっきは悪かったと謝罪された。
そのときだった、お仕置きを頼まれたのは。
嫉妬深い私を許してほしい。嫌いにならないでほしい。

最初のうちは、ほんとに軽く。
彼女を大切に思っていたから。もちろん今もだが。
お仕置きなんてとても……。俺は気にしてないから……。
そういったが彼女は聞かなかった。

お仕置きされないと、私の気が済まない。進一くんにはひどいことを言った。

彼女は何を言ってもその一点張りだった。
渋々、彼女にお仕置きをした。

それから先も何度か。渋々だ。

何度目かのお仕置きの時に、彼女の性癖に気づいた。
お仕置きをされている時の彼女の表情を見ていて、次第に自分もいじめるのが快感になってきた。

説教をされている時と、その後。
立場は真逆になる。


576 :Beside a Brook ◆gSU21FeV4Y:2011/05/27(金) 23:12:30 ID:/ej2yWxw
沙世のお腹を一定の間隔で踏む。
怪我をしない程度に。快感に繋がる痛みになるように。
愛をこめて踏む。

「ふっ、ああぅ、うん」

踏むたびに喘ぎ声が漏れる。

「進一くん……あっ、ふう、えあ、お腹っ、以外も」

「ん、お腹以外って?」

沙世のお腹をゆっくりと踏みまわす。
強弱をつけることで、彼女により快楽を送ることができる。

「あ、の、胸とか」

「とか?」

今度はぎゅーっとお腹を圧迫する。

「うううぁぁあ、はぁっ、下もぉ……」

「まあ、いいや。胸、踏んでやるよ」

左足で胸を、右足でお腹を継続して踏む。
沙世の顔に一筋、汗が伝っている。
彼女の表情はとろんとしていて、踏まれて幸せなのだろう。

胸を踏まれた彼女は喘ぎ声を高め、快感に身をよじっている。

「ふぅ、ふぅん、はっ、ふっ」

沙世は太ももを擦りあわせ、切なそうな表情を浮かべている。

「うはぁあ……、うぅあ、し……たも」

「え?もう一回」

「し……た……うぁ……も」


577 :Beside a Brook ◆gSU21FeV4Y:2011/05/27(金) 23:14:16 ID:/ej2yWxw
ここで素直に沙世の秘部を踏んでも、駄目だ。
わざと、聞こえないふりをする。
そうすれば、彼女はもっと喜ぶ。

「何?聞こえない」

右足をお腹から離し、沙世の顔を踏む。
少しずつ、少しずつ。徐々に踏む力を強める。

「ああああっ!」

「ほら、早く」

右足で沙世の顔を圧迫しつつ、左足で胸を撫でまわす。
彼女のスカートの中の太ももが艶めかしく蠢いている。
手は自由であるのに、自分でそこを触ろうとはしない。
あくまで俺に踏んでほしい、のだ。

「わ、私のぉ」

「ん?」

ぐりぐりと顔を踏みにじる。
踏みにじるといっても苦痛にならない程度に。

「私のおまんこを踏んでください!」

「よく言えました」

沙世の股間を左足で踏む。足の指を動かして、そこの周りも愛撫する。

「顔を踏まれて、足で慰められて、恥ずかしくない?
こんなんで感じて……ド変態」

顔と股間にぎゅーっと圧力をかける。

「ううぁ!もっもう、あっ!」

「何もうイクの?」

右足の圧迫を少し緩め、ゆっくりと股間を撫でる。


578 :Beside a Brook ◆gSU21FeV4Y:2011/05/27(金) 23:15:40 ID:/ej2yWxw

「ああっ!イカせてっ!進一っ!」

「どうしよっかなー」

わざとらしく、言う。
足で、パンツの上から割れ目を広げる。
パンツはべちょべちょに濡れていて、履いていた靴下が湿ってしまった。

「んぅあっ!も、もう……!」

「あー、しょうがないな」

沙世の足を手で押さえ、股間に密着させた足をぶるぶると震わせる。
俗に言う、電気あんまだ。
彼女は焦らされた反動からか、激しく身をくねらせ、快感に悶えた。

「ああああああ!」

絶頂とともに叫び声とも取れる喘ぎ声を出し、身を反らすと、沙世はぐったりとなった。

呼吸は荒く、顔も紅潮していたが、表情はいつも通りの彼女だ。

彼女を抱き起し、お姫様抱っこで床からソファまで運ぶ。
自分で歩けるよ、と恥ずかしそうに笑う沙世が愛おしかった。

「お疲れ様、ちょっと物足りないかな?」

そういって、沙世に軽くキスをした。

「お疲れ様……少しね……」

にっこり微笑んだ彼女は可愛らしかった。

それを見て満足した。
自分ののどが渇いていることに気付き、冷蔵庫のドアを開ける。


579 :Beside a Brook ◆gSU21FeV4Y:2011/05/27(金) 23:16:54 ID:/ej2yWxw
開けた瞬間。

首に衝撃が走る。

全身の力が抜け、後ろに引き倒される。

「……進一くん……」

倒れた俺の目には沙世が映っている。

「私だけを見て……」

彼女の手にはスタンガンが、ある。
それを俺の首筋に当てた。

恐怖で歪んだ俺の表情を見て、彼女は心配するなと言いたげに微笑んだ。

「気絶するだけだから……ね?」

鋭い音と共に、意識が遠のいていく。
その鋭い音はスタンガンの衝撃音か。
はたまた意識の糸が切れた音か。

どっちも大差ない。

俺が目覚めたとき、どうなっていることだろうか。
ゆっくりと、まぶたが落ちる。
最終更新:2011年06月05日 03:50