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850 :深優は泣いた ◆J9zPo6rgI.:2011/06/26(日) 22:47:31 ID:dDVHSOZE

○運命の人


ぐっすり隣で寝ていたミューに気付かれないよう、陽が昇る前に館を出て、
ルカさんに貰った運賃代で巡回馬車に乗り、第二の道場へ向かった。

うとうと眠りこんでいる内に到着、降りて目の前の建物を確認する。
おお・・・・・・これが我が新天地、新築で純陽ノ国風の造り、ああ陽ノ国万歳。

期待と不安を交錯させながら、ゆっくり門戸へ歩みだす。すると・・・・・・。

「もしかして・・・・・・南夏高弟では?」

後ろで長い髪を一本に縛った、凛とした涼しげな雰囲気の女性。
耳は長く尖り、額に何かの文様・・・・・・服装は・・・おお、門下の装い。

「あっ、はい、南夏竜史です。なぜ自分の名を?」

「あなたの纏っている気で瞬時に」

「すごっ!まぁいいや、案内お願い出来ますか?」

「湛山大先生が選んだ精鋭・・・・・・さぞかしお強いのでしょうね・・・」

「っ!先生いるんですか?すぐにお願いしますっ!」

俺は興奮のあまり彼女の両肩を掴み、迫るような剣幕で急接近する。

「あっ案内しますから・・・・・・そんなに見つめられると恥ずかしいです・・・・・・」

その後案内してもらい、先生と六日ぶりに対面。
旅の出来事、ミューの事全てを話し、
先生からはねぎらいの言葉とこれからの予定を話してもらった。

先生は、
俺のために用意してくれた長屋の一室で一日休むよう指示されたので、今そうしている。

「南夏高弟、いらっしゃいますか?」

どうやらあの子が来ているらしく、どうぞ、と返事をする。

「申し訳ありません、お休みのところ」

彼女の動作はぎこちなく、どうやら緊張あるいは委縮しているようだ。
なので俺から親しみやすい言動・・・・・・つまり寒い冗談をかます。

「おや、俺の命を狙いに来た刺客?ええ、では分かりました、いざ尋常に勝負!」

「ただ紹介に来ただけです」

きっぱりと流された、彼女にあまり冗談は通じないようだ。
西方の言葉で言うところの”くーる”、合ってる?

「世話役を務めさせていただきます、
コルネリア・ミジュ門下五級、なにかご質問は」

「おー、宜しくお願いします。
ええと質問ですけど今はいいです、逆にそっちは何か俺にあります?」

質問返しに一瞬戸惑うような仕草を見せるものの、
すぐに真面目顔に戻り、言いだし辛そうに質問をする。やや頬が赤い気がする。

「あの・・・・・・わたし、陽ノ国に興味がありまして、
その・・・迷惑でなければ多少なりともあちらの話をして頂けたらと」

陽ノ国が知りたいとお願いされ、我が母国を語らないわけはないではないか。
俺が話し始めると彼女は目を輝かせ真剣な表情で聴き入っていた。
その真摯な聴き手に触発され、長時間熱弁を振るった。

それから彼女との仲が一気に良くなり、色々関わり合った。
いつの間にか俺はタメ口、かつ呼び捨てで接するようになり、
一方彼女は、しごく当然のように澄んだ小さな声で俺を「師匠」と呼ぶ。
先生の剣聖如き領域を目の当たりにして、
直接的な指導を乞うのはあまりにも恐れ多いということなので、
俺と師弟の関係を結んで、着実に鍛錬を積みたいらしい。

彼女は「天術師見習い」でありながら、剣にも精を出す、努力家である。
つまり、魔女っ娘か・・・・・・いや、齢は俺と変わらんから、子供扱いは失礼か。

で、回想中の今は、良い天気の下で彼女と井戸端でなごみ中。

「いやぁ~上手いお茶入れてくれるね、ありがとなネリア」

「あ、ありがとうございます。師匠の趣味に合わせましたから」

「はて?いつ茶の趣味なんて言ったっけ?」

「あっいえ、なんとなくこれかな、と予想しまして」

「そっか・・・・・・ほんとネリアは良く世話してくれるなぁ。
でっかくて綺麗な水晶玉もくれたし。
ネリアの注文通りどんな場所からも見えやすいところに置いたぞ」

「はい、知っています」

「これも予想?」

「あまり、せ、詮索しないで下さいっ」

時折見せる恥じらいの表情が、
普段のツンとした態度からはあまりにもかけ離れていて、父性本能がくすぐられる。


851 :深優は泣いた ◆J9zPo6rgI.:2011/06/26(日) 22:48:47 ID:dDVHSOZE

それから彼女は、淡々と意外な話をしてくれた。
俺が彼女の大好きな伝奇小説に出てくる主人公にそっくりで、
どこか運命的なものを感じるんだとか。

よし、そろそろ稽古つけてやるか。



「つっ!!」

「すいません!」

竜史を怪我させてしまった、鼻から血が出ている。
とっさに懐の絹布を鼻に当てる。わたしったらなんてことを・・・!

「う~ん、すまん、これくらいで鼻血なんか出してしまって、
ネリアは気にすることないからな」

「・・・・・・あの、治癒の天術を使っても?」

「ほーい、いいよー」

人差し指で師匠の鼻を軽く触ると、黄色の淡い光が患部を治癒していき、血が止まる。

「おお~すげぇ、天術使えるなんて羨ましいったらありゃしないね。
あっ、この絹布洗って返すからさ、鼻血なんて汚いしな」

「いえ、いいんです。師匠のが汚いはずはありません」

稽古を終え、自宅に戻った。
すぐさま血が付いた絹布を取りだし、迷わず匂いを嗅ぐ。

はぁ、竜史の血、それに鼻血だなんて貴重・・・洗うなんてもったいなくてできない。
あの時さりげなく竜史の額を拭ったから、汗と皮脂の匂いも若干して、
酩酊状態に襲われるような感覚が全身を走る。

「竜史・・・・・・愛してる、
わたしを抱いてくれ・・・・・・もう体がおかしくなりそうだ。
でも今はこれで我慢だ・・・・・・すぅ・・・はぁ・・・・・・」

枕を抱いて悶々としながら転げまわる。
なおも頬を緩ませながら思いを巡らす・・・・・・。

わたしの運命的なものに導かれた「直感」は間違っていなかったな。
こんな短期間で激しい慕情を募らさせてしまう竜史の魅力が恐ろしい。
彼のさりげない言動、積極的な好意全てに惹かれてしまう。
外面から入ったが、今では内面を好きになってしまった。

あ・・・・・・ふっ、竜史・・・また独りごと言って。
彼は知らない、わたしが無防備で自然体のあなたを、水晶を通して監視しているなんて。

「竜史、そんな恰好でうろついていては風邪ひくぞ・・・。
もし引いてもわたしが手厚く看病してあげるからな、
お粥とか良く効く薬を口に運んで、風呂に行けない竜史の体を綺麗に拭いて・・・・・・」

彼が例の姿勢に入ると同時に、わたしは陰部の下着が露出するまで裾をずらし、
右手を下腹部に置いてから、前のめりに身構える。

「なにっ・・・・・・ああ、竜史、そうだよな、溜まっているんだよな、
わたしに頼めば喜んで可愛がってやると言うのに・・・・・・うっぁ、そんなに激しく。
ああ、駄目だ、見ているだけなんてっ!
わたし竜史見てするぞ?いいだろ、それくらいの慰めは、許してくれるだろぅ?」

竜史からひと時も目を離さず、布越しに割れ目に沿って軽めに這わせていく。
彼が激しさを増していくのに比例して、
わたし自身もどんどん中指が恥丘を横一列に掘り下げるようにして、
手つきが急激にいやらしくなる。
ついに我慢ならなくなり、二本の指を下着の下に潜り込ませ、
直で規則的にかき混ぜ、卑猥な水音を立てる。

「竜史、りゅうじっ、りゅう・・・!とっても気持ちいいぞ、
おまえのお陰でっ、こんなに気持ち良く・・・なっているんだぞっ、ありがとなぁ。
んんっ・・・んんっ!はひぃ・・・あふぅ、もっともっとっ・・・!」

呼吸が跳ね上がるように荒くなり、快楽が絶頂に達したとき、
全身に心地よい痙攣が伝わる。

「はぁはぁはぁ・・・・・・あっ愛液が零れてくる・・・」

滴り落ちる水を、手を皿にして受け止め、台所にあったそば粉に混ぜる。
明日竜史にそばを食べて貰おうと準備したあったものだ。

「・・・・・・わたしの愛だ、しっかり味わってくれ。
竜史が私の愛液を咀嚼し体の一部とするのか、ふふっ、血も混ぜるか?
いやっ、白っぽい麺だからばれてしまうな、止めておこう。
じゃぁ、アレにするか、いやぁでも前にやったしな、
ちょっと変な味がするって顔してたからな、自重しよう、味が濃いからばれる」

竜史の嬉しそうに食べてくれる姿を想像しながら、丹念にこね上げていった。


852 :深優は泣いた ◆J9zPo6rgI.:2011/06/26(日) 22:50:03 ID:dDVHSOZE
一段落してわたしは、また水晶の前に戻る。

「やはり、竜史は飽きないなぁ。
おっ?便箋か?っ!またあの妹からか」

竜史には妹分がいるらしく、近々こちらへやってくるというのだ。
その時の竜史、やけに嬉しそうだったから、軽く嫉妬してしまって、
それ以降この話は聴こうという気になれなかった。

「そんなに楽しいか、ただ字を読むだけではないか・・・・・・くっ!
どんな娘なんだ、血が繋がっていないというのがとても気になる」

わたしは少し苛立たしい気持ちになりながら、いつも通り彼の就寝と同時に眠りに就く。


 ・・・・・・まだ空はほんのり薄暗い。
わたしは朝早くから起き、道場の門前へ向かった。
通りには、それぞれの仕込みをしている人たちがちらほらと確認できる程度である。

道場の門前に到着し、便受けを探る・・・・・・あった、これか。
ためらう事なく封を開け、中身を読む。

毎日送っている割には、かなりの文量で、十枚綴りにもなっている。
癪に障るが字も均整がとれて綺麗で、丹精込めて書いてあるのが見て取れる。
では肝心の内容はどうなのか・・・・・・?

本当に「妹」から送られた便箋なのか?はっきり言って、ただの恋文だ。
妹なんだから、もう少し抑えられないものだろうか。
竜史へのあからさまな好意が駄々漏れ、かつ、
雌猫の撫で声が聴こえてきそうな甘ったるい媚売りまくりな言葉の数々。
これ以上読むに堪えない、こんな雌猫みたいな女が来るのか。鬱だ。

便箋を力いっぱい握りつぶし、火術で燃やしつくした。
小さな紙切れを燃やすには明らかに大げさな火力、周囲の塀よりも高い火柱でもって。


「師匠、妹さんいつぐらい来られるんですか?」

いつものように、井戸端のそばにある椅子に並んで腰掛けている。
竜史の手にはあの蕎麦が・・・・・・。

「ちゅっる、んっ、美味いっ。
あ~、ん~、たぶん明日じゃないかな」

「話を聴けば妹さん、かなり師匠を慕っているみたいですね」

「ああ、ちょっと異常なくらいにな。あともう少しは離れていたいな、ミューのためにも」

「では、あと一年くらい留めておけば良いのでは?」

「いっ一年!?いやいや~ミューの頭がおかしくなっちゃうだろ。
一日だって延期されるの嫌だろ、俺に関しては頑固一徹だからな」

「・・・・・・では、もうちょっと突き放した態度を取れば良いかと。
毅然と対応し、嫌われる覚悟で常識的な距離を保てば、
次第に妹さんも慣れてくるのでは?」

少し考え込むような仕草を見せて、蕎麦をすすりあげる竜史。
私の愛液が大量に混入しているとも知らずに。
さきほどから感じ始め、下着が濡れてきているのは内緒・・・。

「そうだな、ちょっとミューに目を掛け過ぎていたのかも知れん。
俺の意図をあちら側から気付かさせなきゃな。
助言どうも、なんか踏ん切りついたわ」

「どういたしまして・・・ふふっ・・・・・・っん・・・玄関が少し騒がしいですね」


853 :深優は泣いた ◆J9zPo6rgI.:2011/06/26(日) 22:50:28 ID:dDVHSOZE

道場の玄関口へ一緒に向かう。
大先生と青い髪の女が話をしている。
彼女がこちらに気付いた時に発した言葉に愕然とする。

「お兄ちゃん!会いたかったよ!寂しかったっ・・・!」

大胆にも師匠の胸に飛び込む妹、予想と全く違った、純粋なメア人じゃないかっ!

「おいおい、まだ一日あるだろう」

「で、でもぉ、会いたい気持ち抑えられなくて・・・・・・
先生も来ているって言うからぁ・・・」

「ミュー、約束破ったな」

「えっ・・・・・・おにぃ・・・ちゃん?」

竜史の突き放すような冷たい眼差しに、妹は慌てふためいている。

「ミュー、今日は帰って明日来なさい。お兄ちゃん、幻滅しちゃったよ、ごめんは?」

「ごめんなさいっ・・・・・・今日は帰ればいいんだよね?」

「ああ、明日また来てくれ」

「私のこと嫌いにならないで・・・・・・お願い・・・」

ミューが出たのを確認すると、竜史は玄関戸を閉める。大先生は驚いている。

「お前にしては珍しい態度じゃの、考えがあってのことじゃろうが」

「ちょっと心が痛むけど、いままでの兄貴像を塗り替える機会だからね、
うう・・・これもミューのためはいえ・・・辛い」

妹め、女である私の視点から見ても容姿端麗に映る。若干の幼さはあるが。
背がかなり高い、なにより胸が大きい、私の何倍あるっていうんだ。
そして、かなりの色白だったな、だがしかし、竜史は褐色肌が好きだ。
とは言っても、私自身も白目の肌だが。
あと、妹の背後にいた付き人のような女誰だ?悔しいが、竜史好みだな・・・。

どこかへ行こうとする師匠を呼びとめる。

「妹さんと随分仲が良いのですね、まさか抱き合うなんて」

「俺からではないんだが・・・。
いや、そんなもん言い訳だよな・・・・・・やっぱ、傍から見て変か?」

「ただの男女であれば普通かもしれませんが、「兄と妹」的な関係なのでしょう?
そう言った前情報があれば、
疑わしい、あるいは如何わしい関係だと勘ぐってしまいます」

「そうか・・・・・・。
ミューは特に最近、俺の事を求めてくるんだ。
いやっ、そういう性的な繋がりとまでは行かないが、一歩手前といった感じだ。
俺は全くそんな気になれないというのに。
解決する方法、何かないかなぁ」

しめた、”ちゃんす”。

「師匠が「女」を作ればいいのです。もちろん見せかけるだけです。
他の女性と仲良くしているのを見せつけて、
兄と妹がずっと一緒に居れるなんて幻想なのだと思い知らせるのです!」

少し熱くなりすぎた、竜史が驚いている、いつもの冷静な私に戻ろう。

「そうなるとミューが可哀想だし、嫉妬とか焼きもちの嵐になるんじゃ・・・」

「あそこまでお兄ちゃん大好き好き好き~な雌猫・・・こほんっ、
妹さんにはこれくらいの荒治療も必要です」

「ミューが七、八才の頃なんか、一日中俺の後ろに付いてきてたな。
お陰でその頃は俺、友達が全然居なかった・・・。
女の子と話しようものなら、すぐに泣いて俺を引き離そうとしてたなぁ。
まあでも、当時に比べりゃ遥かに落ち着いているし、
今ならある程度の常識は弁えているだろうから大丈夫だよな?
つーか、一番の問題なのは、俺に相手がいないということなんだが」

「わたしがその役を務めます」

「いいのか!すまんなぁ~。
え~と、じゃまずは何から・・・・・・」

「では、早速練習しましょうか、明日から本番ですからね。
ちょっとそこら辺を散策しましょう、相思相愛のようにね」

勝手が分らないとでも言うような竜史の表情、襲いたいくらい可愛い。
既成事実を積み上げて、わたし色に染め上げてやる。
竜史は運命の人、渡さない。