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947 名前:狂宴高校の怪 第13話(試練編)[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 21:50:28 ID:uQKbjJlQ [2/6]
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 ケンゴウは学校に来ていない。やはり昨日の謎の嘔吐が原因だろう。学園祭準備期間中の嘔吐といい、本当に謎だ。
「シドウ、お前なんか知らないか?ケンゴウの過去に何かあったとかさ。」
「・・・・・・・・・。」

 ん?一瞬シドウの表情が曇った。
「いえ、知りません。」
 何だ・・・シドウの言葉に重みがある。
「そうか・・・。ならいいんだ・・・。」
 シドウに聞いてもダメみたいだな。仕方ない、今日また見舞いにでも行ってみるかな。

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 昨日から、私の頭の中のざらつきは消えない。あの部屋の事が頭から離れない。
 ・・・こんなときにケンゴウ君がいてくれたらと思う。
 彼は私に対して、そっけない態度をとる。しかし、私はそれでも諦めない。絶対に彼を手にいれる。そう決めたのだ。・・・いつ決めたかは思い出せないけど。

 ・・・今日もお見舞いに行こう。ノマルには悪いけど、今日の水着選びはキャンセルしよう。

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「あれ?マナカも来てるのか?」
 ケンゴウのアパートの前に、マナカの自転車が止まっていた。
「・・・コイル君、何か嫌な予感がするんだけど・・・。」
 俺と一緒に来たクドが呟いた。
 ・・・確かに俺も嫌な予感がする。さっきから左目の傷が痛む。俺の傷が痛むときは、大抵何かが起こる前兆だ。クドが自分の過去を思い出した時も傷が痛んだ。

 あれ?何でクドが過去を思い出したってわかったんだ?
 あの時、クドは思い出した事を話していない。しかし、その日の妹は何だか何かを思い出そうとしていた表情だった。妹だけじゃない、他の皆もだ。
 クドの過去は何かを皆に思い出させようとしてるきっかけになったのか?

 いや、二人だけ違う。俺とナオだ。だから俺達はクドを説得できた。

 何だろう・・・。傷がさらに痛んできた。
 どうやら心情が顔に出てしまったようだ。クドがすごい心配そうに顔を覗きこんできた。
 咄嗟にクドに目で合図を送り、俺達はケンゴウのアパートのドアの前に立った。

948 名前:狂宴高校の怪 第13話(試練編)[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 21:51:25 ID:uQKbjJlQ [3/6]
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「わざわざありがとうな。マナカ。」
 昨日と同じように、マナカは見舞いに来てくれた。
「そんな顔をするな。ケンゴウ君らしくない。」
 ・・・やっぱり顔に出てたか。今の俺は、昨日の嘔吐についてずっと考えていて、かなり疲れが見えていた。しかし、答えは出なかった。
 何か過去に近いことが起きれば思い出せそうなんだがな・・・。
「私は好きでやっているんだ。気にしないでくれ。今は体調を治すことだけを専念しろ。」
 マナカはいつも俺に気をかけてくれている。しかし、どうしても直視できない。
 これも過去に関連しているのだろうか。
「すまん、ちょっとトイレ行ってくるよ。」
 俺はトイレに向かった。



「ふぅ・・・。」
 咄嗟にトイレに逃げ込んだ。マナカの優しさが怖くなっていた。逃げたい。
 小便の勢いが弱くなる。出しきったようだな。
「どうしたものかな・・・。」
 トイレの水を流して、俺はトイレのドアのドアノブに手をかけた。

ん?

「はぁ・・・はぁ・・・。」
 荒い息づかいが聞こえる。これはマナカの声?
「ケンゴウ・・・君・・・なぜ振り向いて・・・くれないんだ・・・。」
 無言で立ち止まる。
「私は・・・こんなにも好きだと言うのに・・・。」
 まさか、マナカのやつ・・・自慰行為を?



「ぐぅ!うぅぅぅ!!!」
 またもや吐き気が襲いかかる!頭には激痛が走る!
 何で?何で喘ぎ声を聞いただけで吐き気が!?
 いや!吐き気と頭痛だけじゃない!何かが頭をかき回してる!
 何かが俺を狂わせる!
 直感した。今俺の頭をかき回してるのは俺の過去の記憶だ。忌まわしき過去の記憶。狂気の記憶だ!

949 名前:狂宴高校の怪 第13話(試練編)[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 21:52:20 ID:uQKbjJlQ [4/6]
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「え!?引っ越し先って一軒家なの!?」
 新天地に向かう車の中で、俺は父親から衝撃的な事を聞いた。
 一軒家ってことは!友達を呼んで一緒に遊べるということだ!小学校の時に憧れていたことが出来るようになったんだ!嬉しくて一人で手を叩く!
「ケンゴウ!はしゃぎすぎだよ!」
「兄ちゃん、どんだけ嬉しいのさ。」
 俺の横には、姉と弟がいる。そして、運転席には俺の父親、そして助手席には母親がいる。
 俺は、一軒家に住める喜びと新天地での新しい友達を期待していた。

「中々広いだろう!」
 父親が誇ったようにいった。
「大きな声出しても大丈夫かな?」
 弟が呟いた。確かに重要だ。
「大丈夫!壁が厚いから声は外には届かない。安心して叫んで大丈夫だ。」
 マジかよ!これは明日から期待せざるを得ないな!テンションがスゴく上がってきた!



「うん・・・。」
 興奮が冷めない。中々眠れない。
 初めての個室で就寝。その事にもテンションが上がって、やはり眠れない。
 
「水でも飲むかな・・・。」

 部屋を出て階段を下り、居間へと続くドアに手をかける。
「ん!はぁぁ!あああ!」
 ん?何だ?この声は。
 聞き覚えのある声・・・姉だ!
 いや!もう一人の声?二人?
 これは母親の声だ!何で姉と母が声を?
 しかもこの声・・・喘ぎ声?
 俺はそっとドアを開け、隙間から中を覗いてみた。

「んやぁ!いい!いいよぉ!お父さん!」
 姉が・・・父に挿入されてる?その隣には・・・。
「すごい!すごいいいわよぉ!」
 母と弟が繋がっていた。

 何だこれ?何で親子で繋がっているんだ?何で肉体関係を結んでいるんだ?いつから?きっかけは何だ?どうしてやろうと思った?頭が働かない。目の前の現実を飲み込めない。足が震える。歯軋りが止まらない。
 ふと、弟の言葉が蘇る。



「大きな声出しても大丈夫かな?」



 まさか引っ越しもそのため?ということは引っ越す前から?
 姉は高校二年生、弟は小学五年生だ。なのに相手はよりによって親!?
 床がどんどん愛液にまみれていく。床がふやけてしまいそうだ。掃除する気なのか?
 ふと俺は、姉と母のあそこの下に何かを見た。
 あれは・・・ポリタンク?まさかあの中に愛液を入れているのか?
 ・・・ダメだ。これ以上見れない。俺はそっとドアを閉じて、二階の自室に戻った。

 目が覚めた。どうやら寝てしまっていたようだ。
 まさか、昨日のは夢?そうだよな!あんなことあり得ないよな!何だ!不安になって損した!
 顔が笑顔になる。俺はそのまま一階に降りた。

「おはよう!」
 爽やかな挨拶で、名役者達に挨拶をする。
「おはよう!兄ちゃん」
「おはようケンゴウ、今日はずいぶんと元気ね?何かあったの?」
「いや!何にもないさ!」
 まさかあんな夢見てたなんて言えない。俺は笑顔のまま食卓に座った。

「はい。」
 母がコップをくれた。中には液体が入っていた。
 ・・・何だ?この胸騒ぎは・・・。何かが変だ。
 父と弟がコップを持って席を立つ。目で追うと、二人はキッチンにあったポリタンクから何かを注いでいる?あのポリタンク・・・。まさか!

「うぅぅぅ!」

 強烈な吐き気が襲う!頭痛もしてきた!
「ちょっと急にどうしたの!?」
 姉と母が俺に駆け寄る。近づくな!お前らが近寄ったら!

「ぐぼぅぅぅ!」

 俺は吐き気を我慢できなかった。体の中の液体が全部出そうな気がした。
 夢じゃなかったんだ・・・。昨日のあれは現実だったんだ・・・。俺の心の許容範囲をはるかに越えている現実。逃げ出したかった。声を出して泣きたかった。

 その日の夜、俺は自分の部屋の荷物をまとめて家を出た。
 次の日の朝、俺は朝の家族の談笑を庭から盗み聞きした。
「兄ちゃんいないよ?」
「出掛けたのかな?もう帰ってこなくていいけどね。」
「あいつがいたから引っ越す前はろくにできなかったのよ!まぁ今でも夜中しかできないけどね。」
「まぁいいじゃないか、あんな奴は!よぉし!今日は会社も学校も休もう!一日中ヤるぞ!」
「きゃは!子供できちゃう!」

 その後、祖父の家に行った。とりあえず高校進学までは面倒見てくれると言ってくれた。
 祖父はかなりの金持ちだ。本当にありがたい。祖父は何で俺が家を飛び出したかは聞いていない。たぶん気づいていたんだろうな。あの関係に。

 辻疾ケンゴウ。四年前の話だ。