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233 名前:学校の八不思議。 終わり  ◆rhFJh.Bm02[sage] 投稿日:2011/07/14(木) 18:47:57 ID:N4ovkh5I [3/13]
1.シアのきもち。
「レンっ!瑞樹から聞いたよ!!本当に遠くへ行っちゃうの!?」
シアちゃんが凄い勢いで教室へ入ってきた。
入ってくるのも扉をすり抜けてくるので、心臓に悪い。
隅の席に座っている俺を見つけて、抱きついてくる。
・・・今、授業中なのに。
(シアちゃん!?何でここに?)
小声で話しかける。
「だって、レンが私達を置いて行くって聞いたから急いでここまで来たんだよ」
シアちゃんは他の生徒からは認識されていない。
あれだけ騒いでも皆は黒板の内容をノートに書き写していたり、談笑をしたりして自習の時間を過ごしている。
シアちゃんが膝の上に座る。帰る気は無いみたいだ。
「で、レンは本当に行っちゃうの?」
膝に座った状態から上目遣いで聞いてきた。
思わず、何処にも行かないと言って抱きしめたくなるが堪える。
この一年、考え続けて決めた事だから。
今の日常に満足して、居心地がいいからと甘えては駄目だ。
(あぁ、俺は東京へ行こうと思う)
自分の思いをシアちゃんにも伝える。
確かに寂しいが、まだ別れるまで半年ある。
これまで以上に楽しく過ごしてから、別れたい。
「・・・そう」
シアちゃんは目を閉じたまま動かない。
何かを考え込んでいるみたいだ。
教師の声や笑い声が教室に響く。
シアちゃんを乗せた腿が痺れだした頃、シアちゃんが口を開いた。
「やっぱりこうしないと、レンはここにずっと居てくれないのかな?」
シアちゃんが膝から降り、机の下へ潜った。
床に膝をつき、腿の間に手を伸ばしてきた。
(シアちゃん!何を・・・)
「何をすると思う?」
チャックを下げ、下着をずらされる。
「彩夏に教えてもらったんだよ」
幼い手によって、愚息が取り出される。
「これを気持ち良くすれば、レンは私だけを見てくれる様になるって」
シアちゃんはそれを両手に持ち、蕩けた顔をしながら頬ずりをしている。
「私の事しか見えなくなれば、私を置いて行くなんて言えないよね?」
そう言って笑う彼女は、今まで見たことが無い、女としての顔だった。

234 名前:学校の八不思議。 終わり  ◆rhFJh.Bm02[sage] 投稿日:2011/07/14(木) 18:49:27 ID:N4ovkh5I [4/13]
正しい性知識さえ無い。
そんな、無垢な少女に自分の穢れているものを撫でられている。
些細な刺激と、圧倒的な背徳感。
拙い動きに、声が出てしまいそうになる。
「あれ?彩夏の話じゃこの辺でこれが大きくなるって言ってたんだけど・・・」
(シ、シアちゃん!もう、やめてくれ!!)
首を捻っているシアちゃんに懇願する。
「やめてほしいの?でも、駄目だよ。レンを私の虜にするんだから」
刺激が強くなる。
「う~ん、おかしいな~おっきくならないよ。次にいっちゃおうかな」
とにかく、今は耐える。
周りに人がいるので、目立つ動きは出来ない。
もうすぐ、シアちゃんも諦めてくれる筈だ。
「はむっ」
「!?」
今まで感じなかった柔らかな感触。
咥えられ、舌で刺激を受ける。
思わず、声が零れる。
「んっ・・・やっとおっきくなってくれたね、レン。もっと気持ち良くさせてあげるね」
再び咥えられる。
ぎこちなく、ゆっくりと舐めまわされる。
「・・・んぅ・・・ちゅ・・・・・・ふぁ・・・レン、どう?」
咥えたまま、顔色を窺ってくる。
返事が出来ない。
「気持ち良さそうだね、レン。でも、我慢しなくていいよ」
片手で弄りながら嬉しそうにシアちゃんが笑っている。
再び咥えられる。
「ん・・・ふぅ・・・・・・じゅる・・・はぁ」
そろそろ、まずい。
シアちゃんは今も懸命に舐め続けている。
(シアちゃん!ま、待って・・・)
「もう・・・出るの?・・・・・・はぁ・・・いいよ・・・んっ・・・じゅ・・・」
動きに激しさが増す。
ぐい、と先端まで絞りあげられた。
腰を浮かしてしまいそうな心地よさに限界を迎える。
(・・・っ!あ、あぁ・・・)
「んんっ!?・・・んく・・・じゅる・・・こくんっ♪」
射精の勢いに驚いたシアちゃんだったが、すぐに飲み干そうと喉が動き出した。
脱力して力が入らない。
しばらくして、シアちゃんが口を離した。
「・・・っはぁ!どう?良かったでしょ?レ・・・ン?」
出ていたモノを戻し、シアちゃんの襟首を掴む。
「先生、少し体調が悪いので保健室で休んできます」
「ん?あぁ、しっかり休んでこい」
シアちゃんを持ち上げて、そのまま教室を出る。
さぁ、お説教の時間だ。

235 名前:学校の八不思議。 終わり  ◆rhFJh.Bm02[sage] 投稿日:2011/07/14(木) 18:50:44 ID:N4ovkh5I [5/13]
二階のトイレへ着いた。
シアちゃんと初めて会った場所だ。
近くに特別教室しか無いため、あまり人がいない。
「何でここまで連れて来たか、分かる?」
「う、うん・・・分かってるよ」
シアちゃんは顔を赤くし、もじもじしていた。
ここに連れてきた意味、本当に分かってるのかな?
「ほら・・・これで、いい?」
シアちゃんは更に顔を真っ赤にし、俯きながらスカートの両端をゆっくりと持ちあげた。
下着を履いてなく、毛も生え揃っていない未成熟な性器からは愛液が滴っていた。
・・・全然分かって無いみたいだ。
そもそも、何をシアちゃんに教えているんだ。彩夏さん。
「ここに連れて来たのはさっきの事を叱るために来たの。だから、早くスカートを戻して」
「あれ?私、別に叱られる様な事してないよ?」
悪びれも無くシアちゃんは首を傾げている。
何故叱られるのか、分からないようだ。
「こういう事するのはもっと大人になってからね」
シアちゃんの両手を掴んでスカートを下ろす。
「・・・私、子供じゃないのに」
「大人でも好きでもない男の人にこういう事しちゃ駄目だ」
精神的にまだ幼いシアちゃんに常識を教える事を一年続けている。
あまり効果は無いようだけど。
「・・・レンがそこまで鈍感だと思わなかった」
「何の事?」
「あぁ~!もうっ!!じゃあ教えてあげる」
シアちゃんに手を引かれ、個室のトイレに座らされる。
「今度は何をする気?」
「レンが私の事しか見なくなったらって言われたんだけど・・・仕方ないよね」
シアちゃんが膝の上に乗ってきた。
顔に手が添えられる。
「何を・・・っ!?」
「レン、好きだよ」
そのまま、キスをされた。
混乱している間も、シアちゃんは一向に離そうとしない。
唇を舌でなぞられる。
我に返り、急いでシアちゃんから離れようとするが、手が動かない。
「シアちゃん!」
「幽霊だからね、こんな事もできるんだよ。どう?動けないよね?」
首から下が全く動かない。金縛りをされたみたいだ。
「もう、こんなになってる。やっぱりレンも乗り気だね」
満面の笑みを浮かべながら再び愚息を弄られる。
何とか動こうとするが、身体は座った態勢で硬直したままだ。
シアちゃんに首元を舐められる。
服を脱がされ、そのまま舌を這わせている。
呼びかけてもシアちゃんは全く耳を貸さない。
「そろそろしよっか。もう私、我慢出来なくなっちゃった・・・」
制止の言葉も口で塞がれた。
キスをしながら器用に片手で扱い、自分の性器へ合わせる。
そのままシアちゃんは腰を落とした。

236 名前:学校の八不思議。 終わり  ◆rhFJh.Bm02[sage] 投稿日:2011/07/14(木) 18:51:59 ID:N4ovkh5I [6/13]

「はぁっ・・・はぁっ・・・」
シアちゃんが膝から降りる。
精液がシアちゃんの腿を伝い、落ちていく。
・・・やってしまった。
体が自由になり、脱力する。
「レン、これで分かった?」
シアちゃんは満足げに覗き込む。
「レンは私だけのレンなの!」
シアちゃんが去った後も一日中、頭を抱え続けた。

2.軽率な約束。
目を閉じてピアノの音に集中をする。
軽快に奏でる明るめの楽曲。
今では暗い曲をあまり聴かなくなった。
この一年で琴音ちゃんも心を開いてくれているみたいだ。
演奏が終わる。
いつもと同じように拍手で迎える。
琴音ちゃんが恥ずかしそうにお辞儀をした。
「やっぱり琴音ちゃんの演奏はいつ聴いても感動するね」
「・・・あ、ありがとうございます」
隣に座り、頬を赤く染めながら感想を聞く琴音ちゃん。
一人で色々な事を喋り、琴音ちゃんが頷いたり笑ったりしてくれる。
平和な日常を感じられる貴重な時間。
「・・・あの」
珍しく琴音ちゃんから話しかけてきた。
「何?」
「・・・もうすぐレンさんは卒業してしまいます」
「あぁ、あと半年だね」
「・・・やっぱり寂しいです」
胸の前に手を合わせ、俯く琴音ちゃん。
「だ、大丈夫だって!時間を見つけて皆に会いに来るから!」
琴音ちゃんの手を両手で包み、目を合わせる。
「・・・本当ですか?」
「あぁ、約束する」
「・・・嬉しいです・・・でも・・・あと、もうひとつだけお願いしてもいいですか?」
「いいけど、何を?」
琴音ちゃんは更に顔を真っ赤にして深呼吸をしている。
落ち着くまで待つ。しばらくして、琴音ちゃんが顔を上げた。
「も、もしレンさんが死んでしまったら・・・ここに入って欲しいです!」
琴音ちゃんが出したのは大きめの額縁だった。
中には森林や羽ばたく鳥達が描かれた絵が飾ってある。
でも、ここに入るって何故?
「・・・私、普段はこの額縁で眠っています」
瑞樹さんも言ってたな、たしか住み心地がいいとか。
「ここに二人で住みたいです!二人で寄り添って眠って、ピアノを弾いて・・・でも、もう一人じゃないんです。傍にはいつも優しい笑顔で見守ってくれるレンさんがいて・・・ずっと、ずっと二人は一緒に幸せに暮らして・・・」
こんなに饒舌に喋る琴音ちゃんは初めて見た。
死後の世界の感覚は分からないけど、もし幽霊になったらこの学校に来ると思う。
この額縁の住みやすさとかは別としても、ここに住めばいつだって皆に会える。
「じゃあ、もし死ぬような事があったらお願いしようかな」
「・・・本当ですか!?」
琴音ちゃんがぱぁっと笑顔になった。
凄く嬉しそうな顔にこっちの顔も緩む。
「でも、まだ何十年後の話だよ」
「・・・待ちますよ。・・・時間の感じ方も違いますからあっという間です」
「そうだね、楽しみにしてるよ」
何十年も経ち、死んでしまった後にまたここで皆と楽しく過ごせる。
そんな事を考えながら気軽にした約束。


「・・・絶対に・・・離しませんから」


それから丁度、三ヶ月後の夜。
その日から俺の人生はさらに大きく狂いだす事になる。

237 名前:学校の八不思議。 終わり  ◆rhFJh.Bm02[sage] 投稿日:2011/07/14(木) 18:54:08 ID:N4ovkh5I [7/13]
3.少女達の暴走。
「私、考えました~」
夜、瑞樹さんに学校へ呼び出されて鏡の前に立つ。
正直眠たい。目を擦りながら瑞樹さんの話を聞く。
「れん君は東京の大学へいっちゃうよね?」
「はい」
「それで、いずれ働きだして、いつか結婚して」
「結婚とかはまだ早いと思いますけどね」
「やがて二人の間に子供が出来ます。男の子と女の子一人ずつ。お父さんは子供の為に毎日頑張って働くの」
「いいですね。理想の家庭って感じで」
「でも、そんなの私は嫌です~」
「まさかの全否定ですか」
「れん君を他の人に盗られたくないです。それで今日はここにれん君を呼びました」
「それで、どうしますか?」
「彩夏さんにアドバイスを貰いました~」
「どんな内容ですか?」
シアちゃんの件もあり、彩夏さんの助言はあてにならない。
「今、れん君を殺しちゃえばもう結婚なんて出来ないし、ずっとここにいられるよね」
・・・やっぱりか。
早まった行動を取らない様に話し合わないといけないな。
「そんな事・・・」
「ねぇ?瑞樹、もういいの?」
廊下からシアちゃんの声が聞こえてきた。
足音が近づいてくる。
「私は鏡から出られないし、シアちゃんに協力してもらったの」
廊下の角を曲がり、シアちゃんの姿が見えた。
いつもと変わらない無邪気な笑顔だが、視線を下げた時に一気に目が覚めた。
「あ、レン~」
シアちゃんが手を振る。
手に持っている包丁も一緒に揺れていた。
「ちょ、ちょっと話・・・」
「もういいよ~!シアちゃん」
瑞樹さんが呼びかけるとシアちゃんが駆け足で向かって来た。
「痛いかもしれないけど、ごめんね、レン」
不味い。このままだとシアちゃんに刺されて死んでしまう。
後ろには瑞樹さんがいる鏡しかない。
走って来ているシアちゃんを抜けないと逃げられない。
もう、シアちゃんはかなり近くにいる。
横から逃げるのは・・・駄目だ。廊下は狭いし、何よりシアちゃんに背中を向ける事になる。今のシアちゃんに背中向けるのは危ない。シアちゃんを説得しようにも感情が高ぶるとシアちゃんは人の話を全く聞かない。後ろの瑞樹さんに何か・・・
「あぁ、考えがまとまらない!」
「レン、じゃあまたね」
シアちゃんが右手を振り上げた。
苦肉の策だが、もうこうするしかない!
シアちゃんが腹部に向かって振り下ろした包丁を右手で庇う。
「レン!?」
チクリとした痛みの後に耐え難い激痛が走る。
「う゛ぁあぁあ゛あぁあ゛ぁああ゛っ!!」
包丁は右腕に深く入り込んでいる。
痛みと出血が酷いが、なんとか包丁は奪えた。
「レンっ!中途半端に怪我すると痛いから、楽にしてあげる。早く包丁を返して」
「・・・っ!まだ・・・この世に未練があるからね・・・!」
この若さで死にたくは無い。
俺は右腕を押さえながら走り出した。

238 名前:学校の八不思議。 終わり  ◆rhFJh.Bm02[sage] 投稿日:2011/07/14(木) 18:55:24 ID:N4ovkh5I [8/13]
4.迷走。
シアちゃんの横を通り、階段を駆け降りる。
追って来る様子は無い。
一階に降り、昇降口へ走る。
出血が酷いからか、視界が薄れ、何度も気を失いそうになる。
昇降口に着いた。
取っ手を捻り、前に倒れる様に押し込む。
扉が開かない。
もう一度押す。
開かない。
「あ、開かない・・・!?」
「大変だね、レン。で、次はどうするの?」
振り向くとシアちゃんがすぐ後ろに立っていた。
手には新しい包丁が握られている。
「・・・くっ!」
「また逃げるの?あはは、頑張るんだね」
転がる様に走り出し、降りてきた階段を再び駆け上がる。
シアちゃんは全く動く気配が無い。
「はぁっ・・・はぁっ・・・こんなのどうやって・・・逃げるんだよ!?」
恐らく扉が開かないのもシアちゃんか瑞樹さんの仕業だろう。
閉じ込められたと考えた方がいい。
学校を逃げ回るにしたってこの怪我だ。必ず限界がくる。
どこかに隠れて朝までやり過ごすしかない。
「どこかっ・・・か、隠れる所・・・はぁっ・・・ぐっ」
痛みに耐えて廊下を走る。
右腕の感覚はもう感じない。
すぐ後ろにシアちゃんがいるかもしれない。
そう思うと足は止められず、走りながら隠れる事の出来る場所を探す。
教室は廊下から丸見えなので隠れる事が出来ない。
鏡がある所も駄目だ。瑞樹さんに見つかってしまう。
そうなると隠れるにはあそこしかない。
四階の突き当たりまで走る。
廊下まで響く軽やかな曲調。
今は琴音ちゃんの曲を聴くと安心する。
息を整え、ゆっくりと音楽室と扉を開けた。

239 名前:学校の八不思議。 終わり  ◆rhFJh.Bm02[sage] 投稿日:2011/07/14(木) 18:56:08 ID:N4ovkh5I [9/13]
5.死。
「・・・あ、レンさん・・・どうしたんですか!?・・・凄い怪我してます!」
ピアノの音が止み、琴音ちゃんが傍へ来てくれた。
「ちょっと色々あってね・・・隠れる所があると嬉しいけど、どこかないかな?」
「・・・そうですか・・・それならここへ・・・少し、狭いですが」
琴音ちゃんに支えてもらいながら移動する。
少し大きめのロッカーに入り、琴音ちゃんに扉を閉めてもらう。
周りに色々な楽器があるので多分物置みたいな所だろう。
息を殺して気配を窺う。
琴音ちゃんはまたピアノを弾き始めたみたいだ。
目を閉じて気分を落ち着ける。
しばらくして、ピアノの音が止まった。
「琴音ちゃん。レンを見なかった?」
シアちゃんの声だ。
「・・・いえ、ここには来ていませんが・・・」
琴音ちゃんに説明してなかったが、大体分かってくれているみたいだ。
「・・・なぜレンさんを?」
「レンってば私達を捨てて他の女と結婚するって言うんだもん。だからその前にレンも私達の仲間入りさせてあげるの」
結婚なんて遠い先の出来事の為に今、死にかけているのか。
しょうもない理由だが、瑞樹さんもシアちゃんも本気なので見つかるのは不味い。
音を出さないように気を付ける。
「・・・・・・それは許せませんね」
「だから今、レンを探してるの」
「・・・分かりました。こちらへ来たら伝えますね」
「よろしくね!じゃあ他の所を探してくる!」
扉が閉まる音を聞いたあと、息を大きく吐く。
途中、琴音ちゃんが居場所をばらさないかと心配になった。
シアちゃんが理由を説明した後、声が少し不機嫌そうになったのも気になる。
(でも琴音ちゃんは庇ってくれたな・・・)
琴音ちゃんに感謝しつつ、身体を休める。
右腕も手当てをしたのでこれ以上は酷くならないだろう。
朝まであとどれ位待てばいいのか分からない。
疲れも相まって眠気が襲ってくる。
殆ど気絶するように深く眠りについた。

外から聞こえる騒がしい音に目を覚ます。
ロッカーの中からは様子が分からないが、朝が来たらしい。
「やっと朝が来たのか・・・」
状況を理解し始めた時、暗いロッカーに光が差した。
扉を開いた女子生徒と目が合う。音楽室には朝練に来ている吹奏楽部がちらほら見える。
「ごめん、これには少し訳があって」
女生徒に声をかける。
ロッカーの中に腕が血まみれの男が入っているからかなり驚いただろうな。
声をかけたが、反応が無い。
扉を開けたまま、固まっている。
「すいません、どうかしましたか?」
数秒後、崩れ落ちる様に女子生徒が倒れた。
倒れた女子生徒に駆け寄る部員達。
「大丈夫ですか!?」
呼びかけても誰も返事をしない。
状況は読めないが、とりあえずロッカーから出る。
泣きだす人や、嘔吐をする人までいた。
気味の悪いモノでも見る様な目でこちらを見ている。
・・・いや、違う。
ずっと自分が見られていると思っていたが、彼女達の視線は後ろのロッカーを見たままだ。
視線の先へ目を向ける。
そこには、

自分の体らしきモノが、転がっていた。

「っ!?」
目の前の出来事を上手く理解が出来ない。
本当にあそこに転がっているグチャグチャに潰れた死体は自分なのか?
そもそもこの体は何だ?瑞樹さん達と同じ霊体か?
何故、こんな事になったのか。
昨日寝た後にシアちゃんに見つかり殺されたのか?
琴音ちゃんは・・・?
「・・・おはようございます。レンさん」
「うわっ!?・・・お、おはよう」
後ろから声をかけられて驚いたが、振り返ると琴音ちゃんがいた。
・・・丁度いい。今の状況を聞いておかないと。
「もしかして・・・死んじゃった?」
「はい♪死んじゃったみたいですね」
笑顔で答える琴音ちゃん。
最近よく笑ってくれるようになった。
初めて会った時の悲しそうな顔を見なくなったのは嬉しい。
でも今は嬉しさを感じる時じゃない。
「殺されたって事はシアちゃんに見つかったのか・・・でも、ここまで惨たらしく殺さなくてもいいのに・・・」
改めて死体を見る。殆ど原形を留めてない。
「そ、そうですね!?酷いですよね!」
琴音ちゃんは落ち着きが無い。いつもより話すのも速いし。
でも、琴音ちゃんのお陰で大体の状況が掴めてきた。
まだ実感は無いが、死んでしまったらしい。
自分の死体の周りに人だかりが出来始めた。
とりあえず今、出来る事は・・・

240 名前:学校の八不思議。 終わり  ◆rhFJh.Bm02[sage] 投稿日:2011/07/14(木) 18:58:06 ID:N4ovkh5I [10/13]
6.あの人の所為。
「犯人にお仕置きをしに行かないとな・・・」
ここまで怒ったのは久し振りだ。
何時間説教をくれてやろうか。
沸々と込み上げる怒りを抑えて歩きだした。
音楽室を出る前、琴音ちゃんに手を握られて止められる。
「・・・どこに行くんですか?」
「いや、ちょっと犯人に説教を」
「・・・そんな事どうでもいいじゃないですか。それより前にした約束を覚えてますか?」
「あぁ、そういえば、死んだらここに住むって話だったね」
まさか約束して直ぐになるとは思わなかったけど。
「・・・こっちです」
そのまま音楽準備室の奥にある絵まで誘導される。
「本当にこれに入れるの?」
「幽霊って案外自由な存在なんですよ。でも一ヶ所に愛着を持ってしまうと私や瑞樹さんの様にそこから出られなくなります」
「そ、そうなんだ・・・」
ゆっくりと手を絵に置いてみると、絵を貫通した。
中に空間があるみたいだ。勇気を出して体ごと入ってみる。
少し背筋に嫌な感覚があるが、中の空間に入れた。
「少し狭いな・・・」
絵の中は不思議な色合いをした壁らしき物に囲まれ、少し圧迫感がある。
「・・・どうですか?」
琴音ちゃんが入ってきた。
二人も入ると流石に狭い。
「ここに二人は無理なんじゃないかな?」
「・・・いえ、慣れれば大丈夫だと思います。寝る時もこうやって・・・」
琴音ちゃんに寝かされる。琴音ちゃんも抱きつく様に隣で横になる。
ちょっと近すぎる。琴音ちゃんは顔を埋めて満足そうだ。
「・・・ずっとこうしていたいです」
琴音ちゃんは嬉しそうにしている。
でも、男には少し我慢が出来そうにない態勢なので立ちあがる。
「・・・どうしました?」
「先にシアちゃんに説教をしに行く」
このままだと変な感情を琴音ちゃんに抱いてしまいそうだ。
気持ちを落ち着け、絵から出ようとする。
「・・・もう、浮気をするんですか?」
「えっ?」
「・・・駄目ですよ。レンさんはもう音楽室から出ないで下さい」
手を引かれ、また寝かされる。
「・・・約束したじゃないですか。ずっとここにいるって」
「でも、それだと皆に会えなくなる」
「・・・私がいますよ。レンさんの事をずっと離しません」
「皆と会えないのは琴音ちゃんも寂しいよ?」
「・・・私はレンさんがいればそれでいいです。・・・でも、レンさんは皆に会いたいみたいですね」
琴音ちゃんに慣れた手つきでボタンを外され、上着を脱がされる。
胸板を這う様に舌でなぞられる。
「・・・でも、安心してください。・・・すぐに私だけのレンさんになってくれます」
シアちゃんにもこんな感じでされた気がする。
「琴音ちゃんこれ、誰かに教わったりしなかった?」
「・・・んっ・・・はい。彩夏さんに教わりました」
・・・最早何も考えない。
彩夏さんが皆に余計な事を吹き込まなければ、こうならなかったなんて考えるだけ無駄だ。
きっと保健室で今の状況を考えて、にやけてるに決まってる。
とりあえず今は此処から抜け出す方法を考えないと・・・

241 名前:学校の八不思議。 終わり  ◆rhFJh.Bm02[sage] 投稿日:2011/07/14(木) 18:59:19 ID:N4ovkh5I [11/13]
7.全ての始まり。
「・・・はぁ、やっと外に出られた」
この絵の中に入ってから何日経ったのか。
少なくとも一週間は琴音ちゃんに求められ続けたと思う。
ようやく寝てくれたので隙を窺って脱出できた。
幽霊になってから時間の感覚が薄れてきた気がする。
窓に目を向ける。どうやら夕方みたいだ。
廊下を歩いていると、シアちゃんが階段を上って来た。
まだ包丁を持っているのは気になるが、探す手間が省けてよかった。
こっちを向いたシアちゃんと目が合う。
「あぁ~~~~!!レンがいた!!・・・ってあれ?」
シアちゃんは首を傾げた後、傍まで走ってきた。
身体をペタペタ触られる。
「・・・シアちゃん、どうしたの?」
「何でレン・・・死んでるの?」
「それはシアちゃんに殺されたからじゃないの?」
「私は殺してないよ。今だってレンを探してたし」
・・・話が噛み合わない。
シアちゃんでなければ誰に殺されたんだ?
「でも、これでレンとずっと一緒だ~」
シアちゃんに抱き着かれる。
・・・細かい事はまた今度でいいか。
シアちゃんを持ち上げ肩車をする。
「レン、どこ行くの?」
「・・・保健室」
俺を殺した人は分からなくなったが、全ての原因はあの人だ。
一言文句を言わないと気が済まない。


「・・・そうね、ごめんなさい。恋する乙女達にそんな助言したらこうなるのも当然ね」
シアちゃんを連れた俺を見て、謝罪する彩夏さん。
・・・謝る気は全く無いみたいだ。謝罪は棒読みで肩が震えてるし。
「でも、死んでしまったものは仕様が無いと思わない?」
「思いませんよ。大体、誰の所為でこんな・・・」
「大事なのは今なの。レン君は今後の生き方を考えなさい」
文句の言葉を遮られた。
しかし、彩夏さんの言う事も一理ある。
・・・間接的に俺を殺した人に言われたくはないけど。
「それで?優柔不断なレン君は誰を選ぶのかしら?」
「え?」
「瑞樹、シア、琴音の事よ。結局誰の事が好きなの?」
「俺は皆好きですよ?」
頭に手を押さえる彩夏さんと頭上で大きな溜息を吐くシアちゃん。
・・・何かおかしい事でも言ったかな?
「・・・鈍感もここまでくると病気ね」
「レンのばかっ!」
シアちゃんに頭を叩かれる。
「三人ともレン君を男として愛しているのよ」
「・・・え?」
そんな筈は無い。シアちゃんとは親子の様な関係だったし、瑞樹さんと琴音ちゃんとは弟と兄みたいな関係だったはずなのに。
「・・・もしかしてレン、知らなかった?」
「全く気が付かなかった」
「あんな事までしたのに・・・」
シアちゃんが落ち込んでいる。
「ここまでレン君が鈍感だったのは予想外だったけれど、大丈夫。考えがあるわ」
「・・・?」
彩夏さんは半笑いの表情で話を続ける。
この人に意見をさせては駄目だ。
必ず被害は俺に・・・


「そうね・・・皆で鬼ごっこをしましょう」


この場にいる全員が意味を理解出来ずにいた。
その中で彩夏さんはとても嬉しそうに顔を緩めた。


いつの日か、語られるようになった。
七不思議を知り、殺された男子生徒が校舎中を駆け回っている。
彼は七不思議を知る人間を探し求めている。
七不思議を知った後、夜の校舎に入ってはいけない。
彼に見つかると何が起きるか分からないから。
月日が経ち、彼の存在は生徒の間で噂となる。

学校の八不思議として。

242 名前:学校の八不思議。 終わり  ◆rhFJh.Bm02[sage] 投稿日:2011/07/14(木) 19:02:24 ID:N4ovkh5I [12/13]
8.学校の八不思議、後日談。

走る。
この体でも疲れは感じるみたいだ。
既に額には汗が滲んでいる。
それでも気力を振り絞り、走る。
永遠と続いていくこの遊びを終わらせるために。

あの日彩夏さんが提案した鬼ごっこのルールはやはりとんでもないものだった。

鬼ごっこルールその1:鬼はレン以外全員。

「はっ・・・はっ・・・」
「レン~!待って~!」
「・・・っ!シアちゃんか!」
既に悲鳴をあげている身体に鞭を打ち、スピードを上げる。
「えへへへへ、楽しいね」
「これの・・・どこが楽しいんだっ!?」
「だってレンと鬼ごっこで遊ぶの好きだもん」
「普通の鬼ごっこなら喜んで付き合ってあげるのに」
「普通のは、つまんない。この鬼ごっこにはご褒美があるから楽しいの」
・・・そのご褒美がとんでもないからこんなに逃げ回らないといけないのに。
「ねぇ、レン?次のご褒美はどんな事しようか?また1週間ずっとずっとえっちな事しようかな」
「絶対に・・・嫌だっ!」
「あぁっ!待ってよ、レン!」
振り切るように全力で走る。
廊下を走りきり、後ろを確認する。
まだシアちゃんが見えるが距離は充分ある。
曲がり角や分かれ道を使い、隠れる。
足音が遠のいていく事を確認した後、静かにその場を離れた。

ルールその2:期間は朝まで。
ルールその3:レンを捕まえた人は1週間レンの独占権を得る。

「・・・くそっ・・・はっ・・・はっ・・・」
シアちゃんから逃げ切ったのに今度はこいつか!?
人体模型が向かって来る廊下からチープな音が響く。
「楽しいな坊主!どうだ、青春を感じないか?」
「はぁ・・・こんなの青春・・・はっ・・・じゃない!」
人体模型に追われて必死に足を動かす。
ツトム自身は俺の独占権に興味が無いので音楽室から出る事の出来ない琴音ちゃんの代役らしい。
相手は疲れを知らない身体だ。
徐々に差が詰まっていく。
でも、捕まる訳にはいかない。
「・・・はぁ・・・くそっ・・・」
「いいのか?そちらに行っても無駄だぞ?」
「・・・っ!」
ツトムはもうゆっくりとこちらに向かって歩いている。
辺りを見回す。
「・・・この先は行き止まりか」
「正解だ坊主。・・・まぁ大人しく琴音の寵愛でも受けな」
「・・・」
琴音ちゃんに捕まるのは少し不味いな・・・
独占欲が強すぎてなんとか自分に依存するように調教してくる。
最近は彩夏さんまで知恵を貸しているらしく色々な手を使ってくるから厄介だ。
あれをまた一週間耐えるのは辛い。
足は自然と動く。
「おいおい逃げるなよ」
このまま逃げてもどうせ行き止まりだ。
無駄だと分かっていても後退をする。
背中に硬い感触。
あぁ、行き止まりか。
「れん君捕まえた♪」
いきなり手を掴まれる。
驚いて後ろを振り向くと大鏡に映る瑞樹さんと目が合った。
逃げる事しか考えていなかったので気が付かなかった。
ここは突き当たりに大鏡がある通路だったのか。
「やっとれん君が鏡の中へ来てくれます~」
「・・・え?」
瑞樹さんは微笑みながら鏡の中へと手を引く。
ぞくりとした感覚の後、そのまま鏡の中へ引き摺り込まれた。

ルールその4:一度でも逃げ切れば鬼ごっこ終了。自由の身となる。

引き摺りこまれた後、瑞樹さんからの熱い抱擁。
瑞樹さんは鏡から出せるのは手までが限界だった。
こうやって触れ合うのは初めてだ。
「今まで何度、れん君をここへ引き込もうとしたか・・・私もう幸せです~」
瑞樹さんは蕩けた顔で悦に入っている。
「れん君と一週間か~何しようかな~」
今、瑞樹さんは膝枕をしながら頭を撫でて非常に満足げだ。
嬉しそうに一週間の予定を相談している。
・・・瑞樹さんとは平和に一週間を過ごせそうで良かった。
心の中で安堵しつつ、瑞樹さんとの相談に応える。
「えへへ~どうしようか?いっぱい時間はあるね。シアちゃんや琴音ちゃんとはどんな事をしたの?」
「・・・っ!?」
嫌な記憶が過ぎり、冷や汗が出てきた。
咄嗟に答えられず、言葉を濁してしまった。
そんな様子を不審に思ったのか、瑞樹さんは質問を続ける。
俺の首に手を回しながら。

「・・・・・・正直に答えて、れん君。二人とどんな事をしたの?後から皆に聞くから嘘は絶対に吐かないでね」

焦点の定まらない、眼差し。
・・・この目は知っている。
行き過ぎた愛情の先にある狂気。
「れん君は私の大切な人なの。二人には渡さない」

「ずっと一緒にいようね、れん君。この鏡の世界の中で」

何とか逃げ出さなければならない。
瑞樹さんとの長い、長いキスの後、そう思った。