829 :名物桜で待ち合わせ 最終話:2011/09/16(金) 01:42:12 ID:oGWbDPP.
「愛さ・・・・・・ん?」
一日でこんなに人は変わるものなのかと疑問に思うほど変わり果てた姿。
昨日、最後に見たときから変わってない服装。ただ一つだけ違うと言えば、みすぼらしいほどにボロボロになっていることだ。
よく見ると、ボロボロになっているのは服だけじゃない。一樹は、だらんとなっている両手両足を見た。
「う!」
昨日一樹が見た、自分を包んでいた綺麗な肌は、服同様にみすぼらしく変化していた。
「優・・・何をしたんだ・・・?」
愛しい人の声が目の前から聞こえた。ただそれだけの事が、今の愛の救いとなった。眠っていた・・・いや、眠らされた思考、自分の心が回転し始める。
「かず・・・き・・・。」
目覚めた思考が出した一番最初の命令は、彼の名前を呼ぶことだった。
「愛さん!大丈夫ですか?」
一樹は、少しだけ自我を取り戻した愛に駆け寄る。
カチッ!
「ぐうううぅぅぅ!」
何かが作動した音と共に、愛が苦しそうに声を上げる。だらんとしていた指の先が閉じられ、耐えるように愛は両手の拳を力ませる。
「愛さん!?」
駆け寄った愛の首には、ベルトみたいな器具がついていた。その器具が、時間が経つにつれて縮まっていっている。
愛は、絞められている苦しさに耐えるようにさらに悶える。
カチッ!
「はぁ・・・はぁ・・・。」 再び聞こえた音は、愛を絞めていた器具が縮まるのが止まる音だった。
苦しさから解放された愛は、肩で息をした。口を開こうとするが、抜けきらない苦しさが邪魔して思うように動かなかった。
「何度も行ってるでしょ?お前ごときが一樹の名前を呼ぶことは許されないの。」
後ろを振り向くと、スイッチらしきものを持った優子が二人を見下ろしていた。
「優!これはどういうこ!」 急に一樹は言葉を遮られた。遮ったのは、優子の舌だった。
口内を支配される一樹は、口に異物感を感じた。
「!!!」
急なキスで麻痺していた口の神経が甦り、異物感ははっきりと一樹に伝わった。
ゴクッ!
異物感を無理矢理飲み込ませた優子の舌は、役割を終えてもなお動きを続けていた。
「プハァ!」
離れた瞬間、優子は満足そうに一樹を見つめた。
何かを待っているかのように、優子は一樹を見つめ続けた。
その瞬間、一樹の体は完全に動きを止めた。
830 :名物桜で待ち合わせ 最終話:2011/09/16(金) 01:43:24 ID:oGWbDPP.
「・・・!」
口を開こうとするが、声を出そうとするが、脳からの命令を遮断されたかのように口が開かない、声帯が震えない。
「一樹ー!これで邪魔はいなくなったよー!しよっかー!」
一樹は、ここに来たときから今までの出来事が理解が出来ないでいた。
昨日まで元気だった愛は、一日でがらりと変わってしまっていた
そして、突如動かなくなった体と、優子の発言。
優子は、動かない一樹を抱えあげて、キングサイズのベッドに横たわらせる。
瞬間、一樹のあそこがズボンの中で膨らみ始めた!
「さっき飲ませたのはー、体を興奮させる薬なんだよー!体を動かなくさせる作用付きだよー!」
ゆっくりと一樹の体を愛撫する優子。
「一樹の体もおかしいよねー!好きでもない女についていくんだもんねー!本当に好きな私に近づけない体なんて麻痺させちゃってもいいよねー!」
嬉しそうに服を全て脱がす優子の表情を、一樹は直視出来ないでいた。
「見てみてー!もう私準備万端ー!」
自分のあそこを開いて一樹に見せつける。優子の言う通り、確かに準備万端だ。
「・・・!・・・!」
必死で拒否しようと言葉を吐こうとするが、手足を動かそうとするが、薬の作用で動けない一樹は、自分のあそこが優子に食われるのをただ見ていることしかできなかった。
「ハァ!ハァ!ハァ!一樹ー!やって一緒にー!」
間髪入れずに挿入し、そのまま体を激しく上下させる。
「・・・!・・・!」
薬の作用に加え、愛以上にぴったりとはまった優子のあそこが、一樹に強烈な快感を次々と与えていった。
「・・・・・・!!!」
本来ならば、気持ちよすぎて叫んでいたところだが、口が動かない。快感に耐えようにも、体が動かないために体を力ませることが出来ない。結果、一樹は倍増していく快感に身を委ねるしかなかった。
「ハァー!いいー!いいよー!」
そんな一樹はお構い無しに、ひたすら腰を動かす優子。
しばらくして、優子は動きをやめた。
「!!!???」
急に止まった強烈な快感の余韻が、止まってもなお一樹を苦しめていた。
そんな一樹を見つめながら、優子は側にあったスイッチを押した
カチッ!
831 :名物桜で待ち合わせ 最終話:2011/09/16(金) 01:44:58 ID:oGWbDPP.
また聞こえた音と共に、愛の首の器具がまたしても縮まった!
「・・・!!!」
さっきよりも強く締まる器具、愛は再び拳を握る!
スイッチを押した優子は、愛が苦しむ姿を見ながら、再び腰を動かし始めた!
愛はただ、見ていることしかできなかった。
さっきよりもきつく絞まってるはずなのに、もう苦しみを感じない。力を入れていたはずの両手には感覚がない。
うつろな瞳から見えるのは、愛する人が自分以外の女性と繋がっている姿だった。
もはや、愛にはこの光景を理解できる思考など残っていなかった。ただ思い出すのは、昨日の一樹との一夜の記憶だけ。
もう自分がどんな表情をしているのかも分からないまま、愛の視界は少しずつ黒く染まっていった。
最後に愛が見た光景は、愛する人を奪った憎き女が、背中をそらして感じている姿だった・・・。
「一樹ー!もう絶対に逃がさないからー!!!」
――――――――――
一樹は、両手首につけられている鎖をならしてゆっくりと前へ進んだ。
この通りで一番大きいラブホテルの最上階から、一樹は下を見た。
下に見えるのは、優子があの日に植えた大きな桜の木があった。通る者全てが目を奪われる美しさに成長した大きな桜の木。まるで、約束を交わした名物桜のようだ。
「綺麗な桜の木の下には何かが埋まってる」
ふと一樹は、こんな噂を思い出した。
「噂は・・・本当なのかもな・・・。」
あの桜の木には、確かに埋まっている。一樹を愛していた女性の体が・・・。
あの日、優子は見せつけるように一樹を犯した。それを見ていたのだろうか、最後に見た愛の顔には涙の跡があった。
その後、優子は愛の体を埋めて、その上に桜を植えたのだった。
「一樹ー!これでずっと一緒にいられるねー!もう誰にも渡さないからね!ずっと一緒だよ!約束だよ!」
名物桜で交わした約束の続きかのように、優子と俺は新たに約束を交わした。いや、交わせられた。
そして、今一樹は、優子がずっと住んでいるラブホテルの最上階に監禁されている。
今日も一樹は、窓の下から見える立派に咲いた桜を見ながら、優子に犯される夜を待つのだった。
――――――――――
ラブホテルの一室、とあるカップルがことを終えて、ベッドに座っていた。
「なぁ、ここのホテルの桜の噂、知ってるか?」
「何それ?知らなーい。」
「あの桜ってすごい綺麗だろ?でもあの桜って植えられてからまだそれほど時間が経ってないらしいぜ。」
「へぇー。」
「でさ、綺麗な桜の木の下には何かあるって噂、あるだろ?あの桜の木の下には、好きだった男性をとられた女性の体が埋められてるって噂なんだってさ。」
「ん?もしかしてそれって・・・。」
「あぁ、あの桜が綺麗に咲く理由は、その男性に自分のことを見てほしいかららしいぜ。」
「・・・。」
桜は今でも綺麗に咲き続けている。
最終更新:2011年09月23日 00:11