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394 :pinocchio ◆STwbwk2UaU:2011/07/24(日) 03:42:50 ID:YVS6oPaU
登場人物…主人公・ロボット・幼なじみ

名前…主人公:譲
   ロボット:キオ
   幼なじみ:いずる
つなげると「常軌を逸する」

あらすじ

ある夏の日、主人公の祖父は大発明をした。
人類の夢である人形ロボットの完成である。
しかし、そのロボットの心は未完成で、非常に不安定な状態にある。
そこで主人公にロボットの心を育成してもらうよう祖父は頼んだ。
祖父は主人公にこう言った。
「人と同じように接してあげてくれ。悪いことを教えてあげてくれ。良いことを教えてあげてくれ。」
と。
しかし、その姿は女性的なシルエットを持つが、銀色のメタルボディで構成をされていた。
そして人間として見るにはあまりにもロボット的で、無個性だった。
主人公は一人っ子だったということもあり、ロボットの育成に二つ返事で了承した。
次の日から主人公は幼なじみの子の誘いを断り、ロボットを色々な遊びに誘う。
かくれんぼ、虫取り、天体観測、絵かき……等々。
しかし元がロボットなだけに、初めての体験であっても主人公よりも上手く作ったり遊んでしまったりする。
やがてロボットは、優しさや勇気、哀しみなどに目覚める前に「自尊心」に目覚めてしまった。
自分は優れている。優れているのだから何をしても構わないという心が芽生えてしまったのだ。
芽生えた次の日から主人公に対し、侮蔑の言葉と態度を顕にするロボット。
しかし主人公は、妹だから……という心でこの行為を多めに見てしまう。
そしてロボットの中の自尊心は、さらにふくれあがってしまったのだった。
主人公の夏休みが終わり、祖父の家から離れるとき、
祖父は主人公にロボットを見てきてくれ、と頼んだ。
主人公がロボットを見に行くと、そこにいたのは以前のようなロボットではなかった。
その肌は透き通るような白で、その髪は柔らかな栗色で、目は輝くばかりの金色だった。
主人公は顔を真赤にして誰?と聞くと、ロボットは自分だと応える。
キレイ、などという感想を述べるが、ロボットにとっては自分を褒め称える言葉は当然なので、
なんとも感じることはない。ただ主人公を冷たい目で見ていた。
そこに祖父が現れ、主人公に感謝の言葉を述べる。
「この子も人間の心を持つことが出来た。ありがとう。」と。
主人公はありきたりな返しをするが、次の一言に絶句する。
「この子も、学校に通わせようと思う。」
主人公はてっきり身内ですませるものだと勘違いしていた。
だから多めに見ていたし、何されても許容していたのだ。
このまま外に出したらどうなるか?
この子は社会に適応できず、最悪社会から拒絶されてしまう。
しかし祖父の意思は固い。主人公を信頼しているのでなおさらだ。
こうして、戸惑いが渦巻く中、夏休みが終わり学校が始まる。


395 :pinocchio ◆STwbwk2UaU:2011/07/24(日) 03:43:10 ID:YVS6oPaU
学校が始まると、案の定自分の学校にロボットはやってきた。
ロボットの外見は祖父の力作のおかげか、美少女と呼ぶにふさわしい外見であった。
ゆえに転校初日から彼女はずっと周りにチヤホヤされたが、やはり彼女の反応は侮蔑でしかなかった。
彼女にとって人間は侮蔑の対象であり、自分こそが一番優秀であると信じて疑わなかったのだ。
事実、テストでも運動でも彼女はすぐに一番を取ってしまう。
それがさらに彼女の自尊心を膨らませ、周りとの亀裂に発展する。
主人公は幼なじみに協力を求め、その亀裂を埋めにかかるが、
人を無能と信じて疑わないロボットはその亀裂をさらに広げる。
やがてその亀裂は憎しみと嫌悪になり、イジメへと発展する。
相手に自分の実力を見せても、相手が自分を認めない。
何も行動を起こしていなくても、相手から暴力的な扱いを受ける。
今まで受けたことのない対応をされ、ロボットは心を乱す。
いつも自分を周りは認めてくれたのに、いつも周りは自分を守ってくれたのに……と。
イジメは苛烈さを増し、やがてロボットは登校拒否になる。
主人公はロボットの心のケアを行い、ロボットと約束する。
「また学校に来れるようにする。」と。
主人公は幼なじみと共に関係修繕に尽力し、ロボットが改めるならもうしない、というところまでこぎつけた。
主人公はこのことをロボットに伝える。
ロボットは理解した。遅まきながら人の心を理解したのだ。
主人公の優しさを知った。幼なじみの勇気を知った。クラスメイトの憎しみを知った。自分の哀しみを知ったのだ。
ロボットは明日皆に謝ると約束した。次こそ皆と学んでいきたいと。
そして、ロボットの心に変化が生じる。
膨れ上がった自尊心は、他の心に変換されたが、それでも心の隙間は埋まらなかったのだ。
そして、その埋まらなかった心は「依存」へと形を変える。
主人公への依存へと……


396 :pinocchio ◆STwbwk2UaU:2011/07/24(日) 03:43:44 ID:YVS6oPaU
イジメが解決してから数ヶ月たち、学校は平穏になった。
ロボットは文武両道で人に優しく、非の打ち所の無い生徒へと評価を変えていき、
やがて男女から人気のある生徒となった。
一方で主人公は元が平々凡々な人なので、ロボットが構わなければよくいる生徒の一人として、
埋没するような生徒になっていた。
しかし主人公はそれに対して何も感じていなかった。
幼なじみがそばにいて、ロボットが皆に受け入れられているのを見るだけで幸せだったのだ。
それを見てロボットは、前よりもまして主人公に構うようになる。
何をするにも主人公を誘う。つねに主人公を中央に据えようとする。
ロボットにとってはそれが恩返しのつもりであり、自分の中の理解できない感情の処理の仕方でもあったのだ。
しかし主人公はすり抜けるように遠くに行く。
そして、幼なじみの隣にいつも行くのだ。
ロボットはそれを見ると、心が張り裂けそうになる。
二人が恩人だとわかっていて、それでもなお心が張り裂けそうになるのだ。
やがて、その気持は恋だということにロボットは気づく。
しかし、同時に主人公と幼なじみは好き合っているのだということにも気づくのだった。
気づいてしまったロボットは、二人の邪魔をしないようにする。
だが邪魔をしないようにすればするほど、自分の中の心が渦巻き、とろけて壊れそうになる。
その行き場のない感情は時間が立つほどに大きくなり、ロボットを苛む。
主人公の元へ行こうとする足を、自らボールペンで刺して止める。
幼なじみと一緒にいるところに声をかけないように、自分の口を噛みちぎるほどに閉じる。
主人公に抱きしめて欲しいと思う体を、針で折檻する。等
そして幼なじみに主人公が告白するところを見て、ロボットの心は決壊する。
もう、どうなってもよかった。
主人公が手に入ればどうでもよくなっていた。
ロボットの目は、ただ主人公を見ていた。


397 :pinocchio ◆STwbwk2UaU:2011/07/24(日) 03:44:03 ID:YVS6oPaU
ある日、ロボットと幼なじみが数週間ほど行方不明になった。
主人公は心配するが、ひょっこりと幼なじみは帰ってくる。
しかし、何かがおかしい。
ロボットのことを聞いても曖昧にしか返してこない。
ロボットは死んだなどと、消えたなどという。
そして、今まではなかったような、強烈な愛情表現をしてくるようになる。
明らかに違和感を感じた主人公は、幼なじみを問い詰める。
そして、幼なじみと主人公しか知らない動作を、幼なじみはしなかった。
主人公は言う。お前は幼なじみじゃない!と
私は幼なじみだよ?という幼なじみと揉み合いになり、転げ落ちる。
幼なじみは主人公を安全な場所に弾き飛ばし、自分は大きなケガをする。
致命傷かと思われたが、幼なじみはムクリと起き上がる。
なんと、幼なじみはロボットに……いや、ロボットが幼なじみになっていたのだった。
バレちゃったな、アハハ……と笑うロボット。
主人公は激昂するが、ロボットは鋭い手刀を入れて主人公を気絶させる。
主人公は、ロボットのラボに連れ込まれた。
目が覚めると、主人公はケーブルに捕縛されていた。
目の前には、幼なじみの姿をしたロボットがいた。
主人公を愛撫しながら、ロボットは語る。
幼なじみが憎かったこと。主人公が好きだったこと。
幼なじみになれば主人公に愛されると思ったこと。
幼なじみを殺したこと。
祖父を殺したこと。
幼なじみのDNA情報を解析して、体を作ったこと。

主人公はロボットの狂気を感じ、ロボットにもとに戻るよう訴えるがロボットは聞かない。
さらに隙をついてロボットを停止させようとするが、見破られていた。
逆にその行動が元で、主人公は完全にラボに拘束される。
主人公はもはや逃げられず、一生ロボットに監禁されて生きて行くことになった。

こうして、ロボットは人間の心と体を手に入れたのだ。
愛する人と共に。