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687 名前:アイアムアシューター 一話  ◆WiyiZjw89g[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 04:55:24 ID:APiHJEB. [2/6]
[Born to be Yndr]



《参加者募集中》

《》

《援軍求む!!》

いつも通りレバーで表示を変えて俺は席を立った。
これから99秒の間に、トイレの前にある自販機でコーヒーを買ってくるのが俺の習慣だ。
移動しながらふと横を見ると、相変わらず対戦ロボゲーは盛況なようで10人近く客がいた。反対側にある音ゲーもそう。どれにも2人ほどいる。

ピッ
ガコン

それに比べて俺がプレイしようとしているSTGはどうだ。4人同時プレイ可能なのに俺以外がプレイしているのを見たのは8ヶ月前の初日だけだ。
それでも《援軍求む!!》にしているのは俺のプレイスタイルなんだけどね…

あと40秒か。ここからだと影で見えないが音もしないし、今日も相変わらず誰もいないだろう。
ガn…ロボゲーの方はちょうど決着がついたみたいで後ろの客と交代していた。最初はこんな様子を想像していたんだがなぁ。なんていうか空しい。
あーあ事故編成じゃないか。シャッフルはこれがこわいんだよなー、勝てる人は勝てるけどさそりゃ。

なんて見てたらあと10秒を切っていた。
俺は多少小走りになりながら筐体右側から滑り込むように4P席に座った。コーヒーは洋服のポケットに入れた。
画面を見ると残り3秒だった。危なかった……
「あ、あの、援軍求むになってたから入っちゃったんですけど、大丈夫ですよね?」
「あー大丈夫大丈夫」
カウントは0になった。よし、開始だ。




「って、ぅえ?」
シューン アー、アーアー
他の人がいた。女の人だった。しかもいたのがなぜか3P席だった。
俺は驚いて振り向きボタンを押しつつBurst!してしまったのだった。

688 名前:アイアムアシューター 一話  ◆WiyiZjw89g[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 04:56:16 ID:APiHJEB. [3/6]
「すいません、突然入っちゃったんでもしかして調子狂わせちゃいましたか?」
「い、いやうん、俺がへ、下手くそなだけだから大丈夫、というか俺がミスしたせいでピラニア前で終わっちゃったんだからこっちが謝る方かと…」
もちろん調子が狂ったせいだ。特に、腕が触れるほどの距離に彼女がいたからである。いつもなら余裕のノーミスだし。
しかもすごい噛んだ。これじゃコミュ症だ。女子とに関してはあながち間違いじゃないけど。
「――――」
大体あれだよ。俺が4P席にいるのは仮に人が来たときに、その人が1番プレイしやすい2P席に座れるようにしてるってのに。4人ならともかく2人で見知らぬ人と隣同士なんてやりにくいだろ?な?
なのに彼女は3P席に座っていた。しかも画面に4P席が埋まっているのを見た上でだ。これは狙っているのか?いや、ないんだろうけど。そう、彼女は3P席でプレイするのが得意だったんだ!そうかそうかははは
「あのー」
「は、はい?」
「聞いてました?なんかボーっとしてましたけど」
俺があれこれ考えてる間に彼女が何か言っていたらしい
「す、すいません聞いてませんでした」
「私が言ったのは、もう1回同じルートやりませんか。リベンジしましょうよ!次はデブリマフラーも突破できますよ、多分…って事です!」
「あーそうですねー」
もう1回くらいならいいだろう。今日開放できるエリアが1つ減るだけだ。
それにしても初対面なのに結構強くいわれてる気がする。今まで見たことないんだし、どうせ今日だけだから気にすることはないだろう。
「じゃあ待ってる人もいないみたいなんで始めましょう」
「そうですね」
「先に席決めてもらっていいですよ」
「そうですねー…」
さっきからそうですねしか言ってない気が。どこのテレフォンなんたらだ。
なんて考えつつ俺は今回、1P席に座る。これなら彼女は3P席に座るし間に1人分空くしで完璧なわけだ。モウマンタイだ。
俺もこっちに集中できるしな。

彼女は2P席に座った。

689 名前:アイアムアシューター 一話  ◆WiyiZjw89g[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 04:57:03 ID:APiHJEB. [4/6]
ゲーセンからの帰り道、自転車に乗りながら今日のことを思い返していた。
あれは思考すらまともにできていなかった。落ち着けていなかった。明らかに脳内独り言がおかしくなっていたし。何がモウマンタイだ。
ついでにプレイのほうも散々だった。そもそも機体選択の時点で普段使用しているのとは違うものを選んでしまっていたり、開幕振り向きBurst!はなかったものの地形激突はするわマフラーにぐるぐる巻きにされるわで、またもやピラニア到達前にゲームオーバーになってしまったのだ。
彼女も終わった後多少苦笑いだったし。
その後、(俺の心が持たないという理由で)帰るという旨を伝えると彼女も帰るらしく、ゲーセンを一緒に出た。帰る方向は別だったけどな。
「それで今に至る…と」
ぼそっと呟く。
さっきはどうせ今日だけだから、なんて思ってたが彼女はSTGの腕だけ見たら俺と同じくらいだったし、初心者というわけではないからまたプレイしに来るのかも知れない。
鉢合せしたら「気まずいなぁ」
最後だけ口に出てしまった。が、なんとなく気まずいのである。
そういえばなかなか可愛かったかも、なんて考えると余計に。大学に入ってからは女子との関わりがほぼ0だっただけに少し意識してしまった。
これからどうしようか。プレイスタイルの変更をしなきゃなんないのかねぇ。
「ま、後で考えるか」
自転車に乗ってると独り言が増える気がする。
ついでに何気なしにポケットに手を突っ込むと『つめた~い』から『ぬる~い』へと昇格したコーヒーがあった事に気づく。
「あー」
飲んでみるとやっぱりぬるかった。


家に帰ると俺は、携帯を開いた。そしてある掲示板サイトに行く。
このサイトはそこまで大きくないし有名なあの掲示板と比べたら天と地の差があるが、俺は雰囲気がなんとなく好きだから利用している。
数あるスレッドの中から『独り言スレ5』というのを開く。「今日アケの○○でかわいい女子と2人プレイしてやったぜしかも隣同士でなウヘヘ」
普段は独り言スレだから反応なんてないものの「))□△氏ね」なんて言われた。うっせ俺だって彼女と話してるときに噛んで死にたかったわ。
ん?あの有名な掲示板に雰囲気似てないかって?うっせ。
誰と話しているんだ状態を切り上げて、携帯を閉じる。

ベッドに寝転がりながらよくよく考えたら未だに落ち着けていないのである。
なんていうか…なんなんだろう。