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718 名前:ヤンデル生活 第7話 おはよう。[] 投稿日:2011/08/30(火) 20:37:06 ID:6fhj6Feo [1/5]
ヤンデル生活第7話投下いたします。

ああ・・・。ぼーっとする。

「ごめ・・んなさぁ・・・いい、お兄ちゃぁぁぁんん・・・。」

妹が泣いている。玄関から柴田さんが戻ってきた。

「九鷹くん!?九鷹君しっかりしてっ!!」

「お兄ちゃぁぁん・・ごめんなさぁいいい・・私もすぐお兄ちゃんの所にいくからぁぁぁ。」

「すずさんやめて!!早く、救急車っ!!・・。」

そうか、これが修羅場ってやつか・・・。
初めて経験したな。もしかしたらこれが最初で最後なのかも。
だんだん血の気が引いてくるのがわかる。
もう、呼吸してるのかしてないのかわからない。

「・・・にぃ・・あかにぃっ!?しっかりしてぇぇっ!!」

比真理?なんでここに・・・どうして泣いてるんだ?
俺は全然平気だっていうのに。
もう、全然痛くなんてないし。
俺はそう伝えようと思ったけど口が全然開かない。
必死に何かして俺は大丈夫だって伝えようとしたけど体は一歩も動かない。
おかしいな・・・おか・・しい。

「あかにぃ・・にぃ・・・。」

目蓋がゆっくりと閉じてゆく。
この世界の光の面影を最後に残しながら。

・・・

これは・・・夢?
夢の中の少女?美しい白銀の髪に深い青い瞳。
そして透き通るような白い肌。彼女は誰?
遠い昔の記憶。深い深い奥にしまった思い出。
俺はゆっくりと過去を思い返していた。
それはもう十年以上も前。俺がいくつだったか・・・7歳くらいの時か。
俺は田舎に来ていた。
母親か父親の親戚の所だったような気がする。
その田舎で俺は一人の少女に出会った。
そう、名前もわからないあの子に。彼女は俺と同い年だった。
田舎での生活は不便なこともいろいろあったけどこれといって不自由はなかった。
俺がまだ子供という理由でもあるかもしれないけど、彼女がいたから毎日は全然退屈じゃなかった。
その子はとてもきれいだった。今まで見てきた誰よりも。
今思えば、学校のヒロインなんて目じゃない。
それはまさに、ザ・美少女という言葉が正しいのかわからないけどそれしか言葉が見つからないほど。
その子は只現実からかけ離れた美少女だった。
風に揺られて棚引く白銀の髪と透き通る青い瞳。
そして美しい白い肌。何より彼女の笑顔は俺の心の中に焼き付くほど可愛くて綺麗だった。
身長は俺より少し低いくらいで服装はお嬢様のような服だった。
初めて見た服で俺はその美しさに言葉を失った。
彼女は田舎の人ではなかった。彼女も俺と同じ親戚の所に連れてこられたようだ。
俺は彼女を誘って田舎の道をかけ走った。
彼女は走るのがあまり得意ではなかった。歩き方もどことなく上品だった。
彼女を誘ってはカブトムシ、せみ、とんぼ、なんでも見つけてはいちいち彼女に見せた。
すると、彼女は驚いたようなびっくりしたような顔をして俺の顔を見てにこっとするのだ。
俺はその表情が好きだった。只々その表情を毎日見れるのがうれしかった。
彼女とは本当に長い時間をすごした。
1週間どころじゃなかったと思う。ただ、昔の事なんで、長く過ごしたと思い込んでいるだけかもしれないけど。
けど、俺が感じた時間の感覚は永遠とそれとなく近い、表しがたい時間の流れだった。
ある日、珍しく彼女が俺のことを誘ってきた。いつもは俺が勝手に誘っていくのに。
彼女は大きな湖に案内してくれた。
とてもきれいな湖だった。
澄んだ水がどこまでも続いている。
そうか。これが湖なんだと子供ながらに思った。
本当に綺麗だった。もう二度と見れないんじゃないかと思うくらい。
彼女は横で遠くを見つめながら「きれいだね」といった。
俺はただ感動して圧倒されてただ「うん」としか言えなかった。
青い空を反射してその湖はどこまでも続いていた。
彼女は遠くを見つめながら山に語りかけるように歌いだした。

719 名前:ヤンデル生活 第7話 おはよう。[] 投稿日:2011/08/30(火) 20:38:07 ID:6fhj6Feo [2/5]
「光る海は、広がる星空、深くどこまでも光とどけて。この世をかける白い羽を澄んだ青い風でどこまでも届けてゆくの。」

彼女の声は直接心に語りかけてゆくようなとても澄んだ声だった。
自然に涙が俺の頬を流れていった。彼女は微笑みながら俺の涙を指に乗せ、ぺろっと舐めた。
彼女は夜にまた来てほしいといった。俺はわかったと言った。
そして夜。俺は家族を説得し、その湖に向かった。
妹もついてこようとしたけど絶対に来ちゃだめだと念を押した。
湖にはすでに彼女がいた。辺りには蛍が飛び回っていた。
イルミネーションのようだった。
その中で月明かりに照らされて彼女は一際輝いていた。
白銀の髪が光を反射して美しく光の粒を反射しながら風で揺れている。
彼女は俺を見つけると満面の笑みで俺を迎えてくれた。
彼女は俺にこの景色を見せたかったと言った。
俺はここに前にも来たことがあるの?といった。
彼女は「うん」と答えた。
夏になるとよく来るのだそうだ。
俺は「いいなぁ」といった。
彼女は少しさびしそうな顔をした。

「もうく~ちゃんとこれないとおもうとなんだかさびしいね」

俺はそんな彼女を見て心が痛くなった。

「そんなことないよ!いつかまたあえるから。そのとき、またここにいこ?」

俺はそう力強くいった。彼女は「うん」とうなずくと俺の方を見ながら言った。

「おおきくなったら・・・わたしく~ちゃんとけっこんしたい。」

俺はその大きく吸い込まれそうな深い青色の瞳を見ながらしっかりとした口調で答えた。

「うん!もちろんだよ。やくそくする。」

彼女は顔を真っ赤にさせた。そんな彼女を見て俺も顔が赤くなる。
彼女は白い肌をほんのり赤く染めながら顔を下に向けた。
そんな彼女がとても可愛く見えた。
そう。これが初恋なんだ。俺の初恋。遠く奥深くにしまった過去。
彼女は顔を上げて俺の顔を見つめると「キスってしってる?」といった。
俺は照れながら「うん」と答えた。そして、彼女は俺の方にゆっくり顔を向けて・・・。

「キスしよ?」

と言った。俺はゆっくりうなずいた。
彼女と俺はゆっくり目を閉じ顔を近づけていった。
唇がそっと触れた。そのこそばゆい感覚が俺の頭の中を駆け巡った。
初めての感覚に俺は酔いしれた。
俺はゆっくりと唇を離そうとした。すると、急に彼女は俺の頭を抱き寄せより唇と唇を押し付けた。
とっさのことに俺は驚いて彼女を引き離そうとするけどがっちりと押さえつけられてなかなか離せない。
彼女は口の中に舌を入れてきた。俺は声にならない声を上げた。けど、彼女はやめない。
舌と舌を絡ませ、むさぼるように俺の口を犯していった。
彼女はだんだんより激しく俺の口と口の中と舌を絡ませていった。
俺はだんだん驚きが恐怖に切り替わっていった。
俺は必死に抵抗するが彼女の力はだんだん増していって俺は弄ばれているようだった。
彼女は俺の服を乱暴に脱がそうとした。
彼女は俺の大事な部分を引っ張り出すと自分のあそこにあてた。

「しってる?おとこのことおんなのこがつながると、とてもすごいことがおきるんだよ?」

俺は渾身の力を込めて彼女を突き飛ばした。
俺は、暗い夜の道をただひたすら泣きながら走って行った。
その後のことはよく覚えていない。どうやって家に帰ったのかも覚えていない。
ただ、親戚の家から自分の家に帰るときに、車のバックミラーに彼女の姿が見えたことを覚えている。
そして、その時感じた恐怖も。
いつからこの記憶を忘れていたのだろう。
いつからあの夢を見るようになったんだろう。
いつから。

目に光が入ってきた。
俺はゆっくりと目を開けた。
周りは真っ白で、それ以外なかった。
もしかして、ここって天国?
だんだんと焦点があってくる。
あれ?天井だ。
そっか、病院か。俺生きてるんだな。
俺の横には妹がいた。
疲れて眠っていた。俺に付き添ってくれていたのか。
やがて妹はゆっくりと顔を上げて俺を見た。

720 名前:ヤンデル生活 第7話 おはよう。[] 投稿日:2011/08/30(火) 20:39:25 ID:6fhj6Feo [3/5]
「ん・・・お兄ちゃん?・・・お兄ちゃん・・・お兄ちゃんっ!!」

そういって妹は俺に抱きついた。
まだ腹が痛いっていうのに。
イテテ。

「すず・・・。ちょ・・・痛いから・・・落ち着けって。」

「うわぁぁぁ・・ごべんなざぁぁあいい。刺すつもりはながったのぉぉ・・・ただおどして・・突き刺すふりをしようとしたらぁぁぁ。」

「勢いつけすぎてぇぇ・・・。気づいたら・・お兄ちゃんまっかでぇぇぇ・・・ううぁぁぁ。」

「わかった。もうわかったから・・・。」

俺はのしかかってきた妹を頭をなでてあやした。

「お兄ちゃんがぁぁ・・ほかの人に取られるのがいやだったのぉ・・。ぐすんっぅぅ。」

「だって。約束したからぁ・・ぐすっ・・・昔お兄ちゃんとすずがいじめられてた時・・二人だけの世界を作ろうって。ぐすぅ。」

約束ってそれだったのか。
小学生の頃、いつもべたべたしている妹と俺を気持ち悪がっていじめられてた時があったっけ。

「あの高校が・・二人だけの世界になるはずだったのぉ・・・クラスの個人情報全員調べて・・・。」

な・・・どういうことだ。
全員調べた!?どうやって!?
俺の妹はどうなってるんだ・・・。
犯罪だぞ・・・。訳が分からない。
俺は驚愕の事実に頭が真っ白になるしかなかった。
どこの、アニメだからこんなことが出来るんだ。嫌、妹の妄想かもしれないし・・・。でも、女性どころか男までも俺に寄り付かなかったのは事実だし・・。
俺は半信半疑で妹の話に耳を傾けた。

「意外と簡単だったよ個人情報を調べるのは・・えへへ。誰もお兄ちゃんに近づけないようにして・・・ぐすっ・・でも、あの人だけはわからなかった。柴田まり・・・。」

「どうしてっ!?どうしてあいつだけ何もわからないの!?誰も過去を知らないの!?過去がないのっ!?」

比真理が急にヒステリーを起こしたように叫びだした。
俺は慌てて妹をなだめる。

「落ち着け・・。すず。個人情報調べるのは犯罪で・・だから・・・もうわけがわかんない・・・。」

俺は頭の中がこんがらがって何を言っていいのかわからなくなってしまった。
いくらなんでもやりすぎだ。
でも、柴田さんだけ何もわからなかった、過去がなかったという妹の言葉は妙に頭に残った。
どういうことだ?

「それに・・比真理がお兄ちゃんに近づくなんて思わなかった・・・。だから、ああするしかなかったの。お兄ちゃんと理想の世界を作る為に・・。」

俺は妹をなでて慰めた。俺は妹になんて言葉をかけていいか見つからなかった。
只頭を撫でて妹をあやすことしかできなかった。
まったく俺は腹を刺されたばっかりなのに・・・しかも俺を刺してきた妹を慰めるなんてな。
俺が慰めてほしいくらいですよ。

「お兄ちゃん・・・おにい・・・。」

妹は寝てしまった。幸せそうな顔をして。

突然、ドアがガラッとあいた。

「あかにぃ?」

比真理がお見舞いの花束を持ってやってきた。
時間を見るともう放課後の時間だった。
俺は比真理に向かって不器用に笑いかけて

「よっ!」

といった。
比真理は安心したような顔を見せると急に顔を強張らせた。
比真理は妹を見ていた。
俺の胸に抱かれてすやすや眠る妹を。
比真理は一瞬すずに対して嫌悪する表情を見せたが俺はそれに気づかなかった。
時真理はすぐに表情を戻し心配したよ。といった。
俺はこのとおり大丈夫!とわざと元気そうに言ったが比真理の表所は明るくならなかった。
すると、妹がもぞもぞと動いて目を覚ました。

721 名前:ヤンデル生活 第7話 おはよう。[] 投稿日:2011/08/30(火) 20:40:33 ID:6fhj6Feo [4/5]
「うぅ・・・ん。寝ちゃった。」

妹はもぞもぞと寝ぼけ眼を擦りながらあたりを見渡した。
そして、比真理を見つけると気まずそうな顔をした。

「比真理・・きてたんだ。」

「今さっき来たところ。」

そう短い会話を交わすと比真理は花束を飾って帰った。

「それじゃあ、またねあかにぃ。」

「ずいぶん早いな。もう少しいてもいいんだぞ?」

「ううん。用事があるから。」

「そういえば、柴田さんは?」

「今日はお休みだよ?風邪引いたみたいなんだってさ。」

「そうなんだ。」

なぜか、柴田さんが風邪を引いたと聞いて安心した。
なんで安心したのかはわからないけど・・・。
比真理はにこっと笑うと急ぎ足で歩いて行った。

・・・

それから嫌がる妹を何とか医者や看護師さんも手伝ってもらって家に帰すことに成功した。
そういえば、刺されてからもう4日たっていた。
最初聞いたときびっくりした。
こんなことって本当にあるんだと。
ドラマやアニメとかでしか見たことないし、実際にあるわけないって思っていたから。
俺は一人で病院の雰囲気になれず眠れないこの時間の暇つぶしにあの記憶のことを思い返していた。
けど、ほとんど思い出すことが出来なかった。
思い出そうとしても記憶のところどころに砂嵐のようなものがかかる。
ガラっと誰かがドアを開ける音がする。
俺は最初看護師さんが来たのかと思った。けど、ちょっと様子が違う。
妹かと思いきや意外な人物だった。

「比真理!?こんな時間になんで?てか、どうやって入っ・・・。」

「ちょっとね。あかにぃさっきはごめんね。急に帰ったりして。」

「いや、別にいいよ。あんまり気にしてないし・・・もしかして、それを言うためだけにきたのか?」

「うん・・・だめだったかな。」

「顔を赤らめる比真理に不覚にも俺は照れてしまった。

「だめじゃないけど、わざわざ言いに来なくてもよかったのに。」

「ううん。どうしても言いたくて。」

「そうか。」

比真理は何かを決意したように言った。

「あ・・・あかにぃが退院したら日曜日お買いもの・・・付き合ってもらえないかな?」

比真理は照れながら上目使いでそういってきた。
俺はそんな比真理の姿に一瞬ドキッっとしてしまった。

「あ・・ああ全然いいよ!」

突然のことに俺は声が裏返ってしまった。
不謹慎ながらも考えてしまう。
これって・・・デートじゃ・・・。

「ああ・・あのっ!そ・・・それじゃ・・楽しみにしてますから。」

そういうと比真理は俺にお守りを渡した。

「これ・・無事退院できるようにお守りです。」

「ああ、ありがとう。」

俺は女の子からの初めてのプレゼントに・・え?いつも妹から何かもらってるだろって?・・はは・・・それは言わないでくれ。
その日は興奮してなかなか寝れなかった。
つい、お守りを握りしめて。寝てしまったのだ。
けど、本当につらいのはこれからどということを俺はまだ知らない。

・・・

「あかにぃ・・・はぁ・・はぁ・・・。」