279 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/08/10(水) 00:31:05.56 ID:OPSRWRVv [2/17]
最近幼馴染みが少しだけおかしい…。
いや、かなりおかしい。
俺の幼馴染みはイジメられてるんじゃないかと疑いたくなるほど、おとなしい部類の人間なのだが……最近周りの人間に対して威圧的な態度で凄んだり、睨み付けたり、過剰な態度をとるようになってしまった。
とくに女…つまり異性が俺に近づいてくる時は手が出る時もある。

理由は…よく分からない。
俺と二人の時は普段通りオドオドした人見知りの女の子のままなのだが…。

「ねぇ…そうくん…あの…」
俺の名前を小さく呟く小柄な女の子。
コイツがその幼馴染み。

「なんだよ?早く帰らないと風邪引くぞタエ」
空を見上げて返事を返した。

今俺達二人は、学校の帰り道を早歩きで帰っていた。
何故早歩きなのかというと、隣をチマチマ走る幼馴染みタエの存在…。
俺は早歩きなのだが、タエは小走りになってしまっているのだ。
俺が小走りすればコイツは小走りの域を越えて本気で走らなくてはならなくなる。
だから歩幅を合わせているのだ。

「はぁ…はぁ…今日は家に…来ないの?」
荒い息を吐きながら、上目遣いで聞いてきた。
別に荒い息を吐いてるからと言って興奮している訳では無い。

280 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/08/10(水) 00:31:30.31 ID:OPSRWRVv [3/17]
単純に体力が無いだけ。

「濡れてるから今日は帰るよ」
こんなビショビョな恰好で人の家に上がり込むのは流石に幼馴染みでも気を使う。

「だ、大丈夫だよ。風邪引くとダメだから家に来て?」
小走りのまま俺の袖をくいっと引っ張り潤んだ瞳で俺の目をジッと見てきた。

「……はぁ…分かったから早く行こう」
俺はこの目に弱いのだ。
昔からそうだがタエが弱々しく言葉を発する時は助けてやらないとという気持ちになってしまう。

二人ともびしょ濡れになりながらも、タエの家に到着するとまず風呂場へと直行した。
タオルを一枚借りて頭を拭く。
その間にタエは風呂に湯を張ってくれている。

「それじゃ、そうくんお風呂お先にどうぞ」
湯を沸かし終えたタエが此方へ微笑みかけた。

「いや…流石に俺が先に入る訳には…」

「いいよ。そうくん入った後に私も入るから」


「う~ん……それじゃ一緒に入るか?」
冗談混じりに放った言葉にタエの表情が固まった。
そういえばタエに対してこの類いの冗談を言ったのは初めてだ。


慌てて取り消そうと両手を前にかざしてタエに謝罪しようとした…。


「すまッ「本当に!?」

281 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/08/10(水) 00:31:53.65 ID:OPSRWRVv [4/17]
俺の声を遮り前にかざした両手を包み込むように握り締めると、瞳を輝かせて問いかけてきた。

「ぇ…あ…」
今度は此方が固まってしまった。
俺の予想では顔を真っ赤にしてモジモジするタエの姿を想像していたのだが…。


「ば…バカッ冗談に決まってるだろ~?お前は身体弱いんだから先に風呂入れよ。俺はリビングで待ってるからさ」
それだけ伝えると、タエの頭にタオルを被せて風呂場を後にした。

ちょっとタエと一緒に風呂に入る姿を想像してしまった…それだけでも軽く罪悪感を覚える。
昔は一緒に風呂も入った事があるのだが…この歳になってタエの裸を見る事なんて何らかの事故がない限りあり得ないだろう。

廊下で立ち止まり、風呂場に目を向ける。

数秒後、シャワーの音が聞こえてきたのでタエが風呂に入ったのだろう。
タエの性格上、あの場で言い合いを続けていたら間違いなく俺が折れるまで風呂に入らなかったに違いない。

だからスグに風呂場を後にしたのだ…。

「はぁ…寒い…」
シャワーの音を確認した後、濡れたブレザーを脱ぎながらリビングへと向かった。






「あら…久しぶりね?」

282 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/08/10(水) 00:32:17.89 ID:OPSRWRVv [5/17]


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「はぁ……そうくん…」
ため息を吐きながら、熱いシャワーを頭から被るように浴びる。

「さっきのそうくん…本気じゃなかったのか…」
やっとそうくんが私を見てくれたと思ったのに…。
私は昔からそうくんだけを見てきた……人見知りな私の手をそうくんが握り締め何処にでも連れていってくれた……だから私は何処でもそうくんの近くで安心して居られたのに…。

最近学校の女子がそうくんの優しさに気がついたのか、甘い匂いを撒き散らしながらそうくんに話しかけてくるのだ。
そうくんが居ない時に「そうくんに近づくのはやめてください」ってお願いしても基本は無視か罵倒を浴びせてくるような女ばかり。

だからそうくんに近づけないように一人一人潰している。
たまにあからさまにそうくんにイヤらしく近づく女が居るのだが、その類いの女はそうくんが見てる前でも容赦なく排除する事にしている。

だってそうくんに変な汚れがついたら嫌だから…。

「はぁ…早くそうくんと結婚したいなぁ…」
幼稚園の頃にそうくんと約束したけど…そうくんは覚えているだろうか?

多分、覚えていないと思う…。
だけど私が覚えているから問題無い。

283 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/08/10(水) 00:34:02.91 ID:OPSRWRVv [6/17]
高校を卒業したらそうくんと結婚する予定だ。

「早くそうくんにかわらなきゃ…」
そうくんが風邪引いちゃう…。
シャワーを止めると、湯船に足を突っ込んだ。




「…?」
ふと、風呂場の外から聞こえてくる声に意識を奪われた。


「なん…で……すか?」

「なのよ……あの…」


そうくんが誰かと話してる?
私が居ない場所で誰かと?
確かそうくんはリビング…お母さんとお父さんはまだ仕事……そうなると残るのは後一人。

湯船に突っ込んだ足を引き抜き風呂場を飛び出すと、バスタオル一枚身体に巻いてリビングに向かった。

楽しそうな声が聞こえてくるリビングのドアに手を掛け勢いよく開けた。



「タエ…貴女なんて恰好してるのよ?」

「そうくん…」

「おまっ!?なんでバスタオル一枚なんだよ!!」
そうくんが慌てて自分の目を両手で隠した。
別に見てもいいのに…。
まぁ、そうくんは純粋だから…そこがカワイイんだけど。
だけど今はそんな事気にしてられない。そうくんから目を反らして、後ろに居る一人の女性に目を向けた。

いや…睨み付けた。


「何してるの?お姉ちゃん」
そうくんのブレザーとシャツを手に持つ姉に問いかけた。

284 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/08/10(水) 00:34:31.45 ID:OPSRWRVv [7/17]
この女性…私の姉で名前は早苗。
四歳年上で……そうくんの初恋の相手。
忌々しい…自分の姉ながら本当に忌々しい存在だと思う。

「何してるのって……そうちゃんとお話してたのよ」
上半身裸になったそうくんの肩に手を乗せる。
そうくんの身体が小さく震えた…。

「そうくん……上に行こ」
姉から目を反らすと、そうくんに近づき腕を掴んだ。
最悪…勝手にそうくんに触って…汚ない…汚ない…汚ない汚ない汚ない汚ない汚ない――

そうくんを強引に立たせると、腕を引いてリビングの扉に手を掛ける。


「そうくんの服は私が洗ってあげるわね?帰りに声かけてくれたらアイロンかけてあげるから」


「ッ私がするから勝手な事しないで!!!」
姉に近づきそうくんの服を無理矢理奪い取ると、再度そうくんの腕を掴んでリビングを後にした。
姉は私がそうくんの事を好きだということを理解して、からかっているのだ……昔からそう…。
そうくんに好かれている事を知っていて、そうくんを惑わす。
一番いらない人間は間違いなく姉なのだ。


自分の部屋に入ると、そうくんをベッドに座らせて引き出しからタオルを取り出しスグに身体を拭いてあげた。

285 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/08/10(水) 00:34:58.79 ID:OPSRWRVv [8/17]
「お、おい…タオルで拭かなくても大丈夫だぞ?」

「……」
そうくんの言葉を無視してタオルで擦った。姉が触った皮膚…女が触った…汚れた手でそうくんに…

「痛ッ痛いってタエ!」

「え…あっ、ごめんなさい!」
そうくんの声に我に帰ると、擦っていたタオルを慌てて肌から遠ざけた。
そうくんの肩が擦りすぎで真っ赤になっている。

「はぁ……まぁ、今日は帰るよ」
呆れたように立ち上がると、部屋から出ていこうとした。

「まっ、待ってそうくん!」
すがるようにそうくんの腰にしがみつく。

「ご、ごめんね?私もちゃんと出来るんだよ?あんな女…私が全部してあげるから」
扉側に回り込み、そうくんをベッドに押していく。
再度そうくんをベッドに座らせると、今度は間違わないようにそうくんのベルトに手を掛けた。

「こ、こら!お前は何をしてるんだ!」
ズボンをずらそうとする私の手を掴み、抵抗するそうくん。
それでもぐいぐいズボンを下に降ろして行くと、青色のトランクスが姿を見せた。

一応、トランクスも濡れていないか手で触って確かめる。
別に他意は無い…のだがそうくんは後ろに飛び退いてしまった。

286 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/08/10(水) 00:35:21.74 ID:OPSRWRVv [9/17]
トランクスを無理矢理脱がしてもいいのだが、それをするとそうくんが怒ってしまうかも知れない。
だからやらない。

「それじゃ、アイロンかけるから待っててね」

「お、おう…」
恥ずかしそうに私の掛布団で下半身を隠すそうくんを見て小さく吹き出してしまった。




その日の夜、私がその掛布団を股に挟んでオナニーしたのは言うまでもない。
最終更新:2011年09月25日 14:47