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64 :にゅむる前 First prologue ◆BbPDbxa6nE:2011/10/15(土) 23:23:49 ID:9DxGDX7Q

「ねぇ、先ぱ――うぅん、違う。れーくん。これで、ずっと一緒、ですから」


一つ、聞いてほしい話がある。なに、ただの俺の失敗談だ。

聞いてほしい失敗談というのは、俺の高校時代に他ならない。
この日本では多くの人が体験する高校生活。人によって色濃く充実した者もいれば、そうではない者――あまり口に出して言いたくはなく、誤解を招かぬように言っておくが別にその人たちを否定するわけではない――つまりは、失敗した者がいるのだろう。
成功する者がいれば失敗する者がいる。
成功する者がいるから失敗する者がいる。
失敗する者がいるからこそ、相対的に成功する者がいる。
世界は平等だ。しかし人間は平等ではない。
矛盾、不可思議――世界には、どうしようもない問題がたくさんある。
どうしようもなく、どうにもできない事だ。
少し話がそれたな、すまない。戻そうか。
つまり僕が何を言いたいかというと、この話を聞いた者には、成功談にも聞こえる人もいるし、逆に失敗談に聞こえる人もいるという、どうしようもなく、どうにもできない事実が存在すると言う事だ。
では、概要を話そう。

物事には分岐点というモノがある。
大切な役割を持つ分岐点、ターニングポイント。
俺のターニングポイントはやはり、〝秋宮奈留との初会合″と〝卒業式クライシス″に違いない。だから今から話していくのは〝秋宮奈留との初会合″から始まり、〝卒業式クライシス(にゅむぅ・にゅわふぅ・じょきん、じょきん を参照)″まで至る経緯である。

彼女、秋宮奈留(あきみやなる)について、高校時代の俺、佐波礼人(さなみれいと)が語れる事というのはそう多くはない。ただ単に、箇条書きのように彼女の特徴をあげる事が出来るかもしれないが、しかし……その彼女の本質というモノを、当時の俺は一つも見抜けなかったように思う。なにも分かっていなかったんだ。

本当の彼女の気持ちというモノを、一つも理解していなかった。

彼女が、普通の人間を逸脱するほどの危険度を秘めている事を、知らなかった。

それでも、やはり、語らずじまいでは彼女の外面すら伝わらないように思えるので、幾つか説明しておこうと思う。
名前は、秋宮奈留(その当時は高校一年なので15・6歳)。
クール。とにかく平坦で大人ぶったしゃべり方(言葉の区切り方が適当)……だが、感情の起伏がないわけではない。
怒るし、照れるし、楽しむし―――泣くし。
身長は百五十センチあるかないかくらい。小動物みたい。
黒髪のショートカット。
綺麗なソプラノボイス
万年図書委員(小学校から)。
本をこよなく愛する文学少女。
曰く「すべての本を読みつくすことが出来るまで、私は死にません」
……いったい、幾つになるまで生きるつもりなのだろうか。
料理と裁縫が得意。
成績優秀。
あと、超美少女。超可愛い。本当に、もう―――食べてしまいたい。
そして―――鋏のように鋭く、そして輝く、瞳。

この程度だろうか?
いや、まぁ、思いつかないだけでまだまだあるのだろうからその都度言っていく事にしよう。
では、そろそろ語り始めようかと思うが最後に一つ言わせてくれ。
俺は反省している、彼女を止められなかった事を。
しかし、後悔していない。

彼女と今、こうして隣で寄り添えている―――恋人に慣れた事を。

では、始めよう。
ただの高校生、佐波礼人ごときのほろ苦い、危険で、常軌を逸した、恋物語を。