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100 :オウル ◆a5x/bmmruE:2011/10/21(金) 03:07:42 ID:y9ZxoISc
依存型ヤンデレの恐怖

朝、目を覚ます。窓の外ではスズメがマシンガンみたいに鳴いている。

「おはよー」
「ああ…」

俺を起こしたのは、幼なじみの未夢だ。
「リューヤ、リューヤ♪」
「朝からうるさい」
未夢は学校には通っていない。頭の遅れたこいつは三流の滑り止め学校にも落ちてしまったのだ。
本人曰わく、「リューヤと居る時間が増えて嬉しい」だそうだ。

「朝メシ食ったか?」
「まだ!」

だろうな。詮無いことを聞いた。俺は頭を掻きながら、台所に向かう。ちなみに、未夢にエサ…食事を与えるのは俺の仕事だ。未夢の両親に頼まれたのだ。

「よし、食え」
「はーい!」

馬鹿なこいつは、俺が指示しないと絶対に食事を採らない。
作り置きのサンドイッチとコーヒーで簡素な朝メシを済ます。

「学校行ってくるけど、大人しくしてろよな」
「はーい!」

未夢は無駄に元気がいい。だがこいつの聞き分けの良さに騙されてはいけない。
何を言っても、首肯するので「彼女を作る」と言ってみたその日の晩、未夢は手首を切った。
その時の返事も「はーい!」だ。
迷い傷もなかったらしい。


101 :オウル ◆a5x/bmmruE:2011/10/21(金) 03:09:03 ID:y9ZxoISc
俺としては、ちょっとした退屈しのぎのつもりだったが、結果は惨憺たるものになった。
まず、未夢の両親が
「リューヤ君、頼むから彼女だけは…どうか…」

40も超えたいい大人が高校生のガキに土下座して頼み込む姿は哀れとしか言いようがなかった。
その姿に青くなったのはウチの親父とお袋だ。
未夢が手首を切ったのは、リューヤの責任なんだから、リューヤに責任を取らせますなどと言いやがった。
ふざけんな。おかげで俺は、未夢と結婚の約束をさせられる羽目になった。
未夢の両親はやって来た時は死にそうな顔をしていたが、帰る時はホクホク顔だった。
まあいい…飽きるまでは付き合ってやる。

放課後、未夢は校門で待っていた。いつものことだが…なんだ? 朝と着てる服が違う。

俺の服だと? あのヤロー。
未夢を呼び寄せ、頭をガツンとぶったたく。

「痛いよ、リューヤ…」
上目遣いで涙目になって訴える未夢。

「痛いのはお前の脳みそだ。ど阿呆が」
140センチ程しかない未夢にとって俺の服は巨人サイズだ。全然合ってない。肩口からブラが見えてやがる。
やむを得ず未夢に学ランを貸してやる。
「面倒を増やすんじゃない!」


102 :オウル ◆a5x/bmmruE:2011/10/21(金) 03:10:15 ID:y9ZxoISc
「リューヤがいい匂いなのがいけないんだよ~」
「へ、変態!」
「違うもん。未夢、変態じゃないもん!」
「モンモンうるさい!」

そんなこんなで帰宅する。道中、未夢が腹が減ったとゴネるので、テイクアウトのジャンクフードを買った。食費は既に未夢の両親から徴収済みなので問題ない。
部屋に帰ると未夢の服がそこら中に散乱していた。これもパターンだ。今更怒りはしない。だが…

「パ、パンツもある…だと!?」
「……」

うっすら頬を染める未夢。
この馬鹿、ついに俺の想像を超えやがった。

「お、お前、今ノーパンなのか?」
「はいてるもん…」
視線を泳がせる未夢。明らかに挙動不審だ。嫌な予感がビンビンする。

「てめえ、まさか、俺の…」
「…てへっ」
「へ、変態!変態!」
「うわーん!」

泣きたいのはこっちだ。

晩メシはシチューを作った。俺の夢はコックさんだからな。これくらいはする。
「シチュー、シチュー♪」

未夢のヤツもご機嫌だ。
ちなみに俺の親父は出張中だ。お袋はそれについて行った。
「おら、口の回りに付いてるぞ。白いのが」
「やだ…リューヤ。いやらしいよ…」
「お前がな!」


103 :オウル ◆a5x/bmmruE:2011/10/21(金) 03:11:35 ID:y9ZxoISc
しかしよく食う奴だ。ジャンクフードの上にシチューを俺と同じ量食いやがった。
さて…そろそろ夜も更けて来た。未夢は漫画を読んでいる。
「未夢!」
「なに、リューヤ」「帰ってよし!」
「…やだ」

未夢は唇を尖らせ、涙目でこちらを見ている。こいつの家はすぐ隣りなので問題ない。強制連行だ。
「では強制送還する!」

厳かに言ってやる。いつもはこれで終わりだが、今日の未夢は一味違うようだ。
おずおずと一枚の紙切れを俺に突き出してくる。

「なになに…旅行中…?」

未夢は三つ指付いて、にこっと笑う。

「今日はお泊まりするもん」
「知らん、帰れ!お前のような変態を泊められるか!」
「うわーん!」

その後、すったもんだを繰り返し、最後の決め手は未夢の両親からの電話だった。

「頼む、息子よ…」
ふざけんな。マジふざけんな。

「リューヤぁ…」
「くっ…マジ泣きはズルいぞ…」

結局、折れたのは俺だった。こんなだから未夢は俺に依存するんだろう。

「お風呂、お風呂♪ リューヤとお風呂♪」

この馬鹿は、いよいよ最後の一線を超えようとしている。
少し、びびらせてやる。大丈夫、俺は賢者だ。耐えられる。


104 :オウル ◆a5x/bmmruE:2011/10/21(金) 03:12:42 ID:y9ZxoISc
男の怖さを思い知らせてやる。それがこいつのためでもあるだろう。
伊達に幼なじみを10年もやってるわけじゃない。こいつの裸なんぞ飽きるほど見ている。

「よし、未夢。一緒に入るか!」
「え…いいの?」

未夢は驚いたようだ。そりゃそうだろう。俺から言い出したのははじめてだからな。


くっ…俺ともあろうものが未夢ごときを意識してしまう。
脱衣所まで来てしまった。
未夢は目を潤まして、
「うおっ!」

こいつ、下から脱ぎやがった。しかも躊躇いなく。マズいぞ…俺の貞操が未夢ごときに奪われるなど…ありえん!
クソ…賢者パワーマックスだ!

「未夢、俺が身体洗ってやるよ」
(これでどうだ!)

「うん、リューヤなら、いいよ……」

クソぉ、負けてたまるか!
でも、ああ…未夢のちっさいお尻が…ひぃっ、こいつ、生えてない!
…俺は…賢者だ…

「未夢…さあ、おいで…」
(目を閉じろ!パワーマックス!)

「リューヤぁ…好きぃ…」
「くっ!」
「ぁ…」
「そりゃ!」
「ああんっ」
「クソぉ、なんなんだよぉ…このヌルヌルはぁ」
「リューヤぁ…リューヤぁ!」
「こ、これで終わりだ!」
「あっ! ああああああああ!」


105 :オウル ◆a5x/bmmruE:2011/10/21(金) 03:14:08 ID:y9ZxoISc
「ふっ…こんなもんだな」

風呂場には全身真っ赤に上気した未夢が転がっている。
後は、これを何とかすれば…大丈夫だ…俺は、ロリコンと言う名の紳士じゃない。犯罪の匂いのする無毛の土手なんぞに負けてたまるか。



就寝前、俺はリビングの床に未夢を正座させた。

「未夢、この紙を読むんだ」
「なに? なにかな?…未夢とリューヤのお約束?」
「ああ、そうだ。デカい声で読むんだ」
未夢はしばらく紙をじっくりと見ていた。
「字が読めないよ……」
泣きそうな顔で言うが、もう我慢ならん。
「よし、では後に続け!」
「はっ、はいっ!」
ぴしりと背筋を伸ばす未夢。

「一つ! リューヤ君のパンツは履かない!」
「ひ、一つ、リューヤのパンツは…」
「声が小さい!しっかり発音せんかぁ!」
「ひゃっ、一つ!リューヤのパンツは履きません!」

どんな羞恥プレイだよ…これ。

「一つ!リューヤ君のお家では、エッチ禁止!」
「やだぁ…」
「言わんかぁ!」
「うわーん!」
「泣くな!このエロっ娘がぁ!」

ぐすっ、としゃくりあげる未夢。

「エロいの、リューヤだもん」
「貴様ぁ!修正するぞ!」

このようにして夜は更けて行く。


106 :オウル ◆a5x/bmmruE:2011/10/21(金) 03:15:32 ID:y9ZxoISc
俺? 怖くないよ未夢なんて。

「言え、未夢!エッチ禁止だ!」

しかし誰トクだ?こんなこと言わせて。
「うわーん!禁止じゃないもん!」
「それではお泊まりを禁止する!」
「…死んでやるぅ!うわーん!」

だから未夢なんて怖くないって。
今は、まだ……。