198 名前:依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE[sage] 投稿日:2011/10/29(土) 00:36:11 ID:MPaMNP4Q [2/14]
「リューヤぁ、しんどい…」
「おー」

俺はなるべく平静を装う。
未夢との<秘密の約束>だ。キサラギの相手はここまで。

「キサラギ、先に風呂に入れ」
「あ…はい…」

赤面するキサラギ。変態的言動の予感がする。

「あの…ウチ、処女ですからぁ…安心して下さぁい」

どうでもいい。処女だろうが、あばずれだろうが俺は等しく冷たく厳しく接する自信がある。

「でもぉ…なめるはめるくわえるしゃぶる、オールOKなんでぇ…」
「変態」

何の呪文だろうと思った。
こいつは宇宙人だ。
別の言葉。
別の風習。


未夢を抱えて、自室に入る。

「未夢、大丈夫か?」

「お腹、痛い…」

「トイレか?」

未夢は首を振った。唇を尖らせ、やや不満げに振る舞うのは、キサラギの出現が原因だろう。


「おしっこ、漏れた…」
「あ…?」


未夢が腰掛けているベッドを見るが、濡れている様子はない。
ひょっとするとあれだろうか。
いくら幼なじみだからといって、ここまでするのもどうなのかとは思う。だが、未夢の両親からは警告を受けているし、そのための準備も出来ている。

未夢は、まだ初潮が来てない。


「リューヤぁ、しんどい…」

<秘密の約束>だ。
身体に不調を覚えた時はすぐ言う事。
これは、いくつかある変態的な約束とは一線を画するマジ約束だ。

俺は速やかに手を打たなければならない。違えれば、未夢は今後、あらゆる約束を反故にするだろう。
それくらいマジ約束だ。

「未夢、脱がせるぞ。いいか?」
「うん…」


相変わらず犯罪臭のする無毛の土手が、懸念通り血まみれになっている。

「……」

持て余す。正直な感想はそれだ。
手を拱いていると、未夢も気付いたのだろう。言った。

「未夢、死ぬの…?」

俺は首を振った。

「違う。未夢は…大人になったんだ」


心と身体のアンバランス。
大人の反応をする身体に対し、精神と知識が追いついていない。性知識だけが豊富なのは、何か大きな歪みの発露なのだろうか。
これも未夢が抱える大きな問題の一つだ。

「未夢、血を拭き取らないといけない」

これは非常にデリケートな問題だ。そのため、確認する。

「キサラギに手伝ってもらうか?」
「やだ。リューヤがいい」

頷く。未夢の両親とはもう話してある。二人が悩んだ末、持ち込んだ問題だ。

血を拭いて、ナプキンをする。それだけの行為。だが、持て余す。

199 名前:依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE[sage] 投稿日:2011/10/29(土) 00:37:39 ID:MPaMNP4Q [3/14]
未夢は俺が居ないと食事もしないし、俺以外は身体に触れさせない。
未夢の両親の悔しそうな顔を思い出す。
何故そうなったのか。これに関しては誰も答えることができない。
理由がないのだ。自然にそうなった。俺一人だけを信頼して、依存する。

……歪んでいる。


覚悟を決め、行動に取り掛かる。
血を拭く作業は、未夢が興奮したため、中々はかどらなかった。

「リューヤぁ、そこぉ…もっと強くぅ」
「変態」


黙ってやるよりいいかもしれない。

赤飯を炊かないと…

その後、腹痛を訴えたため、鎮痛剤を服用させる。

「念のため、明日病院に行こうな?」
「うん…」


未夢の生理は重めのものであるようだ。
身体が出来上がったばかりの未夢にとって、婦人病がどの程度の脅威になるかわからない。用心するに越したことはない。

俺は未夢におやすみを言って、部屋を出た。当然だが、あらゆる変態行為を禁止した。

今日は俺がソファで寝るか。


一階の廊下ではキサラギが全裸で、俯けに倒れている。
何のワナだろう?


「変態」
「……」


キサラギは動かなかった。
ぴくりともしない。休んでいるようにも見えない。

何故、変態は次々と問題を起こすのか。
最近、非日常が俺の日常になりつつある。

「変態!」
「……」


やはり、キサラギは動かない。
死んでるのだろうか。…楽でいい。

「キサラギ、大丈夫か?」

抱き起こす。

「う…」

かすかな呻き。俺は舌打ちしそうになるのを我慢した。

「何があった?」
「からだ、いっぱい…洗って…気持ち悪い…」

途切れ途切れ呟くため、断言は出来ないがおそらく湯当たりしてのぼせたのだろう。

キサラギの乳首と股の辺りは擦りすぎて少し赤くなっている。何を考えて、どこを重点的に洗ったのかアホでも検討がつく。
この二人はどこまで俺を賢者にすれば気が済むのだろう。

「…先、輩…」
「大丈夫だ」

しかし、キサラギは力なく首を振った。
消え入りそうな声で呟く。

「トイレ…」

俺にも武士の情けはある。抱き起こしてトイレに向かう。
だが…キサラギが悲鳴に近い呻きを上げる。


「あ…あ…ああ…!」

下半身を濡らす温かい液体。…間に合わなかった…。
…しかし…こいつは今日1日だけで、どれだけ俺に全てを見せるつもりなんだ。
後はもう、脱糞くらいしか残ってない。

200 名前:依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE[sage] 投稿日:2011/10/29(土) 00:38:15 ID:MPaMNP4Q [4/14]

「あ…ああ…ウチ、なんてこと…」

キサラギは顔面蒼白だ。流石にこれはワザとではない。

「忘れろ。見てない。こんな時だってある」


ボロボロに泣き崩れるキサラギにバスタオルを巻き付けトイレに入れる。

変態と言ってやりたいが、むご過ぎるので止めておく。


未夢の様子を見に行くと、大人しく眠っていた。


俺と未夢には<秘密の約束>がある。

二人きりの約束。

未夢は体調不良を押してでも俺と一緒に居ようとする。
これがいつか大事に至るのではないか。ヒヤリとさせられる場面も何度かあった。

だからこれは苦肉の策だ。
恋人同士のように、共通の秘密と約束という名の鎖で未夢を管理している。

未夢は俺に嘘を吐かない。
その約束を未夢が守る限り、俺には未夢を守る義務が生じる。

これが<秘密の約束>
最終更新:2011年10月30日 13:29