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257 :初めから:2011/10/31(月) 01:27:37 ID:ccRIKDDQ

『ヒャッハー!!汚物は消毒だっー!』

「そうだ!やっちまえモヒカン!」

「モヒカンもいいが、やっぱジャギ様だな」

「…ふ、二人ともなんでケンシロウを応援しないの?」

秀君と翔太君はとても仲が良い。
今日も秀君の家で、秀君おススメのアニメを見ている。殺伐とした世界に
救世主が現れるお話なのに、二人して悪役の方を応援している。
私は、ケンシロウの方がカッコいいと思うんだけど…

「よしっ!次はこれだ」

「おいおい勝手に取るなよ。今日は凜子の為に来たんだろう?」

え?

「凜子!良く聞け!明日から凜子は友達を増やしていく!」

「ど、どういうことなの?」

秀君が言うには、私はもっと積極的になった方が良いらしい。
確かに私は、秀君や翔太君以外とはあまり話さない。
だけど、それは必要がないからだ。私にはこうやって大切な友達がいるんだから。

「いいか凜子、俺たちは友達だがいつか別々になる日が来る。その時のために人見知りをなくすんだ」

「べ、別々?なんで?」

「男子と女子だからだ」

それは…理由になるのかな?

「わ、私達友達だよ!男子も女子も関係ないよ!」

「それでも、人見知りを失くすのはいい事だ。こうゆうのは、早い内に失くそう」

なんで、秀君そんなこと言うのかな?私の事嫌いになったのかな?
それに、さっきから翔太君何も言わないし…

「翔太君はどうなの!?」

「り、凜子…君付けはやめろって言っただろう」

「…翔太」

「…………お、俺は重秀に賛成だ」

翔太君まで…秀君のこういった根回し良さって時々怖くなる。
これは…秀君の言うとおりにした方がいいのかな?

「………………わかった。でも如何すればいいの?」

「簡単だよ。仲間にしてって言えばいい」


258 :初めから:2011/10/31(月) 01:28:38 ID:ccRIKDDQ



「ぁあの…私も混ぜて?」

「うん!いいよ!」

ほ、本当だ…簡単に仲間にしてくれた。秀君の言うとおりだ。

「何して遊ぶ?」

「えっ…えと…えと…」

困って秀君と翔太君の所を見る。翔太君は心配そうな目で、秀君は――穏やかな目で私を見ていた。

「じゃあさ!じゃあさ!あっちで絵でも描こうよ!」

「…絵?」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「あれでよかったのかよ…重秀」

「ああ。さやかは元気な奴だからな、凜子をどんどん引っ張っていくだろう」

ふてくされた様子で尋ねる翔太に断言する。およそではあるが、女子と男子は小学校三年生あたりから
性別ごとにグループを作り始める。今の内に女子の友達の一人二人作っておかないと、
大変な事になる。

「それによく見ろよ…凜子楽しそうだろ?」

「そうだけどさ…」

今まで、男子の俺たちばかりと遊んできた凜子は女子の遊びには疎い様だ。
だが、俺達と遊んでいた時よりはイキイキしている。

「もし断られたら如何する気だったんだよ?」

「大丈夫だったろう?問題ないさ」

実際そうならないように、女子で一番活発なさやかや他の数名にも
話を通しておいたのだ。――さやかからは、後で何かさせられそうだが…

「ほらクヨクヨするな!好きな子が構ってくれなくて寂しいのか?」

「う、うるせぇ!」

「体を動かせば嫌なことは忘れられる。遊ぶぞ翔太!」

「…よし!健一達も誘ってサッカーしようぜ!」




こうして、小学校一年の冬は過ぎて行った…


259 :初めから:2011/10/31(月) 01:30:39 ID:ccRIKDDQ



「ちょっと男子っ!サボんないで掃除してよ!」

「さやかちゃん声大きいよ…」

小学校三年――あれから二年が過ぎた。時間というのは早いもので、既にクラスは
女子と男子のグループに別れていた。放課後の掃除をサボった奴がいるようで
さやかが、怒り心頭だ。

「ちょっと、重秀!あんたからも言ってやってよ」

「何を言っても聞かないやつだって居るんだよ。ほっとけ」

「それじゃ、ダメよ!先生が掃除はみんなでやれって言ったじゃない!」

「代わりに、そいつの分まで俺がやるから」

まだ不満なのか、ブーブー文句を言ってくるさやかを尻目に
凜子と共に、黙々と掃除を進める。

「重秀の言うことなら健一だって従うでしょ」

「あいつがその典型例だ。俺だってもう何度も言った」

健一は男子のガキ大将みたいなやつで、さやかとは敵対している。
そんな事で、俺の頼みでもさやかが絡んでいるとなれば
答えは決まってNOだ。

「ほら、さやかも掃除しろ。早く終わらせるぞ」

「むぅ…」

メンドクサイ奴だ…




――――――――――――――――――――――――――――――――――――



今日は一人での帰宅になった。いつも一緒の凜子は、さやかに連れられて買い物に
最近、つれない翔太は健一達とサッカーでもしてるんだろう。
そんな帰り道の公園に、このあたりでは見ない子がブランコに座り夕陽を見ていた。

「どうした?」

「わっ…」

突然話しかけられて驚いたようだ。
改めて少女を見る。
異様なほど白い肌と髪、血のように赤い瞳の色――これは確か

「アルビノ?」

「す、すごい!良く分かったね!?」


260 :初めから:2011/10/31(月) 01:32:36 ID:ccRIKDDQ

突然話しかけられて驚いたようだ。
改めて少女を見る。
異様なほど白い肌と髪、血のように赤い瞳の色――これは確か

「アルビノ?」

「す、すごい!良く分かったね!?」




少女は良くしゃべる子だった。なんでも見た目で外人扱いされ友達とか少ないらしい。
アルビノというのは良く幻想的なイメージを聞くが、弱視や紫外線への弱さなどの
問題を抱える。
決して良い事ではない。

「なんでこの町に?」

「私ね、この町の病院で生まれたんだ。それで『故郷は見ておきなさい』って、ばっちゃが言ってたから」

ばっちゃ?この子に両親は居ないのだろうか?

「父さんか母さんはどうしたんだ?」

「父さんは、私が生まれた日に交通事故で…」

うん?ちょっと待てよ?

「お母さんは?」

「私を生んで、一年後に自殺したって…」

じ、自殺?

「ゴメン…なんか変なこと聞いて」

「大ジョブだよ!二人とも顔も覚えてないから!」

少女は、呆気からんに笑う。中々逞しい子だ。


なんでも、祖父母は東京に住んでいるそうで少女も一緒に住んでいるらしい。
少女の通う学校は有名なお嬢様校で、エスカレーター式で大学まで行く学校らしい。
その学校は聞き覚えがあった。

「成城学園?」

「なんでも知ってるんだね!?」

そりゃぁ、知っている。葵が通っていた学校だ。

「ねぇねぇ、君も来てよ成城に!」

「たしか、高校から男女共学になるんだよな?」

「そうだよ!一緒に遊ぼうよ!」

そうだな…と答えを濁しつつ考える。
もしかしてこの子…

「あっ、ばっちゃだ!」

咄嗟に、その方向に顔を向ける。そこには妻――美代子の両親が居た。