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312 :白髪女とちっさい女 第三話  ◆gnQKrmKMl.:2011/11/02(水) 18:42:54 ID:6nz3fsKk
僕が目を覚ましたのは朝の4時だった。
時間としては学生の休日に起きる時間じゃないが、9時間位寝ていたので頭はかなりボーっとしている。
欠伸をしながらもそもそと布団から抜け出し、ベットに腰掛けた。
制服が寝汗でグショグショだったのでシャワーを浴びようと思いベットの下のケースから下着とジャージを取り出して部屋を風呂に向うことにする。
シャワーを浴びたあとに腹の虫がグーっとなったので何かないかキッチンの方に食べ物を探しに行くと、昨日の晩ご飯のハンバーグが机に上に置いてあった。
それを電子レンジで温めて、炊飯ジャーからご飯をよそぎ、テレビを点けてニュースを見ながらご飯を食べる。
ニュースの内容は、今年もひかりケ丘学園の学園祭が近づいてきたと言う内容だった。
ここで改めて、ひかりケ丘学園のことについて説明してみる。
ひかりケ丘学園は幼稚園から大学までがくっついた女子校で、完全な男子禁制である。
だか年に三日だけ男も入れる日がある。それが学園祭だ。
この三日間は学園に誰であろうと入れる様になり、全国から人が集まる。
日本で一番大きな学園祭で、三日間で億単位のお金が動き、お国のお偉いさんまで足を運びに来るのだ。
そんな学園祭が一ヶ月後の金曜日から始まると言うことで、全国のニュースで取り上げられていた。
個人の人もお店を出したりするので、人の量が半端じゃない。
まあ、別に僕は行かないから関係の無いことだなと思いながら空いたお皿をかたずける。
部屋に戻り、文庫本を読みながら一服していると携帯が鳴った。
この着信音は禊からだ。今は朝の6時なのに何の用だろう?と思い電話に出る。
「もしもし、なんだよ。こんな朝の早い時間から。」
『やっと出たか、この馬鹿ヤロー!!何回電話したと思ってるんだ。昨日遊ぶ約束しただろうが!!』
「ああ。悪い。寝てた。」
『寝てただと!!今の今まで一人でゲームして待ってたのに。』
「そうなのか?じゃあ今から行こうか?」
『もういいよ。眠いから寝る!!おやすみ。』
そう言って禊は電話を切った。
悪いことをしたなぁ、今度何か奢ってやろう。それにしても、テンション高かったなあいつ。
徹夜しなくてもよかったのにと思いながら携帯をいじってみる。
着信7件、メール12件
全部禊からだった。
あいつどれだけ僕と遊びたかったんだ?
悪いことをしたなと心の底から反省してしまった。
そして今日は何をしようかな?と今日のスケジュール決めてみることにする。
昨日僕はゲーセンにゲームをしに行ったができなかったので今日もうう一度行くことにした。
禊は寝てしまったので、聡太を誘うことにして電話をすると快くOKをくれたので10時に駅に集合することになった。
10時まで暇だなと思い僕は64のスイッチをいれた。


313 :白髪女とちっさい女 第三話  ◆gnQKrmKMl.:2011/11/02(水) 18:43:26 ID:6nz3fsKk
休日の10時とはいえ人があまりいない。
もともとこの駅は利用者が少ないのでいつもどうりと言えばいつも通りなのだが・・・
10時を5分過ぎたところで、聡太がやってきた。
この男はいろいろと完璧なのだが、少し時間にルーズなところがある。
と言うもののいつも遅れる時間が2~5分位なのでそこまで気にならない程度で済んでいる。
僕たちは定期を改札に通して電車に乗り込む。
ここから学校の最寄り駅まで、10分位の場所に位置していて割と近くにある。
電車はガラガラだったので僕たちは適当な所に座る。
座ると同時に聡太が話掛けてきた。
「昨日聞けなかったが、禊と何を話したんだ?」
「色々だよ。」
僕は余り話した内容を言いたくなかったので曖昧に言葉を濁した。
それが聡太にも伝わったのか
「そうか」
と言うとそこからはそのことについて何も言わなくなった。
あとは適当に雑談していると目的地に着いたので、僕たちは電車を降りた。
ゲームセンターに着くと、またあの白い女の子がいた。
彼女は入ってきた僕たちに気づいたらしく、笑顔で手をブンブン振ってきた。
「あの子元気だね?」
と手を振り返しながら聡太は言った。
「あぁそうだね。でも悪いが僕はトイレに行きたいから、適当に相手しといて。」
僕はそう言うとトイレに向かう。
別にトイレには行きたくなかったのだが、何となく彼女と顔を合わすのが気まづかったので嘘を言って逃げた。
こういう所が僕のダメな所だと思う。どのみちトイレから出ると嫌でも顔を合わさなくてはいけないのに・・・
僕はトイレに入ってトイレをせずに顔をパチャパチャと洗い気を引き締める。
トイレから出ると聡太と彩弓ちゃんが椅子に座って楽しそうに話をしていた。
僕も話に混ざろうと思い、話かけることにした。
「昨日ぶりだね。百瀬ちゃん。」
「どうもです。別に彩弓でいいですよ。」
「じゃあ、彩弓ちゃんって呼ばせてもらうね。」
「どうぞ、どうぞ。遠慮なさらずにどんどん呼んでやってください。」
そう言いニッコリと笑う彩弓ちゃんに彼女の面影を感じなくなっていた。
「えーっと。彩弓ちゃんは今日もこれをやりに来たの?」
僕は目の前にある格ゲーの機械を指して尋ねる。
「はい。最近は毎日来てますね。」
「どうりで強いはずだね。」
「いえいえ。まだまだですよ。聡太さんの方が全然強かったです。」
「まあ。こいつはキチガイだからな。」
「誰がキチガイだよ、誰が?お前たちが弱すぎるんだよ。」
そこで話に入って来る聡太。
「いえいえ。聡太さんが強すぎるんですよ。」
「まあそう言われるとそうだが・・・」
「否定はしないんだ。」
「否定はしないんですね。」
「当たり前だろ。俺はプロとして誇りを持ってるからな。」
「えぇぇ!!聡太さんはプロなんですか?」
「自称だよ。自称。まぁ業界では先生とか呼ばれたりもしてるぐらいだしな。」
キザっぽく言う聡太は実に楽しそうだった。
「す、すごいです。」
自慢話をする聡太。それを聞き入る彩弓ちゃん。
なんなのこれ。ちょっと引くんですけど。
付き合いきれないと思い、僕はコインを投入した


314 :白髪女とちっさい女 第三話  ◆gnQKrmKMl.:2011/11/02(水) 18:44:04 ID:6nz3fsKk
12時ぐらいまでゲーセンにいた後、そこら辺にお昼を食べに行こうとした。
結局僕は聡太にも彩弓にも一回として勝てなかったことが悔しい。
彩弓ちゃんも誘ったのだが、何か用事があるらしく断られてしまったので聡太と一緒に何か食べに行くことにした。
ゲームセンターである程度お金を使ったし、学生なので近くのラーメン屋で食べることにした。
ラーメン屋に入ると店はガラガラで誰も居なかったので、僕たち二人はカウンター席に座ることにした。
注文したぐらいに誰かお店に入って来た。
その人はお店がガラガラにもかかわらず、僕の隣に座ってきて僕に話しかけて来た。
「こんにちは。今日は小さな彼女さんと一緒じゃないの?」
その声に反応して隣を見ると、僕らより少し年上ぐらいのおねーさんが座っていた。
どこかで見たことあるような人だが、名前が思い出せない。
「すいません。どこかで会いましたか?」
僕がそのように返すと
「あれ?見覚えないかな?フランクで接客をやっていた。」
思い出した。禊を小学生と間違えたひとだ。
「えーと、僕たちになんのようですか?」
「いや、一人でお昼を食べるよりみんなで食べる方が美味しいじゃない。だから御一緒していいいかしら?」
僕は聡太の方を見てみると
「いいですよ。それにしてもお姉さん初めてですね。僕もよくフランクに行くんですが見たことないです。」
聡太は目上の人に対しては一人称が俺から僕に変わるのだ。
「ああ。最近引越してきたの。あたしは下釜。下釜・・・花南(かなん)。よろしくね。」
苗字を言った後で下釜さんは少し間が空いていたが下釜さんの自己紹介が終わったのでこちらも自己紹介をすることにする。
「僕は天川 星司です。」
「僕は平 聡太です。よろしくお願いします。」
「まぁまぁ。そんなに畏まらないで。君たちは高校生でしょ?だったら年齢はそんなにかわらないはずよ。あたしは17だから。」
17歳・・・!?下釜さんは全然そんな風には見えなかった。
僕から見た下釜さんは社会人そのもので、僕には雰囲気がまるで違う様に思えた。
漫画やドラマで見るようなバリバリ働く大人の女性をそのまま現実社会に出してきた様ないでだちをしており、僕のイメージではスーツが似合いそうだ。
同じということで禊を思い出したがなんだか失礼すぎる気がして思い出すのをやめた。
「でもあたしは一応社会人だからね。色々事情があって高校には行ってないの。」
「そうなんですか。社会人ってやっぱり大変ですか?」
「大変だけど、楽しいよ。まぁ君達もそのうち分かるんじゃないかな?」
下釜さんはそう言いうと美味しそうにラーメンを啜り出した。


315 :白髪女とちっさい女 第三話  ◆gnQKrmKMl.:2011/11/02(水) 18:44:40 ID:6nz3fsKk
僕たちはラーメン屋を出た後別れた。
聡太は用事があるそうだ。
僕には用事がないので家に帰ることにする。
「ただいま。」
「おかえりー。」
家に帰ると何故か禊が母さんと食後のティータイムをしていた。
禊はうちの母さんと仲がいいので僕がいない間たまに家にいたりする。
「あれ?どこに行ってたの?」
「聡太とゲームセンターにちょっと。」
「うちも行きたかったなー。何で誘わないんだよ!」
「寝てただろ。起こさないで置いたんだ、むしろ感謝すべきた。」
「あ、ありがとう。」
禊は顔を真っ赤にして照れながらお礼をしている。
なんなんだこいつ訳がわからない。
「それでうちに何しにきたんだ?」
「実は今年の学園祭にお店を出すことになったんだよ。」
「えっ!抽選に当たったのか?」
ひかりケ丘学園の学園祭に一般から店を出すにはすごい倍率の抽選を勝ち取らなくてはならない。
ここ四、五年母さんがお店を出したいとって応募していたのだが、一回も当たらずに悔しい思いをしていたのだ。
「何の店を出すんだ?」
「だから今それを星ママと検討してるんだよ。」
「あんたも手伝うからあんたも考えるのよ。」
「ちょっとタンマ、タンマ。母さん冗談は勘弁して。そんな面倒くさいことは・・・」
「手伝って来月の小遣いとバイト料を貰うのかそれとも来月の小遣い無しかどっちがいい?」
「喜んで手伝わしていただきます!!」
クソっ!!小遣いを盾に取られてしまった。学生の小遣いは命の次に大切なのに・・・
「だからほっしーも考えてよ、どんな店を出すのかを。」
「食べ物でいいだろ?卵かけご飯とかで。」
そう言うと禊は真剣な表情で黙り込んだ。
母さんに至っては目を瞑って思案している。
この場の雰囲気がガラリと変わった。本当にビックリするぐらいに。
ダメだ。少し適当に言いすぎたか?
一分位沈黙が流れたあとに突然禊が親指を立てて
「Good!!」
と大きな声で僕に向かって声を放った。
母さんは目を瞑ったまま「ウン、ウン」とうなづいている。
どうやら僕はいいチョイスをしたらしい。
そのあと後で来た禊のおばちゃんも入って色々と学園祭のことについて話し合った。
ヒートアップした女性三人の会話は学園祭のことだけではなく、どんどん脱線していったのは言うまでもないだろう。


316 :白髪女とちっさい女 第三話  ◆gnQKrmKMl.:2011/11/02(水) 18:45:04 ID:6nz3fsKk
僕が禊たちと晩ご飯を一緒にして、お風呂に入ってゲームをしているときに誰かから、メールが来た。
携帯を開いてみると彩弓ちゃんからだった。
今日、メアドを交換したのだがすっかり忘れてしまっていた。

『夜も遅くに今晩は\(^▽^)/!

 初メールしちゃいました(/ω\)
 私には友達が居ないので(笑)暇がある時はいつでも私にメールしてやって下さい!!

 以上、お兄さんの愛しの後輩、百瀬 彩弓からでした。』

メールの文面でもいつもと変わらない子なんだなと思い、返事をする。

『明日が休みだからってあまり夜ふかししちゃダメだよ!!
 良い子は早く寝るように。
 おやすみ。』

まだ高校生が寝るには早い時間だか、ゲームをしたかったのでメールを早くきりげることにした。
ゲームに集中しようと思いコントローラーを握りなおした。




俺は星司と別れたあとある人に会う約束があるためフランクに来ていた。
今日いつの間にかポケットに手紙が入っていたのだ。
『今日の午後3時にあなたに話したいことがあるのでフランクで待っています。
 あなたのお友達についての話なので一人で来てください。

 P.S
 一人で来なかった場合はどうなっても知りませんよ。』

とワープロで書かれた文字は無機質で俺を不安にさせた。
いつもの俺ならこんな指示には従ったりはしないが、友達についての話なら別だ。
誰がどんな目的で俺に近づいたのかは知らないが、この話がもしも星司や禊に関わる話ならほっては置けない。
ましてや明確な脅しまで添付されているのだ。慎重にならざるを得ない。
「3時まであと少しか」
時計の針は2時50分を示している。
ちょうどその時、見知った顔がフランクに入ってきて俺の前に座った。
この時の彼女が俺たちの運命を大きく左右するなんて思いもよらなかった。