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717 :名無しさん@ピンキー [sage] :2008/02/26(火) 02:49:10 ID:Jzbh9Web
「はい、これバレンタインのプレゼント」
外からは運動部の喧噪が聞こえる。
「ありがとう、未樹」
教室には二人きりだ。
否。二人きりに見えた。
僕には分かる。今もその掃除用具入れの中から僕らを見てるんだろう?

「じゃあ私部活があるから」
「うん、また明日」
そう言って未樹と別れ、靴箱を開ける。
やっぱり入っていた。可愛らしく包装された包みが一つ。
僕は気付かなかったかのようにそれを下に落とし、今取り出した革靴で踏みつけた。
後ろに隠れてるあいつにちゃんと見えるように。
そうだもっと壊れろ、そうじゃなきゃおもしろくない。
僕は必死に笑いを堪えながら帰路に付いた。


718 :名無しさん@ピンキー [sage] :2008/02/26(火) 02:50:13 ID:Jzbh9Web
翌日。
「今日は一緒に帰れるんだろう?未樹」
「それが、2組のひとに屋上に来るように言われてて・・」
・・ちょろいな。
「じゃあ、教室で待ってるよ」
そうは言ったがその通りにするはずも無く僕は屋上の扉の前にいた。
間もなくして未樹の悲鳴が聞こえてきた。
そろそろか、そう思って僕は勢い良く扉を開ける。

見ると暗い目をしたあいつがナイフで未樹に切りかかろうとしていた。
「止めろォ!」
迫真の演技で叫び間に入って未樹をかばう。
僕の顔を見たあいつはまるでこの世の物では無い物を見るような顔をして驚いていた。
「君、2組の長坂さんだよな」
表情を変えぬままうめき声を漏らすだけ。
「僕らには二度と近づかないでくれ。行こう、未樹」
そう言って屋上から退出しながら僕は今までにない爽快感を感じていた。

背後からはごめんなさい、とか、でも名前を知ってて貰えた、とかそんな譫言がいつまでも聞こえていた。