70 :シュガースポット:2012/11/06(火) 19:17:13 ID:lg1fzlPU 私の身体には、沢山の醜い痕がある。

その痕は、私の恋人がつけたものだ。

今流行りの世間で言うDVだと思う。

世間ではそういうかもしれない。
だけど私の場合はDVなんかじゃない。

彼は言ってくれた。
『お前を愛しているから』と。
これは、暴力なんかじゃない、愛の印なのだ。

だから私は幸せだ。

彼に殴られる度に、蹴られる度に、私の身体という身体中に濃く、大きな斑点ができる。

その痕を見る度に、私は彼に愛されているのだと認識させてくれる。

だけど、彼は私を裏切った。

その発覚は意外な物でわかった。

大学内で知り合った友人の身体に、蒼い痣を見つけた。

どうしたのか、と聞くと、溜まりに溜まったものが爆発したのか、全て私に打ち明けてくれた。

──彼氏が、暴力を振るうの──

その一言で、私はハッとなった。
一体誰にやられたのか、そう詰問すると、友人はあっさりと口を割った。

私の、彼氏の名前だった。



私は、友人を殺した。
無惨な姿になるまで、何度も何度も、包丁を突き刺した。

彼女には、私と同じように、沢山の愛が詰まっていた。

──許さない。

彼の愛を受けるのは私だけでいい。
彼の愛をつけてもらえるのは私以外にいらない。

彼に、言わないといけないな。

あなたを愛しているのは私だけだと。
最終更新:2012年11月08日 18:36