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73 :雌豚のにおい@774人目:2012/11/07(水) 19:12:07 ID:2AUfnu6Q 第2話

・・・くっ!
ダン!
私はイライラしている。つい、テーブルをたたいてしまった。
あいつは二重の勘違いをしている。半分は私のせいだけど、もう半分はあいつ自身が勝手に勘違いしたことだ。
私はあいつのことが好きだ。間違っても原先輩なんか好きじゃない。
なのに、あいつは、私は原先輩が好きで、あいつはただの友達としてしか見ていないって思っている。そんなことはない。あり得ない。

私があいつと初めて出会ったのは高1の時。同じクラスだった。その時の私は自分で言うのもなんだけど可愛かった。スタイルは別に良くなかったけど、顔は可愛かったと断言できる。だから、当然のように男が寄ってくる。中学の時もそうだった。先輩・同級生。果ては、近所に住む大学生の男からも告白された。私は中学生になったばかりで、恋愛にとても興味があったから、大学生の男と付き合うことにした。顔はかっこ良かった。それに優しかった。だから、私は頻繁にデートをした。気付けば彼のことがだんだん好きになっていって、覚えたばかりの甘い恋愛の味に酔いしれていた。でも、付きあってから1か月。デートの帰りに無理やり犯されそうになった。
その日の帰り、いい雰囲気になったから、人気のない展望台に彼を誘った。そこでキスをしようと私は思っていた。でも、展望台に着いて、彼に背伸びをしてキスをしたら、彼は狂った。彼は私の腕を鷲掴みにして、身動きをとれなくして、私の服を脱がそうとしてきた。私は必死に抵抗した。やめて、正気に返ってって叫んだ。でも、彼は聞く耳を持たなかった。「そっちから誘っておいてやめても何もないだろ」とでも言わんばかりの態度で私を羽交い締めにした。もうだめだって諦めたとき、人が通りかかって止めてくれたおかげで、私は貞操を守ることはできた。彼はその後に我に返ったように「ごめん」だの「もうしないよ」だの何度も謝って来た。都合のいい男だ。さっきまでは私がいくら頼んでも襲うことをやめなかったくせに。私はあの時まで彼のことが大好きだった。
でも、その時は彼には嫌悪しか感じなかった。私は土下座していた彼の頭を思い切り蹴っ飛ばした。うずくまる彼の腹に一発蹴りを入れて、そして別れた。

そんなことがあったから、私は男が嫌いになった。私は男と接しなかった分をスポーツにぶつけた。いわゆる昇華だ。ソフトボールを始めて、練習にのめりこんだ。その甲斐あってか女子からの評判は良くなった。だけど、男と話そうとはしないから周りの男の私に対する評価は、根暗スポーツ少女だった。

74 :雌豚のにおい@774人目:2012/11/07(水) 19:13:20 ID:2AUfnu6Q それでよかった。女の子とだけ仲良くしていればそれでよかった。
でも、意識してみると明らかに、男どもは私の体をじろじろと見ていた。
根暗スポーツ少女とかいいながら、陰では私の体をじろじろと見ている。・・・気持ち悪い。
だからあの時から、高校に入ってあいつと出会うまでは男と全く接しなかった。
高校入学してすぐ。あいつは私と隣の席だった。あいつはとにかくよくしゃべった。男の子、女の子関係なく。友達もとても多そうだった。でも、私にとってははっきり言って邪魔な存在でしかなかった。隣だから、当然あいつは私に何度も話しかけてきた。男が嫌いだということは普段の私を見ればすぐに分かるのに。私は何度も冷たく突っぱねた。そうすればあいつはもう話しかけてこないだろうって。でも、あいつは突っぱねようが、無視しようが話しかけてくるのをやめない。だから、私はある日あいつに聞いた。
「なんで、私に何度も話しかけるの?私が珍しいから?根暗スポーツ少女が珍しいから?」
今思えば意地の悪い質問だったと思う。でも、彼は一つも動揺しないで、
「隣の席に座っているからだよ。それ以外に理由なんてあるわけないだろう。米沢は考えすぎなんだよ。友達になりたいから話しかけていたんだ。」
って答えてくれた。
「ば、馬鹿じゃないの?あんた?」
私はつい、そっけない返事をしてしまったけど。本当はとっても嬉しかった。いつも、いつも男たちは、私に下心をもって話しかけてくる。でも、あいつは違った。どこまでも純粋な、友達になりたいからという理由で話しかけてきていた。あいつにたくさんの友達がいる理由が分かる気がした。あいつは優しい。下心のない優しさをあいつは持っている。その日から、私はあいつと少しずつだけど喋るようになった。最初こそぎこちない会話だったけど、だんだん慣れてきて、あいつと冗談を言って笑い合える関係になったころにはすっかり私は変わっていた。クラスの男子とも積極的に話すようになった。男たちのみんながみんな私の嫌いな部類の人間ではないのだと、あいつが示してくれたからだ。
気付けば、クラスの中心人物になっていた。忘れかけていた、人と接する楽しさ。あいつと話しているときは、偽りのない会話をすることができた。それはとっても居心地がよくて、離れたくないほど魅力的だった。気付いたら、私はあいつのことが好きになっていた。もう一生男なんか好きになるものかと誓った。けど、あいつは私にいろいろな人と接する喜びと楽しさを思い出させてくれた。あいつは、男を好きになることも思い出させてくれたんだ。だから、彼には本当に感謝している。一生かけても返しきれないほどの恩を私は背負っている。だから、私は彼に添い遂げなければいけない。一生をかけて彼に恩返しをしていかなくちゃいけないんだ。決して面倒なことでも、煩わしいことでもない。
私にとってはそれこそが生きがい。
あいつと恋人になって、結婚して、一生よき妻としてあいつを支えていきたい。

75 :雌豚のにおい@774人目:2012/11/07(水) 19:14:15 ID:2AUfnu6Q だけど、あいつは私のことが好きなのかどうか分からなかった。私にとって彼は最愛の人。でも、彼にとっての私ってどうなんだろう?あいつにとって私はただの親友なんじゃないのだろうか?そう思うと私は不安で押しつぶされそうになった。日に日に増大していくあいつへの愛と比例するように不安の度合いも増大していった。
そしてある時私は賭けに出た。あいつは本当に私のことが好きなのかどうか、それを確かめるために手近な原先輩と付き合ってあいつの出方をうかがうことにしたんだ。
もしあいつが私のことを好きでいてくれているのなら何かしらの反応を見せてくれるはず。
・・・そう、例えば嫉妬とか。
あいつが私のことで嫉妬をしてくれる・・・。
それは何よりも甘美ですばらしいことだと思った。でも、あいつは何の反応も見せてくれはしなかった。今まで通り気の置けない親友というある意味で居心地のいい関係が続いていた。だから、私は次の手に原先輩のことが好きな女の子をけしかけて原先輩に接触させた。案の定気を良くした原先輩はその女の子に手を出し始めた。私は原先輩にキスさえも許していなかったから、きっと欲求不満だったんだろう。私がけしかけなくても勝手に浮気をしてくれたかもしれない。とにかく、この事実を利用してあいつの出方をうかがった。でも、あいつはやはり嫉妬の感情一つ見せなかった。あいつはあくまでも原先輩が私の彼氏で自分は一友人にすぎないのだという態度を貫いた。
さっきのアドバイスは正によき親友としての助言にすぎない。
私はあいつとの関係を友情だけで終わらせたくない。私はあいつの愛情がほしい。


「くっ!!」
ダンッ!!!

まだ、だめだ。あいつにもっと私の気持ちを知ってもらわないといけない。
その為にはもっとあいつに積極的にアピールしなくては。
今までは気恥ずかしい上、原先輩と仮にも付き合っている手前、あいつと遊ぶことに躊躇い気味だった。でも、今はそんなこと言っていられる時じゃない。はやくしないとあいつがあの女に取られてしまう。
あいつの隣の座を虎視眈々と狙う女。
私が大好きなあいつを横取りしようとする泥棒猫。
こうしてはいられない。あいつを追わなくちゃ。これからあいつが行く先は大体分かっている。
・・・いっそあの女を殺してしまえれば、こんなに焦る必要はないのに。