273 名前:もしもヤンデレが恋人のペットに嫉妬したら[sage] 投稿日:2014/08/28(木) 01:49:47.50 ID:iP1owHW4 [2/3]
目の前の光景は、信じられないものだった。
誰が想像できただろうか。
我が愛しのリッキー(シマリス・♂)が殺されているなんて。
そして殺したのが俺の彼女、村田さとみであるなんて。

あまりにも唐突な展開に、色々なことが頭の中を駆け巡る。

「……これは……どういうことなんだ!?」
「ああ、コレのこと?」

そう言ってさとみは、リッキーの死体を乱暴に投げ捨てた。

「だって、一誠が悪いんだよ? 私という彼女がいるのに、私のことを見てくれないんだから」
「だから殺しちゃった。一誠を私だけのものにする為にね♪」

「一誠がコイツのことを可愛がっていた時、私はとっても寂しかったんだよ。
 一誠がコイツのことを撫でていた時、私はとっても羨ましかったんだよ。
 一誠がコイツのことを心配して私なんか眼中に無かった時は、目の前が真っ暗になったんだよ。
 ……私は一誠にあんなに可愛がってもらったことなんて無かったのにッ!!」

イかれてる……完全にブッ飛んでやがる!
いくら嫉妬していたとしても、恋人のペットを殺すか普通?
そもそも彼氏のペットに嫉妬するとかあり得ないだろ!
ふざけやがって……大切な家族の一員を殺しやがって……!

「だからって殺すことは無いだろ……っ!?」

俺は怒りをぶちまけようとした途端、さとみは目にも止まらぬ速さで俺を押し倒してた。
すぐに振り払おうとするが、女とは思えないほどの力強さで押さえつけられる。

「大丈夫だよ。あんな畜生のことなんか考えられないくらいに私が愛してあげるから」
「私は一誠の為なら何でもしてあげるよ。嫌な奴がいれば始末してあげるし、どんなプレイだって喜んでしてあげるよ」
「一誠のこと、ありとあらゆる脅威から守ってあげるからね」
「一誠のことが好き。大好き。愛してる。ううん、どんな言葉で表現していいか分からないくらいかけがえのない存在なの」
「だから私だけを見て、ね?」

吸い込まれそうになるくらいに真っ黒な瞳で俺を見つめながら、凍りつくような笑みを浮かべている。
そんなさとみの顔を見た途端、俺は全てを諦めた。
どうやら俺は、一生彼女に飼われる立場になってしまったようだ……。



リッキー……こんな飼い主で申し訳ない……。
最終更新:2014年09月20日 19:15