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924 名前:タイムマシン第2話 「一夜を越えて」[sage] 投稿日:2015/05/17(日) 19:06:28 ID:pYiaR1yQ [2/4]

「じゃあ行ってくるわ、留守よろしく」

「あい、行ってらっしゃい」

「いってらっしゃーい」

夕飯のカレーそそくさと食べた母さんはいつものように仕事へ向かった。

いつもすまんな母さん、感謝してるよ

「お父さんはそのまま休んでて!私お皿洗ってくるよ!」

「いやぁそのくらい自分でやるよ、いつもやってるし」

「いいからいいからぁ。未来では皿洗いは私がやってたんだからねっ」

と言われ無理やり自分の部屋に押し込められた。

部屋に入るとパスワード入力画面のまま止まってるパソコンが目に入った。

そういえばまだパソコンやってなかったっけ

0815と生年月日まんまの役割ほぼなしのパスワードを入力し起動を待つ

普段この待ち時間に着替えをするけど、もう普段着を着てるためスマホを手に取り待つことにした。

スマホのロック画面を解除して目に入るのはLINEのアイコンの右上についている数字が147になっていることだった。

これは決して俺が友達が多くてこんなにメッセージが多いとか、よく喋るグループLINEに属してるとかそういうことじゃない。

たった一人の人物から送られてくるものだ。

あまり長い間既読つけないと、ブロックしてるかとヒステリックになるので147と数字のついてる人物、「山口 佳奈」のトークを開くことにした。

その途端、

『あ、こんばんわ!』

と148番目のメッセージが書き込まれた。

こいつはずっと俺とのトークを開いているか、既読をつけたらいつも即時反応するんだよなぁ

『こん』

といつも通りの返信をした。

そしてメッセージの数々を見てみる

『今日はケーキ作ってみたよ!』

とか

『宿題やった~??』

など他愛もないメッセージの数々だった。

こいつほんと暇人だな。

山口 佳奈。同じ幼稚園、同じ小学校、同じ中学校、そして現在において同じ高校に通う、まさに『幼馴染み』という関係だ。

中学生の頃、初めて幼馴染みモノの小説を読んだとき、当時は少し厨二病も患ってことから誰かが俺と佳奈の行動を監視してるのか、とアホな妄想していた。

そんなことはなかったと最初に気付いたのは、幼馴染みの男女は幼い頃に結婚の約束をするというお約束を知った時だった。

小さい頃の記憶をひねり出してもそんな約束した覚えはなく、その時初めて監視なんてされていないと知ったのだ。

思えば佳奈はずっと遊んでいる仲だな

幼稚園のころは一緒に外で遊び、小学生の頃はお互いの家でテレビゲームをして、中学生になると俺はネットゲームにハマったけどまさか佳奈までハマるとは思わなかったな。

全部が全部ではないがよく趣味が合うんだよなぁ

横目でちらとパソコンを見ると起動が終わっており、キーボードとマウスに手を伸ばそうとしたが、

「ねむい」

強烈な睡魔がその行く手を阻んだ。

なんだこれ、眠すぎる

ちらと今度はベッドを横目で見ると、まるで桃源郷のようにみえてしまう。

「だめだ、寝よう」

睡魔との対決はあっさりと、睡魔の圧勝で終わりベッドを倒れこんだ。

『ねむい、寝るわ乙』と一言、LINEにメッセージを書き込み、目を閉じた。

(…あっ、そういえば)

この家にいるもう一人の人物のことを思い浮かべたときには、その意識はプッツリと切れてしまった。

925 名前:タイムマシン第2話 「一夜を越えて」[sage] 投稿日:2015/05/17(日) 19:08:11 ID:pYiaR1yQ [3/4]
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まさか、成功するなんて思ってもみなかった。

確かにあの女は大嫌いだが、研究者としては一目おいていた。

しかしタイムマシンなんて本当に作れるなんて信じていなかった。

あの時、人生に絶望してたあの時、藁をもすがる思いでタイムマシンを使った。そして成功した。

また、お父さんに会えた。転送先がお風呂で良かった。嬉しくて泣いてるのがお風呂の水でバレなかったから。お父さんに心配かけたくなかったから。

そして今、未来から持ってきた荷物の一つの錠剤が入ってるビンを眺めていた。そのラベルには「睡眠薬」と書かれていた。

「ふふっ、ごめんね。お父さん」

錠剤を砕いて父さんのカレーにこっそり混ぜたのだ。

「そろそろ寝た頃かなー」

ビンをポケットにしまいお父さんの部屋のドアをゆっくり開ける。

そこにはだらしない格好で寝ているお父さんとその右手にはスマートフォンが握られていた。

「ごめんねーお父さん、ちょっと携帯借りるよぉ~」

お父さんの右手からスマートフォンを抜き取り画面をつける。

そこでパスワード要求された。

「えーっと、0、8、1、5っと。あはは、お父さんパスワード変えたほうがいいよ。…変えられたら困るけどね」

ロック解除された画面を見るとそこには、憎たらしいあの女の名前があった。

気がついたら私はミシミシとスマートフォンを軋ませていた。

「落ち着いて私。この時代はまだこいつとお父さんは結ばれていないんだ」

そう「まだ」結ばれていない。私は未来を知っている。未来を変えられる。

なんだってやってやる。あんな未来が訪れないためなら。なんだって。

娘として愛し愛され、そして女として愛し愛される。私が望む未来はただこれのみ。

「待っててね、お父さん。必ずお父さんを幸せにしてみせる」

そう言って私は寝ているお父さんと唇を重ねる。

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チュンチュンといった、スズメの鳴き声がなんとなく聞こえてきた。

ゆっくりと目を開けるとすっかり日の出を終えた朝だった。

「今は…6時か。えぇと、昨日寝る前何してたっけ」

佳奈のライン開いて、その間にパソコンつけて…

あぁそれで眠くなって寝たんだ。

「そうだ、あの子は!?」

未来からやってきた自称俺の娘。だけど確かに本当に娘って証拠はないよな。

もし、泥棒で念入りに計画を立てていたとしたら…

「他人を放ったらかしに寝るとかどうかしてるよな、ほんと」

嫌な予感が当たらないように祈りながらリビングへ向かった。

そこには出勤帰りの母親と朝食の支度している優佳が立っていた。

その光景で色々察した。

「おはよ、優哉」

「あぁおかえり、母さん」

「おはよう!お父さん!」

優佳は俺に気づくと眩しすぎるくらいの笑顔で挨拶してきた。

「あんたさ、この子放ったらかしにして寝たんだって?」

うっ、いきなり鋭いとこつきますな母上殿

「いやぁ、急に眠くなっちゃって、あはは」

「女の子を放ったらかしに寝るような男に育てた覚えないんだけど」

「いや!いいんですよ!おばあちゃん!私はソファでも十分寝れましたし!」

「あなたが良くても私は良くないね!仮にも自分の孫なんだから、孫をぞんざいに扱われたら怒るわよ!」

おい、普段は息子の俺をぞんざいに扱ってるくせに…。

「んーでも、孫ってのもしっくりこないなぁ。年齢的に娘かな。うんそうしよう。優佳ちゃん、これからは私のことはお母さんって呼びなさい」

「お母さん」の単語に優佳はピクリと反応した。そういえば、優佳が娘なら俺の嫁さんは誰なんだろう。

「あはは、お母さんちょっと複雑なので夏子さんでいいですか?」

「いいよいいよ、でも。次おばあちゃんなんて言ったらその無駄なおっぱいちぎるからね」

「はい、ふふ」

あーなんか打ち解けちゃってるよ

「朝食できたから皆で食べよ!お父さんも座って!」

「あ、ああ」

優佳に勧められ椅子に座ろうとしたその時

ーーーーーーピンポーン

チャイムが家に鳴り響いた。