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531 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2008/05/22(木) 19:39:26 ID:PgPjpBDj
君の涙が乾くまで~西田義孝⑨

それから数時間が経った、俺の頭部に埋め込まれたナビシステムによって
自分の位置を把握した俺は、隣県のQOS基地から徒歩で学園の旧校舎に向かった。
そして久々に、旧校舎の扉を開けた。
埃っぽかったはずの空気はまるで新築住宅に入ったかのように全く感じられず、床は
綺麗に舗装され、内部はワックスでぴかぴかに輝いていた。
そう、まるで新築の住宅のように。
俺はおそるおそる彼女の部屋の扉を開ける、その先にはいつもの見慣れた教室を改装した
部屋は無く、綺麗なキッチンがあり、きちんと両手を生やした彼女はエプロンをつけて、鼻歌
を歌いながらおたまを持ち、おいしそうな料理を作っていた。
「ただいま義孝、ご飯にする、それともお風呂にする?…それとも、もしかして僕が良いのかい?
もう、義孝はエッチだなあ」
俺のほうを振り向くと嬉々とした声で、さやかは僕に告げた。
「さやか…」
俺は彼女を見てそう呟くと、その体を思い切り抱きしめた。
「ごめんな、ごめんなさやか、お前にあんな事をさせるまで追い詰めて
本当にゴメンな!!」
「ううん、いいんだ義孝…僕は君がいてくれれば…そう、僕の望みは最初
から、君とずっと一緒にいることだったんだから…もう、ずーっと放さないで
よ、僕らはずっといっしょだよ」
「ああ…でもその前に一つだけやっておかなきゃいけないことがあるんだ」
俺はそう告げるとさやかを抱いた両手を離し、その体を一瞬にして変身させた。
「上条のことは許せても、お前が悪の総統として世界を巻き込んで、多くの人々を殺して
その血を流させた事を俺は許せない。全ての罪は俺が背負う、だから…さやか、俺はお前
を倒す!!」
彼女はそれを見越していた、といわんばかりに俺に笑顔を見せた。
「やっぱり君はそっちを選んだのかい、うん、まあ仕方の無いことだけど、僕はとっても
悲しいなあ」
さやかはそう言うと、俺と同じように手を交差させて変身ポーズをとった。
彼女の体は一瞬で白い光に包まれ、俺と同系統と思われるバッタ型の怪人に変化した。
「すごいだろ?僕だって変身出来る様になったんだよ?」
彼女は笑顔でそう言うが、その姿から受ける威圧感は半端なものではなかった。
「お仕置きが必要だね、義孝。僕は君と愛し合いたいから一緒に戦ったし、それに世界を
取って、LYSも乗っ取って、君を人間の体に戻す方法も、僕の腕を再生させる技術も発明した
って言うのに…僕の気持ちをわかってくれないなんて…そう、彼氏彼女はたまに喧嘩をするらしい
からね、これはきっと愛情表現なんだよ」
わけのわからないことを言う彼女にガトリングショットを向ける、そして引き金を引いた。
それと同時にすぱり!と小気味良い音がした、よくみれば俺の腕は彼女の握った剣によって
ガトリングショットごと切り落とされていた。
「義孝の…ばかああ!!!このわからず屋あ!!」
駄々っ子のように子供っぽく言う彼女は一気に俺の間合いに入り込み、顎を付かんで俺を
持ち上げると、凄まじい怪力で俺の腕を引きちぎり、その両足を剣で切り落とした。
「ぎぃやあああああああああああ!!!!!」
のどの奥から上げるだけの悲鳴を上げた、体中の穴という穴から体液が噴出した気がした。
そんな俺を見た彼女は変身を解いた、その瞳は涙に濡れていた。
「ごめんね義孝…本当は僕もこんな事をするのは嫌なんだ、でも、すぐに治してあげるからね。
そうしたら、もうずーっとはなれないように僕と一緒にいようね…うふふ、ずーっと、ずーっと
ね…」
彼女は俺の首根っこをつかんでずるずると引きずった。
俺は…いや、僕は恐怖した、その彼女の笑顔は完全に狂った人間の顔だった。
愛ゆえに狂ってしまった彼女は完全に壊れてしまったのだろう。そして、先ほどのことで
完全に僕に心を壊されたのだろう。
もう逃げられない、これが僕が受けるべき罰の始まりだった。



532 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2008/05/22(木) 19:40:28 ID:PgPjpBDj
君の涙が乾くまで~西田義孝⑨

もう、日数なんてとうの昔に忘れていた。
僕は彼女に捕まり、それから彼女の発明した、僕自身を人間の体に戻す手術を受けさせられ、手足を再

生させないまま、僕はただの人間の体に戻された。
彼女もまた手術を受けて人間の体に戻り、そしてそれから僕は生活の全て、食事から排泄にいたるまで

の全てを、まるで動物のように彼女に支配された。
抵抗すれば脳に直接体を刻み込む痛みの電気信号を送られ、従えば褒章として彼女の性欲処理に付き合

わされた。
彼女はまるで僕の母親のように、慈愛にみちた愛を注いだ、そしてその表情で逆らう僕に容赦なく拷問

を加えた。
もう僕は、彼女に従い服従するしか生きる道が残されていなかった、いや、たとえ舌をかんで死んだと

しても彼女はまた僕を生き返らせて、その体を延々とむさぼるのだろう。
もう二回、僕は舌をかんだが、そのたびに僕は蘇生された。
ある日、彼女は言った。
「義孝、喜んでくれ。ついに君の子を妊娠したんだ、もう僕と君は一心同体、本物の夫婦になれたんだ

…手足も戻してあげるからね、もう、離れちゃダメだよ」
彼女は僕の頭を撫でる、僕は頷いた。
そう、もう僕たちは永遠に離れられないのだ…。
「そう、もう永遠に、ね…」



533 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2008/05/22(木) 19:42:05 ID:PgPjpBDj
君の涙が乾くまで~ラストエピソード

桃井さやかが呟くと同時に、西田義孝は寝かされていたソファの上から飛び起きた。
「…うわあああ!!!…ここは」
彼は自分の手と足を確認した、そこにそれは存在していた。ついで辺りを見回すが
そこは自分が改造される前…足繁く通った、何の変哲も無いさやかの住まいである元教室だった。
時間が気になった彼は壁に打ち付けられた時計に目を通す、時計の針は夜の八時を刺していた。
「おはよう、義孝…良い夢は、見れたはず無いよねえ」
彼の体がびくんと震える、視線の先にノートを持ったさやかが立っていたからだ。
「僕の物語はどうだった…少し怖かっただろうけど、良い夢だっただろう?」
「ゆ…め…?」
たった今まで恐怖の対象だったはずである彼女のその言葉に、彼は歯をがちがちと鳴らし
ながら何とか声を絞り出した。
冷や汗が止まらない、体の全身がさやかを拒絶、いや、恐怖している。
「最近僕が研究した催眠誘導薬を使わせてもらったんだ…君で実験したのは悪かったと
思ったけど、僕が読み上げた通りに進行した僕特製のヒーローショーはどうだった?」
「ひ、ひいい!!!」
さやかが彼に近づくと同時、彼は体を丸めて祖父赤ら転げ落ち、床にうずくまった。
「でも実際に物語を進めてみて驚いたよ…僕はシナゴーグの正体を設定してはいなかった
のに、君は上条さんに配役を決めて…最後のほうなんて、僕に倒されて勝手に僕の奴隷に
なっちゃうんだから、意外にマゾなんだね、今度はそっちのプレイも楽しんでみようか?」
にやりと笑った彼女が、彼に近づいていく。
「いやだあ!怖いい!こないでえ!!」
今までの物語が全て書かれた大学ノートを投げ捨てると、彼女は楽しそうに歩を進める、彼は
うずくまって懇願した。
「大丈夫…あれは夢の世界での出来事だ、そして結果的に僕を殺そうとしたのは少し悲しかった
けど、君は僕への愛を貫いた最後を選んでくれた…だから僕は君を殺したりはしないよ、怒りもし
ない、安心して、安心して僕に笑顔を見せてくれて良いんだ」
彼は何が何なのか全くわからなかったが、恐怖の対象が自分の側に迫ってくる事に
本能的に生命の危機を感じておびえた。
「うわあああ!!!うわあ!!!うわあああああ!!!こないで、ゆるしてえぇぇ!!!」
一歩一歩彼に近づいた彼女は、絶叫して許しを請う彼を優しく抱きしめた。
「大丈夫、僕は君を愛しているだけなんだ…だから、もう誰にも君を渡したくないんだ…」
その言葉と同時に、ぷちんと音を立てて彼の理性が消し飛んだ。
「あ…あははははは…うれしいや、ぼく、うれしいや…こくはく、されちゃった…」
そういうと彼は失禁しながら、壊れた笑顔を浮かべた。
彼女はそれでもなおいとおしそうに彼を抱きしめる。
「うん、君はやっぱり笑っているのが一番可愛いね、愛してるよ義孝…もう、ずっと
ここで暮らそう」
「うん…ぼくもさやかのことが、だーいすきだよ…」
壊れた笑顔を浮かべた彼の頭を抱きしめると、彼女は彼にキスをした。
くちゆくちゅと音を立てて無抵抗の彼の口腔をむさぼりながら、彼女は神様に感謝した。
有難う神様、僕のお願いをかなえてくれて、これでもう彼は僕しか見えないはずです
僕はこれからずっと彼の側にいて、彼と一緒に生きていきます。
「ぷは…もう、離れないからね、義孝…君の涙が乾くまで、ずーっと」
抱き合った二人は幸せそうだった、その姿はまるで最高の恋人同士のように見えた。

END