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551 :ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] :2006/11/25(土) 21:40:34 ID:dWlM3zuU
それからというもの俺の生活の大半は美奈との生活だった。
親父が調べてきてくれてわかりやすく書き直してくれた資料をもとに
俺は必死に美奈を育てた。
食事、風呂、排便、夜泣きの対処。
たかが五歳の子供が何故こんなにも育児を続けられたのか?
やはり全ては親父への尊敬からだった。
親父のようにかっこいい男なりたい。その一心で俺は動いていた。

さすがに俺が小学校に入学すると昼過ぎまでは美奈の世話は出来なくなった。
そこで親父と俺は美奈を日中は家の近くの保育園に預けることにした。


552 :ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] :2006/11/25(土) 21:42:04 ID:dWlM3zuU
美奈は見知らぬ場所に置いてかれると思ったのだろうか。
俺が美奈を保育園に預け、学校に行こうとするといつも泣き叫んだ。
俺の服を掴んで離さない美奈をなだめるのには毎朝手をやかされた。
3時頃に迎えに行くと美奈は待ってましたと言わんばかりに抱き着いてくる。
そんな美奈を俺は、親父のような男になるための道程の一つとしての存在ではなく
妹として、素直に可愛いと感じた。
また、美奈の兄として、美奈を絶対に幸せにしようと思い始めたのはこの頃だろう。
美奈と会話が成立するようになってからはその思いは一層強くなった。


553 :ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] :2006/11/25(土) 21:43:24 ID:dWlM3zuU
「兄さん!オセロやろ!オセロ!」
「兄さん、兄さん!今日のご飯は?」
「お風呂入ろ!兄さん!」
「見て見て!ね、これ、すごいでしょ!」
美奈が居た。
苦労したかいがあったと思う程に美奈は俺に懐いてくれた。
美奈はいつも俺の隣に居たがり、俺と遊びたがった。
「兄さん…今日も学校?」
だから美奈が"学校"という単語に不快感を示すのは俺が美奈の側に居なくなるからかなぁ
と、その時は自惚れだと思っていた考えを抱いたものだ。

そして、美奈が成長するにつれて親父の帰りは少しずつ遅くなった。