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671 :箸が転んでも人類滅亡な年頃 [sage] :2008/06/29(日) 16:54:04 ID:FO2YGx25
今日も今日とて学校を終え恋人の樹林夜美(キバヤシ ヨルミ)と一緒に下校していた。
「今日は何事もなく1日終わりそうでよかったな」
「平穏に日常が過ぎていくっていいことよね。
 このまま留(トマル)と一緒に何十年も平穏に生きていきたいわ」
実は何かあるときには結構な確立で夜美が大事にしているので
どことなく複雑な気もしないでもないが、
惚れた相手にこんなうれしいことを言われては俺が上機嫌になるのも仕方ないだろう。
「うれしいこと言ってくれるじゃないの、それじゃ・・・あ」
なんとも唐突に夜美がくれた俺の靴の紐が切れたではないか!
何か嫌な予感がすると思ったら案の定隣にはブツブツ喋っている恋人の姿が
「留にあげた靴の紐が切れちゃった・・・私があげた靴は白と赤をメインに使ったスニーカー、
 スニーカーには大抵の種類で白い色は使われているからここでは除外する。
 その紐が切れた、紐も糸も同じ細長く何かをまとめるものとして同一視してもいいでしょう。
 つまり残った単語は赤と糸、つまりこれは赤い糸とも言い換えられるはず!」
あぁやっぱりいつもの無駄な頭の回転を利用したとんでも思考が展開されていってる。
はたから聞いてると辻褄があってないどころか無視したような理論だが本人はいたってまじめだ。
「赤い糸といえば『運命の赤い糸』。誰と誰のものかは考えるまでもなく私と留ね。
 つまりこれは私たちを妬み引き裂こうとする全人類の邪悪な意思の表れだったのよ!!」
またいつものように突飛な発想で全人類の敵にされてしまった。
夜美は基本的には非の打ち所のない人間なんだがよくこういうことがあるのが珠に傷だな。


672 :箸が転んでも人類滅亡な年頃 [sage] :2008/06/29(日) 16:54:45 ID:FO2YGx25
「今は兆候だけにとどまっている邪悪な意思も成長を続ければ
 きっと実害をもって私たちに牙を剥いてくるはず!」
「で、でも本当にそんな意思が現実に何かできるなんて思えません! 
 靴の紐が切れたのだって何かの偶然かもしれないじゃないですか!」
いつの間にか夜美の取り巻きになっている後輩の田中さんが話に加わっていた。
ノストラダムスではないがこれから面倒ごとになるのは俺でも予言できる。
「確かに実際に物を壊したりなどの干渉はできないかも知れない。でも聞いたことはない?
 焼けた鉄棒だと信じ込ませて鉛筆を握らせたら本当にやけどをしたという催眠術の話を!」
「あ、あー! まさか!」
「そう! プラシーボ効果よ! 病は気からという言葉もあるように想いや心構えには
 実際に体に異変をもたらすほどの力がある。
 ならこの邪悪な意思も何らかの悪影響をもたらす力があってもおかしくはない」
「そんな! じゃあ樹林さんと留くんはどうなっちゃうんですか!?」
「ちょっと待って! さっき樹林は『全人類の邪悪な意思』って言ってた。
 それが本当ならその妬みは2人だけに害を及ぼすだけでなくなるとは思えないわ!」
次々に夜美の友人たちが集まりどんどんと話が大きくなっていく。
こうなってはもう誰にも収拾をつけることはできないだろう。
正直もう無視して帰りたいがここで無視をするとあとで縛られた上で問い詰められるので帰れない。
「そうなるでしょうね。きっと私たちに何かが起こったら次はほかの誰かを、
 それも終わったらさらに次と続いていきそして最後には・・・人類は滅亡する!」
「「「なんだってーーーー!!!」」」ΩΩΩ
なんだってー!が出てきたからそろそろ終わるかな?と思いつついつでも動けるように準備をする。


673 :箸が転んでも人類滅亡な年頃 [sage] :2008/06/29(日) 16:55:35 ID:FO2YGx25
「でもただそんな意思があるだけでは靴の紐を切るなんて干渉はできないはず。
 どこかにその意思を手伝っている人がいるかもしれないわ」
「そういえば・・・担任のキタヤマ先生が最近催眠術にはまってるっていってたわね」
「たしかキタヤマ先生はバツイチ・・・年頃のカップルへの嫉妬心に意思が付け入ったのかも」
「とりあえず手がかりとして会ってみる価値はありそうね。学校の職員室まで戻るわよ!」
やっぱりばかげた行動を起こしそうになったのでいつものごとく夜美を後ろから抱きしめた。
「留!? 人前でいきなり抱きつくなんてどうしたの?」
「留先輩はいつも私たちと先輩が話してるといきなり抱きついてますよね。
 情熱的な留先輩に愛されててうらやましいです」
聞き様によっては俺を狙っているかのような発言をした田中さんを凄い形相でにらみ続ける夜美。
ここでどうにかしないと行方不明にされてしまいそうな彼女のためになんとしても宥めなければ
「夜美が凄く感情を込めて他の男のところに行きそうだったからついね」
「そんなつもりじゃなかったの! 愛してるのは留だけだから!!」
「わかってるからさっさと家に帰ろうねーっと。そういうわけで3人ともさようなら」
さっさと一方的に別れの挨拶をして両腕で拘束したまま夜美を連れて行く。
これからどうやって宥めるかも考える途中にふと思いついた
『俺が宥めるのをやめたり別れを告げたりした時こそ本当に人類滅亡のときかもしれない』
という考えもこの行動的過ぎるところや頭の回転の速さを利用した誇大被害妄想を鑑みると
あながち間違ってもいないかもしれない。