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401 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 23:55:17 ID:yvPtJ3hG

「先輩、お腹の具合はどうですか?」
「だからたいしてすいてないよ」
「いえ、トイレの方です」
「…………」
 沈黙する。
 沈黙せざるを得ない。
 沈黙し続けていたかった。
 思い出したくないことを思い出してしまい軽く鬱になる。そんな状況ではないとわかっては
いても、これで鬱にならなかったら男じゃない。
 おかしいとは思ったんだ。
 たしかに地下にトイレはあるけれど――繋がれている状況で出来るはずもないってことに。
深く考えなかったのは、出てくる結論が恐ろしかったからだ。
 そんな僕を見下ろして、神無士乃はにやりと笑った。
 邪悪そのものの笑みだった。
「先輩、ほしいなら今すぐ尿瓶をですね」
「僕にはもう尿瓶が死瓶としか思えないんだがな……頼む神無士乃、せめてトイレくらい自分
でいかせてくれ」
 本気でそう云うが、神無士乃は笑ったまま「駄目ですよー。そしたら先輩逃げますもん」と
首を振った。
 泣きたくなる。
 病気でも怪我でもないのに、半ば強制的に大も小も世話をされてしまった。その際のことは
――できれば思い出したくない。永遠に忘れていたかった。ある意味、監禁された事実よりも
酷いかもしれない。
 男としてというか、人間としてかなり致命傷だった。
「初めての味はどうでしたか?」
「そういうことを言うな! そういう風に言うな!」
 喉も痛いのについ怒鳴り返してしまう。神無士乃は僕を見下してくすくすと笑うばかりだっ
た。
 本気で泣きそうだった。
 いっそ死んでしまいたい。
 死ぬわけには――いかないけれど。
 
402 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 23:55:52 ID:yvPtJ3hG

「いえ。先輩が逃げないなら、トイレにいってもいいんです。でも、今はまだ駄目です」
「いつになったらいいんだよ……」
 疲れ、呟く僕に対し。
 神無士乃は――しゃがみ込み、間近から僕の瞳を覗き込んで言った。
 真剣極まりない、顔だった。
 
「先輩が――私だけを見てくれるようになったらです」
 
「…………」
 神無士乃の顔は、笑っている。
 けれど。
 目は、笑っていない。
 実直に見つめてくる目は、微塵もぶれていない。笑うこともなく、こちらの裏側まで、すべ
てすかそうとするような目つきだった。
 頭の中を探られる。
 心の中を探られる。
 神無士乃に、飲み込まれそうになる。
「そのために、わざわざこんなところに先輩にいてもらってるんですから」
「どういう……ことだよ」
 疑問を投げる。
 疑問を感じていたわけではない。神無士乃が何を言いたいのか、理解している。理解してい
ても、それは憶測だ。理解しているつもりになっているだけかもしれない。
 はっきりと、神無士乃自身の口から、聞きたかった。
 神無士乃が――僕をここに監禁した理由を。
 笑みを止めることなく、視線を逸らすことなく、神無士乃は言葉を続ける。
「私は、先輩のことが好きです」
「…………」
「ちゃんと告白するつもりでした。でも、告白できなくて、ずっとずっと黙っていました。先
輩の中には特別なヒトがいて、私のことなんて、見てもいなかったから」
 明確な告白に沈黙する僕に、神無士乃は熱っぽい言葉を続けた。声に嘘はない。からかう色
もない。本気の、本音の、愛の言葉。
 どこの誰かのように――実直な、愛の言葉だった。
「いつから、だよ」
「ずっとずっと前からですよ。でも、先輩気付かなかったでしょ? 私が先輩のこと好きだっ
て。だって、先輩は――」
 言葉を、区切って。
 神無士乃はごくりと、唾を呑み込んだ。
 何かを覚悟するかのように間を置いて――神無士乃は、隠すことなく、告げる。
 
「――お姉さんが、好きだったから」
 
 真実を。
「……冗談だろ」
 韜晦するために肩を竦めてみるも、神無士乃の表情は、微塵も変わらなかった。
「冗談みたいな話ですね。でも、誰にとっても、冗談にはならなかったんです。先輩はお姉さ
んのことが好きで――お姉さん以外は、何一つ見ていませんでした」
「…………」
「長い付き合いなんです。それくらい、ちゃんと気付いてますよ」
 あはは、と神無士乃は笑う。
 作り物のような笑いだった。
 
403 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 23:57:20 ID:yvPtJ3hG

「二人で一つ、みたいでした。先輩はお姉さんの一部で、お姉さんは先輩の一部でした。離し
てしまえば、欠けてしまって元には戻らない――外から見た先輩とお姉さんって、そんな感じ
でした。だから、私、先輩がお姉さんのこと好きなら、それはそれでいいって思ってたんです」
「……どうして?」
 どうして。
 なにが、どうしてなのか。深く考えることなく、僕は疑問符を投げていた。言ってから、そ
の言葉の意味を考える。
 神無士乃は、僕のことを好きだといった。恐らくは遠い昔、まだ二人が小学校に通っていた
頃からだろう。
 なのに、告白はしなかった。
 姉さんのことを好きだという僕を、好きでいた。二人の仲を引き裂こうとも考えなかった。
 それは――どうなんだろう。
 嫉妬を、感じなかったというのか。
 修羅場に、至らなかったというのか。
 こんな監禁までするほどの愛情なら、強引にアタックしてもおかしくはない。それは異常で
もなんでもなく、恋愛沙汰においてはありふれた事柄だ。神無士乃の行動性なら、やってもお
かしくはない。
 なぜ。
 なぜそうしなかったのか。
 その理由を、神無士乃は微笑みと共に、僕に告げる。
 
「同一視しているなら、それは――恋愛じゃ、ないですからね」
 
 瞬間――
「――ッ!!」
 鎖で繋がれていることも、身体中が痛いのも、この場で主導権を握るのが神無士乃であるこ
とも、全て忘れて――僕は神無士乃へと殴りかかっていた。殴りかかっただけで、殴れたはず
もない。無理矢理に腕を振おうとしたせいで、肩が外れてしまいそうになる。
 それでも。
 肩が外れても、骨が折れてでも、神無士乃を殴りつけなければ、気がすまなかった。
 がちゃりがちゃりと鎖が鳴る。力ずくでも外そうと手手足を動かすも、緩む気配はなく、鎖
が肌に食い込むばかりだった。皮膚を鎖が抉る感触がする。
 それでも、止まらない。
 止まれない。
「神無士乃、お前――!」
 激昂する僕に対し、神無士乃は微塵も揺らがなかった。むしろ、感情を露わにする僕を、嬉
しそうに見ている。
 その目が、余計に気に喰わない。
 僕の全てを理解していますよと、そういわんばかりの瞳が、気に喰わなかった。
 
404 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 23:59:10 ID:yvPtJ3hG

「やっぱり先輩は激情のヒトですね」
 そう言って、神無士乃は立ち上がる。手に持ったランタンを、離れた棚の上に置く。遠く小
さな明かりだけが、室内を頼りなく照らし出していた。
「……お褒めの言葉と思っていいのかそれ」
 冷静さを取り戻し――あるいは、取り戻した振りをして――僕が言うと、神無士乃は「褒め
てません。貶してもませんけど。先輩の知ってる、ただの事実です」と笑った。
 見透かしたような態度が、気に喰わない。
 さび付いていた心が動き出す。神無士乃に対する対抗心にしがみつく。
 闘志を失ってはいけない。
 目的を失ってはいけない。
 屈服しては、いけない。
 ――でも。
 心の中で、誰かが囁く。
 ――何のために?
 心の中の誰かは、そう囁くのだ。折れてしまえば楽になれる、と。姉がいなくなった今――
強情を張る理由など、何一つもないのだと。
 その声を唆すように、神無士乃は、言葉を続けた。
「先輩とお姉さんは一つで、でも、欠けてしまいました。ゆっくりと、変わっていったんです
。私がそこに入るだけの隙間が、ゆっくりと、ゆっくりと出来てました。このままいけば、半
年もたたずに私は先輩に告白して――先輩は間違いなく、頷いたはずです」
 神無士乃の言葉を、頭の中で想像してみる。
 姉さんを失い、惑っていた僕。
 復讐に燃えていた僕。
 けれど――復讐が終われば?
 そこには姉さんはいない。生きる目的もない。
 抜け殻のようだ。
 あいた殻に、するりと滑り込むことは――ずっと側にいた神無士乃ならば、容易いだろう。
「――でも」
 そうは、ならなかった。
 その理由は、ただの一つだ。
 
「私より先に――突然現れて、先輩を奪っていったヒトが、いたんですね」
 
 神無士乃が行動を起こすよりも早く。
 横合いから突如現れて、全てを奪っていた女がいる。
 復讐と、恋愛と。
 その両方を兼ねた、姉さんとはまったく違う、姉さんと同じ位置に立つクラスメイト。
 物騒な鋏を持った、愉快な奴。
 どこか、忘れられない――心の片隅に、深く、その名前は刻み込まれてしまった。
 
 如月更紗――マッド・ハンター。
 
 狂気倶楽部の、古株。
 

405 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 00:02:29 ID:fdjXPTJy

「如月更紗。恐ろしいヒトですね。私がずっと待ってたのに、横から奪っていっちゃいました」
「……なんで」
 その言葉に。
 ふと、疑問が沸いた。
「なんで、お前がその名前を知ってるんだ?」
 神無士乃に、如月更紗のことを話した覚えはない。いや、それ以前に――神無士乃と如月更
紗は面識すらないはずだ。あの日の朝のニアミスも、結局何事もなく終わったわけだし――
 そんな僕の疑問に、神無士乃は首を横に振った。
「先輩のことならなんでもお見通しですよ」
「そうなのか……」
「盗聴器って便利ですよね」
「それはただの犯罪だ!」
 この女いつの間に――いや、機会はいつでもあったのか。神無士乃は幼馴染で、僕の家に来
たこともあるのだから。拒む理由もなかったし、部屋にあがらせたこともある。いつだって仕
掛けることはできただろう。
 あの朝の豹変は、演技か。
 全て知ってて――だからこそ、部屋まであがってきたのか。その上で『夕方に遊びにいこう』
と先に僕へ釘を刺したんだろう。如月更紗に先んじるために。如月更紗の方を、僕の心が向か
ないように。
 誤算があるとすれば、その約束を完全に無視して、昼から家に帰った僕の行動か。
 神無士乃の約束を、大切だと思っていなかった。
 神無士乃に、興味はなかったから。
「…………」
 今更にして思う。
 僕を好きだと言ってくれた神無士乃。
 ずっと好きでいてくれた神無士乃。
 その思いに――きっと、僕は少しも応えてこなかったのだろう。
 興味がないと、はっきりと、思っていたのだから。
 今でも、そう思ってしまう。
 神無士乃に対して、興味はない。
 けれど。
 けれど、如月更紗に対しては――――
「立ち居地を奪っただけじゃなくて、あのヒト、狂気倶楽部って立ち居地も利用して――先輩
の心まで、ずっとお姉さんにだけ向いていた先輩の心まで、奪いかけています。
 先輩。あの女に対して、興味がないって、言えますか」
「…………」
 僕は、答えない。
 答えることができない。言うだけならただだ。嘘をついても何のデメリットもない。
 嘘をつくということは、自分の中で認めるということだ。
 僕は――まだ。
 ことここにいたっても、如月更紗に対して、どう思うべきか、決めかねている。
 姉さんの復讐のために如月更紗を利用しているのか。
 如月更紗を利用している振りをして、彼女の側にいるのか。
 僕を守るために、あの夜、立ちはだかった如月更紗。
 あいつに対して――興味がないと、嘘でも本当でも、言えるはずがない。
 それをどう取ったのか、神無士乃は「ね?」と小首を傾げた。ウサギの耳みたいな髪の毛が
横に揺れる。
 
406 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 00:03:30 ID:fdjXPTJy

「だから、こうして先輩をここに連れてきたんです。これ以上、あの女に奪われないように。
 先輩が――私だけを見てくれるなら。
 あの人を、見なくなったら。
 鎖も外して、ここから一緒に出ましょう。一緒に出て、一緒に暮らしましょう。そのときに
は先輩は、私のこと、好きになっていますから」
「…………」
 神無士乃は笑っている。
 本気で――笑っている。
 吐き出された言葉は、どこまでも、本心だった。
「……手段としては、有効だな」
 かすれた声で呟く。自分のことでなければ、神無士乃に拍手を送りたいくらいだった。
 如月更紗が電撃的に現れたように。
 形勢不利と見た瞬間、神無士乃はこんな手段にでた。それはきっと、どこまでも正しかった
のだろう。あのまま行けば――どちらにせよ、神無士乃との繋がりは断たれていたはずだ。
 姉さんと如月更紗の間を揺れ動きながら、僕は引き返すことは、なかったはずだ。
 それを、無理矢理に繋ぎ止めた。
 鎖で繋いで。
 地下に閉じ込めて。
 どこにも、行かないように。
「お願いです先輩。私だけを、見てください」
 言って、神無士乃が体を寄せてくる。
 二日間、続けてきたように。
 今日もまた。
 神無士乃は、そっと、僕の肌に手で触れる。耳の裏から首筋にいたるまでの線を、小さな手
が、なぞっていく。
 赤い灯火の中、神無士乃は、妖艶に微笑み。
 
「見てくれないなら――見てくれるまで、続けるだけです」
 
 言葉と共に、神無士乃の体が触れた。自分の汗のにおいに混じって、神無士乃の匂いが鼻腔
を擽る。ウサギのように重力を無視した髪の毛が、顔の前で左右に揺れた。
 いつものように、股間に手を伸ばすことはしなかった。代わりに神無士乃は、いつも以上に
体を密着させてきた。
 大きな胸が、胸板に押し当てられる。鎖で手足を固定されているため、後ろに逃れることも
できない。神無士乃の重みを全て受け止める。二つの膨らみが、強く、強く押し付けられる。
 如月更紗のそれとは違う。
 神無士乃の、甘い匂い。
 発情したような――少女の匂いだ。
 それはきっと、自分も変わらないのだと思う。
 如月更紗の『行為』を――あきらかに、心待ちにしている自分がいた。
 
407 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 00:04:06 ID:fdjXPTJy

「先輩、冬継先輩……」
 名前を呼びながら、神無士乃がさらにもたれかかってくる。伸びたのは、手ではない。
 舌だ。
 二日間風呂に入れない体を、汗を拭いとるように、神無士乃の舌が首筋へと伸びてくる。
 ――ぞくりと。
 唾液交じりの、異色な感触が、首筋を走る。ぴちゃり、ぴちゃりと音を立てて、神無士乃の
舌が首を這う。
 動物の愛情行為みたいだと、思った。
「先輩の、匂いがしますね」
 愛撫が続く。首から上へと、頬を通って、耳を甘噛みされる。そのたびに体が撥ね、けれど
つながれた体は動くことができない。
 悶えることしか、赦されない。 
 舌が、動く。上へと昇った舌が、唾液を絡めながら下へと降りていく。唇の側を通り過ぎ、
再び首をなぞりながら、鎖骨の上に神無士乃が吸い付く。
 唇をつけて。
 ずぃ、と音を立てて、神無士乃が、鎖骨を吸った。
「…………ッ」
 声を押し殺す。鎖骨に思い切りキスマークをつけられる感触。神無士乃の両腕が、腰の周り
に置かれる。それでも触れてはこない。長い髪の毛が、唾液に濡れて敏感になった首の肌をく
すぐっていく。
 堪える。 
 堪えられそうに、なくなっても。
 今すぐに神無士乃の体を押し倒したくなっても――堪える。
 そうなれば、きっと、神無士乃の思う壺だ。
 こんな状況で、一度抱いてしまえば、我慢なんてできるはずもない。
 取り返しがつかなくなってしまう。
 それが分かっているからこそ、神無士乃は笑う。
「先輩、我慢なんてしなくていいんですよ。したって、無駄です」
 笑う吐息が肌をなで、それだけで反応してしまう。密着している神無士乃は、そのことが丸
分かりだっただろう。余計に笑みを深めて、神無士乃は舌を動かす作業へと戻った。
 シャツの前ボタンを全て外し、胸板を指先でなぞりながら神無士乃の体が落ちていく。細い
指が、その爪先が、肌に触れるぎりぎりのところを滑っていく。神無士乃の体が下にいったせ
いで、胸に押されるように挟まれた股間が大きくなっているのが自分でも分かる。
 それが分かっているのだろう。ぐりぐりと、胸を股間に押し付けながら、神無士乃はヘソの
周りを舐める。胸の感触が、一番敏感な箇所に直接伝わってくる。
「先輩、冬継先輩――」
 熱っぽい声。はぁ、はぁと漏れる吐息は、僕のものなのか神無士乃のものなのか。
 

408 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 00:04:55 ID:yvPtJ3hG
 
 ヘソから垂れた唾液が垂れていく。神無士乃の唾液と、散々焦らされた先走り液のせいで、
すでにズボンも下着も汚れている。服の上から股間を押し付けられた士乃の胸もまた、ランタ
ンの光を反射してぬるぬると輝く液体に汚れていく。
 直接は触れてこない。
 手で触ってもこない。
 あくまでも胸を押し付けるだけだ。狂いそうなほどにもどかしい感触。
 神無士乃は、笑う。
 笑ったまま、決して、『最後』まではやろうとしない。少し動き、少し離れ。それを繰り返す。
 遊ぶように。
 僕と遊ぶように。
 僕で遊ぶように。
 神無士乃は、笑っている。
「先輩、大好きですよ――」
 胸が離れ、神無士乃が体を起こす。彼女の服も、先走り液と唾液で汚れていた。対する僕は――考えたくもない。見るも無惨な様相をしているはずだ。
 今、自分がどんな顔をしているのかなんて、考えたくもなかった。
 それでも、神無士乃は笑っている。
 幸せになることを、疑っていない、笑みだった。

「――早く、先輩も私のこと、好きになってくださいね」

身を寄せて、神無士乃は僕の唇に、触れるだけのキスをした。
 

409 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 00:05:48 ID:fdjXPTJy
間があいてごめんなさい。
以上で十六話終了です。

410 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 00:15:13 ID:6Ve0Ku+n
>>396
397が言わないなら僕が言うさ。GJ!
自分の絵がCGになったところを見たらもう、わたくし涙が止まりません。

>>409
GJでありました。今回も楽しませて頂きました。次回も楽しみにしています。

ラフ絵詰め合わせ。
http://imepita.jp/20070219/855110
http://imepita.jp/20070219/856160
http://imepita.jp/20070219/856840

411 名前:396[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 01:35:22 ID:C++n1OoB
>>409
GJです。続きも楽しみにしております…!

調子に乗ってすみませんが、もう一枚、伊南屋氏の如月更紗に色を載せました。
http://deaikei.biz/up/up/4661.jpg.html (pass「sarasa」)
線画抽出が難しかったので、こちらでペン入れさせて頂きました。
里村春香の絵やその他で襟にラインが入っていたようなので、それも描いてあります。
勝手な行動で重ね重ね申し訳ない。ご容赦下さい…。

412 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 05:22:51 ID:x708gmE8
>>409
キテタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!GJ!
まさか既に盗聴済みだったとは……志乃、恐ろしい子!
そして読んでるこちらも息苦しくなりそうな監禁の描写に((( ;゚∀゚)))ガクブルハァハァ
>>410-411
絵師のお二方もGJ!

413 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 09:02:07 ID:29lsyB3V
いろいろとGJ。

しかし、一つだけ言わせてもらうなら……、
チェシャタソは長い髪をまとめて、シルクハットでうなじまで隠してるらしいです。

414 名前:I had love.Ⅰ[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 09:32:34 ID:cwHHHjY1
みなさんGJ!!

ヤンデレにできるかどうか不安だが初投下させて頂きます↓

≪I had love.≫

■■故に、すべてが終わる。
■故に、全手が墜ちる。
 
いつの頃からか、ある特定の『誰か』ではなく、全ての異性が同等の存在だと思っていた。
全ての異性が等価。
誰も彼もが等価。
そして、彼は醜く儚いヒトの業は平等に愛を持つことで赦されると信じていた。
 
415 名前:I had love.Ⅰ[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 09:33:20 ID:cwHHHjY1
「あー圭次、ご飯食べにいこー」
「悪い、今日は先約があるからパスだな」
夕食の誘いをかけに来たのは伊能〈いのう〉海七〈うみな〉。
俺よりふたつ年上 なのだが留年一回と浪人一年を経験して俺と同じ大学・学年に在籍している人物だ。
何故か現役で入った俺より遥かに成績はいいんだが、性格と姿形が…まあ、なんというか、<クールな天然のスレンダー>、みたいな感じの女性だ。
意味不明だって? 当たり前だ、二十年近く隣人やってても、理解なんかできないんだから…。ああ、やっぱ説明するだけ無駄だな。
「えーなんでー? バイト代入ったら食事奢ってくれるんじゃなかったっけー?」
「奢る約束をしたのはお前だし、その日付は明後日だろうが」
「あれーそうだっけ?」
「そうなんだ! 毎日俺に弁当作らせといてまだたかる気かよ…」
「そこは突いちゃイヤー、だよ。お姉さん困っちゃう」
「誰がお姉さんだ、誰が」
下ネタはヤメテクダサイ、周囲の視線が痛いから。
「むー。圭次よりもふたつも年上なんだぞ?」
と無表情でいじけた声をだす海七。
「だからな、その喋り方だと色々な誤解といらぬ羨望と、筋違いな要望が俺に集中するんだよ、やめてくれ。まだ、アッチの方がましだ」

「そうか、なら今日はここまでにしておこう」
いきなり低く落ち着いた声をだす海七。そうなのだ、コイツは実はオト…
「失礼だな」
「な、なんで分か……はい、スミマセン貴女様は紛れもなく女性です」
「よろしい」
…ふぅ。流石幼馴染み、何考えてるかまでバレるとはな。
「で、誰との予定だ? 私を刺し置いて誰が圭次とのディナーを楽しむのだろうな?」
「さ、刺しって…アクセントわざと変えるなよ。大体、俺はお前と付き合ってるわけでもないはずだが?」
「どうでもいいだろうそんなことは…。で?相手は誰、いや誰が相手なんだ?」
…どうでもいいって…え?…どっちも? ん~、やっぱ何を考えているのか全然さっぱり分からない。
「……分からない」
「なにがだ」
「お前の頭のな……あ、いや待ち合わせの相手だよ、今日匿名の手紙で呼び出された」
「ふむ、ではいつもの場所で待つ。話が終わるなり事が済むなりしたあとで来い」
「分かったよ、ならまた後でな」

海七と別れて、今朝方家のポストに投函されていた手紙を取り出す。
『はじめまして、いえ、会った事はありますが、恐らく貴方は私のことも覚えて
いないでしょうから。
実はひとつかふたつ申し上げたいことがありまして、できれば今日の午後、いつ
でもよろしいのでF棟第3講堂においでください。』
「……怪しい。絶対怪しいですよコレ」
と呟きながら歩き続ける俺がもっと怪しいですね、はい。
 
416 名前:I had love.Ⅰ[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 09:37:18 ID:cwHHHjY1
「貴方に愛されるのは実に簡単なことです」
「いや、愛は持つモノで、するモノじゃないぜ」
とっさに無駄に意味深な受け答えしか出来ないぐらいには、俺は動揺していた。
今この場を照らす光が果たして朝日だったか夕日だったか、もしかして月光だったか、と思考が飛びかけて、
そこへ追い討ち。
「私が貴方を嫌いになればよいのです」
 

「と、ここがF棟だな」
指定の場所であるF棟まで歩いてきて、何となく回りを見渡す。場所は伝えていないとはいえ海七に関しては俺を尾行していてもおかしくはない。
というか、二つも年上の癖して、さん付けしたり先輩呼ばわりするとキレ始めるような人間にまともな行動は期待するだけ無駄なのかもしれないが…。
第一、あいつは俺の恋人ではないし、あいつも恋愛感情を否定しているのに、何故俺の行動を監視するんだろうな? 
この前は、バイトしてる店で知り合った友達と食事してるところへ思わせぶりに乱入してくるし、毎日俺の最後の講義が終わると出入口で待っているし…。
恋愛感情があるなら悪質なストーカーといっても差し支えないような行動を繰り返しているのだ。ヤンデレ一歩手前? 
いやまあ、あいつなりの姉代わりとしての行動なのかもしれないのだが、あの<クールな表情と天然の物言い>か、<クールな表情とクールな物言い>で毎日追いつめられるとなんとも…。
「ま、いいか」
別に俺があいつ個人とつきあうわけじゃなし、あいつが俺とつきあいたがってるわけでもなし。これから会う相手に何を言われようと俺は揺るがないさ。
世は何事もなく、夜はまた月影のみ。
なんだそりゃってか? 悪いな、俺は時々自分でもよく分からないことを呟いちまうのさ。

F棟3階中央、逃亡を拒むように丁度建物の真ん真ん中に位置する第3講堂。
軽く息を吸って、吐く。
身長の倍ぐらい有る無駄にでかい引き戸を開け、目の前に、少女といって差し支えない容姿の女性が立っていることに気づいた。
彼女は一礼すると、こちらをしっかりと見て口を開く。

「貴方に愛されるのは実に簡単なことです」
「いや、愛は持つモノで、するモノじゃないぜ」
とっさに無駄に意味深な受け答えしか出来ないぐらいには、俺は動揺していた。
今この場を照らす光が果たして朝日だったか夕日だったか、もしかして月光だったか、と思考が飛びかけて、
そこへ追い討ち。
「私が貴方を嫌いになればよいのです」
 
 
時間が開くかもですが完結させたいです。  
 
417 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 12:22:41 ID:xihTAah0
んー、ちょっと投稿した戦巫女のネタで継続してみたい話ができたので、ちょっと書いてくるわ。
今週末までには投稿するように頑張るぜー

418 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 14:43:01 ID:jAjpCMbV
ガンガレ!

419 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 19:37:43 ID:d5rR2kul
>>409
私の気持ちがどんどん神無寄りになってきている…GJ!

>>410-411
お二方GJ!自分も少しでいいから絵上手くなりたかった…orz

>>416
ミステリアスな展開に期待w

>>417
続編本当に読めるとは!
楽しみにしています。

では、皆様からの選択で一番多かったBルートの続きを投下します。
 

420 名前:上書き6話後編 Bルート ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 19:39:45 ID:d5rR2kul
 俺は加奈と一瞬目を合わせ、そして…やはり本当の事を言おうと決心した。
 このまま嘘に嘘を重ねてもいつかは必ず崩れさる、それならいっそ今言ってしまうべきだ。
 それに何より、加奈に嘘をこれ以上つくのは苦しい。
 加奈が真っ直ぐ俺を想ってくれているのに、その想いを裏切るなんて俺には出来ない。
 まぁ当然未だに俺の首筋に蒼白く残っているキスマークの事は口が裂けても言えないが…。
 胸に手を当て、一旦咳払いをした後、俺は静かに加奈を見つめる。
 半分目の色を失いかけている少女を白昼夢から目覚めさせる為、俺ははっきりと耳に届くよう精一杯の努力をして声を張り上げる。
「加奈!最初にこれから言う事に嘘はない事を約束する!最後まで全部聞いてくれッ!」
 相変わらず俺の顔を下から覗き込むだけの加奈、表情に一切の変化はないが、それこそが了承のサインだと解釈して俺は続ける。
「時間に沿って話すと、まず加奈が女子トイレから出て行ったよな?あの後俺は”女子トイレ内で”一人になったんだよ…この意味分かるか?」
「…あっ!」
 数秒後に加奈は驚ろいた表情で手を口に当てる、”あの時”以来久しぶりに生気の通ったような反応に胸を撫で下ろす。
 そわそわしている加奈をよそに、一つ一つ俺自身も記憶を辿りながら淡々と言うべき事を整理していく。
「女子トイレで一人になった俺は一か八かで出て行ったんだが、ここで見事に島村…保健室で俺と一緒にいた奴と鉢合わせになっちまったんだ。変なとこだけは妙にツイてて運命を呪ったね」
 半分冗談な風に言って場の雰囲気を緩和しようとしたが加奈は笑わない、見事なまでのスベりっぷりに腰を抜かしそうになりながらも何とか冷静さを保つ。
 今は一瞬の気の緩みも命取りだ…一つ間違えれば全てが狂ってしまう、そんな気がした。
「そんな感じで島村に”女子トイレから出てきた変態”ってレッテルを貼られてしまった俺は、口止条件として今島村の半永久奴隷になっちまったって訳だ」
 これで良しッ!
 自分に二重はなまるを付けてやりたい位の出来だ、と思う。
 とりあえずどこにもおかしなところはなかったはずだ。
 作文を褒められた小学生のような気分に浸りながら、加奈の反応を待つ。
 俺はやるべき事はした、後は”人事を尽くして天命を待つ”って奴だ。
 頭の中で甘い未来像への願望を抱きながら加奈を見ると…加奈は当てた手を口に当てたまま小刻みに震えていた。
 まさか…と一瞬思ったが加奈は狂いかけてはいなかった、その証拠に加奈の目は人間らしく黒々と濡れて光っていた。
「加奈…泣いてるのか?」
 何故泣いているのか、俺には全く見当がつかなかった。
 その後の加奈の返答を聞いて、自分がどれだけ鈍いか思い知らされた。
「…それじゃあ…全部、全部あたしの…誠人くんがこんな事になったのは全部あたしの責任…!」
 後悔した…俺は加奈のこんなすぐにでも壊れてしまいそうな顔を見る為に一部始終を話した訳ではない。
 本当の事とはいえ、もっと言い方というものがあったはずだ。
 加奈を悲しませるなんて、俺は一番してはいけない事をしてしまった。
 本気で頭を抱えて思い切り叫びたくなる中、加奈が踵を返し走ろうとする。
 突然の出来事に戸惑いながらも、俺は片腕で加奈の肩を掴み動きを制止させる。
 小さな体が一生懸命前へ進もうとする姿はそれはそれで可愛いななんて不埒な事を考えながら加奈に問う。
「どこに行く気だよ?」
「離して誠人くん!」
 いつになく強きな加奈、理性の片鱗が見えるのでとりあえず正気なようだ。
「あたし、今から島村さんの家に行く!全部あたしが悪いんだって伝えるッ!」
「なっ!?」
 寸分の迷いもないその視線に一瞬圧倒されそうになるが、気を持ち直し加奈の体を反転させる。
 今日保健室でも同じ事をした…しかしあの時とは目的が違う。
 俺の言葉を聞かせる為に正面から向かい合う。
「やめてくれ加奈」
「何で!?このままじゃ誠人くんがあたしのせいで…!島村さんを説得して、誠人くんの誤解を解いて解放したいから…ッ!」
「加奈ッ!」

421 名前:上書き6話後編 Bルート ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 19:40:23 ID:d5rR2kul
 ビクリと体を震わせながらキョトンとする加奈。
 今日一番の大声に、発した俺も驚いた。
近くの民家に響く程の声に少々自粛しつつ、訴えるように加奈に言い掛ける。
「そんな事したら島村に加奈が俺にした事がバレてしまう、他人に”あの事”を知られてしまったら学校にいられるなんて保証は何処にもなくなっちまう!」
 加奈が学校に来れなくなる、加奈の青春を俺が奪う。
 そんな事許される訳がない。
 それは阻止しなければならない。
「でも…でもぉ…!」
 加奈の頬に伝い落ちる純潔の涙、それを左手で下から丁寧になぞり上げる。  止めどなく溢れる涙が加奈の目尻で輝いている。
 加奈はやはり加奈だ、俺の事を一番に想ってくれているのだろう…奇妙な確信がある。
 自分をここまで愛してくれる子は滅多にいないだろう。
 そんな少女の人生の一ページに汚い落書きなど絶対にさせない、その一心で続ける。
「俺は大丈夫だよ…自力で何とかしてみせる。だから加奈、”俺からのお願い”だ、学校をやめなければならなくない事に繋がるような事はしないでくれ…!」
 これが俺の今言える全て…そして、加奈に伝えるべき全て。
「そんな、ズルいよ!そんな言い方されたら断れないじゃん…!」
 泣きながら加奈は俺の胸に飛込んでくる。
 俺の胸元が加奈の溢れんばかりの想いの結晶によって美しく濡れていく。
 この涙は俺が出させた涙…でも、加奈の人生にこれ以上皹が入らなくて良かった。
 加奈、ごめんな…。
 俺は本当にズルいよ、自分の為に加奈に選択肢のない状況を与えて…。
 でも、これで良い…これで加奈が幸せになれるなら、俺はいくらでも憎まれ役を買ってやる。
 その決心を体言化するように、俺は加奈が泣き止むまでその小柄な体を抱き締め続けた。
 加奈の髪に顔を埋めながら加奈の匂いを体中で感じ取り、このまま時間を止めてしまいたかった…。
 陽が没し、俺たちを舞台上の主人公のように月光のスポットライトが照らした。

「誠人くん…」
「どうした加奈?」
 何分抱き合ったか分からない…加奈が泣き止むまで、死ぬまで待つ覚悟のあった俺にとっては一瞬のようにも思えた。  泣き止んだ加奈がまだ濡れている黒い眼差しを俺に浴びせてくる。
「今からあたしん家来て!」
 俺の左手を小さな両手で掴み、懇願する加奈。
 犬か何かの小動物が主人に甘えるような目…求愛行動のようにも見えた。
「…わかったよ…」
「ありがとう!」
 加奈の顔に光が射し込む。
 何でそんな事を言い出したのかは分からないが、俺と加奈の家は近い、別に時間帯を気にする必要はない。
 それに加奈を泣かせたんだ、出来る限りに最大の努力をしてその償いをしたい。
「早く行こ!」
 急かして俺の手を引く加奈に少しでも負担をかけないように、俺も加奈のスピードに合わせ歩いていった。
 
422 名前:上書き6話後編 Bルート ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 19:41:19 ID:d5rR2kul
「ただいまぁ!」
「お邪魔します」
 俺の声は加奈の声によってかき消された。
 慣れた感じで屈んで靴を揃えている加奈の姿を見て懐かしい気分になった。
 加奈の家に入るのは久しぶりだ。
 中学生までは結構来ていたが、高校生になって携帯を買ってもらってからはメールでの会話がほとんどだった。
 朝半開きのドアから覗く落ち着いた茶色を基調とした玄関を見る位だった。
 俺が靴を脱ごうとすると、近くから忙しい足音が聞こえてくる。
 玄関を真っ直ぐ行き突き当たりの壁から中肉中背の女性が現れた。
 地味なエプロンをつけているが、愛嬌のある顔が明るい印象を持たせるこの人は加奈の母親の君代さんだ。
 この人とは朝加奈の寝坊を共に呆れながら時々語り合ったりしているので遠慮がちな気持ちにはならない。
 世代を越えた友達という感じだ。
「加奈お帰り!あれ、誠人くんもどうしたんだい?」
 笑顔が似合う、口元が笑い釣り上がる感じが加奈に似ている、さすが親子だ。
「ちょっと加奈の部屋に寄ってくんです、すぐ済みますんで」
 「まぁまぁ」とわざとじゃなく大袈裟に口元に手を当てる、癖まで親譲りか。
「久しぶりなんだからゆっくりしていって。序でに晩飯も食べていくかい?」
「いやいや気を使わないで下さい。すぐ帰りますんで」
 ”すぐ”なのかは分からないが、この場を取り繕う為に言う。
 若干残念そうに見上げる君代さんを尻目に、俺は加奈の誘導で加奈の部屋へと行った。
 部屋まで行く途中は懐かしい居心地の良さに浸っていたが、加奈の部屋に行くと一気にそれを忘れてしまった。
「上がって」
 手招きされるままに部屋へ入ると、そこは加奈の匂いに満ちていた。
 加奈の匂いが俺の鼻から体全体へと染み込み、馴染んでいく。
 部屋の前でその余韻に浸っていると加奈が不思議そうにこちらを見てくるので慌てて足を踏み入れた。
 中には可愛いらしいぬいぐるみが幾つもあり、可愛らしい装飾が施されていた。
 俺の部屋より明らかに小物が多いはずなのに、床にはゴミ一つとてない。
 漫画本で雪崩が頻繁に発生する俺の部屋とは大違い…というより比べる事も失礼だな。
 帰ったら一度自分の部屋を整理しようと軽い決心をしつつ部屋の様相を目に焼き付ける。
 加奈がいつもここで生活してるのかと考えると微笑ましくなる。
 きっとパジャマ姿で机に突っ伏してるんだろうな、なんて色々想像の世界を膨らませる。
 そんな中、加奈が自分のベッドを指差す、水色の涼し気な感じのベッドを。
「誠人くん、座って」
 無言で頷き、加奈の隣に座ろうとするが、加奈は立ったままだ。
 変に思いつつ一人で寂しくベッドに座る。
「加奈は座らないの?」
「あたしはここに…」 そう言うと加奈はどこからともなく座布団を持ってきて、俺の前に置いてチョコンと座る。
 女の子らしい部屋には不釣り合いな、渋い感じの座布団だ。
 気を取られたがそれを振り払い、笑顔を向ける加奈に本題をかける。
「それで、何で俺を呼んだんだ?」
 俺は本題を切り出しただけだ、なのに加奈が急に頬を紅く染めた。
 頭から湯気でもたつんじゃないかと思う位、病的なまでに紅い。
「そ、それは…」
 手を擦り合わせ挙動不振な加奈、露骨にモジモジした様子に思わず近くでその顔を見たくなってしまう。
 しかし、近付いてきたのは顔ではなく、加奈の人差し指だった。
 小刻みに震えている、何をそんなに緊張してるのかと思った。
「……て」
「え?」
 ボソッと呟くように何かを言った加奈。
 相変わらず顔は真っ赤だ。
 何を言われたのか分からず、もう一度聞こうとした時、それより前に加奈が消え入りそうな小さな声で言った。
「…舐めて…」
「舐めて?」
 頭に疑問符がたつ俺。
 しかし、執拗にこちらに人差し指を突き付けてくる加奈を見て、”あの時”と同じ状況だと瞬時に理解した。
 決定的に違うのはその位置が逆転している事、さりげない加奈の優しさに感動しつつ、加奈に確認を取る。
「指…をか?」

423 名前:上書き6話後編 Bルート ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 19:42:07 ID:d5rR2kul
 返事の代わりに更に顔を赤らめた加奈。
 無言でうつ向く様は、本当に可愛かった。
「い…いいのか?」
 正直したいと思った。
 好きな子の指、舐めたいと思うのはおかしい感情じゃない…はず。
 うつ向いていた加奈が顔を上げる。
 突然視線が合いドキッとするが、お互いに離す事はしない、いや出来ない。
「いいの………大丈夫。誠人くんの口…記憶…あたしが”上書き”してあげるから…」
 ”上書き”…この言葉を聞くといつも恐怖を感じる。
 幼い頃から刷り込まれた狂気の宴…でも、今俺は満面の笑顔を向ける加奈を前に、その言葉に最高の心地良さを感じた。
 目でお互いの意思を確認し合い、一拍置いてから俺は生唾を飲み込んだ。
「じゃ、じゃあ…いくぞ?」
 頷く加奈を確認し、ようやく震えの収まった人差し指を、丁寧に口にくわえた。
「ひゃっ!」
「あっ!ごめん!」
 突然の加奈の悲鳴にすぐに口を離し顔を引っ込める。
 しかし罪悪感を俺が感じる間もなく、加奈が無理矢理指を俺の口に入れてきた。
「ごめん…今のは…驚いただけだから…続けて」
 …こんな色っぽい顔の加奈を俺は見た事がない。
 息荒げな加奈を見て、正直かなり興奮してる。
 彼女にこんな表情されたら男としては反応せずにはいられない。
「誠人くん、息荒い…顔が犯罪者だよ…」
 そう言って笑う加奈が愛しい。
 子供のままな加奈が可愛い。
 俺だけの加奈でいて欲しい。
 その証として、俺は口に含んだ加奈の指を優しく舌でなぞった。
「ま…こと…くんぁ…」
 口を押さえ細めた目で俺を見つめてくる…こんな幸せがあったなんて。
 俺が一回動かす度に漏れる声が俺の聴覚を支配する。
 目を閉じると頭には淫らな妄想がリアルに映し出されている。
 犯罪者というのもあながち嘘じゃないなと思った。
「加奈…」
 指を舐めながら彼女の名前を口ずさむ、このまま押し倒したい…本気でそう思った。
 自制心が加奈の声を聞く度崩れかける。
 衝動に駆られるままいこうとするのを必死に抑える。
「もう…いいかな」
 不意に加奈が指を引き抜く。
 その指は名残惜しそうに濡れていた…というのは俺の勝手な思い込みで、実際名残惜しかったのは俺の方だろう。
「これで”上書き”し終えたね」
 加奈の声が弾ける、俺はというと頭の片隅に僅かながら期待していた”その次”への未練を捨てきれずにいた。
 本当に男はどうしようもない生き物だな…自己嫌悪に陥る。
 でも、加奈の笑顔が俺にとっては何よりの宝だ。
 加奈が笑ってくれているのが一番だ。
 息を吐き、ベッドから立ち上がろうとする。
「加奈ありがとな。そんじゃ俺はこれで…」
「あっ、待って。やり残した事がまだっ!」
「ん、何?」
 俺が加奈に近付こうとした瞬間、俺の体―正確には首の辺り―が掴まれグイと引き寄せられ、瞬く間に加奈と唇が触れ合う。
 そして驚く暇もなく一瞬で離れる。
 本当に一瞬…しかし確かに触れ合った。
「これは、あたしからの謝罪とお礼!」
 ”謝罪とお礼”とは粋な事をしてくれる…一杯食わされたよ。
 はにかむ少女を見つめながら、俺は何とか抱き締めたい衝動を堪えた。
 加奈…本当に好きだよ…。
 
424 名前:上書き6話後編 Bルート ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 19:42:54 ID:d5rR2kul
 

――――――――――――――――――――
「はぁ…はぁ…誠人くんの匂い…」
 ベッドに顔を埋めながら、さっきまで誠人くんとしてた事を思い出して、息が荒くなる。
 まさか誠人くんに指を舐めさせる事になるなんて…おまけにキスまで…。
 別に初めてではないけど、”本気で”あたしからしたのは初めてだ。
 今思うと大胆な事の連続だったと思う。
 本当は…あの雰囲気なら”その先”もあると思っていたけど…。
 さすがにそこまではあたしも誠人くんもお互いに勇気がなかった。
 でもあたしと誠人くんの関係はそこらのセックスで繋がっているような汚い連中のそれとは訳が違う。
 お互いの気持ちが通じ合った時にこそすべきだ。
 いつかその時がきたら、誠人くんから…そんな甘美な妄想に浸る。

それにしても、あの島村という女は何て外道なんだろう…?
 誠人くんの弱味を握って、自分の奴隷にしようとするなんて。
 どうせ誠人くんとセックスしたいだけの女に決まっている…!
 正直殺してやりたかったが、今回の件に関してはあたしにも過失があった、それは認める。
 それに免じて今回だけは許そうと思う。
 しかし、二度とこんな間違いが起きないように、今からしなくては…。
 今すぐしなければ島村のような女がまた誠人くんを誘惑するかもしれない…。
 勿論誠人くんがあたしを裏切る訳ない事は今日確信したが、押しの弱い誠人くんが強引にというケースは十分考えられる。
 それで傷でも付けて汚そうものなら…!

大丈夫…大丈夫だよ誠人くん?
 誠人くんはあたしが絶対に守ってみせる。
 その為には何をしなければならないのか、気付かせてくれたあの島村に感謝はしない。
 さぁ、今すぐ取り掛からなくては、時間は待ってくれない。
 あたしは笑いながらベッドから起き上がり、”すべき事”を始めた…。

――――――――――――――――――――
 
 加奈の誤解も解けて、一件落着だ。
 昼休みから急に運気が低下していると思っていたが、それは加奈とのキスの為の伏線だったのかな、なんて都合の良い解釈をする。
「島村に付けられた”これ”も見られずに済んだしな」
 首筋に触れながら鏡で確かめる。
 軽く色褪せてきている、明日には消えているだろう。
 それで明日からは元通りの日常に戻る。
 俺は浮かれ気分で帰宅した。

明日何が起こるかなんて、俺はこの時想像だに出来なかった…。
 
425 名前:上書き6話後編 Bルート ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 19:45:35 ID:d5rR2kul
投下終了です。
そしてもうお分かりの通り、Bが本ルートへの扉でした。
つまりAとCは…その続きは明日以降に書きます。
とりあえず次に多かったCルートから書きますので。

後今回はかなりデレ描写多かったですが、
本ルートでもうこんな展開はないと思って頂いて結構ですのでw

426 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 20:12:48 ID:x708gmE8
本ルートキタ━━(゚∀゚)━━!!
Bを選択した俺としてはうれしい!
そして加奈タンの”すべき事”にガクブル&wktk

427 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 20:18:51 ID:jAjpCMbV
加奈のデレとヤンのギャップがイイ!
で、加奈のすべき事って(((;゚Д゚)))ガクブル

428 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 20:40:18 ID:x9rhX2mg
加奈のデレっぷりが最高っす!
そして誠人の弱味を握り肉体関係を強要しようとする女狐をどのようにして狩るかと思うと胸が高鳴ります
続き期待してます。頑張って下さい

429 名前:297 ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 20:57:21 ID:h6xuc5ZT
恒例のレスから。

>>385
ヤンデレの女王になるための英才教育ですが、何か?

>>386
SMには奔りません。というのも、かぁるたんはまだ力が弱いので快感を与えるまでの縛りが出来ないのです。
それよりももっとクールな方向に向かいます。
人の心理を読み、手玉に取るような。

>>398、msUmpMmFSs様
盗聴・・・いいなぁ。しかし展開の進展が鈍くなってるのが心配事。
あんまり引っ張ってると冬嗣君の股間より先に読者の股間が爆発するのではw
「はやくえちしーんみせるでつ。みせないと『きっさぐりむ』もやつでつ」
・・・と、うちのかぁるが申しておりました(え

>>410、伊南屋様
>>411
いい仕事しますなぁ。GJ!
オラも絵を描いてくれるようなSS職人になりたいでつorz

>>414
>>417
キタイシテイル。ガソバレ!

>>420、kNPkZ2h.ro様
キター!!Bが正解でしたか。
AやCは死亡エンドでつね、当然?
・・・けどBも死亡エンドのような希ガスw

では『おにだい』、とりあえず最後まで。

430 名前:297 ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 20:59:27 ID:h6xuc5ZT
※※※警告※※※

ここから先はロリハードエロが含まれます。
そういうのが苦手な方はアボーン機能を駆使するかスルーの方向でお願いします。

431 名前:おにいたん、だいすき!(9) ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 21:00:24 ID:h6xuc5ZT
真夜中、閉店前のファミリーレストラン。
薫は最初正面入り口から入ろうと思ったが、ちょっと考えて従業員用の入り口に回り込んだ。
インターホンを鳴らして出て来たのは、あのおにいたんと一緒にいた女。
「あら、どうしたの?こんな夜中に」
「あのね、おにいたんをよんでほちいの」
お前なんかに用はない、とは思ったが、そんなこと表情にも出すわけには行かない。
「うんわかったわ。ちょっと待ってて」
幸いにも女はすぐ耕治を呼んでくれた。出てきた耕治に薫は告げる。
「あのね。きょうね、パパいないの。だからね、ママが、おにいたんに、ごはんをいっちょにたべようって」
あのきれいな奥さんの手料理か・・・耕治は想像して、
「うん、いいよ。いっしょに行こうか」
「ちょっと、耕治!」
「なんだよ、あずさ」
「自分だけずるい!ねぇ、かおるちゃん?おねえちゃんも一緒に行って、いい?」
「おい、おまえ!ずうずうしいぞ!」

おまえなんかよんでない。おにいたんのいうとうりだ。

しかし、ここまでは想定済みだった薫はスカートのポケットから
携帯電話(もちろん子供向けの機械)を取り出すと自宅にかけた。
「まま、あのね。もうひとりおんなのひとがくるんだけど、いい?」
「いいわよ」
電話の向こう側にいるとき子は、そのあと小声で、
「例の子ね?」
「うん。づんび(準備)おねがいちまつ」
という短いやり取りのあと、携帯を切った。
「うん!おねえたんもきていいって!」
「ほんと?!やった!ご飯代浮いた!」
「ほんっと、ずうずうしい奴・・・」
「いいでつよ♪」
薫は答えた。
「では、つっぱつ(出発)でつ♪」

歩いて数分で薫たちの家に着いた。
玄関を開けるが中は真っ暗。
「あれ?どうしたのかな?」
「まさか、親父さんが帰ってきたんじゃ・・・」
「ままー!!」
靴も脱がずに家の中に駆け入る薫。二人は顔を見合わせたが意を決して中に入る。
靴を脱ぎ、玄関を上がって・・・
「やだ!ここ、濡れてるじゃない!」
「何で?って、うがぁぁぁ!!」

ばちぃ!ばちばちばちばち!

水面を走る青白い光。両足の腱を叩かれ、倒れる二人。
「な、なんだってんだよ?!」
「お待ちしておりました」
二人が声のほうに顔を向けると、そこには箒を持ったとき子の姿。
とき子は箒の柄の先を耕治の首筋に押し当てる。

ばちぃっ!

失神する耕治。
「ちょ、ちょっと、耕治?!」
「耕治さんにはちょっと休んでもらいますわ。あなたには、まだ起きてもらわないといけませんが」
その双眸に月色の輝きをともし、とき子は妖艶に微笑んだ。

432 名前:おにいたん、だいすき!(10) ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 21:01:31 ID:h6xuc5ZT
耕治は、股間の異常な感触で目が覚めた。
目を開けると、視界に飛び込んできたのは全裸で耕治の一物を口にくわえた薫。
「あ、おいいあん、おいあおえうあ?」
口をもごもごとさせながら薫がしゃべる。けど何言っているのかはわからない。
耕治は現在の自分の状況を確認する。服は一枚も着ていない。両手両足は大の字に縛られ、身動きが取れない。
その状態で耕治は薫のおもちゃになっていた。
「ぷはっ。おにいたん♪」
薫は一物から口を離す。
「おにいたんのおちんちんはおおきくてぱっくんするのがたいへんでつ」
「や、やめるんだ・・・やめようよ、薫ちゃん」
「おにいたんのおちんちんは、やめちゃいやだといってまつよ?」
そういうと薫は耕治の一物の裏筋をツツ、と舌先で舐め上げた。
「う、うぐっ!」
そして、再び口にくわえて丹念にしゃぶる。
「な、なぁ、薫ちゃん?」
「あえあいえうお(やめないでつよ)?」
「あずさは・・・あずさはどうしたんだ?」
そういえば一緒に来たはずのあずさの姿が見えないことに気がつき、薫に尋ねた。
ぷはっ。
再び一物から口を離すと、薫は近くのふすまに手をかけた。
「あづさおねえたんは、おにいたんより、『ふらむーん』のほうがいいらちいでつよ?」
「ふらむーん?」
フラムーンとは、小さな女の子に大人気の魔女っ娘モノのアニメのはずだが。

そして薫はふすまを開ける。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・」
「だめですよあずささん。しっかりご奉仕してくれないと」
「だってぇ、とき子さん、ばとんが、バトンが気持ちよくて・・・」
ぶぅんぶぅんぶぅんぶぅん・・・

ふすまの向こうでは、あずさが横になって顔の上に乗ったとき子の股間に顔をうずめていた。
股間からは明らかに異質な棒が生えている。
「って、あれ、フラムーンに出てくるバトン・・・!」
「あずさおねえたんはアレがだいつきになっちゃって、ちた(下)のくちからはなちてくれないでつ」
「こ、こうじぃ~、バトンが、ばとんがきもちいいのぉ~・・・」
バトンは微妙に振動をしているらしく、それがあずさに快感をもたらしてるみたいだ。
「や、やめろ!あずさを開放しろ!」
「かいほう?おにいたん?あづさおねえたんには、おにいたんみたいにちばって(縛って)なんかないでつよ?」
「な、なにぃ?!」
「最初は縛られてたんだけど、あまりに気持ちよくて、薫ちゃんのお股舐めたくなって・・・何故だかわかんないけど・・

・」
「おいっ!」
「ほどいたらおねえたんはやさしくしてくれたでつ」
再び舐めだした一物から口を離し、薫が答える。
「あとね、あづさおねえたんは、まえのおくちははぢめてでなかったでつ」
「男の人はまだよ・・・バイブとか、シャーペンとか、にんじんとかなら・・・」
「おまえなぁ」
「おちりは、まだでちたね。おにいたんのためでつか?」
「う、うん・・・」
「答えるなお前は!」
「もうおにいたんはげんかいみたいでつ。おねえたん?おちりにいれまつか?」
ぶっと噴出す耕治。
ギンギンに張り詰めた耕治の一物。口を離した薫があずさに問いかける。
その答えにあずさは、
「ううん・・・先に薫ちゃんと耕治がするところを見たいの」
「どわぁっ!」
「だって、薫ちゃん、あたしに見せたくて連れてきたんでしょ?」
「そうでつ♪」

433 名前:おにいたん、だいすき!(11) ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 21:02:29 ID:h6xuc5ZT
そう。そうだった。
耕治をあきらめさせるために、あずさの目の前で耕治とセックスをする。それが本来の目的だった。
しかしあずさが自分の想像以上の存在だったため、その必要がなくなったのである。
けどせっかくの機会。据え膳食わぬはなんとやら。
「では、いただきまつ」
薫はすでに耕治が目を覚ます前から自分の股間に手を当てて自分を慰めていた。
股間からは止め処もない雫が滴り落ち、いつでも受け入れられる用意が出来ていた。
薫は耕治の上に圧し掛かり、自分で串刺しになる形をとる。
ずぶ、ずぶ、ずぶぶぶぶ・・・
チンピラのときと同じく、薫の膣は短く、耕治の一物をすべて咥えるにはいたらなかった。
「おにいたん・・・おおきい・・・でんぶはいらないでつ・・・」
「薫ちゃんが・・・耕治を咥えてる・・・すごい・・・」
「ぐっ、ぐぅう・・・」
めり。めりめりめり。
そんな擬音が聞こえそうな状態。
「すごぅい・・・あんな小さいのに・・・はぁっ」
バトンを股間に咥えたまま、あずさはバトンの上の小さな突起を指で擦る。
「指じゃ・・・指じゃ足りないのぉぉぉぉぉ!!」
「はい♪」
絶叫したあずさに対し、ピンクローターを差し出すとき子。
「あ・・・ありがとうございます・・・」
「いい眺めでしょう?」
とき子の体にはあずさのバトンの2倍近い太さのバイブが刺さり、さらにアナルにまでバイブを入れている。
それでも足りずにローターをクリトリスに押し当てていた。
「はい・・・すごく・・・」

じゅり。じゅり。じゅり。じゅり。

屈伸運動の要領で出し入れをする薫。
膣内の熱さ。性感帯に的確に加わる強い圧力。耕治はもう限界だった。
「かおるちゃん!も、もうだめだ・・・」
「かぁるも、もうすごいところにいきとうでつ。なかでいっていいでつよ?」
「う、うお、うおおおおおおお!!」

ごぽぉっ!!ごぽごぽごぽ・・・

遂に耕治は薫の中で果てた。薫の股間からあふれる精液と愛液。
「うそぅ・・・耕治、薫ちゃんの中に、生で出しちゃった・・・いあぁぁぁぁぁ!!」
「娘が、娘が絶頂を迎えてるの、かえてるのぉぉぉぉ!」

ぶしゃぁぁぁぁ!!

耕治たちが果てると同時にあずさととき子も失禁して果てた。

434 名前:おにいたん、だいすき!(12) ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 21:03:01 ID:h6xuc5ZT
ずるり。
「はぁっはぁっはぁっ・・・」
「おにいたん、きもちよかったでつか?」
「手でなんかするより、はるかに・・・」
「まんぞくいただけて、こうえいでつ♪」
娼婦のような微笑を返すかおる。
「ねぇ、薫ちゃん・・・」
イった余韻で頭がふらふらになりながら、あずさは薫に尋ねた。
「次、お尻でしたいんだけど、耕治のあれ、使い物になる?」
「無理」
耕治の一物は薫に吸い取られ干からびていた。
「へえきでつよ♪」
うれしそうに言うと、薫はいつの間にか手にしていた何個もの球がついたよく曲がる棒を差し出した。
俗に言う「アナルバイブ」。
「これを、おにいたんのおちりにいれたら、あっというまに、おにいたんは、ふっかつでつよ?」
「ちちちちちょっとまて。そんなもん入らないって・・・」
「かぁるは、はいりまちたよ?」
「私も、入りましたよ?」
「あたしなんかいきなりアンタの一物なんだからね?」
3人の女性からそれぞれ違った返答が。
「い、いや、それ、痛そうだから・・・」
「最初は誰でも痛いものですよ?」
「とう(そう)でつ。とのうち、いたくなくなるでつ」
「あきらめて入れなさいよ!」
いつの間にか両足を縛った紐は緩められ、足はとき子とあずさに持ち上げられていた。
無防備になる耕治の菊門。
薫はアナルバイブにローションをたらした。ぬめって黒く輝くバイブ。
「おにいたんっ♪『かいつうちき』でつ♪」
そして侵入開始。
「え、や、やめやめやめ、おぉぉぉぉぉぉぉっ・・・!!」

~エピローグ~
その後。
『生ごみ』は車庫の地面に埋められた。車庫には業者が呼ばれ、コンクリで舗装。
公式にはチンピラは「行方不明」とされた。
耕治とあずさはもといたアパートを引き払い、薫の家に同居することにした。
食費を出す代わりにとき子には食事・洗濯をしてもらう。
家庭科全般が苦手な二人にとってこれほどありがたい話はなかった。
そして。
今日も山那家に嬌声が響き渡る。
ある日は耕治と薫が交わり、とき子とあずさはそれを見ながら自家発電。
またある日は耕治とあずさが交わって山那親子はレズプレイ。
ただれまくっているが、本人たちは満足のようである。
そして薫は今日も、おにいたんに串刺しにされながら思う。

おにいたん、だいすき!

---とりあえず終われ。

435 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 21:03:24 ID:Y1Fyx0bm
>>425
いやー、腐りかけた果実のような、甘く病んだ感じがなんともいいですな。
 
436 名前:297 ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/20(火) 21:06:12 ID:h6xuc5ZT
本来は(8)ぐらいで終わる予定だったんだけどなぁ・・・。
では皆様。これで私は一時名無しに戻ります。
そうですね。次のスレがたったぐらいに、コレでお会いしましょう。

次回:おにいたん、だいすき!Ⅱ~新店長でグランドオープン~
 
 
437 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 21:35:31 ID:2gK+k/NR
>>434
いやぁ、このただれっぷりがたまりませんなぁ。

あと、薫ちゃんは意外と独占欲は強くないんですな。

438 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 21:52:16 ID:P94PhCnH
たーだれったかーぞくだ くしざーしされてる よーじょー♪

439 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 21:52:47 ID:i2GT5mOn
おにいたんは怒涛の展開たな

440 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/20(火) 22:37:39 ID:1e7Kx+1o
>>425GJ!加奈のデレが素晴らしい&そしてこの先の展開に((;゚Д゚)ガクガクブルブル
>>436GJ!しかしまさか全員病むとは思わなかったw  

441 名前: ◆6PgigpU576 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 01:27:54 ID:kniQ3gHP
投下します。続きものになります。

>保管庫管理人さん
 同族元素 を 同族元素:同病相憐れむ に変更お願い致します。

442 名前:同族元素:回帰日蝕 ◆6PgigpU576 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 01:29:10 ID:kniQ3gHP
「ふぁぁぁぁ… おはよー夏月(なつき)」
「おはよう、兄さん。今出来るから座って」
「んー」
リビングに入るなり、大きな欠伸をして朝の挨拶をわたしにしてくれたのは、
大好きな双子の片割れで兄の陽太(ようた)。
まだ半分閉じかけた目で、ふらふらと定位置に座る兄さんはホント可愛い。
朝が弱い兄さんのこんな姿を見られるのは、妹であるわたしの特権だ。

「ごめんねー、夏月ぃ… 朝ご飯の仕度、全部任せっきりで」
高校生になって一ヶ月、学校のある日は毎日聞いている兄さんの謝罪。
寝惚け気味の兄さんの前によそったご飯を置きながら、わたしは頬を膨らませて怒ってる顔をする。
「もう! 気にしてないって言ってるでしょ? 兄さんは朝弱いんだから、いいの!」
そうは言っても、優しい兄さんは気にするんだろうな。

「うーん… じゃあ、今日の夕飯は僕が作るからさ」
「え!? ホント!?」
「ホントにホント。帰りに買い物して帰ろ。それまでにリクエスト決めておいて」
「うん! ありがと、兄さん!」
「お礼言うのは僕の方だってば。
 あ、夏月の美味しいご飯冷めちゃうよ、早く食べよう。いただきます!」
「いただきます」
嬉しい、嬉しい、嬉しい!!
もぐもぐと美味しそうにわたしの作った朝ご飯を食べてくれる兄さんを見ながら、
わたしは幸せに浸っていた。

「「行ってきます」」
誰も居ないけど、ちゃんと出掛けには一緒に挨拶をしてから学校に向かう。
今、父さんも母さんもこの家には居ない。父さんの転勤に母さんも付いていったからだ。
父さんの転勤が急に決まったのは、試験に受かって高校が決まった頃だった。
高校の事もあり、わたしと兄さんはここに残りたいと主張した。
はじめは母さんも残る予定だったけど、父さんの生活能力の無さから、
結局母さんも付いて行く事になり、そして今この家には、わたしと兄さんだけが残って、
二人で暮している。

学校まで片道約20分。あまり乗り物が得意じゃないわたしと兄さんは、いつも徒歩。
そして半分ほど歩いた所で、いつもの声が降ってきた。
「はよ、清水兄妹」
「おはよう、東尉(とうい)」
「おはよう、東尉君」
いつもの通り、気怠そうに無愛想な挨拶をして合流してきたのは、
前園東尉(まえぞの とうい)君。
小学校からの友達で同級生、兄さんとは親友という間柄だ。そして、

「東尉、毎朝言ってるけどさ、清水兄妹ってまとめて挨拶するのやめてようね」
「こっちも毎朝言ってるけど、いいじゃねぇかよ。お前ら兄妹じゃねぇか」
「当然兄妹だけどさ、挨拶は一人一人にちゃんとしないと」
「めんどくせー」
「東尉の無精者ー」
「陽太は口煩いー」

ここまでが日課になっている、兄さんと東尉君の軽快な軽口。

443 名前:同族元素:回帰日蝕 ◆6PgigpU576 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 01:29:49 ID:kniQ3gHP
「あ、東尉、今日の帰り夏月と買い物して帰るから、荷物持ちにくる?」
「何で俺が荷物持ちしなきゃなんねぇんだ。
 ラブラブ兄妹の邪魔はしませんので、お二人でどーぞ」
「東尉君、その口調、気持ち悪い」
「うっさい清水妹」
「それやめてってば。わたしには夏月っていう名前があるんですー」
「しょうがないよ夏月、東尉の頭じゃ憶えられないんだよ」
「お前らより俺の成績のが上だって事、忘れてねぇか?」
「「テスト前のノート、頼りにしてます!」」
「…はぁぁぁ、ちゃんと奢れよな」

こんな風に毎朝楽しく登校するのも、中学生の頃からずっと続いている。
みんな、兄さんと東尉君が親友だとは思えないと口を揃える。
兄さんとわたしは、茶色っぽい少しくせっ毛の髪がふわふわしてて目も大きく、子供っぽく見える。
対して東尉君はクオーターの所為か、髪も目も灰色っぽく顔つきも大人びいている。
その上身長だって180cmもあり、わたしより20cm近く、兄さんですら7cmも高いのだ。
更に無愛想で一匹狼、いつも穏やかな兄さんとは正反対。と、上げればキリが無い。
けれど兄さんと東尉君は、とっても仲が良い親友だ。
兄さんの親友だもの、無論わたしも東尉君とは仲が良い。

退屈な午前の授業中、今朝の兄さんの言葉を思い出しては頬が緩むのを止められない。
夕飯、何をリクエストしよう。
チャーハンがいいかなぁ… あ、冷ご飯がないからダメだ。
うーん… オムライス、ヤキソバもいいなぁ…
何て色々考えてるうちに、あっという間に午前の授業は全部終っていた。

お昼食べに行こう。と、席を立った所で、声を掛けられた。
「夏月! これからお昼だよね?」
「うん。どうかした、好乃(よしの)?」
声を掛けてきたのは、伊藤好乃(いとう よしの)。
同じクラスになって知り合った友達だ。

「ええっと… 夏月はお兄さんと前園君と食べてるんだよね?」
「うん、そうだけど?」
赤い顔をして、もじもじと言い淀んでいる好乃。もしかして…
「あ、あのさ、あたしも一緒に食べちゃダメかな?」
やっぱり。いつもの事に好乃には悟られない様、心の中で溜息を吐く。
「えと… とう、前園君ってちょっと気難しいっていうか、他の人連れてくと怒るの。
 えぇと… だから、ごめんね」
「そっか、ごめんね夏月。変な事言っちゃって、じゃ!」
明るく言ってたけど、がっかりしてるだろう好乃の後姿に、もう一度ごめんと謝った。

これまで何度もあった遣り取りだった。
あまりの押しの強さに、渋々連れていったクラスメイト。
その時、東尉君は不機嫌な顔になると、その場から居なくなってしまった。
クラスメイトには遠回しに責められるし、後で東尉君からも怒られた。
飯が不味くなるから、誰も連れてくるな。そいつと食いたいんならここには来るな、と。
東尉君はその外見から、とてもモテる。
しかし恋愛、女の子には興味がないらしい。というか、他人に興味がない。
だからこういうのは煩わしくてしょうがないんだろう、と兄さんが言っていた。
それからは、東尉君狙いの子達からいくら頼まれても、断り続けている。

444 名前:同族元素:回帰日蝕 ◆6PgigpU576 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 01:30:26 ID:kniQ3gHP
しかし折角高校に入って出来た友達である好乃の恋を応援してあげたい、そう思い
目の前でパンを齧る東尉君に、さり気なく尋ねてみる事にした。
「東尉君って、気になる子とかいる?」
「「………………」」
…あああああ、わたしの馬鹿! ストレート過ぎるよ!

兄さんと東尉君の手が止まって、凄い目でこっちを見て固まってる。
「えぇっと…」
どうしよう、変に誤解されちゃったら…
誤解って、何? されちゃったらって、誰に?

よく解らない自分の気持ちに、内心首を傾げ考え込んでいると、
いち早くフリーズが解けた東尉君が口を開いて、考えは中断されてしまった。
「悪いけど、夏月。お前は対象外だ」
「って、ちがーう! わたしの事じゃなくて…!」
ああもうっ! さり気なく聞くつもりだったのに!
これじゃあ、リサーチだってバレバレだよー。
それもこれも東尉君が真面目な顔で、馬鹿な事言うから…

そこまで黙って聞いていた兄さんが、向日葵のような眩しい笑顔をわたしに向けるから、
その不意打ちに胸が大きく高鳴った。
「なーんだ、よかった~。夏月が東尉の事、好きなのかと思ったよ」
「え?」

ええええ!? よかったって、兄さん、どういう事!?
まさか、それって、嫉妬、してくれ……

その瞬間、鼓動が早くなって、顔が熱くなった。

何これ? 嬉しい! 嬉しい! 嬉しい!
嬉しすぎるっ!!

「東尉が義弟になるのなんて、信じらんないからね」
「バカ。話が飛び過ぎだ。第一、俺と夏月がなん、て太陽が西から昇ってもありえない」

………何だ。喜んで損した………

喜んで?? わたし、何考えてるの…?
まさか… もしかして… わたし、兄さんが………

「夏月?」
「え!?」
考え込んで黙ってしまったわたしを、心配そうに覗き込んだ兄さんの顔が近くて、
納まった動悸がまた激しくなるのが解る。
「急に黙り込んじゃってどうかした? もしかして、ホントに東尉の事…」
「違う! わたしはっ…!!」

!! 何を言おうとしてるの? わたしは、わたしが好きなのは…

ああ…! どうしよう、気付いてしまった!
わたし、兄さんが、好きなんだ!!

445 名前:同族元素:回帰日蝕 ◆6PgigpU576 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 01:31:01 ID:kniQ3gHP
自覚した想いに呆然と対処出来ないわたしを、兄さんが訝しげに見ているけど、
今は何も言えない。

「ま、夏月もブラコンだからなー。それに怖ーい兄貴も目を光らせてるし?」
そんな微妙な空気を察してくれたのか、揶揄い口調で東尉君が茶々を入れてくれた。
直様兄さんも、東尉君の気遣いに乗る。
「とーぜん! 僕の目の黒いうちは、夏月に悪い虫は近づかせません!」
「流石、シスコン兄貴!」
「うっさい!」

軽口だと解っていても、想いを自覚したわたしには、兄さんのその言葉は嬉しすぎて、
この想いが簡単に諦められるものではないと、思い知らされる。
 
しかし午後の授業中、悩みに悩んだわたしは、急に馬鹿馬鹿しくなった。

元々、兄さんの事は大好きだ。
今更、そう今更なんだ。自覚したから何だというのだろう。
自覚する前と、自覚した今。何が違う? 何も違わない。

兄さんが好き。ただ、それだけ。
 
「夏月ー、帰ろう?」
「え、あ、兄さん! ちょっと待って!」
いけない、もう授業終ってたよ。
慌てて帰り支度をしながら、クラスが違う兄さんがこうして迎えに来てくれるという、
いつもの事でも、今のわたしには嬉しくて堪らない。
まるで、恋人同士みたい!…なんて。

よし! 帰り支度完璧! 急がなくっちゃ!
「あ、夏月!」
あ、好乃。急いでいても、ちゃんと挨拶はしなくちゃね。
「じゃあね、好乃! また明日ー!」
「え? あ、夏月、あのっ!」
好乃が何か言いかけてたようだけど、兄さんが待っていてくれるという甘い誘惑には、
勝てる筈も勝つつもりも無く、悪いけれど明日聞くね、と内心で謝って兄さんの元に駆けていった。

「お待たせ、兄さん!」
廊下で待っていた兄さんの前に着くと、やっぱり荷物持ちは嫌だと言っていた東尉君の姿は無かった。
「うん、待った待った! と、いう事でデザート係は夏月ね」
「うん! いいよ~!」
「え? 何か機嫌いい?」
当然だよ! 兄さんへの想いを自覚して、一緒に買い物に行って、一緒の家に帰って、
ご飯を作って… 兄さんをずっと独占出来るんだよ!? ご機嫌に決まってるよ!
「うん、だからデザートは、わたしが作ってあげる! リクエストもOKだよ!」
そのまま兄さんの手を取って、早く行こうと急かし、二人でメニューを考えながら、
スーパーまで楽しく戯れ合いながら向かった。

だから、浮かれていたわたしは気付かなかった。
わたしがどんな顔をしていたのかも。
それを好乃が見ていたという事も。
そしてその好乃の表情が、どんなものだったかも――――

-続-

446 名前: ◆6PgigpU576 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 01:32:10 ID:kniQ3gHP
まだデレにもヤンにも程遠いですが…
以上、続きます。

447 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/21(水) 07:10:07 ID:+rIUbQ7N
>>446
GJ
この先も期待させていただきます

448 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/21(水) 08:56:00 ID:rp7l/sAy
>>446
これは・・・・・・誰が病むのかが読みにくいな。
妹か、好乃か。もしかして東i(ry

449 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/21(水) 09:47:01 ID:3Nj1KNFg
というか俺最近まで同病相憐れむの意味を同類相憐れむと思ってた

450 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/21(水) 14:58:06 ID:/2vn/I9f
わ、私はわかってたんだからねっ!!?

451 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 20:03:13 ID:+/P0jE8q
捏造コスチューム
五月生まれの三月兎/時を見る者
http://imepita.jp/20070221/720360

452 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/21(水) 20:09:42 ID:lfVnjKN8
これはGJだ

453 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/21(水) 21:05:27 ID:XOTftVgz
>>446
かなりツボです。ワクワクします。東尉君に期待♪

454 名前:ヤンデレエスパー[sage] 投稿日:2007/02/21(水) 21:46:53 ID:Db0L97sO
ちょっと書いてみた。

私の名前は花形美魔。高校2年で無敵のエスパー!
彼氏は高橋幸一先輩!超能力についてのアドバイスをしてくれる素敵な先輩!
でもちょっぴり責任感強すぎなの!
せんぱーい!今日も一緒に帰りましょう?
えっ?今日は調べ物があるから居残り?ふーんそうですか。(ざんねんだな)

ともかく、図書館でなにをしてるか透視でえい!
えっ?先輩?その横にいる女の子は誰ですか?
「逃げたら悲鳴を上げる?」「手を出さない男は馬鹿だ?」「またこずかいちょうだい?」
明らかな脅迫だ。先輩が手を出さなければ先輩に罪を着せて、手を出せば金を奪い取る。
「汚物は消毒ね!」
私はそう決めると、瞬間移動で校舎に移動した。

先輩に抱きついてる泥棒猫をサイコキネシスで吹き飛ばすと、私はちょっぴり怒った様子で先輩に声をかける。
「ねえ先輩……まさかこのデブ猫に抱きつかれて嬉しかったってないですよねえ」
「お前何処から入ってっ……ふめごらっ!」
泥棒猫に椅子の嵐を叩き込む。あら一発もあたらない。
「ひはぁっ」
変な泣き声を上げる泥棒猫。よし決めた。あんた明日変死体(はーと)

「やめろっ!」
あっ!先輩!駄目!まだこの泥棒猫の目があるのよ!
殺しちゃ駄目?ぶーぶー!先輩を脅した罪は殺人より重いのよ。
……先輩がそういうんだったら……。

ひとまず記憶は消しといたから。
でも、先輩と長いこと合ってるとまた記憶が蘇っちゃうかも。
だからこの泥棒猫に近寄らないでね
(ほんとは記憶ごっそり取ったから、蘇る事は無いんだけどね。こう言っておけば先輩も近寄らないでしょ)

帰り道
ねえ先輩、私とあの泥棒猫どっちが抱きごこちいいですか?
!!
やっぱり私ですよね!(美魔みたいな美貌の子を俺みたいなので吊り合うのかな…)
大丈夫ですよ先輩。だって先輩、大企業を起こす人になるんですから!
えっ?未来を予言した瞬間に未来が変わる可能性がある?
大丈夫ですって!先輩がどうなっても私が守りますから!うふふふふふ………
だって私は無敵のエスパー!

455 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/21(水) 22:03:04 ID:+rIUbQ7N
>>454
ワロタw
GJです!

456 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 23:35:26 ID:YHaHzkpB
>>436
全員病むエンドは予想出来ませんでした。
GJです!

>>446
好乃が病む展開をさりげなく期待。
頑張って下さい!

>>454
これはイイw
ライトなヤンデレですね。
 
それでは上書き6話後編Cルートを投下します。
何故か書き始めで予想以上に詰まったCルート、お楽しみ頂ければ幸いです。

457 名前:上書き6話後編 Cルート「永遠の世界」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 23:36:56 ID:YHaHzkpB
Cルート「永遠の世界」

俺は加奈と一瞬目を合わせ、そして…嘘をつき通そうと決心した。
 きっと加奈はまだ疑心暗鬼なんだ、だからこんな事を訊いてきたんだ。
 さっき感じた加奈に全てを見透かされている感覚を記憶の彼方へと封じ込め、俺はひたすら自分に言い聞かせる。
 ”今なら”まだ間に合う、確信を持たれていない今なら大丈夫だ。
 押しを強くすれば加奈なら信じてくれる、祈りのようにそう確信しながら、俺は嘘の発覚を恐れ加奈と目を合わせず言った。
「だから、島村に腕の治療をしてもらってたんだよ」
 瞬間加奈が狐に抓まれたような表情をした後うつ向いた。
 一瞬しか見えなかったがその顔に”疑念”は見受けられなかった。
 どうやら俺の言葉を疑ってはいないようだ。
 その事にホッと息を吐きつつ、加奈の反応を待つ。
 俺の発言から怖い程の沈黙が数秒続く。
 時折その沈黙を妨害するように何かうめき声のようなものが聞こえるのが場違いなようで恐ろしい。
「へぇ…」
 沈黙を切り裂いた加奈の微かな声、俺にはそれがハープのように心地良く響いた。
 加奈は分かってくれたはずだ。
 危機的状況の回避に戦地から生き残った兵士の気持ちを初めて理解した。
 そう、俺もそんな兵士のようにやっと戦いから解放され、待ち遠しく逸る気持ちを抑えながら帰還するのだ。
 今日は色々な事があった、肉体的にも精神的にもかなり疲弊してしまった。
 早く疲れを癒しにいこう…しかし………
「それじゃ加奈ぐっ!?」
 前を向き歩き出そうとした瞬間、首に激痛がはしった。
 喉元に物凄い違和感を感じ、呼吸もままならなく息苦しい。
 体から力が抜けていく感覚が理解出来る。
 薄れるかける意識の中で、必死に周りを見渡す、そして分かった…。
「誠人くんが嘘をつく理由が分からないなぁ、あはっ」
「か…っか…!」
 簡単な事だった…加奈が俺の首を掴んでいただけだ。
 そうだ、この近辺には俺と加奈しかいない、外部から痛みを感じるとすればそれは加奈が与えてきているものに決まっている。
 そして同時に理解した、加奈の言葉を聞いて。
 疑念がないというのは”俺を信じた”からではなく、”俺を全く信じていない”からだという事が。
 そんな風に状況を分析する、本当にヤバい時は冷静になり頭が冴えると聞いたが本当のようだ。
 加奈が俺を見つめてくる、その顔は笑顔…今まで見た事もない程いやらしく笑っている。
 目を細め、口元が極端に上がっている。
 ”張り付いた”感じが一切ないのが俺に加奈が本気でこんな表情をしているという事実を認識させ、戦慄がはしる。
「あっ、分かった!あたし分かっちゃったよ!あはははは!!!”そういう事”だったんだっ!」
 加奈の狂気の笑い声が大空を貫く。
 そんな加奈の像が常時与えられ続ける苦痛によって徐々にボヤける…。
 いつの間にか首元のキスマークが加奈の握力によって蒼く”上書き”されている事に俺も加奈も気付かないまま、俺の視界は狭まっていった………。
 
458 名前:上書き6話後編 Cルート「永遠の世界」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 23:37:40 ID:YHaHzkpB
 
――――――――――――――――――――
 誠人くんを背負いあたしは”ある場所”へ向かう。
 僅かに覗く夕陽があたしの背中を後押しする。
 歩く度に足にかかる重みに温かみを感じる。
 誠人くんとここまで密着している事を自覚すると胸が高鳴る。
 普通なら男女逆だが、誠人くんの胸板が背中に当たっている事にドキドキし、それに反し安心といった感情も溢れる。
 時折耳元にかかってくる暖かく甘い吐息があたしの心を擽る。
 ”あたしだけ”の愛しい人…。
「はぁ…良い匂い…」 揺れる髪から流れる誠人くんの匂いを肌で感じ取り思わず身震いする。
 本当に誠人くんが好き…。
 こんなに好きなのに…こんなに好きなのに…どうして愛には必ず障害があるのだろう?
 誠人くんが本当の事を言ってくれなかった時はショックだった。
 でも誠人くんが悪意を持ってあたしに嘘をつくなんて有り得ない。
 じゃあ何で誠人くんは嘘をついたのか…?
 答えは簡単、”無理強い”されているからだ。
 多分あの島村とかいう女に、半ば強引に付き合えと言われたのだろう、誠人くんは格好良いからね。
 一瞬あの女に殺意が沸沸と湧いたが、すぐに冷めた、いや哀れに思った。
 そうでもしないと誠人くんと付き合えないあの女の魅力のなさに対して。
 どうせあの女は誠人くんが無理をしている事にも気付かず勝手に誠人くんを彼氏だと脳内変換している虚しい女に過ぎない。
 そんな女の為にわざわざ時間を割くのは無意味だ。
 せいぜいストーカーにはなるなよと頭の中の思考にピリオドを打ち、ひたすら目的地を目指す。
「もう少しだよ…もう少しだから…」
 優しく囁く。
 もう少しで………。

――――――――――――――――――――
 

459 名前:上書き6話後編 Cルート「永遠の世界」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 23:38:47 ID:YHaHzkpB

「…ん………ここは?」
 起き上がろうとした瞬間、首元に痛みがはしった。
 しかしその痛みはすぐ更なる驚愕によって遮られる。
「…本当にどこなんだ?」
 小言のように呟いた…そうするしか出来なかった。
 目を何度も瞬きするが俺の目の前に広がる光景、そして現実は変わらない。
 一面真っ暗、そうとしか言いようがない。
 灯りも何もない、完全な暗黒の世界。
 そしてもう一つ分かった事があった、さっき俺が出した声がひどく目立っていたという事に。
 ここがどこなのかは分からないが、少なくとも普通の場所じゃないだろう。
 俺の声がかなり反響している。
 声が反響するという事は今いるところは部屋の中なのだなと、真っ暗だとわかった瞬間に気付くべき事を確認する。
 どうやら寝起きで頭が中々回転してくれないらしい。
 とりあえず今すべき事はまず自分の置かれている状況の整理…ってそれはさっきからやっていたなと笑いそうになった。
 体は普通に動くので、手を口元の横に当て全く期待をしていない問いかけをする。
「誰かいないかーッ!?」
「誠人くん?」
「うわぁっ!」
 情けない声が思わず漏れてしまう。
 正直こんな暗い場所に自分の他に人なんているはずがないと決めつけていたから、生身の声には驚いた。
 気を落ち着かせ、ようやく発せられた声に聞き覚えがある事を悟る。
「加奈…加奈か!?」
「ごめんね誠人くん、あたしもちょっと寝ちゃって」
 やはり、何年も聴いてきた愛しい声、聞き間違えなんてある訳がない。
「ビックリした?今から電気つけるから」
 物音が聞こえる、言動から推測するに加奈が立ち上がった音のようだ。
 加奈の足音が静寂の空間に木霊する中、突然電気がつく。
 いきなり明るくなってしまい目を伏せる。
 目が慣れたのを見計らって細目で見ると、そこには俺が想像だにしていなかった情景が広がっていた。
 驚く事に、加奈の部屋にそっくりだったのだ。
 もし色々な小物の間から覗く残酷な鉄の色がなければ、ここは完璧に加奈の部屋だ。
 そこで初めて気付いた、俺はベッドの上にいたという事を。
 何が何だか分からない、ここは加奈の部屋に似ているが決して加奈の部屋じゃない。
 その証拠に可愛らしい概要の全体像にあまりにもそぐわない鉄製のドアがある。
 それじゃやはりここはどこなんだ…最初に抱いた疑問に逆戻りしてしまう。
 そんな思念を渦巻かさせていた俺をよそに部屋のスイッチを押しその場で背を向けている加奈に気付き、その存在に僅ながらの安心感を感じる。
「加奈、ここはどこだ?」
「あたしと誠人くんだけの”世界”だよ!」
 子供のようなセリフを吐く加奈。
 何年も前に卒業したはずのその地位に懐かしみを覚える。
「世界?」
「そう、世界!」

460 名前:上書き6話後編 Cルート「永遠の世界」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 23:39:25 ID:YHaHzkpB
 弾けた声を発する、それと同時に劇団の人間のようにわざとらしく両手を開いた。
「あたしたちは”元の世界”じゃ結ばれない、愛の障害が邪魔するもの。あの女がいい例よ!」
「あの女って…」
「島村さんだっけ?」
 その名前に今更罪悪感を感じる。
 そうか、俺は加奈に嘘をついてしまったのか…。
 そしてそれは加奈にバレている…俺は全てを覚悟した。
「あの女が誠人くんを誘惑するから、誠人くんなし崩し的に付き合っちゃったんだよね?」
「”付き合っちゃった”!?」
 何の事だ?
 付き合ったって…島村とか?
 確かに島村の指を舐めたりしたが、別に付き合ってなんて…とここまで考えてきてやっとわかった。
 俺はとことん客観視する目の力が欠けているなと自分に呆れた。
 普通指を舐めるなんて恋人同士でしかやらない事だ。
 それを加奈は見て、でも自分が俺の彼女だから何で俺があんな事をしていたのかと考えた挙句…島村が俺を無理矢理付き合わせているという最もらしいが間違っている結論に達したのか。
 さっきまで働かなかった分どんどん頭の回が早くなる。
 加奈が勘違いしている…この誤解は早く解かなければと思った。
「加奈違う!島村とは」
「もう無理しなくていいんだよ」
 俺の言葉を加奈が遮る。
 確信に満ち溢れた声だった。
「誠人くんのそういうところも好き、優しいもんね…」
 笑顔から一変、暗い表情でうつ向く加奈。
 俺はそんな表情の変化にいつの間にか慣れてきている事には気付かない。
「でもその優しさは罪」
「罪?」
「そう、罪」
 さっきと全く同じ感じで答えられる。
 そっけなく聞こえるが寂しさは感じない。
「どんどん女を引き寄せちゃうもの…”元の世界”の女は巧妙だから、純粋な誠人くんは騙されちゃう…。これからもそれが終わる事はない…だから」
 そこで言葉を切り、俺に歩み寄ってくる加奈。
 思わず身構える俺の両手を丁寧にほどくと、力一杯抱きついてきた。
 突然の出来事に何も出来なくなる。
「あたしが作ったの!誰の邪魔もない”世界”を!もうあたしたち以外に誰もいない」
 仮染めの日常の中で非日常を宣言する加奈。
 こんな空間の中で笑顔で平然としていられる加奈は最早完全に狂っているのだろう。
 そして………
「これで幸せになれるよ!誠人くん嬉しい?」
「あぁ…嬉しいよ…」
 見上げる加奈を前に、何も言えない…この”世界”に居心地の良さを感じている俺も完全に狂っているのだろう。
 擽ったそうに笑う加奈の頭を撫でながら、俺は後戻り出来ない事を悟った…。

でも良いんだ、これで幸せになれるのならこれでいい…。
 一時の幸せに浸っているに過ぎないという事に気付く事もなく、俺は加奈を抱き返した。
 
 
461 名前:上書き6話後編 Cルート「永遠の世界」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 23:42:40 ID:YHaHzkpB
 

あれから一体幾つもの時が流れたのだろうか…?
「誠人くん……あっ、はぁっ!」
 目の前で俺の腰に跨っている加奈を見ながら、そんな事を思った…。

あの日、俺と加奈は”初めて”を体験した。
 その時の事は良く覚えていないが、体だけでなく心もしっかり繋がっていた事だけは分かる。
 温かい一時だった。
 こんな日々が続く事を心から喜んだ。
 …しかし、あの日から加奈は変わってしまった。
 執拗に俺の体を求めてくるようになったのだ。
 言い方が悪いが、自慰行為を覚えた猿のようにひたすら俺との繋がりを求めてくるようになったのだ。
 加奈は俺としている時、本当に満足そうな表情で微笑む。
 その笑顔が俺と一つになれた事からの喜びの証だという事は分かる。
 でも、俺はそんな加奈を好きにはなれない。
 加奈が嫌いになったんじゃない、淫猥な表情で俺をいつものように見つめる加奈が許せないのだ。
 子供のままの加奈でいて欲しい…願えば願う程加奈はどんどん大人になっていく。
 俺の理想とはかけ離れていく…。
 それでも加奈からは離れられない。
 部屋からという意味ではなく、加奈という蜘蛛の糸に絡みつけられた俺自身の問題だ。
 どんなに加奈が大人になっていっても、片隅にはまた昔のように純粋に笑ってくれると信じているのだ。
 何度逃げようと思っても、加奈を見るとそんな気が失せてしまうのだ。

加奈を見て逃げたくなり、加奈を見て逃げたくなくなる。
 あまりにも非情なエンドレスに身を投じてしまった俺は、今日も加奈と繋がる…。

後悔と悦楽が渦巻く、”俺たちの世界”で。
 
 
Cルート「永遠の世界」 BAD END
 
462 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 23:44:53 ID:YHaHzkpB
投下終了です。
バッドエンドかはご自身の解釈でお願いします。
正直前半がひぐらしっぽくなりそうでかなり困ったんですよねw

さて、後はAルートだけ。
明日投下できるか微妙ですが努力はしますので。

463 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 00:02:51 ID:O3lVH4VC
GJ!

誠人君が狂い切ってしまえば、ハッピーエンドになったのではないか……。
何故か、そう思わせるラストでしたね。

464 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 00:47:19 ID:6VSCcOIu
GJ!淫乱な加奈と2人きりの世界なんて、誠人羨ましすぎるぜ

465 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 01:00:42 ID:lvf5tc7t
うっはwww
GJの嵐だぜ!

466 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 01:20:28 ID:b10Pk0Ok
GJ!
誠人かわいそうに。狂えたらhappyendだったのにw

467 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 01:26:48 ID:stYJODEe
いや、いつまでも過去の加奈の姿を求めている辺りが狂ってるのかもしれん。

468 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 08:48:39 ID:sJqRaBYK
BADエンドはBADエンドだから良い。HAPPY、TRUE、BADと三種類、ENDが用意されてるんだからさ。

469 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 08:59:37 ID:HuwaqYMy
>>462
>どうして愛には必ず障害があるのだろう?

これはヤンデレスタイルにおける名文だな。

470 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 11:48:31 ID:G0dleurR
ところでこのスレ見てて、日本の昔話である安珍清姫の話を思い出したんだけど、

http://www2.tokai.or.jp/yayoi/e_night/e_night_an/e_night_an.htm

これもある一種のヤンデレといえるのだろうか?

471 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 11:55:48 ID:HrzwokrP
清姫ってこれか・・
 
472 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 12:10:24 ID:WoLd47is
確かに、紐解いてみれば今のヤンデレに通じるところもあるね
 
473 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 13:23:24 ID:stYJODEe
ヤンデレ萌えは昔から・・・ねーな。こりゃ欲情じゃなくて恐怖の対象だもんな。
だれか安珍清姫をこのスレでヤンデレ小説にしてくれ!!
 
最後にお互いが蛇になったっていうが、清姫はこれを狙ってたのかね。

474 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 18:00:13 ID:hxza2/FA
蛇でヤンデレと言えば、うちの本家の方の昔話で
夫と息子のために両目を抉り出した蛇ってのがあったな。

正体がばれて夫の下から去る蛇が、
息子が寂しがらないようにと片目を置いていく。
 ↓
その目を持つと子が泣き止むという噂が大きく広がってしまい、
領主に目を取り上げられる。
 ↓
子供が情緒不安定になって困り果てた夫は
蛇が消えていった湖に行き、「もう一つくれ」と頼み込む。
(この時点で夫は蛇自身の目だと気がついていなかった)
 ↓
その場で残った目を抉り出す蛇。
蛇は夫に、「これで昼夜の区別ができなくなってしまった。
これからは日が昇る時刻と日が沈む時刻を鐘を突いて知らせて欲しい」
と言い残しまた湖に消えていった。
 
ちなみに夫は死ぬまで鐘を突き続けたらしいが、
蛇が再び現れる事は無かったらしい。

……あれ、これってもしかしてヤンデレじゃなくて子を思う母親の愛情とかそっち系?

475 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 18:44:50 ID:stYJODEe
>>474
これを病んでるといったお前は罰当たりだ。

476 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 20:22:45 ID:hxza2/FA
ぶべらっ!!

477 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 20:29:37 ID:TOoY4mSK
>>462
今更ですがGJ
しかしHAPPY Endにしか見えない俺はもうダメかもわからんね

478 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 21:00:37 ID:WLwIIEiy
ヤンデレについて悩んでれ

479 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 21:08:23 ID:aWNv2VaU
山田くん、>>478の座布団全部持ってっちゃいなさい

480 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 21:45:18 ID:MNKBvJ5O
不覚にも笑ってしまった俺がいる

481 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 22:12:37 ID:YSwt79OH
俺もだ……orz
 
482 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/22(木) 22:53:56 ID:0JNoMNMo
>>470
視点を変えればヤンデレに出来そう。
誰か書いてくれる人いませんかね。

>>478
ヤラレタ…orz
 
では6話後編Aルート投下します。

483 名前:上書き6話後編 Aルート「出口のない迷路」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/22(木) 22:55:16 ID:0JNoMNMo
Aルート「出口のない迷路」
 

俺は加奈と一瞬目を合わせ、そして…今すぐ謝ろうと決心した。
 加奈に対して嘘をついてしまった事に今更ながら罪悪感を感じる。
 確かにあの状況で本当の事を言うのはかなり気まずいものだった。
 勿論その理由の大半は俺が加奈にそういう事をしていた事実を知られたくなかったからだ。
 その一方で、その事実を知る事で加奈が傷付くのを恐れていた部分もあった…しかし違ったんだ。
 加奈にとって最も悲しい事は俺に嘘をつかれる、”俺に裏切られる”事なんだ…自慢じゃなくそう思う。
 真っ直ぐ俺を好きでいてくれている加奈に対して嘘をついてしまった事に後悔の波が押し寄せる。
 だが後悔している暇なんてない、今しなければならない事の方が最優先だ。
 ”最高の誠意を尽くして加奈に謝る”、これは好きな女の子を傷付けてしまった俺の絶対の義務だ。
 許してくれるかは分からない…いや、俺の都合は関係ない。
 加奈に真実を伝える事が大切なんだ。
 今の加奈は不安定な心境だ、確信を持ちながらまだ”俺から”真実を伝えてくれる事を求めている。
 そんな加奈の期待を裏切るなんて許される事じゃない。
 俺は一歩後退りし、一瞬加奈の瞳を見つめた後、思い切り頭を下げる。
「ごめんっ!」
 言葉を勢いに任せ加奈に届ける。
 俺の精一杯の想い、償い、伝わったかは下を向いていて加奈の顔が見れない俺には分からない。
 しかし、とりあえず加奈に真実を伝える為の下準備は出来た、それで満足だ。
 後は”許す”か”許さない”か、俺が一時の気の迷いとはいえ加奈を裏切らった事に関しての審判を待つだけだ。
 胸の鼓動が早くなっていくのをはっきりと感じる。
 これからも加奈と共に過ごせるかの分岐点、緊張が汗という形で具現化し頬を擽る。
 待つ事十数秒、震えかけの足で何とか状態を維持していた俺に、沈黙を守り続けていた加奈が一言発した。
 その言葉は、俺の予想の範疇を二枚も三枚も凌駕していた。
「………聞きたくない…」
 …え?
 俺は自分の耳を疑った。
 加奈が言っている事の意味が全く理解出来ない。
 加奈は真実を求めていた、そんな加奈に俺は今までの嘘を謝罪した。
 確かに加奈に対して悪い事をしたが、少なくとも謝る事で加奈が傷付くとは思えない。
 もしかして、今更白々しいと思われてしまったのか…?
 あまりの衝撃に思わず頭を上げると………
「そんな事聞きたくないよ…」
 加奈の顔は涙で濡れていた。
 その涙を見て、俺は何も言えなくなった。
 俺の胸が縛り上げられるようにキツく、キツく締めあげられた。
 あまりの痛みに本当に胸に手を当ててしまう。
 加奈が泣いているという事実、加奈の表情、そして加奈の言葉…全てが悲しみに満ちていた。
 逃げではなく信じられなかった、”加奈を悲しませたのが俺”という事が。
 白々しく思ってくれたならまだ良かった、加奈が俺の事を吹っ切るだけで済むんだから。
 だが加奈が悲しんでいるというのなら話は別だ。
 加奈を悲しませる奴は誰であろうと許せない、無論自分でというなら尚更だ。
 本当なら自分を責めるだろう、でも今は出来ない。
 だって、”分からない”んだ…俺が謝る事で加奈が傷付く理由が…。
「加奈、何でお前…」
「聞きたくないっ!!!」
「あっ…か…」
 口が、体が、思考が、金縛りにあう。
 微動だにしてくれない。
 加奈の叫び声が俺の頭の中で何度も繰り返し再生される。
 何度も響き渡る…それでもまだ分からない。
「どうして!?どうしてなの!?あたしはそんな言葉聞きたくないないよっ!」
 ただ沈黙に徹するしか出来ない俺。
 答えられない自分が歯がゆい。
 俺は今まで問題文の意味が分からないなんて事は一度もなかった、だから突然降ってきた難問にただ立ち尽くすしかない。
「どうしてそんな事言うの!?答えてよっ!」
「俺はただ…」

484 名前:上書き6話後編 Aルート「出口のない迷路」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/22(木) 22:55:50 ID:0JNoMNMo
 俺の胸倉を掴み見上げてくる加奈、その目は睨まずとも俺に畏怖をはしらせるには十分足るものだった。
 しかし、いつも感じる、”上書き”してくる時の恐怖とは全く違う。
 正気のままで悲しんでいるが故の恐怖…加奈が自らの意思でこうしている事が分かるから怖いのだ。
 顔をより一層掴んだ胸倉を引き寄せる事で近付ける、こんなにも至近距離で加奈の顔をじっくりと見るのは初めてかもしれない。
 いつまでも変わらない可愛い童顔が今は涙で汚れている…いや彩られている。
 そんな加奈に見とれている内、俺は言うはずの事も忘れ口を開けていた。
 これが俺が加奈に伝えられる最後の言葉だなんて気付く訳もなく…。
「ッ!」
 突然加奈の視線が俺の目からそらされる。
 俺も後を追うようにその先を見て…全てが壊れてしまう未来を悟った。
 俺からは見えない、でも加奈には見えているはずだ。
 はだけた制服の隙間から覗く、俺の首元に蒼白く刻まれた”裏切りの証”が。
 それを数秒間完全に色を失った目で凝視する加奈、そんな加奈を美しく思いその姿を目に焼き付ける俺。
 この間、時間という概念は完全に蚊帳の外だったのかもしれない。
 時間を吹き飛ばす奇跡から間もなく、フラフラとうつ向きながら俺から離れる加奈。
「ハハ…は…はっあはははははははははは!!!!!」
 そして笑った。
 天を仰ぎ、そこまで響く程笑った。
 何者を引き付けない気迫、目に見えない俺を引き寄せる妖しい魅力の二つが混ざり合う。
 本当なら今すぐ逃げなければならない…しかしその妖艶な姿に、俺は目を離せないでいた。
「あはは!誠人くん、今すぐ”終らせる”から我慢してねっ!」
『バン!』
 加奈に体を押され、その衝撃で後ろの壁に思い切り背中を打ち付ける。
 一瞬止まりかけた呼吸の心配をする暇もなく、不気味に笑い続ける加奈の指が俺の首元…島村につけられたキスマークに添えられる。
「”まずは”この汚らしい”傷”を”上書き”してあげるからね!」
 皮膚をひっかく鈍い音が非情な宴の合図として鳴り響く。
 背中を強打し既に体の力を奪われていた俺は、抵抗の意思も示せないまま頸動脈から吹き出る鮮血によって赤く染まっていく。
 痛みは不思議と全く感じない。
 痛過ぎて感覚が麻痺しているのかもしれない、加奈がこれで満足するならという安心感が感覚を麻痺させただけかもしれない。
 どっちかは分からない、もしかしたらもっと別の理由があるのかもしれない。
 しかし、そんな事はどうでも良かった。
 俺の血が笑う加奈を残酷な堕天使に変える中、そんな加奈を見て俺は涙を流した。
 悔いが残る、何で加奈が俺の謝罪を受けあんな事を言ったのか、それを知る事が出来なかったから…。
 加奈の事を一番に理解しているはずだったのに…。
 行き所を失った自信は、俺の命と共に静かに風化していった…。
 最後に見た加奈の顔は、俺が最も恐れ、最も愛したものだった………。
 

485 名前:上書き6話後編 Aルート「出口のない迷路」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/22(木) 22:57:06 ID:0JNoMNMo

――――――――――――――――――――

「誠人くん、”もう一仕事”したら戻ってくるから待っててね?」
 力づくで近くの土手の影まで誠人くんを引っ張って、あたしはそこに誠人くんを寝かせる。
 ”上書き”し終え、達成感にしばらく浸っていたが悠長には構えていられない。
 誠人くん正気に戻す為に、しなければならない事がある。
 今はその使命遂行だけに頭を傾ける。
 ”死んだように”無言で目を閉じている誠人くんを可愛そうと思いながら、あたしは静かに誠人くんの下へと歩み寄る。
「すぐに、誠人くんを解放してあげるからね…」
 そう言い残し、あたしは血で濡れている首元に口付けをした。

あたしは”こんな簡単な事”にどうして気付かなかったのだろうか?
 本当に不思議でならない。
 家から持ち出した金属バットを振り回しながらそう思う。
 最初誠人くんに謝られた時は目の前が真っ暗になった。
 だって謝るって事は、”あたしには言えない”って事と同義だからだ。
 あたしに誠人くんが作った初めての壁に絶望した。
 誠人くんの一言一言を聞くのが怖くなった。
 全ての事から耳を塞ぎたくなった。
 でも、神様はちゃんとあたしたちの関係を取り持ってくれた。
 あたしが誠人くんに真意を追及する努力を怠らなかったから、救いの手を差し述べてくれた。
 ”あの傷”だ。
 あたしが今まで見た誠人くんのどの傷よりも醜悪で腐敗臭漂う、蒼白い悪魔の口付けの跡だ。
 あの傷が気付かせてくれた、”誠人くんが外敵に狂わされていた”という事を。
 誠人くんに忍び寄った雌豚以下の魔性女が”傷”を付けたから、そこから誠人くんが腐りかけていたんだ。
 じっくりと、形では目立たず、内部から人格を侵食していく”カビ”。
 その侵食はあたしが”上書き”してあげたからもう大丈夫だ。
 だが、またいつ誠人くんがその悪魔の”種”を植え付けられるても限らない。
 だから、”根っこ”から刈り取ってやるんだ。
 二度と誠人くんに寄生しないように…あたしの世界でたった一人の愛しの人を守る為に…。

アノオンナヲケス

あたしの中で渦巻く復讐の津波を必死に抑えながら、あたしは”あの女”が棲む魔城へと歩を進める。
「これで”終わる”からね…大丈夫だよ…」

見つけた…案外早く見つかった。
 ジャージ姿でいるところを見ると、早朝ジョギングでもしているらしい。
 あの後”あの女”の家の物陰で夜通しで待っていた甲斐があった。
 今はまだ陽が登りかけで暗い所もある。
 計画の実行にはもってこいの時間だ…。
 あたしはジョギングでこちらへと向かってくる”あの女”を獲物のように睨みつける…実際”獲物”だが。
 近付いてくる”獲物”、機を伺い、あたしが隠れているところを通過した瞬間、力の限り体当たりした。
「きゃっ!」
 耳障りな悲鳴をあげ、無様に倒れる”獲物”を嘲る。
 全く、良い気味だ。
 体勢を立て直した”獲物”が眼鏡の位置を直しながら、そのドブ水のように濁った目線を向けてくる。
 一瞬あたしの事を凝視して、半分放心状態に近い虚ろな目で言う。
「あなたは…昨日誠人くんと一緒に帰った…加奈さんだっけ?」
「このっ!」
 思わず憤慨し思い切り汚らわしい顔面を平手打ちする。
 顔面を地面に擦りながら眼鏡を吹っ飛す。
 その眼鏡を粉々に踏みつける。
 それでも腹の虫は収まらない。
「あんたみたいな下賎なうじ虫が、今誠人くんの事を”名前で”呼んだのかぁあああーッ!!!」
 叫ぶと同時に持っていたバットを”獲物”の右手に力の限り降り下ろす。
 まずバットを持った腕に柔らかい感触が伝わり、その後潰してやったところから鈍い音が響く。
「ああああああああああ!!!!!!!!!!」
 そして最後に”獲物”の遠吠えが汚く響く。

486 名前:上書き6話後編 Aルート「出口のない迷路」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/22(木) 22:57:54 ID:0JNoMNMo
「ははははは!!!」
 苦痛に悶え、地面をのたうち回る、正にうじ虫にはぴったりの格好で”獲物”は悲鳴をあげる。
 この”獲物”は内部から外部まで何から何まで腐り切っている、誠人くんまでも巻き込もうとするまでに腐っている。
 しかし、誠人くんの繊細な口によって浄化された指だけは別だ。
 ”ここだけは”最初に潰してやろうと決めていた。
 誠人くんを汚した、百万回死んでも償い切れない誠人くんの想いへのせめともの救いだ。
 後は手辺り次第壊す。
 あの指以外はどこも同じ、汚れに汚れているだけだ。
 醜く逃げようとする”獲物”の息の根を止めるまであたしはバットを振り続けた。
「やめっ!あああああ!!!!!」
 ”獲物”の悲鳴はもうあたしの耳には届かない、全てを終らせる事だけがあたしを支配した。
「終われぇえー!!!」

「誠人くん!終わったよ!」
 意気揚々と誠人くんを寝かせた土手へと戻る。
 ”終らした”後はとにかく最高の気分だった。
 もう誠人くんがあたしに偽りをしてくる事はない。
 誠人くんは元に戻った。
 あたしに極上の笑みを投げ掛けてくれる”あたしだけの”誠人くんに戻ってくれた。
 帰ったらまず何を話そう…お腹も空いたしご飯が先かな。
 ちょっと汚れちゃったから一緒に風呂でも誘うかな。
 いっぱい期待した、戻ってくる幸せの日々を祝福する為に。
 なのに………
「誠人くん!もう起きて!早く帰らないとお母さんに怒られちゃうよ?」
 眠り続けたままの誠人くん。
 どんなに呼び掛けても固く閉じられた瞼が開く事はない。
 まるで”時が止まった”ように、一切動かない誠人くん。
「早くしないと冷えちゃうよ…早く!」
 誠人くんの氷のように冷たい手を握りながら、何度も耳元で囁く。
「誠人くん!どうしたら起きてくれるの!?誠人くん…」
 あたしには、誠人くんがどうして起きないのか、”分からない”…。

――――――――――――――――――――
 
 朝陽は既に登っていた。
 しかし、二人の主人公の下にその光は届かない。
 僅かなズレから生じた二人の谷間…それは深く深く入り込んでいき、二度と手の届かないところまで達してしまった…。
 二人の男女は、お互いの”分からない”答えを今尚探し求め続けている…。
 
 
Aルート「出口のない迷路」 BAD END

487 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/22(木) 23:00:45 ID:0JNoMNMo
投下終了。
これはこれで純愛ルートですよね…多分。

これでルート別のは全て終わりました。
という事で、次の投下は3月11日辺りを予定したいと思います。
間が空いてしまい申し訳ありません。
加奈の”すべき事”に期待しないで待っていて下さい。

488 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 23:26:27 ID:stYJODEe
GJ・・・!・・・マジこえぇぇぇぇぇぇぇ!!
今回のエンディングはマジ来てますわ。
 
先生!加奈ちゃんに、キスをキスで上書きって発想がなかったのは、
加奈ちゃんがショックで壊れちゃったからですか?

489 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 23:36:46 ID:5L1sCFAM
( ;∀;)イイハナシダナー
マジでこう思ってしまった俺はもう本当に駄目なのかもしれんorz

>という事で、次の投下は3月11日辺りを予定したいと思います。

裸で正座して待っています

+   +
  ∧_∧ ∩ +
 (0゚´∀`)彡  wktk!wktk!
 (0゚∪⊂彡 +
 と__)__) +

490 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 23:48:13 ID:6VSCcOIu
GJ

491 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 01:22:42 ID:Bf5qw5eb
GJ!
この方がCルートよりハッピーエンドに思える俺はダメかもしれんorz

492 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 01:32:59 ID:EkXpq62m
>>491
このマゾヒストめ!

493 名前: ◆6PgigpU576 [sage] 投稿日:2007/02/23(金) 01:46:20 ID:hfT0xD/Q
>>442-445 の続きになります。

>保管庫管理人さん
 いつもご苦労様です。迅速な対応ありがとうございました。

494 名前:同族元素:回帰日蝕 ◆6PgigpU576 [sage] 投稿日:2007/02/23(金) 01:47:22 ID:hfT0xD/Q
朝から寝惚けた兄さんを見れて、ご機嫌なわたし。
更に昨日の買い物や食事作り食器の片付け、全て兄さんと二人っきりだった。
いつも以上にテンションが高かったわたしは、兄さんにいっぱい甘えて甘やかされて、
とても幸せだった。

思い出すだけで、胸がきゅっとなって擽ったくて、じわっと身体が温かくなる。

定番の遣り取りを兄さんと東尉君として、クラスの自分の席に着いて幸せの息を吐いた
わたしの前に影が射した。
「…夏月、おはよう」
「好乃、おはよう!」
あれ? 何だろう? 好乃、いつもと雰囲気が違うような…?
「ちょっと話があるんだけど、ついてきて」
それだけ言うと、好乃は振り返らずに教室を出ていってしまう。
「ちょ、ちょっと待ってよ、好乃!」
声を掛けたが止まる素振りも無い好乃の後を、わたしは慌てて追うしかなかった。

もうすぐHRという事もあり、屋上にはわたしと好乃以外誰も居ない。
ショートカットの好乃と違い、肩上まであるわたしの髪は、今日の強い風に煽られ、
押さえていても滅茶苦茶になっている事だろう。
わたしに背を向けて黙っている好乃の後姿は、声を掛けるのがためらわれる雰囲気で、
好乃が口を開くのを、ただ黙って待っているしかない。

ようやく、そう感じる程、実際は時間が経っている訳ではないけれど、
わたしの心境的にはそう思えるほど、好乃が黙っていた時間は重かった。
「夏月」
「な、何?」
振り返った好乃の顔は何の表情も浮べておらず、わたしは知らずに身構えていた。
しかし次の瞬間、好乃はにっこりと満面の笑みを浮べた。

び、びっくりした~… いつもの好乃だ。

好乃の笑顔に、わたしも釣られて笑顔になると、ほっと詰めていた息を吐いた。
「どうしたの、好乃? 急だったから驚いちゃったよ」
相変わらず、風が強い。
少し距離があるため、大きな声を出さないと聞こえない。

「教室じゃ、他に人が居るから」
わたしほど大声じゃないのに、好乃の声は不思議とよく聞こえた。
「何?」

「あたし、陽太君の事が、好きなの」

ほら、どうしてかな、好乃の声はよく聞こえる。
 
495 名前:同族元素:回帰日蝕 ◆6PgigpU576 [sage] 投稿日:2007/02/23(金) 01:48:10 ID:hfT0xD/Q

沈黙が横たわる中、わたしは混乱していた。

だって、好乃が好きなのは東尉君じゃないの?
ああ、違う。それはわたしが勝手に思い込んだだけで。
今、好乃が言ったじゃない。陽太君が好きだって。

陽太君… 陽太君… 陽太… 陽太…

この学校に“ようた”って人、他にもいたのかな?

わたしの兄さん以外に、“ようた”って人。
 
「妹の夏月に、ちゃんと言っておこうと思って」
「話はそれだけ、じゃあね、夏月」

好乃はそれだけ言うと、わたしを置き去りにして屋上を後にした。
 
好乃の笑顔とさっきの言葉が、ぐるぐると回っている。
気持ち悪い。

好乃が、兄さんの事を、好き?
兄さんが、好き?
何ソレ、何ソレ、何ソレ?
 
「うっ…!」
吐き気が込み上げてきて、ふらふらと階段を降りた。
足元がぐらぐらする。眩暈が、する。
早く、早く、行かないと。行かないと。行かない、と。

どこに?

身体が傾いて、目の前が真っ暗になって、そこから何も解らなくなった。
 
496 名前:同族元素:回帰日蝕 ◆6PgigpU576 [sage] 投稿日:2007/02/23(金) 01:48:55 ID:hfT0xD/Q

優しく髪を撫でる手に、泥の中にいたような意識が浮上する。
目を開いて見なくても、わたしにはこの手が誰だか解る。

やっぱり、好きだ。

じんわりと熱くなってくる目蓋をゆっくり開いて、誤魔化す様に瞬きをした。
兄さんの優しい手に、泣きそうになる。

「夏月、大丈夫?」
無機質な天井が目に映ると、心配そうな兄さんの顔がそれを遮って一杯になった。
「どこか痛い所はない?」
「ここ… 保健室?」
「そう。夏月は倒れて運ばれたんだよ」
「そう… 保健の先生は?」
「今は席を外してるよ」
「…兄さん、授業は?」
他に言いたい事はあるのに、こんなどうでもいい事ばかり聞いてしまうわたしは
逃げているのだろうか?

「ばかだなぁ。夏月が倒れたのに、そんな場合じゃないだろ?
 それより、どこか痛い? 病院に行く?」
「ううん、大丈夫。痛い所もないし…」
わたしの声は、震えていないだろうか? 上手く笑えているだろうか?
「そっか… よかった」

嬉しくて堪らない。
兄さんがわたしを心配して優先してくれている、その事に泣きそうになる。

その時ノックの音と共に、ドアが開く音がした。
「…失礼します」
東尉君だ。兄さんがカーテンの外に出て、わたしはそっと息を吐いた。
「夏月、動けそうか?」
「どうだろう…」
兄さんと東尉君の言葉に、ゆっくりと身体を起してみる。
吐き気も眩暈もなく、大丈夫そうだ。
「大丈夫だよ」
スカートを直し手櫛で髪を整え、そう言ってカーテンを開けて二人の前に出ていった。

「夏月! 無茶しない!」

心臓が跳ねた。
だって、兄さんがわたしの肩を抱いて、引き寄せたから。

「ほら夏月、寄りかかっていいから。東尉、荷物…」
「俺が運ぶから、お前はちゃんと夏月を見てろ」
「ありがとう。夏月、ゆっくりでいいから、歩けるか?」
「…うん」
幸せ過ぎて、眩暈がしそうだった。
 
497 名前:同族元素:回帰日蝕 ◆6PgigpU576 [sage] 投稿日:2007/02/23(金) 01:49:37 ID:hfT0xD/Q

「先行って、タクシー止めておく」
そう東尉君は言うと、三人分の荷物を持っているとは思えないほど、静かに先に行ってしまった。

ゆっくりと兄さんに支えられながら、授業中で誰も居ない廊下を歩く。
わたしの下駄箱までくると、兄さんは甲斐甲斐しくわたしの靴を替えると、
ちょっと待ってて、と言い残し自分の下駄箱まで駆けていった。
クラスが違う兄さんとわたしは、下駄箱が離れているのだ。

替えて貰った靴を見ながら、思わず笑いが零れる。
しかし次の瞬間、ふ、と何気なく下げていた目線を上げて、凍りついた。
 
廊下の角に好乃が立っていた。

じっとこちらを凝視する好乃。
 
背筋を冷たいものが駆け上がって、自分自身を抱き締めた。
何も浮かんでいないような、様々な感情が混ざっているような、そんな好乃の表情に
気圧される様に知らず一歩下がると、背中に下駄箱が当る。

怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い!
 
「夏月!? 大丈夫? ほら、寄りかかって」
「兄さん…」
丁度わたしと好乃を遮る様に、目の前に立った兄さんに引き寄せられるまま、
ぎゅっと目を閉じて、好乃から逃げる様に肩口に顔を埋めた。

目を閉じても、好乃の視線を感じる。
きっと、わたしを責めている。
 
「陽太、お前らの荷物、座席に置いてあるから …夏月大丈夫か?」
兄さんが立ち止まって東尉君の声がしたので目を開けると、門の外で止まっている
タクシーの前に着いていた。
眉間に皺を寄せて、まるで怒っているような顔で心配してくれている東尉君に、
何とか頷いて見せた。
「東尉君、ありがとう。それと迷惑かけて、ごめんね…」
「バカ。そんなのどうでもいいから、早くよくなれ。
 陽太、後の事は俺がやっとくから、ちゃんと妹の看病してやれよ」
「うん、ありがとう東尉」
東尉君に見送られながら、兄さんとわたしはタクシーに乗りこんだ。
 
今は何も考えたくない。

兄さんの腕に守られながら、わたしは微かに震え、全ての事に目を閉じた。

-続-
 
498 名前:同族元素:回帰日蝕 ◆6PgigpU576 [sage] 投稿日:2007/02/23(金) 01:51:10 ID:hfT0xD/Q
以上、続きます。

499 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 01:54:33 ID:X8HcbdKg
これはヤンデレ二人かね?
思わぬ伏兵にGJ!

500 名前:「お薬の時間」1/5[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 05:44:24 ID:IPI2eMa3
哲生:高校二年生。
ミキ:哲生の中学からの親友。
真奈美:哲生の彼女。
 
「ミキ……。こ、ここはどこ?」
 哲生の声は上ずった。
 自分でも情けないとは思ったが、空気が鼻から抜けて音が高くなる。
 窓一つなく、恐ろしく黴臭い地下室の中は狭く、薄暗い。
 隅の壁にかかった年代物のランタンが唯一の明かりだった。
 それでも今、目の前に注射器のようなものを持ってミキが薄笑いを浮かべて立っている
ことはわかる。ランタンの中の炎が揺れて、ミキの柔らかそうな頬に陰を作った。
 ミキは夢でも見ているみたいに、ふふふ、と奇妙なほどゆっくりと微笑む。
「テッチ、震えてるの?」
 両側の肘掛けと背もたれのついた一人用のソファ。
 それにすっぽりと埋まるように哲生は座っている。そして動けなかった。
 両腕が、肘掛に沿って強靭なゴムバンドで縛られている。よく見ると腰と両足も同じよ
うなバンドがされてあって、どれだけ必死に立ち上がろうとしても無理だった。わずかに
背中が背もたれにジリジリと擦れるだけだ。
「それとも、興奮してるのかな」ミキの声はあくまで落ち着いている。「本当はこういう
のが、好きだったりして」
 繊細なショートの髪の毛がサッと哲生の頬にかかって揺らめく。ミキのセーラー服。細
い足首が哲生の視界を覆う。
 ミキは注射針の先からスッと一滴だけ、液をたらした。まるでそれを舐めとりたくてた
まらないかのように、口をだらりと開けて舌を出している。どちらかと言えば潔癖な性格
で、下品な冗談を少しも受け付けない普段のミキを思えば、こんな淫らな表情をすること
自体、哲生には衝撃だった。
「ねえ、ミキさ、なに持ってんの? なんで注射針持ってんの?」
「ふふ……なんでだと思う?」
「この電気椅子みたいなの、何?」体につられて哲生の声も震える。
 ミキは注射器を持ったまま、哲生の目の前でしゃがんだ。
「テッチ、お薬の時間だよ」
 ミキは針を持ったまま、哲生の右腕のワイシャツをめくった。