396 :置き逃げ [sage] :2007/05/16(水) 02:40:04 ID:hcICivob
「妖を愛した子」


暁の赤 

薔薇の紅  

少女の胸を貫く銀

全てを混ぜて

海の青に流していく

少女は憎しみも

憂いも

悲しみすら浮かべてなかった

ただ

最後に微笑みながら

彼女は愛してる永遠にと言った

多分彼女をやっと私だけのものにできた喜びだろう

頬に冷たい露がながれてるのは



397 :置き逃げ [sage] :2007/05/16(水) 02:40:54 ID:hcICivob
「人間を愛した妖」


見えるのは彼女の笑った顔

音は何も聞こえず

ただ澄んだ海とお日様が見えた

不快な胸の違和感

彼女の手には黒い筒のようなもの

後悔はない

悲しみもない

もう一緒にはいられないから

最後に彼女に私を奪ってもらえて

嬉しいからだろう

この頬を流れる不思議な熱い雫が流れてるのは



398 :置き逃げ [sage] :2007/05/16(水) 02:42:09 ID:hcICivob
彼女がいるのはいつもそばにいたあの子の家、りっぱなお屋敷に薔薇の匂いが仄かに香る
ちょっと古ぼけたお屋敷。
もう何年も彼女のお屋敷で彼女と一緒にいる。
彼女はもう動かないからだになってしまったけどすっとそばに居るって約束したから、
私が動かなくなるまで彼女を抱えて一生を過ごす

彼女も私もまだあの時の姿でここにいる。
誰にも邪魔されないこの空間で
あなたと二人で
ずっと
永遠に

彼女が聞いたら笑ってたかな
それとも悲しんだかな
もう分からないけど
私は今でも彼女を愛してる




可愛い寝顔に接吻をして、私も眠りにつく彼女と会うために
[END]
最終更新:2008年08月22日 12:28