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485 :リッサ:6I9RMany :2007/07/27(金) 03:25:17 ID:E9zzpRL6
マリオネッテの憂鬱①
「おはようございます、お姉様…」僕は今日も最愛の妹である晃(あきら)の可愛らしい声で目を覚ました、寝室の端、窓のカーテン
を押し開く彼女はこぼれるような冬の朝日を全身に浴びる…晃のその美しいウェービーな栗色の頭髪と、ピンク色のネグリジェは…
今日もまた血がべっとりとついていた…。
 僕はベッドから起き上がってスリッパを履くと、精一杯の笑顔で彼女に尋ねた。 
「今日は誰を食べたの?」「メイドの牧野さんですわ…あの方、未だ日は浅いですけど…お姉さまの…洗濯用の…下着の匂いを…」
ビリビリィィィィ!!!!晃は巻き取ったカーテンを爪で一気に引き裂くと、肩をわなわなと震わせた。僕はそれにいたたまれなくなって     …思わず彼女の肩をつかむと…その華奢な体をそっと抱き寄せた…彼女の体は…とても硬くて冷たい。
 「ん…ちゅ…」何かを悟ったように彼女は僕に唇を重ねた、僕は彼女の腰に手を回す、彼女はそのつぶらな瞳を閉じると…僕の口腔
内部に舌を侵入させた…くちゅ…くちゅ…と、唾液の混ざり合ういやらしい音が僕の…そして彼女の口の中に響く。彼女の口腔は…
生臭い肉の味がした。
 「…ぷはぁ…安心してよ晃…僕にはもう…君しかいないんだから・・・」
 「…でもぉ…ぐず・・・私…おねえさまがぁ…ひぐ…誰かに汚されたかと思ったらぁ・・・」
 晃は駄々っ子のように、精気のない顔で大粒の涙を零しながら嗚咽した、もういてもたってもいられなくなった僕は…一気に晃を床
に押し倒した、晃はなすがまま…といった感じに僕に服を脱がされる。
 …経過は順調みたいだね…嬉しいよ晃…
  僕はそんな彼女を見て、くすりと笑った。
 
 -事後、つかれきった彼女をベッドに寝かしつけると僕は一人台所に向かった、もちろん食事のためじゃあない。彼女のしたこと
の後始末があるからだ…。
 台所のいすには革ベルトで縛り付けられたメイドの牧野さんの…無残な姿があった。昨日までの美しかったその顔はゆがみ
 つめはすべて剥がれ、目は潰れ、三つ編みの頭部は…まるで詰め物をするためのトマトのように、綺麗に切り開かれて・・・
脳みそは綺麗に繰りぬかれていた。
 「血って家庭用洗剤で落ちるんだった…かなあ?」
 僕は牧野さんを固定する革ベルトを外すと、彼女の糞尿と血液のにおいに鼻をつまみながら、死体を処理することにした。
  拍手を打つような体制で深呼吸をすると、合わせた手を一気に離す、するとそこに黒い例えるならブラックホールのようなもの
 …が現れる。
 ヒュウウウウウ…そんな音を立てながら、牧野さんの死体は一気に穴に飲み込まれた。
 「あと一人、か…」
 僕はそう呟いて、薄く笑った…そりゃあもうなれたさ、一月もこんなことを繰り返してればね…ははは、ははははは…。
 自分のいかれた思考に狂いそうになりながらも、僕は必死にそれを堪えた。
 ここで狂ったら…晃を…人間に戻すことができなくなる…狂うな、狂うな…あんな冷たい体じゃあない、生身の晃ともう一度… 
僕を大好きな晃ともう一度交わるんだろ?…そう必死に言い聞かせる。
 あの日…僕が晃を殺して、そして彼女が生まれた日から、もう一月がたとうとしていた。



486 :リッサ:6I9RMany :2007/07/27(金) 03:29:24 ID:E9zzpRL6
マリオネッテの憂鬱②
 
 そもそも僕は恋ってものを知ったあの日から二歳年下の妹…晃のことが好きだった、特に理由なんてなかった。
でも本気で彼女を愛していたんだ…彼女の手を握ってどぎまぎした、だんだん女らしく成長していく彼女の体を見て欲情した
何度となくその手の感触を思い出して自慰もした…とにかく僕は男の人と変わらないくらいに彼女を愛していたんだ…でも、
でも一月前のあの日、僕は彼女こと実妹である久住 晃のことを殺した、理由は些細な誤解からだった…だって誰だって思うだろう
衆目美麗で繊細な妹が…自分の家に男を連れ込もうとしたんだから…自分の気持ちを言えば破局する、でもこの気持ちを抑えて
…汚らしい男なんかに彼女を渡すくらいなら…もう殺すしかないッテ…。
「あ、お姉ちゃん…?どうしたの、そんな怖い顔して…!!」
 ざく!!…と、まるでキャベツでも切るかのように、応接間に飾ってあったマチェットは、綺麗に晃の胴体を貫いた、もちろん妹に
だって手は抜かない、そのまま刃に回転を加えて致命傷を与える。
「か・・・は・・・!!」
 ぽたぽたと血をたらし、腹部を押さえて倒れこんだ晃、僕はそれを見ていやらしい笑みを浮かべると…晃の服を脱がし始めた。
 「あ…いやあ…」 「晃の肌って真っ白だね…ふふふ…あははははははは・・・」
 もう僕に自分の感情は制御できなかった、晃の服を引きちぎって、僕は死に掛けの彼女の血の暖かさ…体温を感じながら、彼女
と交わった…晃は驚いたことに…いや、嬉しいことに処女だった。僕は嬉々として彼女の秘裂を広げ、ディルドでその幕を破った。
 「ハハハはは…」「ひゅう…ひゅうぅ…」
彼女の処女を、そして命を奪った僕は最後の灯火といわんばかりに息をあらげる晃にこういったんだ…多分そのとき僕は…
 泣いていた気がした。
 「あははははは…どうしてだろうね!僕はこんなに晃が好きなのに!君は好きになってくれなかった!でも僕はもういい
!ここで君と死ぬ!そうすればもう僕は誰にも目はくれない!君が死んでも大丈夫だ!あははははは…」
 「…すう…私みたいな子でもそんなにいいの…嬉しいなあ…えへへ…」「…へ…」
 「…私も大好きだったよ…お姉ちゃん…」「へ…?あ!ああああああああああああ!!!ひ!ああああああ!!!!」
 そういうと妹は大きく息を吸って…事切れた、僕は狂ったように叫んだ…。


487 :リッサ:6I9RMany :2007/07/27(金) 03:30:27 ID:E9zzpRL6
マリオネッテの憂鬱③

幸いというべきか、僕の家は結構な財閥で力もあったため、妹の死は交通事故として葬られ、僕は失踪扱いになり、
以後は屋敷に軟禁された…いや、そうすることを望んだ…
僕は屋敷の軟禁場所である晃の部屋で晃の生活品に囲まれて…日々後悔と狂気に見舞われる日々を送っていた。
 彼女の言っていたことも嘘ではなかった、机の中にあった晃の日記には毎日のように僕のことが書いてあった、晃
も僕と同じく…日々悩んでいたのだ、姉をである僕を好きになったことで…。
 最初から気持ちは一つだったのだ、でも僕は彼女を信用できなかった、だから殺した。 
 彼女は僕を信じていた、だからこそ日々の日記には僕がどうしたとかが事細かに書かれていたが、誰かに嫉妬した
様子は一切なかったし、わざわざ付き合いの薄い男子…時坂歩というらしい…にそのことを涙ながらに相談して、あの
日僕に告白することを決めていたらしい…全部馬鹿だったのだ、僕一人が…。
 神様、悪魔様、僕は何でもします、命も心もいりません。だからどうか晃を生き返らせてください…僕は日々そう願った
そしてあの日…あの男が僕の前に現れたのだ。
「始めまして、僕の名は…まあいいや、悪魔みたいなものです」「…はあ…」
 シルクハットにタキシード姿の黒髪の男、彼は今まで現れたどの幻覚よりもしっかりした声でそうささやいた。
彼は青い瞳を輝かせて笑顔でこういった。
 「妹さんを生き返らせて上げましょう、でも条件があります」「お…お願いします!魂でも何でもあげますから!どうかあの子を」
 それを聞いた男は笑顔で僕の手を握ってこう言った。
 妹さんの死体を使って人形を作りなさい、人形が十人の人を食らったとき、妹さんは下の肉体を手に入れる、死体の処理は
 手を合わせて…魔王の口に食べてもらうといいでしょう。
 そういうと笑顔で消えていった、男の霧散した後には、大きな…ちょうど晃ほどの大きさの稼動人形の入ったケースが残って
いた。
 後は簡単だった、夜に屋敷を抜け出した僕は館の裏手の墓地から土葬されている晃の死体を掘り返し、屋敷の地下室に篭って
製作に取り掛かった…お父様の趣味でそろえられた機材で、冬の寒さで奇跡的に痛まなかった晃の皮をはぎ、髪を抜き取って内
臓を取り出して…口を呼び出す方法で内臓を始末して・・・張子の要領で人形に皮をかぶせて、彼女の人形を作ったのだ。
 誰もが僕を狂っているとののしった、でも僕は狂ってなんかいなかった…だって、服を着せた晃は…いや、彼女は動き出したんだ
 から…。
 「お久しぶり、会いたかったですわ、お姉さま…」「うん、僕もだよ…」
 そういって、彼女の冷たい唇に、僕はキスをした。
 それからだった、彼女が…僕に気があるらしい人間を拉致しては、拷問に掛けて、その脳味噌を食べ始めたのは…。
 彼女は信じられないほどに、残酷な嫉妬心を見せて彼…もしくは彼女たちを殺し始めた…彼女の最初の犠牲者は…
生前、大好きといって抱きしめていた、両親だった…。
 「ねえ…お姉さま」「…?」「ずうっといっしょにいてね…」「うん…」
 日が暮れて、夜。彼女との事後、彼女はそういって僕を抱きしめた。
 …そうだよ、僕が望んでいたのはこれなんだ。あとはそう、彼女が人間の体に戻ればいいんだ…もう、ほかに望むことはない
この幸福があり地獄みたいに真ッさかさまに崩壊していくものだとしても構わない…ずうっといっしょなら。
 もう、この時間は長く続かない。本能的にそう感じながらも僕は彼女の体をむさぼった…あとは明日、最後の犠牲者である
時坂 歩…そう、二人が愛し合う事実を知っているたった一人の人物を殺せばすべてが終わるのだ。
 …何が終わるんだ?そもそも終わったら一体何が始まるんだ?何が…一体…。
 意識が遠のいていく、明日もまた、彼女と幸せに暮らせますように…。



488 :リッサ:6I9RMany :2007/07/27(金) 03:31:16 ID:E9zzpRL6
マリオネッテの憂鬱④
「う…うううう…」
 僕は地面に転び、むなしく唸っていた、その足は折れ、這おうにも腕は二の腕から消滅し、逃げ出すことすら間々ならない。
 「月乃…もういい、頼むからやめてくれ」
 男…時坂歩は手にもったショットガンをおろすと、僕の腕を食った本人である 月乃 鞠に懇願した。
 「…わかった」
 何が何なのか、さっぱり分からなかった、この男を誘い出して、彼女が襲いかかろうとした瞬間…月乃とかいう女が現れて
…私の魔王の口よりも大きな口で…私をかばおうとした彼女を…晃と、わたしのうでを…いやだ、いやだいやだいやだ!!!!。
 「う!うあああああああ!!!!かえせ!あきらをかえせ!ぼくのあきらあきらあきらうあああああああ!!!!!」
「…あの子は晃ちゃんじゃない、あなたの思い出と、人の思い出を記憶から直接食らって変化したエス…つまり貴方にとって」
「…都合のいい存在だった、でも…でもそれでもよかったんだ!!!だって!もう信じられない!だからみんな無くなって!全て
全て壊して終わればよかった!ぼくなんか晃はよみがえっても絶対に信じない!だから!だから!!!うああああ!!!」
もう僕の思考はグチャグャダッタ…アレハ…ボクガノゾンダソンザイデ…彼女は偽者…デモ…デモ。
 「…あなたは悪魔にだまされた、そして彼らの手助けをした…妹さんを信じられないから…でも彼女を忘れられないゆがみ
があるから…貴方は付け入られて魔王の口を手に入れた…」
 「…ならあなたはどうなの?貴方も口を持ってるじゃない!どうせ偉そうに言っていても…きっといつか貴方も彼を殺して…
あはははは!そうよそうよ!きっと貴方は!私と同じ!同じ!あはははははは!!!」 
彼女は狂ったように笑い声を上げると…力尽きたようにぐったりと倒れこんだ、両手を失なったのが原因か、出血多量といったところだろうか…。
 「晃…」
 最後の彼女は、まるで意識が正常に戻ったかのように、透き通った声でそういって事切れた。

 …私が、そのうち歩を信じられなくなって殺しちゃう…そう言われた月乃は呆然としていた、彼女のいっていることはあながち
間違ってはいない。全てを飲み込む魔王の口の能力を持ったものは…その力をどう使おうが、いつか人を信用できなくなって
死んでいく…なら、私は…。
 歩は落ち込む月乃の肩を抱いた、そして彼女の体を手でぽん、と叩く。
 月乃は、歩むの腕を抱き返すと、大声を上げて泣いた。
 彼女のようになるのが怖かった、でも、今は歩を信じたかった。
 そんなあの冬の出来事より少し前の、そんなお話               FIN