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512 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2007/08/30(木) 20:56:05 ID:kuWYdk1n
 
 キ道戦士ヤンダム~洋を疾る(うみをかける)
 
 「うあああああああ!!!」「きゃああああああああ!!!」
 すさまじい衝撃が慶介と沙紀を襲った、ヤンダムの装甲です
ら破壊するミサイル攻撃は、一気にその装甲を引っぺがした。
 「くそお…どうすれば…」
 「大丈夫、貴方は私が守るから、邪魔なのはその女だけ」
 スピーカーと、沙紀の声が同時に響く…俺が…俺が悪いんだ…
慶介は心の中で自分を責めた、こんな悲劇が起きたのはそも
そも全部自分がふがいないからだ、と…。
 「だから待っていてね…慶介…」「すぐに終わるからね…お兄ちゃん」
 ヤンダムのコクピットのふたを開くと、沙紀はサブマシンガンを片手に
外に出た。その先には同じくマシンガンを抱えてロボットから飛び降りた
七海の姿があった。
 「やめろおおおおおおおおおお!!!!」
 バババババババババ!!!波音にまぎれて銃声が響き渡った。
 
 …数ヵ月後、海中戦争は圧倒的な極東アジア軍の勝利で幕を閉じた
…しかし人々の心には大きな傷が残ったままだった。
 「う…あうう…」
 足を負傷した慶介は病院の庭で涎をたらしながら呻いていた…慶介は
戦争での成果を称えられ、勲章も山ほど貰えたが、終戦と同時に彼の心
は壊れてしまっていた…無理もない、愛してやまなかった恋人と妹が殺
しあった上に相打ちするまでを、自分は見ていることしか出来なかった
のだ…心だって壊れもする。
 そんな慶介の車椅子を弾く女性がいた、落ち着いた雰囲気の温厚そう
な女性だ、彼女は慶介の涎を拭くと、慶介に耳打ちした。
 「ねえ慶介、いいことを教えてあげようか…実はね、七海にヤンダム
を進めたのは…お母さんなんだよ」
 慶介の顔がびくリと動く…彼女の名前は南蒔絵…慶介の実の母親にし
て…敵軍の科学技術者だ。
 「あの子…おにいちゃんが悪い女に捕まってるなんて言ったらすぐに
飛んでいってね…うふふ、おかしいでしょ」
 「う…ああああああ!」
 「でももう安心して、あの戦争で私の作ったヤンダムのデータは取れた
わ…有益に使わせてもらったからね、沙紀ちゃんのデータも、七海のデータも…」
 そういうと蒔絵は手に持ったアンプルを慶介の前でちらつかせた。
 「これを打てば、慶介はもう私の事しか考えられなくなるわ…筋力増強とかの
要らない副作用も消し去れたし…うふふふ…怪我が直ったらたっぷり楽しみましょうね…」
 「うあああああああ…ああああ」
 慶介はいつまでも叫んでいた、蒔絵はそれを見ながら、笑顔で彼の車椅子を
押して…病院へ向かった。

FIN