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734 :少女の一生 [sage] :2007/09/12(水) 01:59:20 ID:NHfY/dVV
きょうわなおくんといっしょにおままごとおしました
なおくんがおとおさんでわたしがおかあさんでした
おだんごおたべたなおくんわおいしいおいしいといってくれました
でもとちゅうでなおくんわほかのおんなのこたちとすべりだいえいってしまいました
わたしわひとりでおうちにかえりました
なんだかとてもさみしいとおもいました


二年生になったら、なおくんは、そんなにわたしと、あそんでくれなくなりました。
なおくんは、いつもグランドで、みんなとサッカーをしています。
わたしは、はしるのがおそいから、一しょにすると、めいわくだから、とおくでみんなを見ています。
ちかくで、なおくんを、見れないのが、すこしさみしいけど、とてもたのしそうななおくんを見て、わたしも楽しくなりました。
なおくんは、たくさんゴールをいれたので、わたしはうれしくなりました。


今日はなおくんと一緒に夏休みの宿題をしました。わたしの宿題はもう終わっていたので、なおくんにみせてあげました。
なおくんにありがとうと言われると、わたしはとてもとてもうれしくなります。おなかの奥があったかくなります。
ドリルをやった後、一緒にアイスを食べました。あたりが出たのでなおくんにあげたら、またありがとうといってくれました。
明日はなおくんと一緒に宿題の自由研究をします。明日のことを考えるとわたしのおなかがぽかぽかして、なかなか眠れなくなってしまいました。


最近のなおくんは、女子のわたしとはあまり遊んでくれなくなりました。
なおくんはいつも男子たちと一緒にいて、わたしがいくとはずかしいといって仲間はずれにしてしまいます。
でも、ときどきなおくんはわたしを家に呼んでくれるのでさみしくありません。
わたしたちは一緒にゲームをしたり、まんがを読んだりします。なおくんが一人用のゲームをしている姿を見るだけでも、とても楽しいです。
だけど、この前、ベッドの下にあったぼろぼろのまんがを見てたら真っ赤な顔をしたなおくんに怒られてしまいました。
あのまんがはいったいなんだったのでしょうか。
裸の人たちが絡み合ってて、よくわからないせりふがいっぱいあるから、多分なおくんの本棚にあった『バキ』というまんがと同じやつなんだと思います。





735 :少女の一生 [sage] :2007/09/12(水) 02:01:00 ID:NHfY/dVV
最近、なおくんたちの間ではカードゲームがはやっています。男子たちと公園に集まって、勝負や交換をしているみたいです。
勉強もスポーツも得意ななおくんですが、このゲームはあまり強くないようです。
なおくんが言うには、『レアカード』というのを持っていないからだそうです。
『レアカード』を手に入れるには沢山のカードを買わなきゃいけなくて、なおくんのお小遣いでは足りないらしいです。
だからわたしはなおくんのために今月のお小遣いをはたいてカードを沢山買って、全部なおくんにプレゼントしました。
どうやら、わたしが買ったカードの中になおくんの欲しがっていた『レアカード』があったみたいです。
なおくんはとても嬉しそうな顔をして、わたしにお礼だと言って『ハイパーヨーヨー』というのをくれました。
遊び方がよくわからないけど、なおくんからのプレゼントだと思うとしあわせな気持ちになります。
この『ハイパーヨーヨー』は、わたしの宝物になりました。


わたしとなおくんは中学生になり、一緒に遊ぶとことがほとんど無くなってしまいました。だけれど、初詣での願い事が叶ったのかわたしたちは同じクラスで、さらに席も隣同士になれたので寂しくありません。
授業中なおくんに問題を教えてあげたり、筆談したりして充実した毎日を過ごしています。
でも一つだけ心配事が出来ました。
勉強が出来てスポーツも上手くて歌って踊れるクラスの人気者のなおくんを、恋に憧れる思春期の女の子たちが放っておくはずありません。
先週、三組の和田さんがなおくんに告白したらしいのです。なおくんは断ったと聞きましたが、それでも不安になります。
もしなおくんに彼女ができたら、わたしはいったいどうなるのかと考えると胸がむかむかします。
最近はわたしのまわりの女子どもでさえ、なおくんの趣味は何だとか、好きな食べ物は何だとか探りを入れてくるのです。
もちろんわたしはなおくんに迷惑がかからないよう、プライバシー保護のためデタラメなことを教えますが。





736 :少女の一生 [sage] :2007/09/12(水) 02:02:47 ID:NHfY/dVV
ある日、茶髪の三年生がわたしをトイレに呼び出しました。
大きな音を立てて教室の机を蹴り上げ、ちょっと顔を貸しなさいと怒鳴りつけてきたのです。
わたしはもともと明るい性格では無く、クラスでも目立たない存在です。
なので、まさか上級生に目をつけられるとは思っていませんでした。
この類の呼び出しは明るくて目立つ人間を『チョーシ乗ってるヤツ』だと言いがかりを付けて行うものだと考えていました。
どうしてわたしなんかがと思いましたが、その疑問は彼女の言葉で氷解します。
どうやらこの茶髪の三年生は無謀にもなおくんに告白して玉砕した有象無象の一人らしいです。
そして、自分が断られたのはわたしがなおくんと付き合っているからだと思い込んでこの凶行に走ったみたいです。
もちろんというか残念なことに彼女の言いがかりは全くの事実無根で、わたしはなおくんと付き合っていません。
でも、わたしとなおくんの関係はそう誤解されてもおかしくないのだと考えたら場違いにも頬が緩んでしまいました。
恐ろしいやら嬉しいやらで混乱しているわたしにしびれを切らしたのか、三年生はモップを振りかぶり、二度と見られない面にしてやると叫びます。
わたしはぎゅっと身を縮め、衝撃に備えました。
ですが、襲ってくるであろう痛みは感じません。なんと、なおくんがわたしを庇って立っていたのです。
『間違えて女子便入ったら殴られちまった』と、頬の腫れの理由を笑いながらクラスの皆に話すなおくんをみて、胸がいっぱいになり、わたしのおへその下のあたりがあったかくなりました。





737 :少女の一生 [sage] :2007/09/12(水) 02:04:31 ID:NHfY/dVV
今日からわたしも高校生です。
もちろんなおくんと一緒の高校ですが、中学生のときとは異なり、違うクラスになってしまいました。
これからは、自然となおくんとの関係が疎遠になっていくでしょう。
わたしの中学校でのなおくんの接点は、たまたま同じクラスにいる幼な馴染みで、他の人間よりか気安いため話す機会が多いといった程度なのですから。
結局のところ、わたしはなおくんの幼馴染でしかないのです。中学校生活を通して友達以上恋人未満という、あやふやな関係のままで何ら進展もなく過ごしてしまったのです。
けれど、わたしはなおくんが好きです。大好きです。愛してます。
同年代の連中の『好き』だというメディアで乱造され叩き売られている薄っぺらな感情ではなく、文字通り『愛して』いるのです。
わたしのこの気持ちは決して憧れや惰性などではありません。
シェイクスピアのジュリエットのように一目惚れなんていう運命論者的な結晶作用でもありません。
わたしはなおくんのためならなんだって出来ます。
なおくんに身体を求められるなら喜んで差し出しますし、死ねと言うのならすぐにでも首を吊って差し上げます。
なおくんの幸福のためなら、なんだってしてあげたいのです。
たとえなおくんが他の女性を愛そうと、それがなおくんにとっての幸せならば、自らの浅ましい恋心をねじ伏せてでも彼に尽くさねばなりません。
それこそがわたしのしあわせなのです。


なおくんにカノジョが出来ました。わたしは祝福してあげなければいけません。それがなおくんを愛するわたしの義務なのです。
なおくんが告白し、了承の返事を返しやがった女は彼と同じクラスの浅井順子さん。
わたし以上の成績、わたし以上の美しさ、わたし以上の社交性をもっている彼女は、なおくんと結ばれるべくして結ばれた女性と言っても過言ではないでしょう。
そうです。なおくんはわたしなんかより、浅井さんと一緒になったほうが幸せなのです。
だから、わたしは彼女に嫉妬してはいけないのです。
どんなに苦しくてもどんなに悲しくても、なおくんの幸福だけを願っていなくてはいけないのです。
なおくんを祝福しなくちゃいけないんです。
おめでとう、なおくん。





738 :少女の一生 [sage] :2007/09/12(水) 02:05:54 ID:NHfY/dVV
くるしいです。かなしいです。だけどわたしは耐えなきゃいけません。
なおくんがしあわせになるためには、わたしはなんでも我慢すると誓ったのですから。
嫉妬なんかしちゃ、なおくんが不快になってしまいます。
わたしは、なおくんが笑っていてくれれば、しあわせなのです。


もう嫌です。もう無理です。
なおくんが嬉しそうにあの女のことを話すたびに、怒りと妬みは胸の内から氾濫してしまいそうになります。
なおくんは残酷です。なおくんはいけない人です。なおくんは優しいです。なおくんが大好きです。
どうしてわたしと一緒にいるときに、浅井の話なんかするんですか。
どうしてわたしの気持ちに気付いてくれないんですか。
あなたの恋人という席には既にあの女が居座っているのに、どうしてわたしに希望を持たせる言葉を言うのですか。
あなたの『好き』という言葉と、わたしの『好き』という言葉の意味は違うのですよ。
なおくん、あなたはそれほどわたしを苦しめたいのですか。
なおくんは、ひどい人です。


なおくんが、結婚することになりました。
お相手、その羨ましく妬ましい女の名は浅井順子。
一週間後には佐伯順子という名になるでしょう。
わたしにもなおくんから式の招待状が届きました。それ以前に直接なおくんから話は聞いていたので、さして驚くことでもありません。
式の際に笑顔でいられるように、今から練習しておきましょう。


涙が止まりません。悲しみを抑えられません。声は上ずったままです。
なおくんがわたしに微笑みます。わたしがうれし泣きしていると誤解して感動しています。
この時だけ、わたしはなおくんを憎んでしまいました。
順子が投げたブーケが、わたしの手の平に落ちます。幸福そうに微笑む順子の口元は、『いい加減あきらめろ』と嘲笑っているように見えました。


なおくんがしあわせなら、わたしはしあわせなんです。
なおくんの相手がわたしじゃなくても、なおくんがしあわせでいてくれれば、わたしは世界一しあわせな女でいられる。
なおくんがほほえんでくれるなら、わたしはなにもいりません。





739 :少女の一生 [sage] :2007/09/12(水) 02:07:14 ID:NHfY/dVV
なおくんの子供が生まれました。とってもかわいい女の子です。
忌々しいことに、目元は順子に似てしまいました。でも、口元はわたしそっくりなので、すこしだけ嬉しくなりました。
おっぱいをあげる順子はとてもしあわせそうだから、わたしもおっぱいが出せるようになりたいなとおもいました。
もちろん、お相手はなおくんですけれどね。


なおくんの娘さんに、妹が出来ました。順子にはあまり似ていない、わたし似の女の子です。
残念ながらわたしはおっぱいが出ないので、順子がおっぱいをあげてます。
かわいいかわいい赤ちゃん。なおくんもとても嬉しそうで、退院したばかりの順子と子供達をつれて、実家に帰ってしましました。
なおくんは家政婦のわたしを置いてきぼりにしちゃいましたが、わたしの愛は揺らぎません。


今日は、今まで生きてきた中で一番しあわせな日でした。
なんと、なおくんがわたしを抱いてくれたのです。
三十四年間護り続けた純潔をなおくんにささげ、とうとうわたしは女になったのです。
下腹部の痛みと異物感は、今まで思い描いていたような夢想では決してありえません。
紛れも無い実体を伴って乱れたシーツに横たわるわたしにその名残を実感させてくれました。
その経緯とは、お酒で酔いつぶれたなおくんわたしにのしかかり、そのまま事に至ったという次第です。
まあ、なおくんが最中に順子の名を叫んでいたのが少々ムカつきましたが。
この既成事実は、ヨーヨーと中学の時の事件に続く、三番目のなおくんからの贈り物です。
このしあわせは、わたしの思い出の中だけに留めておきましょう。
なおくんに純潔を奪われたという事実のおかげで、あと百年は戦えるくらいのエネルギーを補給できましたからね。
なおくんのお情けをいただけたわたしは、とてもしあわせものです。





740 :少女の一生 [sage] :2007/09/12(水) 02:09:30 ID:NHfY/dVV
愛してます、なおくん。
なおくんの娘さんで、長女の理沙子さまがご結婚されることになりました。
お相手は彼女の幼馴染の男性です。
わたしの望みだったことを娘さんが達成した事実を嬉しいと思う反面、妬ましくも思えます。
本来なら、わたしは彼女と同じように幼馴染のなおくんと結ばれていたはずなのですから。
おっと、いけませんね。わたしと理沙子さまの境遇を重ね合わせるなんて。
今だけは、素直に彼女を祝福してあげましょう。
ただ、妹の恵美子さまのことが気がかりです。
恵美子さまは、理沙子さまの結婚について随分思いつめていらっしゃいます。
もしかしたら、わたしとおなじで……いけません、このような世迷いごとは、愛する人に想いを告げる勇気も無かった女に言う資格は無いでしょうから。


子供の頃、なおくんに頂いたヨーヨーを握り締めます。
なんだかんだいっても、わたしになおくんとの絆はこれしか残らなかったのだと実感します。
とてもやるせない気持ちになりました。
なおくんも、順子さんももうこの世界にはいません。
結局、二人にとって邪魔者であるわたしだけが無駄に長生きしてしまったのは運命の皮肉としか言い様がありませんね。
病室のわたしのベッドの周りには、ついこの間お婆さんになったばかりの恵美子さまと、先日に息子さんが結婚した理沙子さまがおられます。
わたしは彼女たちの乳母のようなものなのでしょうが、身内の居ないわたしに良くしてくれたことは感謝してもし切れません。
二人は涙を流し、わたしの死を嘆き悲しんでくれています。
死を目前にした老嬢のわがままとして、わたしは二人に理不尽とも言える要求をしました。
わたしの遺骨を、なおくんと同じお墓にいれてください、と。
二人は何も言わずに頷きました。どうやら、以前からわたしの想いに気が付いておられたようです。
もしかして、本当はなおくんもこの想いを知っていたのかしらん想像します。
だったら、なおくんはとても残酷な人です。
わたしの想いを知っていながら無視するなんて、よっぽどのサディストじゃなきゃできませんから。
というか、昔からなおくんはいじわるでしたね。
わたしに虫をけしかけていぢめたり、宿題の手伝いをさせたり、えっちしたときなんか、無理矢理だったじゃないですか。





741 :少女の一生 [sage] :2007/09/12(水) 02:10:45 ID:NHfY/dVV


――ほんと、なおくんはひどい人です。
せっかく嫌いになろうとがんばってるのに、こうやって、いっつも直前にわたしのまえに現れるんですから。
さ、なおくん。ちゃんと手を握ってくださいよ。今度こそ、離さないでくださいね。
わたしたちは幼馴染なんですから、しっかりと結ばれなきゃいけないんですよ。
どこへ行ったって、ずぅっと一緒に居なきゃ駄目なんですからね。



だいすきです、なおくん――