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53 :(仮称)まなみ [sage] :2007/09/18(火) 02:39:38 ID:dBF1t/59
 相川まなみには最近気になる男性(ひと)がいる。
 麻枝春彦。この夏限定のヘルプとして本店から派遣された同僚。

 まなみの働くファミレスは小さな港町にある。大都市間を結ぶ国道沿いにあるので
儲けはそれなりだが、基本的に店は閑散としている。そのため、海水浴客でにぎわう
夏以外はたった4人の従業員しかいない。
 そして夏。今年も恒例の本店よりヘルプ従業員がやってきた。今年のヘルプは非常
に珍しい男性従業員。現在チェーン店全体でも3人、一人は本社づとめなので実質2人
しかいない貴重品である。
 まなみたちの店への派遣は通常「島流し」と呼ばれ、全店舗からくじ引きで決めら
れる。ところが今回来た春彦は自ら志願してきたというのだ。気にならないはずがない。

 「お・に・い、さんっ♪」
 まなみは倉庫で在庫チェックをしていた春彦に声をかけた。
 「まなみちゃん、なにかな?」
 「おにいさんは、どうしてここに来たんですか?」
 春彦がここに来て1週間。まなみは幾度となく春彦へぶつけてきた質問を繰り返す。
 春彦の答えはいつもは愛想笑いをするか、「そんな気分だった」というだけだった。
しかしこの日は違った。
 「まなみちゃん、そんなに気になる?」
 「気になりますっ!」
 まなみは即答する。
 「だって、おにいさんのこと、来たときからずっと気にかけてたんですよ?!店に来て
からずっと、お客さん相手の作り笑い以外にお兄さんの笑った顔見たことないし・・・」
 「そう言ってくれると、うれしいな・・・」
 そういうと春彦は笑みを浮かべた。今までまなみに向けてきた愛想笑いとは違う、
心の底からといった風な笑いだった。
 「実はね」
 春彦は真顔になってまなみに語りかける。
 「俺・・・失恋したんだ」
 「・・・!」
 まなみは口に手をやって驚いたしぐさをした。自分は触れてはいけない何かに触って
しまったのではないか。
「ご、ごめんなさい!」
 謝るまなみ。春彦はまなみの頭に手をやってなでなでしてやる。
 「いいよ。事実なんだし」
 一度話を切り、手を下ろすと春彦は話を続ける。
 「本店ではね、幼馴染の女の子といっしょに働いてたんだ」
 「幼馴染?」
 「近所に住んでた子でね。小学生以来の付き合いさ・・・付き合い『だった』か」
 そういうと春彦はため息を一度ついた。
 「つまんないことで喧嘩しちまってね。それから口を利いてくれなくなって」
 「えぇ・・・」
 「こっちも頭にきて、つい応募しちまったんだ、島流しに・・・あ!」
 そこまで言って春彦は自分が失言をしてしまったことに気がつく。まなみは地元採用の
女の子なのだ。
 「ご、ごめん!!」
 「いいですよ、これでおあいこですね、おにいさん♪」
 まなみは笑みを浮かべると今度はまなみが春彦をなでなでする。
 「あ、うん、ええと・・・そのあとね。さや・・・ああ、あいつの名前なんだけど、
俺が応募したのを見て、『よかったね♪』ていいやがって。見送りには来てくれたけど、
俺が電車に乗るとにっこり笑って手を振ってやがった・・・」
 


54 :(仮称)まなみ ◆ph4kVdXQrE [sage] :2007/09/18(火) 02:41:08 ID:dBF1t/59
「ひどいです!」
 まなみは声を荒げて言った。
 「いくらなんでも、お兄さんがかわいそうすぎます!」
 「ありがとう」
 春彦はもう一度まなみに向かって微笑んだ。
 「よーし、今日はおにいさんにまなみがおごっちゃいます!・・・といってもこの店で
ですけどね」
 「おいおい、無茶しなくてもいいよ・・・」
 「いーや!まなみもなんかむかついてきました!今日はおにいさんもまなみも早番です
から、晩ご飯いっしょに食べましょう!」
 「おーい、まなみさーん・・・」
 「い・い・で・す・ね?!」
 人差し指を立てて春彦に詰め寄るまなみ。
 「は、はひ・・・」
 「では!おしごとがんばりましょー!」
 そう言うとまなみは倉庫を出て行った。
 「まなみちゃん、か・・・」
 春彦は一人残った倉庫の中でつぶやいた。
 「すごい勢いの子だな・・・」

 「え、ええと・・・、まなみさん?」
 「はい?」
 仕事が終わり、春彦とまなみは職場のファミレスに客として来ていた。
 「その・・・えっと・・・頼みすぎじゃない?」
 二人の座ったテーブルの上に料理が並んでいた。それだけならごく普通の光景。しかし、
その数が尋常ではなかった。
 プレーン、チーズ、おろし。ロコ・モコ、照り焼き、包み焼き。キノコソース、カレー、
鉄板焼き。店においてあるハンバーグが全種類机の上に存在していた。
 二人のテーブルを歩く人が見ては引きつったような笑みを浮かべて通り過ぎていく。
 「いつもコレぐらい頼んじゃうんです♪あ、お金は大丈夫ですよ?」
 「いや、そういう問題じゃなくて・・・あの・・・残すのはもったいな・・・」
 「コレぐらい普通頼みませんか?」
 「しないしない!!」
 ていうか全部食う気かよ。春彦はまなみの発言が正気とは思えなかった。まなみの身長は
150CMもなく、どう考えてもその体の中にこれらのものが入るとは思えな・・・
 「んぐんぐ・・・やっぱり仕事した後はおなかすきますね。おにいさん食べないんですか?」
 「・・・!」
 気がついたらもうプレーンとおろしハンバーグが皿から姿を消しており、まなみは3つ目の
照り焼きに取り掛かるところだった。
 「やっぱりまなみはハンバーグが一番好きだな♪お兄さんは何が好きですか?」
 「あ、ああ・・・俺はから揚げかな・・・」
 春彦が頼んだのは骨付きから揚げ定食というものだった。まぁ、中身は読んで字の如し。
 「あ~おいしそうですね~♪いただきっ!」
 「あ、こら、まなみちゃん!!」
 まなみは3つ目を終えて4つ目のカレーに向けていた箸を春彦のから揚げに目標変更した。

 ぱくっ。もぐもぐもぐもぐ。ばりばりばりばり。 

 あっという間にから揚げは姿を消した。・・・あれ?春彦はなんか違和感を覚えたが
そのまま食事を続けることにした。



55 :(仮称)まなみ ◆ph4kVdXQrE [sage] :2007/09/18(火) 02:43:19 ID:dBF1t/59
「おにいさん♪」
 まなみは5つ目の鉄板焼きに手をかけようとしていた。
 「さっきのから揚げの件、ゴメンナサイ」
 「あ・・・うん、いいよ」
 「お・わ・び・に、まなみの鉄板焼きを半分、あげちゃいます♪」
 「あ・・・いいよ、そこまでしなくても」
 「いーや!あ・げ・ま・す!」
 顔こそ笑っていたがまなみのすごい剣幕に春彦もうなずく。
 「ではですね・・・おにいさん・・・目をつぶってくれますか?」
 「あ・・・うん」
 言われるままに目をつぶる春彦。・・・なんで目をつぶる必要があるんだろ?
 「次にぃ・・・口をあけてください。はい、あーん♪」
 「・・・あーん」
 口をあける春彦。あ、そうか。箸で口に入れてくれるんだ。春彦はそう思った。
 しかし次に来たのは予想の斜め上を行く事態だった。

 ぶちゅ。もごもごもごもご、ぐにぐにぐにぐに・・・。

 まなみは口移しでハンバーグを食べさせてきたのだ。しかし物は鉄板焼き。つまり。
 「あぢあぢあぢあぢあぢあぢあぢあぢ!!!!!」
 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!おにいさんゴメンナサイ!」
 口の中にハンバーグ半個分、それもアチアチを詰め込まれたのだ。
 「みづみづみづみづ!!」
 「はいっ!」
 ごきゅごきゅごきゅごきゅ。
 同僚に持ってきてもらった中ジョッキいっぱいの水を飲み干す春彦。
 「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・」
 「ごめんなさい、おにいさん!まなみ、ドジっ子だから・・・」
 そういう問題か?春彦はこの小さな同僚の頭の中を知りたかった。ていうか。
 「まなみちゃん、コレ熱くなかったの?」
 「まなみ、熱いの平気なんです。おうちがお肉屋さんだからかな?」
 「・・・ソレ関係あるの?」
 「余り物で焼肉したりとか。ほら、お肉って火を通さないと食べられないでしょう?」
 「いやそりゃそうなんだけど」
 そういってる間もまなみのフォークとナイフは止まらない。既に鉄板焼きは姿を消し、
6つめのチーズが既に半分になっていた。やがてチーズも姿を消し、包み焼きに手を
出そうとしたまなみだったが、少し考えて店員を呼ぶベルを押した。現れた店員に対し。
 「あ、ごめんなさい。骨付きから揚げのおかずだけ追加~!」
 「まだ食べるの?!」
 既に店中の客から注目の的である。正直、春彦はもう店を出たかった。

 骨付きから揚げが現れるころには最後のロコ・モコが姿を消そうとしていた。
「あ、早かったな~♪」
「は、ははははは・・・」
 もう乾いた笑い声しか出ない春彦。まなみはロコモコの丼を空にするとから揚げに
取り掛かった。

 ぱくっ。もぐもぐもぐもぐ。ばりばりばりばり。

 相変わらずものすごい勢いで消えていくから揚げに春彦は呆れるばかりであった。そして、
春彦は先ほど抱いた違和感の正体に気がつく。

 皿に、骨が、ないのだ。



56 :(仮称)まなみ ◆ph4kVdXQrE [sage] :2007/09/18(火) 02:44:21 ID:dBF1t/59
「ま、ま、ま、ま、まなみちゃん!!」
 「はい?」
 9個もあったから揚げを秒殺したまなみは紙ナプキンで口を拭いていた。その目の前にある
皿には何も残ってない。そう、何も。
 「まなみちゃん・・・鳥の骨は?」
 「普通食べちゃいませんか?」
 まなみがあっけらかんといった言葉に春彦は言葉を失った。
 「鳥の骨って歯ごたえあっておいしいんですよね♪」
 「・・・・・・そ、そう・・・なの?」
 「けどまなみは牛さんの骨のほうが好きかな?あの骨髄のゼラチンがすきなんですよ~♪」
 とても人類の発言と思えない言葉を口にするまなみ。
 「さっきも言ったんですけどぉ、まなみはおうちがお肉屋さんなんです。だから家の中に骨が
転がってて。暇なときカジカジしてたら食べられるようになったんですよ?」
 「あ・・・ああ・・・」
 「まなみ・・・変な子なのかな・・・?」
 ちょっとしょげ返るまなみ。
その姿を見て春彦は言おうとした『アンタ絶対前世ティラノザウルスだよ』という突っ込みを
飲み込んでしまった。
 「いいいいいいいい、いや!まなみちゃんはおかしくないよ!うん!普通の、かわいい、
女の子だよ!」
 「本当ですか!」
 先ほどの暗い顔から一転、満面の笑顔を浮かべるまなみ。
 「おにいさん、だいすきです!」
その後。店を出た二人は同じ方向に向かっていた。
「今日は夜だというのに暑いですね~。汗かいちゃう・・・」
「ねぇ・・・まなみちゃん?」
「はい?」
「俺・・・これから帰るんだけど、まなみちゃん家こっちだっけ?」
「えへへへへ・・・実は・・・」
まなみは両手の指を組んでもじもじする。
「おにいさんのぉ・・・お部屋をのぞいてみたくてぇ・・・」
「え゛っ!?俺の、部屋?!」
正直言って、部屋には入れたくなかった。男の一人部屋、部屋は荷物が片付いてないし
女の子には見せられないもの(主にエロ本)もある。
「いや・・・ほら、男の部屋って汚いしさ・・・」
「汚い部屋なんて気にしません!男の人の部屋なんですから、その・・・え・・・、えっちな本とか
あると思いますけど・・・まなみは気にしません!どんな本があってもおにいさんを軽蔑したり
しません!」
男にとってはそのほうがショックなのだがまなみの不退転の決意に引いてしまい春彦はまなみを部屋に入れることにした。て言うか断ってもそのまま上がりこんできそうだ。

「わー、これがおにいさんの部屋なんだ~」
「荷物、まだ片付いてないんだけどね」
春彦の部屋は4畳半の部屋にキッチンとトイレ兼用バスルームがあるだけだった。
たぶん荷物が入ってるのだろうダンボールは封もとかれずに部屋の片隅に5~6個積んで
ある。
「おにいさん、まなみ、汗かいちゃった。シャワー借りれますか?」
「汚いよ?」
「おにいさんが汚いはずありません!」
「・・・あ、ああ」
まなみの剣幕に押され春彦はまだ封を切られてなかったダンボールの箱をひとつ開け、
中からまだ使ってないバスタオルを取り出しまなみに放り投げた。




57 :(仮称)まなみ ◆ph4kVdXQrE [sage] :2007/09/18(火) 02:45:07 ID:dBF1t/59
「おろしたてだから綺麗だと思うよ」
「わぁ、ありがとうございます♪」
まなみはバスタオルを受け取ると大仰におじぎした。そしてまなみは服を脱ぎだす。
それを見て春彦はびっくりして後ろを向きテレビをつける。
衣擦れの音。扉を開ける音。閉める音。シャワーの水音。そしてまなみの鼻唄。
春彦はテレビを見ていたが、何の番組なのかすら全く頭に入ってなかった。振り向く寸前に
見た小さなブラ。パンティ。それらを思い出しエロティックな興奮状態だった。それと同時に、
『それは犯罪だろ!!』と心のどこかから突込みが入っていた。やがて。
「おにいさーん、でましたー」
「おーう・・・って、おわぁっ!!」
風呂から出てきたまなみの姿はバスタオルで体を隠しただけだった。
「ま、ま、ま、まなみちゃん!!」
「ん?どうしました?」
「かっこかっこかっこかっこ!!!!」
「え、あ、そっか!」
まなみは両手でひとつ拍手をうつ。
「だってぇ・・・あついんだもん・・・」
「だからって、まなみちゃん!」
さすがに怒った口調になる春彦。
「も、も、もし!おれ、俺がっ!へ、へ、変な気に、な、なったら、どうするんだ!!」
「へ・ん・な・き?」
まなみはじりじりとにじり寄ってくる。まなみに対し思わず後ずさりする春彦。
「お・に・い・さん?えーい!!」
まなみはいきなり眼前まで近づくと春彦をつきとばした。思わず万年床に転がる春彦。
「ま、まなみちゃん?!」
まなみはこれまでの女の子女の子した口調から一転、妖艶なそれに変わる。
「おにい、さん?」
まなみはそのまま春彦の上に四つんばいになる。片手を床に着き、春彦に向かい合う。
「まなみね、シャワー浴びてる間、ずっと、お兄さんのこと考えてたんだよ?」
まなみは手をついてないもうひとつの手で自分の体を覆っているバスタオルをはずした。
小さな、膨らみかけの胸。無毛の股間。恥丘は存在せずクレパスがそのまま姿を現していた。
そして股間から糸を引いた雫が。シャワーの拭き残りの水でも、汗でもない、雫。
「おにいさん・・・まなみを、いっぱい、いっぱい、食べていいんだよ?」

その後、まなみは春彦の部屋に入り浸り・・・を通り越し半同棲の状態になる。昼は一緒に働き、
夕方はまなみの健啖ぶりに驚愕し、夜はまなみを食らう。そんな生活が一週間ほど続いた。しかし
そんな甘い生活は突如終わりを告げる。

 ある日の夜、春彦にかかった電話。まなみのいる部屋を出て行き、廊下でひそひそと話す春彦。
部屋に帰ってきた春彦に告げたまなみの一言。

 「おにいさん・・・うそでしょ?いまの、電話、どこの、雌豚、からなの?」