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180 :溶けない雪 [sage] :2007/09/27(木) 17:37:24 ID:jbjk43y6
「どうして私じゃ駄目なの?ねぇ、何で?どうして?教えてよ・・・・・・・・」
今僕の前に一人の女性がいる
夕方の学校の屋上で、目の前の女性は泣いていた。
いや、僕が泣かしたと言った方がいいだろう。
普通なら男が女を泣かせば大概は男は世間的に最低野郎になるのが普通。
しかし、今の状況の場合では違う
確かに僕が彼女を泣かせたのは事実だろう。でも僕は仕方ないと思う。



彼女に告白され、そして振ったのだから

1
彼女と初めて会った時は僕こと坂田 健二がめでたく高校に入学し、一年間自らの教室になる部屋に足を踏み入れた時だった。
教室に足を踏み入れた時、一人の女子に目がいった
彼女は窓際の席に座っていた。
この教室に在籍している生徒は37人、そのうちの20人が女子という事になっている。
なので、別に教室に入った瞬間に女子に目がいったとしても別に女子の方が人数が多いから別によくある事だし、別段大した事もなしに直ぐに視線を外すのが普通だろう。

それがなんとなしに目が入っただけという理由ならば

教室に足を踏み入れた時には彼女を含めて、14、5人程が視界に入った。
だが、彼女はその14、5人の一人に過ぎないのに即座に彼女に目がいった。
何故そうなったのかは、頭が彼女に目がいったと認識してから分かった
白、なのだ
肌もそうだが、視界に入る人間の事を忘れさせる程の美しく、長くて白い髪、それが彼女に目がいった理由なのだ。
まるで雪で作られたかのような純粋なる白き髪
正直、こんな何のへんてつもない場所に居るのは場違いだと思ったりした
そんな彼女に目が行って見つめる事数秒、
「よう健二、お前も同じクラスだったんだな、
まぁなにはともあれ・・・・・って何で入り口でつったってんだ?」
そう言いながら一人の男子が僕に近づいてきた。
はっと我に帰り、その一年前からの友人である雲海 良平に返事をした
「いや、なんでもないよ。少しボーッとしちゃってさ、まぁまたよろしくたのむわ」
そう言いながら黒板に書いてある席順を見て、
自分の席にとりあえず鞄を置く事にした。
よく考えれば初めて見るような人をまじまじと見つめるのはどうかという事に気付いて、
少し自己嫌悪に陥ったりした。



181 :溶けない雪 [sage] :2007/09/27(木) 17:37:56 ID:jbjk43y6
さて、自分の席について2つ気付いた事がある。
まずは先ほど見つめてしまっていた女子が自分の席の左斜め上に座っている事、
そしてもう一つは、彼女の周りに人が居ないという事だった。
教室を見ると、入学したばかりという事もあり、皆は新しい友達作りに励んでいた。
いわばこの最初の友達作りをいかに上手くいくかによって、
これからの学校生活が左右されると言っても過言ではない。
そのため、
ほぼクラスの全員が教室のところどころに数人で集まって話ている。
だが彼女はその「ほぼ」に当てはまらなかった。
いや、彼女だけがと言うべきか
一人で何をするでもなく、
彼女は窓の方をどこか退屈そうに見ていた。
恐らく何もする事がないから空でも見てるのだろう。
改めて彼女を見ると髪だけじゃなく、
整った顔立ち、
落ち着いた雰囲気をもち、
瞳の色は、
白の髪に対して黒であった。
彼女について感想を言うなら恐らく100人中100人がこう言うだろう。
美人と、
彼女は美人だからこそ何で周りに誰も居ないのかが気になった。
こんなに美人なら普通は彼女から声を掛けなくても、
美人だねとでも言いながら声を掛けられるものだと思う。
でも、逆に美人すぎるからこそ声を掛けずらいというのもあるのかもしれない。
それでも彼女から声を掛ければ直ぐに打ち解けられる様に思える。


182 :溶けない雪 [sage] :2007/09/27(木) 17:38:43 ID:jbjk43y6
ここまで考えて、
はた、と気付いた、自分が声を掛ければいいじゃないかと。
別に友達になれないにしてもこんな美人と話して損をするなんて事はあり得ないだろう。
丁度これから黒板横で輪を作ってる雲海のところに向かうので、
ついでに声を掛けるのもいいだろう。
僕は席を立ち、窓の方に向いている彼女の後ろから
「綺麗な髪だな、こんなに綺麗な髪は初めて見たよ」
と、言ったが後悔した。
いきなり挨拶もなしに、
背後から声を掛けて驚かない方がおかしい。
何より自分に言われてると気付かないで、
こっちに振り向かなかったらかなり虚しいじゃないかと、
しかしそんな考えは杞憂に終わり、
彼女はややあっけに取られていたが、こちらを向いてくれた。
「そう、ありがとう
そんな事言われたのは初めてだよ」
ん?初めてだったのか・・・・・・・・・
案外皆言わないものなのかな?
「そうなの?あまりの美しさに見惚れた位だよ」
思い返すとかなり恥ずかしい台詞だ
「あなたは冗談が上手いんですね」
しかし幸いな事に彼女は笑いながら流してくれた。
正直ありがたい。
「君は女子の方に声を掛けないの?かなりお節介だと思うけどさ」
そう言うと彼女は一瞬視線を自分の足元にやったあと
「声掛けたいけたいんだけどさ、
私って髪の色が普通じゃないじゃない?
だから声掛けるのが正直な話恐いんだよね。
君みたいに掛けてくるならそういう心配しなくてもいいんだろうけどさ」
なるほど、確かにそうだろう。
僕の場合は幸いにも友人が居るため、
そんな心配はいらないだろう
しかし、もし友人が居なかったと仮定するなら、
彼女程ではないにしろ声を掛けるのが恐く感じただろう。
たとえそれが美点になるとしても、
他の人とは違うという点を持っている彼女はさらに恐くなったりするのだろう。
「大丈夫だよ。
今日なんかは皆心をオープンにして友人を作ってるからね。
声を掛ければ大丈夫だから自信を持てばいいよ」
「・・・・・・・・・うん、そうだね。
ありがとう、頑張って声掛けてみるよ」
少し悩みながらも彼女はそう答えた。
性格も悪いみたいじゃなさそうだし、
きっと直ぐに友達が出来るだろう。
「じゃあ、頑張ってね」
そのままの流れで友人のとこに向かおうとして、
「あのさ、名前を聞いていいかな?」
まさか女子に名前を聞かれる日がくるとは・・・・・・
「坂田 健二だよ、君の名前は?」
「私は水無月 雪梨」例え、この後、HRでの王道、
自己紹介で聞く事になるのだとしても、
こんなに綺麗な人と名前の交換が出来るなど、
充分幸先の良い始まりじゃないだろうか?